桂木嶺のGO TO THE THEATER!~Life is beautiful!~

歌舞伎中心とした演劇・クラシック音楽・美術展・映画など芸術全般のレビューを書きます。優れた芸術は応援します!

ズパゲッティバッグについにチャレンジ♪

2017-05-31 16:48:32 | くらしのくふう

やっとやっと、見つけました(^_^)/

「Mart」という雑誌のズパゲッティバッグのムック本!

とってもとってもチャレンジしてみたかったのです

 

ズパゲッティというのは、Tシャツやカットソーなどの

製作過程で余った布を、糸にしたもので、

実は同じ色や形にならないので、貴重な糸なのです。

これを、かぎ針編みと同じ要領で、

くさり編みやこま編みなどを使って、バッグなどを作っていきます。

糸や編み針は、アマゾンや楽天市場、手芸屋さんなどで手に入ります

 

 

私が選んだのは、こちらとはちょっと違うのですが、

パープルがかった色のズパゲッティ。

とてもきれいな色で、うれしい限りです。

これで編むクラッチバッグがどうなるか、楽しみです

観劇のあいまに、論文執筆のあいまに、

たのしくコツコツ編んでいきたいと思います

 


早稲田大学演劇博物館「テレビドラマ博覧会」に行ってきました。

2017-05-31 01:55:29 | 芝居のエッセイ

 

きのうは、芝居仲間のみなさんとともに、

早稲田大学演劇博物館の「大テレビドラマ博覧会」展に行ってまいりました。

正確には、博物館には行ったのですが、

博覧会はお友達が見てきて、私はちょっと一階の「山田太一展」だけをみておりました。

というのも、ちょっと持病の関係で、今回の博覧会のような

ブラウン管がたくさんあって、光がピカピカひかり、

音が全部ばらばらに聞こえてくるような状態が

わたし、全く見ることができないのです。なさけないことなんですが。

(たとえば渋谷のスクランブル交差点も実はまったくだめなのです。頭がくらくらするんですね)

それで、ちょこっとだけのぞいて、頭がいたくなってしまったので、

お友達にみてもらって、私は休んでおりました。

 

ただ、とても懐かしかったのは、主に80年代から90年代のテレビドラマを中心に

回顧展をひらいてくれたこと。

特に「古畑任三郎」や「踊る大捜査線」をフィーチャーしてくださったのは

うれしいですね!

 

「踊る大捜査線」も映画になりまして、大変いろいろ思い出深いですが、

「古畑」も思い出があります。

 

じつは、映画会社の宣伝部にいたころ、映画化を仲間たちとつどって企画したことがあります。

第1シリーズの放送直後、最終回の菅原文太さんが登場したのですが、

それが村山富市さんが首相になられたときに、中継でとんでしまって、

見ることができなかった、ということがありました。

そこで、菅原文太さんの回だけを、短編上映して、800円で見せ、

映画化に際しての撮りおろしを企画しました。

有休をとりまして(笑)フジテレビジョンさんへむかい、

いまの取締役でいらっしゃり、当時のプロデューサーでいらした

石原隆さんのもとへうかがい、仲間と、「ぜひ『古畑』を映画化させてください!」と

お願いにあがったのでした。

 

石原さんとしても、そして三谷幸喜さんとしても

「古畑」はとても映画化したかった・・・のですが、

実は、どうしても実現できない理由がありました。

(もう時効ですからいいますが)主演の田村正和さんでした。

田村さんはご自分が「テレビ俳優だ」という矜持がすごくおありになり、

映画に対しては、「僕はするつもりはないです」というお考えをつよくお持ちだということで、

結局このお話は流れてしまいました。

しかし、ここで、石原さん(私がテレビ部にいたころに大変おせわになりましたが)や

三谷さんとのご縁ができて、のちに「ラヂオの時間」「みんなのいえ」

「THE 有頂天ホテル」などの映画化につながっていったわけなので、

なにが人間幸いするかわからないと思っています。

 

この他にも、「寺内貫太郎一家」「ロングバケーション」

「花の生涯」「トットてれび」などがご紹介されていますので

テレビドラマが好きな方にはたまらない特集だと思います。

 

展覧会を見終わった後は、

仲間たちとたのしく会食をしました(^_^)/

たのしい芝居談義に花が咲き、一気に夜は過ぎていきました。

仲間たちと芝居のゆたかさに乾杯です!

