マカオ・コロアネ島ザビエル教会「Call Me Dragon (神龍小虎闖江湖/帰って来たドラゴン)」
監督・製作総指揮・脚本:
ウー・スー・ユエン(呉思遠)
物語:
密輸入者や麻薬の売人が集い、暴力のはびこる村、金沙村。この村の権力者インが持つ宝「シルバー・パール」を狙って、空手の名手ゴールデン・ドラゴン(ブルース・リャン)がやってきた。ドラゴンの噂を耳にしたイムは、用心棒として、もう一人の空手の名手ブラック・ジャガー(倉田保昭)を呼び寄せた。イムはジャガーに命じて、宝を運び「黄金の坑道」に隠させるが、その道中、ドラゴン、謎の女ミウ・ヤン(ウォン・ワンシー)と死闘を演じることになる。1974年香港映画。
出演:
ブルース・リャン(梁小龍)、倉田保昭、ウォン・ワンシー(黄韻詩)
コメント:
1974年、カンフーブームの渦中、倉田保昭・主演で日本の東京12チャンネルで製作・放映されたカンフードラマ「闘え!ドラゴン」のロケ地として、香港の今はなきタイガーバームガーデンが使われていた。という情報を聞きつけました。ところが「闘え!ドラゴン」のDVD BOX セットは、30,000円。これを買うには決心が必要です。ということで、「闘え!ドラゴン」にも出演していたブルース・リャンが主演し、倉田保昭が悪役で共演している「帰って来たドラゴン」の DVD を買って帰ってきました。
物語は、よくあるカンフー映画のパターンで、はっきりいって、どうしようもないのですが、後半30分延々と続くドラゴンとジャガーのアクションシーンは見ものです。特に建物の壁と壁の間を足だけで上って闘うシーンは有名。タイガーバームガーデンは出てきませんが、その長い死闘の舞台に使われているポルトガル風のクリームイエローの教会に見覚えがありました。これはマカオのどこかではないかと写真を調べてみると、周囲の建物は整備されて違っていますが、マカオの島嶼部、コロアネ島にあるザビエル教会に違いありません。
スペイン人であるイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルは、ポルトガル国王の協力を得て、リスボンを出発してゴア、マラッカを経由しわが国、鹿児島に到着しますが、当時の仏教勢力に屈してゴアへ引き返します。そして改めて、広州を目指したのですが、途上で亡くなります。遺体はゴアへ返されますが、後に腕だけ切り離されて、マカオへ運ばれました。この腕は、1928年に建てられたこのザビエル教会に祀られるようになりました。
「ブルース・リャンの小部屋」という彼のことが詳細に書かれたホームページにも、ロケ地は「マカオから小船で小一時間、中国との国境に近い小島」とあります。今ではコロアネ島、タイパ島はマカオ半島と橋で結ばれていますが、映画の撮影当時には橋はなく、小船で小一時間もかけて渡ったのでしょう。
おまけ1:
ブルース・リー(李小龍)の「燃えよドラゴン」が上映されたとき、既に彼は、この世の人ではなかったのですが、カンフーブームで盛り上がり、彼の過去作品三作も見終わった観客は「ないものねだり」だと判っていながら、彼の新たな出演作を求めました。ここに、ブルース・リーの外見とアクションを真似して、役名も「ドラゴン」という無数のイミテーターが生まれ、彼らが出演する映画は、内容の良し悪しにかかわらず、日本で続々と上映されたのでした。例えば、ブルース・リ(呂小龍)、ブルース・リィ(黎小龍)、ブルース・ライ、ブルース・サイ、そしてドラゴン・リー(巨龍、この人はなんと北朝鮮出身)。ブルース・リャン(梁小龍)は名前が名前だけに、これらと同類と思われがちですが、一線を隔しています。16歳にしてショー・ブラザースの武術指導兼スタントマンで、アクションに関しては定評があり、その驚異的なハイ・ジャンプと連続回し蹴りを特徴とするスタイルはブルース・リーとは明らかに異なっています。
ブルース・リャンは90年代は芸能界から身を引いていましたが、2001年に復帰して、大陸制作の「陳真后傳」というテレビ・ドラマに主演しています。「陳真」はブルース・リー主演第二作の「ドラゴン怒りの鉄拳」の主人公の名ですから、その「后傳」つまり後日譚ということでしょう。
そして注目すべきは、チャウ・シンチーの「少林サッカー」に続く'05年公開の次回作「カンフーハッスル」で、本編最強の悪役武術家「火雲邪神」として登場することです。驚くなかれ、そのいでたちたるや、ランニングに短パン、サンダル履き、そして 禿頭の周囲に残った髪はザンバラ....「陳真后傳」では、1970年代と同様、ブルースリーカットでフサフサだった髪が、実はカツラだったことが判明します。案外、ブルースリーの髪型ってカツラ疑惑がばれにくいのかも。(「ファイヤードラゴン火雲伝奇」にも「火雲邪神」という人物が出てきますが、こちらは、美しく凛々しいブリジット・リンが演じていて、大違い)
おまけ2:
あまり知られていませんが、ブルース・リーが「ドラゴン怒りの鉄拳」撮影中に、倉田保昭から沖縄の武具であるヌンチャクをプレゼントされ、映画で使ったところ、これが大当たりして、カンフー映画になくてはならない存在となったのでした。
監督・製作総指揮・脚本:
ウー・スー・ユエン(呉思遠)
物語:
