幽霊ロボお?(笑)
ロボットなんてそもそも機械のカタマリでしょ、バケて出るはずないじゃん、そう思うよね、みんな。
でもさ、粗末に扱われたカサがバケて『からかさオバケ』になるんなら、ロボットがバケて出ても不思議じゃない、ソレに気づいた時には遅かった。
去年、ひとり暮らしを始めたボクのために両親が買ってくれたのは、中古品のお手伝いさんロボ。
お年頃のボクがヘンな気を起こさないようにと、わざわざオバはん仕立てにしてあった。
小太り体型を地味な服に包んで、割烹着。
同級生でひとり暮らししている連中は、メイドコスチュームの美少女ロボなんかと同居してるってのに。
早く壊れちまえと思っていたら、今年になってホントにガタが来はじめた。
ある日の食事時、ふとロボットの顔を見ると、片目は上を向き、もう一方の目は下を向いている。
しかも口をポカンと開けて。アホを絵に描いたような感じ。
別にボクが壊れろと願ったからじゃない。安物だし中古だし。修理するくらいなら美少女ロボに買い換えだ。
もっとガタが来れば・・・そう思っていたら日増しに奇怪しくなっていった。
みそ汁の具がナマのままだったり、掃除機のゴミをリビングにぶちまけたり、洗濯機の中に自分が入ったり。
声も調節の不具合でやたらでかいし、音声変えてありますの耳障りな高音っぽくなって不愉快極まりない。
買い換えてもらおうと実家の母に電話した。
「いつもいつもダメってわけじゃないでしょ。ガマンしなさい。社会人になって買えばいいじゃない、好きなロボット」
どうやら金を出す気はないらしい。このオンボロお手伝いで、あと数年生活しろって?できっこないよ、んなの。
お手伝いロボはますます狂っていった。
ボクの大好物のアップルパイにシナモンを入れて台無しにしたり、掃除中にお気に入りのフィギュアを踏んづけたり。
嫌がらせか?壊れるならさっさと壊れろ。
側にいるだけでイライラしてくる。親が買ってくれないなら美少女ロボなんてなくていいから、いっそのこと・・・。
ある日曜日、ふと見るとお手伝いロボがコンセントの前で充電していた。
仕事もろくにできないくせに、充電だけは忘れない。いつまでボクを苛立たせる気だ?
ボクは背後から忍び寄り、手に持ったバットでお手伝いロボを殴った。何度も、何度も。
そして再生不可能なまでにバラバラにして、不燃物ゴミとして捨ててやった。
数日後の真夜中。目を覚ますと、枕元にお手伝いロボの幽霊が正座して、ボクを見下ろしていた。
正座しているくせに頭が天井につっかえるほどでかい。
その巨体に美少女メイドのコスチュームを身に着け、ピッチピチで張り裂けそうだ。
「ウラメシヤ!!」
身体に比例して耳障りな声もさらにでかい。これでは眠れない・・・。
何をするわけでない。幽霊は正座したまま「ウラメシヤ!!」を高らかに叫ぶ。それだけ。とにかく、眠れない。
ボクはそれから一生、夜な夜なロボットの幽霊に悩まされることになった。
除霊とかできなかったのかって?そりゃ無理でしょ、だって大怨霊だもん。チャン、チャン。
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最後の駄洒落オチも決まってました。
発想がユニークだなあ^^
「家政婦は見た」の画像もいい。
ロボットのイメージしやすかったです。
っていうか、市原悦子さんのよく通る声で「うらめしや」って言ってるのかな~って(笑)
おほもと http
すっかり開店休業状態のブログです。
このまま閉じてしまうかなあ・・・と思っていたら、
昨日ふと一本ショートショートを思いついたので、
そのうち書こうかな、なんて
自分のブログに戻ってまいりました。
そのうちにアップしま~す。
りんさん、コンスタントに続けておられる様子、
スゴイっす。
ボクは根が不精なので、いったんお休みするとこんな感じっす。
ぼちぼちいきま~す。