しかし、この時期に被災県をホームとするチームのゲームをするのはどうかと思う。しかも、3.11の翌日である。茨城県も被災したが、小笠原と山本は岩
手、遠藤は宮城、柴崎は青森とはいえ、甚大な被災を受けたのは宮城県の方であって、どうしたって宮城の人々や仙台のチームに同情は寄ってしまう。
被災地援助に率先して長く真剣に取り組んできた小笠原も、果たしてどう戦っていいのか複雑な心境だっただろう。ベガルタ仙台の選手たちは、被災した
人たちを勇気付けるために必死でがんばればいいのだが、アントラーズ側としてはそういうチームをボコボコにやっつけて、被災した人たちをがっかりさ
せたら申し訳ないような気持ちはどこかにあったように思う。そういう意味でこの時期の戦う相手としてはベガルタ仙台は最もやりたくない相手だった。
それは試合開始早々の両チームの戦い方にはっきり出ていた。とにかく勝つんだ!という気迫にあふれた仙台に対して、アントラーズはどこかとまどって
いるというか遠慮しているように見えた。小笠原の顔色も悪かったし、純粋にサッカーの対戦以外の震災の巨大な影響が、むしろアントラーズの選手の動き
を悪くさせているように見えた。早めに1点先制されて、次第にアントラーズの選手たちも目が覚めていったようで、動きは良くなっていったものの、スタジア
ムの雰囲気も明らかにベガルタに勝たせたい、という空気に満ち満ちていた。それは状況を全体的に考えればしょうがないことではあるが、試合が始
まってしまえば、とにかくプロのサッカー選手ならば、勝つことだけに集中しなければいけない。
ここ三試合を見てスタメンではまず赤崎が物足りない。動きそのものは悪くないのだが、決定的な仕事につながっていない。同じことは中村にも言える。
FWは金崎とジネイというコンビを試してみても良かったのではないだろうか?カイオも途中出場が非常に有効な場合もあるが、スタメンで使えるのかどう
か試してみる必要はあると思う。カイオ自身は自分が90分出てやりたいと思っているだろう。後半に出して常に結果を出すというのは難しいと思う。
あとはどうもパスミスが目立つ柴崎に以前の輝きはない。一度永木にスタメンでやらせてみてもいいと思う。昨日のような雰囲気の中ではあのような試合
になったのもやむを得ない面があって、次節のFC東京戦でガンバ戦のようないい動きと早い攻守の切り替えを見せて欲しい。ここで首位に立てなかった
のは残念だが、一週間でチームをしっかり立て直して欲しいものだ。
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