 

 

 

 

 

 


テレビを見てストレスがたまるの巻。

2017-05-30 06:15:25 | きょうのオピニオン

いつも思うのですが、もうテレビ局は横並びでニュース番組を延々と放送するのはやめてほしいですね。

正直、ストレスがたまります。朝からとてもいやな気分になってしまうのも、

人身事故が多いのも、このせいだと思います。


というのも、
1)安倍さんの批判(森友、加計問題)がきちんとできていない 
2)北朝鮮問題でも建設的な意見がいえない
3)トランプ批判ができない
4)どの番組も似たようなニュースと映像の垂れ流し

...

になっているからです。

こんな映像を垂れ流しするだけだったら、

もっと良質なドラマや情報バラエティ、トークショーなどを充実させてほしいです。

昔の番組でとても好きだったのは、
「スター千一夜」でした。
ああいう知的なトークショーをまたやってほしいです。
また「テレビファソラシド」もすばらしかった。

またドラマは「ありがとう」が大好きでした。
あのくらい、庶民の実感に根差した心温まるドラマをまたつくってほしいです。
時代劇も「江戸を斬る」などすばらしいドラマが多かったですね。

攻撃的な番組や、怒鳴りあうだけのバラエティにはもううんざりしています。

食レポももういい加減にしてほしい。

テレビの視聴率を本気でよくしたかったら、

まず昔の良質な番組の検証からスタートさせるべきだと私は思います。


そごう美術館の「バラ図譜」展が見事でした♪

2017-05-30 00:37:13 | 美術

実はもう終わってしまったのですが、そごう美術館でおとといまで行われていた、

「ルドューテの『バラ図譜』展」が素晴らしい展覧会でした。

ルドューテは、フランスの宮廷画家ですが、

マリー・アントワネットと、ナポレオン皇帝の妃・ジョセフィーヌの寵愛を受け、

バラを中心とした多くの細密な植物画を残しました。

その絵のすばらしさは、学術的にも正確で、

芸術だけでなく、植物学上も大変貴重な資料として残っています。

「バラ図譜」は、その彼が手掛けたもので、

バラのさまざまな種類を緻密に描いたものです。

いままさに横浜中で咲きほこっているバラですが、

この図譜を見ているだけでも心が大変なごみます。

 


この正確無比なタッチをどうぞごらんください。

贅沢なまでにバラの美しさを描いています。

色合いも大変上品で、

静謐な魅力がただよっています。

河出書房新社から、「バラ図譜」も出ており、

こちらでその出展のようすを伺い知ることができます。

またいつか、この「バラ図譜」展をやっていただきたいですし、

この本もたくさんの方に手に取って読んでいただき、

こころをなごませ、おだやかな暮らしの大切さを

しっていただければとねがってやみません。

 

 


Martという雑誌が大変面白いです♪

2017-05-29 04:05:19 | 読書

ちょっと話題を変えまして♪ 私のすきな雑誌のお話です。

まぁ、なんでも楽しく物事は考えていきたいですね!

 

 

いろいろ好きな雑誌はあります。

もちろん、歌舞伎の専門誌「演劇界」も好きですし、

映画の雑誌も好きですけれど、

専門外でいうと、いちばん好きなのは、実はこちらの雑誌です。

 

こちらは、若いママや主婦の方向けに作っている雑誌なのですが、

中身は大変面白く、読み応えがあり、かつくらしの知恵に富んだ内容となっています。

わたしは雑誌で買うよりも、500円でオトクに買える、

kindleで買うようにしています。

保存もできるし、繰り返し読めますので、大変便利ですね

 

毎回のテーマも、うーん、とうならされることが多いですが、

100円ショップのグッズを使って、たのしくお部屋を綺麗にしたり、

おいしそうな料理のレシピをアップしてくれたり、

日ごろの生活で活用できそうなファッション情報、

まだ利用したことがありませんが、「コストコ」のたのしい買い物方法や、

気になる「カルディアコーヒーファーム」などの新商品のご案内など、

眼からウロコの特集ばかりです。

 

また、なんといっても白眉は、わたしがとても気に入っているリュック

「アネロ」の話題!このリュックの情報を提供してくれたのも「Mart」でした。

最近は、私はまだ体験していませんが、「ズパゲッティバッグ」というバッグの

編み方も特集していますね。

アイディア満載で、それでいてちっともせちがらくなくて、

毎日のくらしをたのしく実り豊かにエンジョイするという精神が気に入っています。

 

