Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
でもホントに旅 Blog なんだろうか?

丸尾末広「パノラマ島綺譚」

2008-02-27 | Bomarzo 怪獣聖林
昨年「コミックビーム」に連載されている間はずっと楽しみにしていました。本屋に並ぶ数が少なく、発売日翌日に売れてしまっていて捜し歩く羽目になった月もありましたが、それも既に懐かしい思い出になっています。「コミックビーム」は電話帳みたいに分厚い雑誌でしたが、この作品しか読んでいなかったので、無線綴じをばらしてこの漫画だけを残してあります。今回コミックスが刊行されたようなので、見つけたらまた買うでしょう。まちがいなく。

作家・人見広介は、瓜二つの富豪の同級生・菰田源三郎の死を利用して、彼になり代わり孤島に夢見た人工楽園「パノラマ島」を作るというあらすじですが、作品中、丸尾画伯の描く人工楽園が見ものです。ヨーロッパ庭園などからの引用が至るところにあり、引用元がどこなのか探してみるのもまた楽しいです。

もうひとつの奇想の庭園 「The Tarot Garden」

2006-02-23 | Bomarzo 怪獣聖林
ボマルツォの怪物庭園のルポを書くのをずーっとサボっていたら、randoさんという方からTBを頂きました。この方、驚くなかれ、ローマから電車~バスを乗り継いでボマルツォまで日帰りされて、ブログに詳しいルポを書かれています。Tomotubby も頑張って、Tiger Balm Garden 同様、この奇想の庭園をいろんな角度から紹介し、ローマからオプショナル・ツアーのバスくらい出してくれるように人口に膾炙せられるよう頑張らなければならない。と決意を新たにしました。

で、ボマルツォから程近いところに、奇想の庭園がもうひとつ。

Niki de St-Phalle が The Tarot Garden という、ボマルツォの現代版みたいなのを作っていまして、ここのホームページがやけに愉しいのでご紹介します。ガウディがバルセロナに造ったグエル公園にも少し似ていますが、こちらは雑木林の中にあり、とても市民憩いの場という趣きではなく、Niki が独自世界を現出した場という感じで強烈です。


彫刻は Tarot card が題材で「ジョジョの奇妙な冒険 第三部」を思い出しました

願わくば、どこかの旅行社が、ここと本家怪物庭園を抱き合わせにしたツアーでも企画してくれればいいのに。と思ったりしてます。でも The Tarot Garden、1998年5月にオープンしているのに、日本では殆どその存在が知られていないあたり、やはり自力で行くしかないのかな。

因みに日本には世界唯一のニキ美術館があります。偶然にも今年は、日本縦断で「ニキ・ド・サンファル巡回回顧展」が以下スケジュールで開催されるそうで、現在ニキ美術館は休館中です。

2006年3月29日(水)~4月9日(日) 大丸ミュージアム梅田 大阪
2006年5月11日(木)~5月22日(月) 大丸ミュージアム東京 東京
2006年6月17日(土)~8月15日(火) 名古屋市美術館 名古屋市
2006年8月22日(火)~9月24日(日) 福井市美術館 福井市


Jean Tinguely へのオマージュかな? Niki も2002年5月に他界してしまいました

山岳都市ボマルツォへ

2004-12-26 | Bomarzo 怪獣聖林
ローマの北方、ラツィオ州ヴィテルボ県にある山岳都市ボマルツォ。ローマに続くテヴェレ川の右岸に連なる稜線の南端の見晴らしのよい高台に、船のような形をしたこの町はあります。私たちはフィレンツェからローマに延びるハイウェー「太陽道路」を降りて、一転、不安になるような田舎道をヴィテルボ方面へ向かう途上、この町を見つけました。そう、ここには名にし負う「怪物庭園(Il parco dei Mostri)」があるのです。



この日は温泉の街キアンチャーノ・テルメの宿を出発して、途上、ピェンツァ、オルヴィエートに立ち寄ったため、お目当てのボマルツォに着いたのは既に午後3時。トスカーナ州は天気が良かったのですが、ラツィオ州に入ってからは空は曇り、実際の時間より暗く感じられました。曲がりくねった坂道の上にあるボマルツォの町は、トスカーナの多く山岳都市がそうだったように中世のまま取り残されたような風情です。そのうえ、道行く住人も少なく、観光客も皆無に等しい、うら寂しい町なのです。

「Il parco dei Mostri」の標識を頼りに車を進めたのですが、高台の小さい町を素通りしてしまいました。この町を有名にした「怪物庭園」は、これまで見てきたイタリア庭園が丘の斜面に作られていたのと違って、潅木の茂る暗い谷の底にあるのでした。