Tomotubby’s Travel Blog

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「重慶森林」ロケ地再訪 九龍・尖沙咀篇

2010-03-01 | 映画・ロケ地訪問
今回の香港旅行ではあまり映画ロケ地めぐりができなかったけど、ウォン・カーウァイ監督「重慶森林 / Chungking Express / 恋する惑星」のいくつかのロケ地はチェックできた。この映画の舞台はいずれも香港の中心に近く日本人御用達ホテルからも散歩がてら立ち寄れるお手軽なロケーションにあるのである。私自身、映画の方は長らく見直しておらず細部は忘れてしまっているが、ロケ地を訪れると場面場面で効果的に使われていた音楽が聞えてくるような気がするのは、この映画の特質ゆえか。

タイトル「重慶森林」の「重慶」とは、尖沙咀にある「重慶大厦 Chungking Mansions」なる雑居ビルが重要な舞台として使われているせいであるが、このビル、一流ホテルが並ぶ彌敦道(ネイザンロード)に面した一等地に建つビルにも関わらず、一階部分はなぜかインド人密度が異様に高く、彼らが経営する得体の知れない電化製品店やインド料理店などが所狭しと集まっている。階上にはたくさんの安宿が集まり、これでも昔と比べればかなりましになったと思うが、今なおビル全体が魔窟のような雰囲気を醸し出していた。今回は、尖沙咀で行われた新年のパレードを観た後、夜の10時過ぎにこわごわ覗いてきたのだが、安宿に滞在している客たちが見物を終えて、一階のエレベータ前に長蛇の列を作っていた。これはビルの規模に対して明らかにエレベータのキャパシティが足りないせいである。もし火災があれば多くの人が焼け死ぬことになろう。と不吉な考えが頭を過った。私は初めて香港を訪れた際に、火災事故のあった直後のこのビルの姿を見ており、まったくの杞憂とは思えない。ゆえにここには泊まりたくない。


春節の重慶大厦

映画「重慶森林」は、冒頭から香港返還前の重慶大厦が舞台となり、林青霞(ブリジット・リン)演じる金髪の麻薬ディーラーが麻薬を国外に運ぶためにインド人たちを雇うシーンが延々と続き、否が応でもこのビルの魔窟ぶりを見せつけられる。因みにこの映画の邦題は、あまりにも有名となった「恋する惑星」であるが、林青霞の名を冠した Linchinghsia なる小惑星が存在することはあまり知られていない。彼女のファンの天文学者が、発見した惑星に女優の名前をつけたらしい。映画でも林青霞の演じる女が金城武演じる刑事223號から想いを寄せられる。まさに「恋する惑星」ではないか。(Pet 君の中断したままの旅行記にも、このビルと林青霞のことが言及されている。わけわからん...)


映画の冒頭10分。撮影・クリストファー・ドイルのカメラワークが冴えまくる

映画には部分的に、私の大好きな Dennis Brown の歌う「Things In Life」が用いられている。この曲の入ったオリジナルCDを手に入れようとして探していた時期があったが、結局見つからず、今はもう諦めている。


Dennis Brown「Things In Life」


重慶大厦前で爆竹を鳴らす代わりに風船を踏み潰す人たち


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