冒頭の、「海外派遣員ミセス」「地域特派員ミセス」の情報も充実しており、

東京だけの発信でない、各地での流行やくらしのくふうが凝らされていて

すばらしいです。

フルカラーでお届けするので、読みやすさもバッチリ♪

いつかこの雑誌で歌舞伎や芝居をご紹介できたらいいなぁ・・・と

夢見ごちながら、読んでいます。

 

この種の生活情報雑誌としては、オレンジページやレタスクラブ、

暮しの手帖などがあげられますが、

Martはやはり暮らしを楽しむ精神があふれていて素敵です!

ぜひぜひ、みなさまも(男性の方も♪)お手にとってみてみてください(^_^)/

ご家庭での毎日の過ごし方がとてもたのしくなることうけあいです 

 


わたしのヘアスタイルの変遷(笑)と ふしぎな上司のおはなし。

2017-05-28 18:24:28 | 家族・なかまたち

実はプロフィール写真ではショートヘアのわたしですが、

10年前までは大変なロングヘアでした。

でも、ロングだったり、ショートだったり、

なかなか定着しませんでした。

そして、ようやくこのベリーショートになって

とてもいごこちがよく、ほっとしています。


女性ってやっぱりヘアスタイルで気分がかわりますよね

15年前は、とてもショートヘアでした。

で、特にそれで何も問題ありませんでした。


ところが、とある上司の方が着任されてから、

わたしの運命はかわりました。

仕事ではいつもほめてくれるのですが、

わたしが美容院で髪を切るたびに、

かつらぎくん、もうちょっと女性らしくしなさい」

と、あまり良い顔をしないのです。

「じゃ、どうすればいいのかな?」とおもいつつ、

とりあえず、コツコツ髪を伸ばし始めました。

髪をアップにしてみたり、いろいろやってみたのですが、

それでもその上司の方は、「うーん、ちょっと髪型が乱れてるな」というのです!!

そこで思い切って、当時とてもはやっていた、

小林麻央さん風の(当時の彼女ですよ)巻き巻きくるくる縦ロールにしたところが!!

「かつらぎくん、それにしなさい

といったので、思わず私、大困惑・・・


この髪型、したことがある方はおわかりと思いますが、

朝大変手間がかかるヘアスタイルなのです。

美容院でやってもらうのもばかになりませんし・・。

かといって美容院代を経費で落とせるわけもなく・・・。

しかし、私はその上司の方に褒められたい一心で、

巻き巻きカールを続けていたのでした。


そして、会社をやめたその日。

もちろんまっすぐ行ったのは美容院です!


そして、「バッサリ切ってください

ぱっつんぱっつんのショートカットにしたところが、

あー、さっぱり

「自由」って本当にすばらしいです!


というわけで、夫は「男の子みたいだね(;^_^A」と苦笑しますが、

「まぁ、巻き巻きカールよりいいよ」と言ってくれるのでありがたいです。

自由にこれからもこの髪型でがんばろうと思います(^_^)/


上司の言葉に耐えている全国のはたらく女性のみなさん、

やはりご自分がいちばんなりたいヘアスタイルで

イキイキと毎日をすごされることがいちばんです!

がんばってください

 


「うきうき家計簿」が便利です♪

2017-05-28 18:07:17 | くらしのくふう


さて、主婦をされている方なら、みなさん家計簿つけには、

いろいろ工夫を凝らされていると思います。


手書きの方もおられると思いますが、

わが家の家計簿は、以前はExcelで自動計算ソフトをつくっていました。

でも、予算と実績を一覧で見たいのと、

残高をすぐにしりたいので、いろいろ調べた結果、

「うきうき家計簿」というソフトがとても便利なことがわかって、

いまコツコツとつけています。

フリーで、ネットで公開されていますので、

検索してさがすとすぐにでてきます。


こちらの家計簿のよいところは、

食費もたとえば「じゃがいも」「トマト」「しいたけ」「牛乳」・・・と

いったぐあいに、食品別に登録できるので、

どこのお店のじゃがいもがいちばん安く買えるか

すぐにわかることです。


また、一覧性にすぐれているので、

たとえば、夫が「いま、わが家の残高どのくらいかな?」とみたくなった場合、

すぐに(パスワードもかけられます)見ることができて、チェックができます。


そして、ほかにも、ついついごっちゃに計算しがちな私のお小遣いも

きちんと別表に管理できるので、お財布の中身が一目瞭然。

どこを節約し、どこに使ったらいいか、

たとえば、あとどのくらいお芝居を観ていいか、

あるいは本を買ったらいいか、すぐにわかるので便利ですね!


