郵便局幹部2人が切手着服、5.4億円換金 別納を悪用

2019年10月31日 07時12分29秒 | 社会・文化・政治・経済

 東京都内にある2カ所の郵便局の幹部2人が、「料金別納」郵便の支払いで使われた切手をそれぞれ大量に持ち出し、金券ショップで計約5億4千万円に換金していたことが、関係者の話でわかった。本来は処分しなくてはならない切手を着服し、売り払っていた。日本郵政グループの「日本郵便」は昨年、2人を懲戒解雇としたが公表はしていなかった。

【写真】別納郵便の料金の支払いには、こうした切手シートが使われることが多かった

 悪用されたのは、個々の封筒やはがきに切手を貼る代わりに、料金相当額を現金や切手で一括して支払う料金別納の制度。社内規定では、別納の支払いで使われた切手は、窓口の郵便部で「使用済み」を示す消印を押したうえで、総務部で細断処分することになっていた。

 関係者によると、同時に大量に出すと料金が割引になる郵便物の支払いで、シート状になった切手が持ち込まれた場合、郵便部の担当者が「どうせ細断されるから」と考え、消印を押す手間を省いて総務部に回すことがあった。

 芝郵便局(東京都港区)で総務部課長だった40代男性は、こうした消印のない切手を不正に持ち出して換金。総額は2014~16年度の3年間で計約1億4千万円に上った。当時は出納責任者で、切手の細断処分を実行する立場にあった。立会人も置いていなかったため、持ち出しが可能な状態にあったという。

 さらに、神田郵便局(東京都千代田区)で郵便部課長代理だった50代男性は、総務部に回る前の未消印の切手を持ち出していたとみられ、換金額は14~16年度で計約4億円に達したという。換金された切手は回収されておらず、通常の切手として再び流通した。

【関連記事】



 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