常夏ならば振り向くかも

語り部である私が提供する、今そこにあるチープでホットな噺の数々を口承するブログ。一話解決を目指して今日も喋ります。

流星観測

2006年04月18日 | 『光源Xを探れ』 殿(私)の見物検証記
私は出来るだけ毎日、外に一時間ばかり運動しに出掛けている。並木道から駆け出し河川敷を上がる。そこから少し街に戻り、広いグラウンドでしばし筋力を伸ばす。そして最初の並木道に合流する所まで、走って歩いて帰ってくるというルートである。このルートの中に線路と並行している所がある。
ここはだだっ広い平野、そこを線路が東西へと貫いている。
遠くは赤みが残る時間、光を帯びた列車が一陣の風のように通り過ぎていくのを眺めるのが、私のお気に入りとなっている。
今日もその時間にそこを歩いた。
後ろからファーンと近づいてくる。
ふと
「今日は…やってみるか!」と
先頭車両が私の肩越しまで来るか来ないという時、これまで歩んでいたペースを一気に加速してダッシュに変えた。
先頭車両、連結部、第二車両、第二連結部…どんどん抜かされていく。
あの角に着く迄が勝負!全部に抜かされなければ俺の勝ち!
あっという間に最後尾の車両は通り抜け、街の方へ去っていった。
「ざーんねーんでしたー」
列車は去り際に、そう言っているように聞こえた

これこそ馬鹿馬鹿しい衝動
でも明日も奴に挑んでみたい。

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