グラフにもできますので、大変わかりやすく、

つかいやすいので、おすすめします(^_^)


かしこく家計簿をつけて、たのしく日々のくらしを

実り豊かなものにしましょう(^_^)/

 








神との出会いにひざまずく人々~「レ・ミゼラブル」30周年の成果

2017-05-28 01:40:43 | 芝居のエッセイ

超満員にわく、帝劇の「レ・ミゼラブル」を見てまいりました!

東京公演は全席完売という、30周年をむかえても相変わらずの人気ぶりに

わたしもおもわずニッコリ 

 

今回は「おけぴ!」の貸し切り公演ということで、かなり演劇通なお客様が多く、

みなさん興奮さめやらぬ様子です。

 

今宵のキャストは

ジャン・バルジャン・・・ヤン・ジュンモさん

ジャベール・・・・吉原光夫さん

マリウス・・・海宝直人さん

コゼット・・・生田絵梨花さん

エポニーヌ・・・唯月ふうかさん

ファンティーヌ・・・和音美桜さん

テナルディエ・・・橋本じゅんさん

マダム・テナルディエ・・・鈴木ほのかさん

アンジョルラス・・・上山竜治さん

という顔ぶれで、期待もわきます。

 

 

今回のキャストはみなさんすばらしく、初演以来観ている私も、これは歴代の中でも

1、2を争う出来栄えなのではないかと思えるほどでした!

こと、バルジャン役のヤン・ジュンモさんは序盤からの圧倒的な力強さと野卑、

そしてバルジャンが信仰にめざめ、

善への道を歩み始める姿を清冽な魅力とスケールの大きさで演じ切り、

満場の拍手を浴びました。

晩年のバルジャンの演技の緻密さも、大変新鮮ですばらしい解釈。

ブロードウェイでも通用しそうです。

きけばかれは、日本と韓国、どちらの国の言葉でもバルジャンを演じたとか。

すばらしい才能の誕生ですね!


吉原さんのジャベールも見事な役作りで、神に近づこうと職務を遂行しながら、

やがて神を捨て、自死をえらぶ複雑な人間像を熱演されました。

かれのバルジャンもぜひ見てみたいですね!


驚いたのが、海宝さんのマリウスと、アンジョルラスの上山さんです。

ミュージカル界の次代を担うのはまさにこのお二人なのではないでしょうか。

若々しく、はつらつと革命に燃える若者たちを演じられました。


またまさにスター誕生なのが、生田絵梨花さんと唯月ふうかさん。

「レ・ミゼ」の奇跡はまだまだとまりません。

圧倒的な歌唱力と可憐さで魅了します。


そしてあわれなファンティーヌを和音さんが毅然と演じ、

紅涙を絞ります。


歴史を感じたのが、マダム・テナルディエの鈴木ほのかさん。

コゼット・ファンティーヌときてマダム・テナルディエ!

まさに「レ・ミゼラブル」の日本公演の証人として奮闘されておられました。


台詞をはっきりすみずみにまで語り、力強さも感じさせたのが

橋本じゅんさんのテナルディエ。猥雑さと庶民のしたたかさを強烈な個性で演じ、

こちらも大きく場内をわかせました。

このキャストの充実と、壮大な舞台装置と映像を駆使した新演出に

あらためて、名作の可能性を思いました。


このミュージカルによって、商業演劇が大きく変容し、スターシステムから

オーディションによる公演への転換をし、

より実力伯仲のキャスティングが実現し、次々とあたらしいスターを送り出しており、

日本のミュージカル史においても、画期的かつ重要な作品といえます。



※こちらは30周年のキャストのスチールでコラージュされた場内特大パネル。必見です!


