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常夏ならば振り向くかも

語り部である私が提供する、今そこにあるチープでホットな噺の数々を口承するブログ。一話解決を目指して今日も喋ります。

グレートジャーニー

2006年08月13日 | 『今そこにある既知』 今これが言いたい
土曜日クタクタになって帰ってきたので
『新グレートジャーニー 日本人が来た道』を観れずに寝てしまった。
それを先程見終わった。

グレートジャーニーとは
ラーファール原人足跡化石が見つかった地、タンザニアのラエトリを目指して
関野吉晴さんは南アメリカの南端から足掛け9年の月日を掛けて旅した記録である。足跡化石に残っていた二つの足跡は片方は大きく、もう片方は小さかった。これの意味することは子を連れた大人。関野さん自身も子を持つ親なのでこの化石に大変感化されたようだ。そしてこの旅を単純に道を進むものではなく、寄り道をすることを大切にしていた。

私はグレートジャーニーを第一回から欠かさず観ている。地図を片手に関野さんの旅路を追っていた。私が大学で山岳部に入ったのも少しでも彼の冒険に近づきたいというのがあった。自分自身冷めていた時期は「もっとぱっぱか進めばいいのに」とか「この人、金あるなぁ」と卑下した目で見ていたときもあったが、映像を見返せば見返すほど、そういう考えじゃいけないなと更正させてくれた時もあった。
全編通して野生の動物または家畜を捌くシーンがたまに出てくる。うちの親なんて可愛そうと言いそこだけは目を外すのだが、私はしっかり開眼して観ている。殺しても使える所まで全部使ってあげて、感謝する。それが生きる為。

新グレートジャーニーはグレートジャーニー終了直ぐに関野さんが語っていた「日本人のきた道を辿る旅」を実現する形で始まった。今回挑むのはシベリヤを基点としてサハリンへ徒歩で縦断し、宗谷海峡をカヤックで渡って北海道に着くという北方ルートである。これらの映像で特に度肝を抜かれたのがチュレーニー島の所でのことだった。関野さんがこの廃墟の島に入った途端、大量のオットセイが「ウォッウオッ」と声を上げながら石階段をわんさか降りてきたのだ。これには観ていた私も呆気にとられた。島に居るのは浜を埋め尽くす限りのオットセイにトド、それとウミガラス。ウミガラスはまだ飛ぶのも歩くのも儘ならない子供を、早々に崖から落として一人立ちさせる。下に居るのはオットセイの群れ。寝転がっているトドやオットセイを踏みつけながら海に向かってよちよち歩いていく。それを見掛けたオットセイの子供は、その子ウミガラスで遊ぼうと追い掛け回す。必死に逃げてもウミネコが待ち構えていて意地悪をして殺してしまう。海に逃れてもまだ彼らは追い掛け回してくる。ほんの僅かしか海に辿り着けない。食う為に海ガラスへ攻撃しているわけではない。ちょっかいを出せば面白いから攻撃する。これにはハッとさせられた。

関野さんはこの北方ルートの旅の矢先、かけがえの無い友人を亡くした。北海道に到達した際、死んだ彼らは好きなことを何も出来ずに死んだのに、私は幸運にも好きなことを出来ている事に嘆いて珍しく泣いていた。
俺も少し分かる気がした。少し目じりが濡れた。

2007年春にはチベットから旅を始め、ブータン、インド、ミャンマーと続き中国、韓国、九州に至る南方ルートが放送される。
寄り道をしながら人力を主体として、まだまだ旅は続いていく。

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