![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/16/76a2caaf703d1b38850c5abbf3f2e04e.jpg)
莫言の処女作「紅い高粱」は日中戦争期の山東省を舞台としていますが、後の問題作「
白檀の刑」を彷彿とさせる「凌遅刑」のシーンがでてきます。ここで囚われの中国市民を生きたまま切り刻み皮剥ぎの刑に処すのは、よりによって「東洋鬼」日本兵です。これにはどうも違和感を感じました。無知な読者に日本人の残虐性を植え付けるためのイメージ操作にほかなりません。
(左の写真は残酷なので、気の弱い人は例によってクリックなどしないように)
もともと中国の伝統的処刑法「凌遅刑」は、属国であった朝鮮には伝えられましたが、幸運なことに海を隔てた日本にまでは伝えられませんでした。中国においても、1905年に清朝が凌遅刑を禁止していますので、日本ではこの凄惨な処刑法については殆ど知られていないはずです。日本兵が行ったことにしたいのなら、真偽は不明なれど南京大虐殺の根拠とされる写真に写されている軍刀による「斬首刑」の方がよかったのではないか。と思いました。
そのときの親中メディア朝日新聞の報道
『日本に夢を求めた可愛そうな中国人留学生の過ち』
http://000hime.blog74.fc2.com/blog-entry-143.html
時間をかけて少しずつ死に至らしめる凌遅刑のような残虐刑はもともと日本にはなく、日本人の感性からは想像しにくいのに対して、中国や朝鮮では100年前までこの刑が見せしめに行われており、このように写真に撮影された記録が残っています。
莫言のような影響力の大きい作家が繰り返して作品に取り上げていることからも分かるように、中国においては猟奇性はあまり感じられていないのかもしれません。