おもえば、わたしが、19年在籍したこの会社の社内報で最後にたてた企画が

「レ・ミゼラブル」の20周年、という内容でした。

もうあれから10年たつのですね・・・・。

師匠の渡辺保先生はじめ、お世話になった「にぃにぃ」、

また諸先輩・同期・お仲間・後輩たちのすばらしい財産が、

こういう形で継承され、さらに発展していくことはまことにうれしい限りです

間接的にですが、この作品に携われたことを、

本当に誇りに思いますし、いつでも帰ってこれる「ホーム」として大事にしたいと思います。


ビバ!「レ・ミゼラブル」!!

おめでとう!30周年!

 

これからも、50周年、100周年に向けて

ミュージカル界の良心・財産として輝き続けていただきたいものです!

 




「『凛とした魅力』がすべてを変える」が素晴らしいです!

2017-05-25 22:25:25 | 読書

 

きょう書店で刊行されたばかりの、「フランス人は10着しか服を持たない」の第3弾シリーズ「『凛とした魅力』がすべてを変える」という本を、一気に読破しました。このシリーズの読者にとっては大変読みやすく、わかりやすく、ジェニファー・L・スコットさんがシンプルでシックな生き方を提案します。きっかけは彼女のパリ留学での生活でしたが、そのライフスタイルは、アメリカの物質主義に異を唱えるものです。精神的なゆたかさと、気品をもって情熱的に生きることを、「凛として生きる」という言葉に収斂して提案していきます。

服を10着コーディネートすることから始まり、観劇などのファッションマナー、また、スマートフォンに依存しがちな私たちの生活を見直し、姿勢を美しく保ち、言葉遣いを綺麗にすることで、おだやかで満ち足りた生活を送ることを私たちに改めて呈示してくれ、勇気づけられます。

どうしても日本でも情報過多になってしまい、気が付けばうるおいのない生活を送りがちになってしまいますが、この本を読んで改めて、「凛として生きる」ことの大切さを改めて考えさせてくれる、すばらしい本になりまし...た。

女性むけに書かれていますが、生き方のひとつの伝授をしてくれる上で、男性にも必読の書といえますので、ぜひご一読くださいませ。


歌舞伎夜話 錦之助さんのトークショーに行ってまいりました(^_^)/

2017-05-25 01:34:29 | 芝居のエッセイ

きのうは、歌舞伎座ギャラリーで行われる、「歌舞伎夜話」に行ってまいりました

 

今回のゲストは、来月国立劇場で「毛抜」の主演を控える、中村錦之助丈。

一度、襲名前後に、芸談を聴く会をうかがったことがありますが、

そのときとはまた打って変わって、大変ユーモアたっぷりで、闊達で楽しいお話を

たくさん聞かせてくださいました。

とても明るく誠実なお人柄に魅せられたファンも多かったですね

聞き手は、松竹演劇部の戸部さんです。

 

まず、お正月に浅草で演じ、好評を博した、濡髪と幡随院長兵衛のお話から。

「役が決まって、播磨屋の兄さん(吉右衛門さん)のところに習いに行きましたら、

『ほんとに君がやるの?(^^)』と笑われてしまいました。そのくらい、

僕は二枚目や、つっころばしのイメージが強いし、そちらのほうの役者なのですね。

兄さんはごく自然にあのセリフ回しができますが、僕はなかなかできないので、

なんども教えていただいたり、ビデオテープを観たりして研究しました。

濡髪は、とにかく大きく見せようと、肉襦袢を着たり、首が太く見えるように工夫したりしました。」

 

与五郎、4月に演じた修理之助などの役については、

「女形さんだとわりとできるのですが、肩を落として、

肩甲骨を寄せて歩くとできるのです。逆に、濡髪などのお役は、そとの筋肉を大きくします。

筋肉の使い方を意識して、全身使ってやります。いつも若々しく気を張ってやることが大切です。

筋トレはダメで、むしろ柔軟体操のほうが大事ですね」

与五郎などの役は何も準備しなくてもすぐにできるそうですが、

濡髪のような役だと大変だそうです。

 

3月に演じて大変驚かれた、「伊賀越道中双六」の沢井股五郎については、

「なり切ってやるしかないんですね」とのこと。

色の濃い役まで手を広げたことについては、「広がっちゃってるんですよ(笑)!」と苦笑い。

「いつでも若衆、二枚目ならまかせておけ!です(^_-)-☆」とユーモアたっぷりに語られました。

永遠の二枚目なのですね さわやかな笑顔で答えておられました。

 