密輸入者や麻薬の売人が集い、暴力のはびこる村、金沙村。この村の権力者インが持つ宝「シルバー・パール」を狙って、空手の名手ゴールデン・ドラゴン(ブルース・リャン)がやってきた。ドラゴンの噂を耳にしたイムは、用心棒として、もう一人の空手の名手ブラック・ジャガー(倉田保昭)を呼び寄せた。イムはジャガーに命じて、宝を運び「黄金の坑道」に隠させるが、その道中、ドラゴン、謎の女ミウ・ヤン(ウォン・ワンシー)と死闘を演じることになる。1974年香港映画。
出演:
ブルース・リャン(梁小龍)、倉田保昭、ウォン・ワンシー(黄韻詩)
コメント:
1974年、カンフーブームの渦中、倉田保昭・主演で日本の東京12チャンネルで製作・放映されたカンフードラマ「闘え!ドラゴン」のロケ地として、香港の今はなきタイガーバームガーデンが使われていた。という情報を聞きつけました。ところが「闘え!ドラゴン」のDVD BOX セットは、30,000円。これを買うには決心が必要です。ということで、「闘え!ドラゴン」にも出演していたブルース・リャンが主演し、倉田保昭が悪役で共演している「帰って来たドラゴン」の DVD を買って帰ってきました。
物語は、よくあるカンフー映画のパターンで、はっきりいって、どうしようもないのですが、後半30分延々と続くドラゴンとジャガーのアクションシーンは見ものです。特に建物の壁と壁の間を足だけで上って闘うシーンは有名。タイガーバームガーデンは出てきませんが、その長い死闘の舞台に使われているポルトガル風のクリームイエローの教会に見覚えがありました。これはマカオのどこかではないかと写真を調べてみると、周囲の建物は整備されて違っていますが、マカオの島嶼部、コロアネ島にあるザビエル教会に違いありません。
スペイン人であるイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルは、ポルトガル国王の協力を得て、リスボンを出発してゴア、マラッカを経由しわが国、鹿児島に到着しますが、当時の仏教勢力に屈してゴアへ引き返します。そして改めて、広州を目指したのですが、途上で亡くなります。遺体はゴアへ返されますが、後に腕だけ切り離されて、マカオへ運ばれました。この腕は、1928年に建てられたこのザビエル教会に祀られるようになりました。
「ブルース・リャンの小部屋」という彼のことが詳細に書かれたホームページにも、ロケ地は「マカオから小船で小一時間、中国との国境に近い小島」とあります。今ではコロアネ島、タイパ島はマカオ半島と橋で結ばれていますが、映画の撮影当時には橋はなく、小船で小一時間もかけて渡ったのでしょう。
おまけ1:
ブルース・リー(李小龍)の「燃えよドラゴン」が上映されたとき、既に彼は、この世の人ではなかったのですが、カンフーブームで盛り上がり、彼の過去作品三作も見終わった観客は「ないものねだり」だと判っていながら、彼の新たな出演作を求めました。ここに、ブルース・リーの外見とアクションを真似して、役名も「ドラゴン」という無数のイミテーターが生まれ、彼らが出演する映画は、内容の良し悪しにかかわらず、日本で続々と上映されたのでした。例えば、ブルース・リ(呂小龍)、ブルース・リィ(黎小龍)、ブルース・ライ、ブルース・サイ、そしてドラゴン・リー(巨龍、この人はなんと北朝鮮出身)。ブルース・リャン(梁小龍)は名前が名前だけに、これらと同類と思われがちですが、一線を隔しています。16歳にしてショー・ブラザースの武術指導兼スタントマンで、アクションに関しては定評があり、その驚異的なハイ・ジャンプと連続回し蹴りを特徴とするスタイルはブルース・リーとは明らかに異なっています。
ブルース・リャンは90年代は芸能界から身を引いていましたが、2001年に復帰して、大陸制作の「陳真后傳」というテレビ・ドラマに主演しています。「陳真」はブルース・リー主演第二作の「ドラゴン怒りの鉄拳」の主人公の名ですから、その「后傳」つまり後日譚ということでしょう。
そして注目すべきは、チャウ・シンチーの「少林サッカー」に続く'05年公開の次回作「カンフーハッスル」で、本編最強の悪役武術家「火雲邪神」として登場することです。驚くなかれ、そのいでたちたるや、ランニングに短パン、サンダル履き、そして 禿頭の周囲に残った髪はザンバラ....「陳真后傳」では、1970年代と同様、ブルースリーカットでフサフサだった髪が、実はカツラだったことが判明します。案外、ブルースリーの髪型ってカツラ疑惑がばれにくいのかも。(「ファイヤードラゴン火雲伝奇」にも「火雲邪神」という人物が出てきますが、こちらは、美しく凛々しいブリジット・リンが演じていて、大違い)
おまけ2:
あまり知られていませんが、ブルース・リーが「ドラゴン怒りの鉄拳」撮影中に、倉田保昭から沖縄の武具であるヌンチャクをプレゼントされ、映画で使ったところ、これが大当たりして、カンフー映画になくてはならない存在となったのでした。
TBありがとうございました!
『カンフーハッスル』知らぬ間に、元旦公開に
切り上げになったみたいですね。
星爺よりも、実は梁小龍の方がインパクト大でした。
(いでたちだけでも、かなりですが)
年を重ねても、彼のアクションというか
型の美しさは変わらないですねぇ。
あんなに同じ日に、生まれた”ともだち”がいたとは…面白かったです。(笑)
倉田保昭から沖縄の武具であるヌンチャクをプレゼントされ、映画で使ったところ///
トリビア100点ですね。
情報量がすごいブログですね。。
これからも
楽しみに見させていただきます。