そして6月の「毛抜」のお話になりました。

左團次型と成田屋型とありますが、今回は当然成田屋型で演じられます。

團十郎さんに12年前に初役のとき教わったことが印象に残っているそうです。

 

「とにかく十八番は体力を使うので大変です。また普通のお役と違って、

『気』を発しなければなりません。

市川宗家の作り上げたオーラ、魅力を大切にしたい」と語られました。

 

「成田屋の兄さん(團十郎さん)は、出た瞬間が大切とおっしゃいました。

バーッと出る感じ、十八番は、カリスマ性や勢いが勝負なのですね。

兄さんは具体的におっしゃる方で、たとえば元禄見得なども、

『45度の角度で演じなさい』とおっしゃいましたね」と懐かしそうです。

 

「セリフもとにかく全力投球ですね。ペース配分が大変です。

力の配分を考えながら演じないといけないですね。

その点、天王寺屋さん(富十郎さん)、中村屋さん(勘三郎さん)などは

力の出し入れがお上手でしたね。

最近の若手だと、うわべだけは真似できるけれども、技術、魅力を磨くのは

まだまだという方が多いので、がんばってほしいですね」

と熱くお話くださいました。

 

鑑賞教室でもある今回の「毛抜」ですが、教室の大切さも説かれます。

「僕が子供のころにはなかったのですが、学生さんの反応は大変新鮮ですね。

こちらも(観客が)初めて見る学生さんが多いので、常に全力投球です。

解説も、昔は中堅の役者さんがやっておられたのを、

息子の隼人や壱太郎さんにまかせたところ、大好評で、見るほうも真剣になりますね。

そして、現在の若手役者がやる形、今回は隼人がやりますが、この形になっています」

 

お話は、息子さんの隼人さんが大変人気者になられたことと、若手論になりました。

「隼人は、僕の20代のころとくらべてもしっかりしていますね。

20歳をすぎたら、自己管理にまかせています。でも、芸事は厳しく言うようにしています。

若手の中で注目しているのは、橋之助くんですね。

大変しっかりしているし、子供のころから勘三郎の兄さんについていたので、

すごくのびると思います。隼人もうかうかしていられないんじゃないかな(笑)」

 

現在は、吉右衛門さんと組むことが多く、また過去には猿翁さんの劇団にいらしたこともある

錦之助さんですが、劇団制についてうかがいました。

「僕は、役者というのはライバルではなく、『チーム』だと思っています。

足を引っ張るのではなく、切磋琢磨して、一つのいいものをつくる仲間たちですね。

播磨屋さんのところは、グループでやることが多いのでクオリティが高いですし、

菊五郎劇団も、つねに『この人にはこの役』という形で出来上がっていますね。

こうしたことを守ることでクオリティが高くなりますし、

常に意思疎通ができることが大切だと僕は思います。

主役、二番手、三番手がそれぞれ主役なみにしっかり息のあった芝居をすることが大事でしょうね」

昔は脇役の名優の方もいて、じぶんなりのポジションを固めていたとおっしゃる錦之助さん。

「この役なら絶対負けない、という気概がありますね。僕もそうありたいですね」

 

昔は、いろいろな役者さんが、若手たちにセリフの『間』の一つ一つまで

指導されていたそうです。それに鍛えられた、錦之助さんから上の世代の役者さんたちは

そういう意味で厳しい指導でもあったけれども大成しているのでは、と分析されます。

「いまの若い人たちには、大まかにいうことが多いですが、

僕のところに習いに来てくれれば、きちんといいますし、隼人にも言っています。

歌昇くんも先日(松竹座で演じている)『野崎村』の久松を習いにきてくれましたね。

そして、一部のベテランの役者さんたちは、やはり『間』の一つ一つまで

丁寧に教えておられますね」

うかがっていて、大変頭の下がる思いでした。

 

そして、会場のお客様からの質問コーナーとなりました。

Q:体調管理はどうされていますか?

A:ストレスをためないようにすること。ストレッチをすることですね。ストレス発散は

映画を観たりしています。最近見た映画は「アベンジャーズ」「スターウォーズ」シリーズですね。

 

Q:お好きなダイビングは、どこの海でされていますか?好きなお魚は?

A:九州あたりで潜ることが多いですね(笑)ウミウシが好きですが、お魚を観られなくても海は楽しいです。

 

Q:歌舞伎とは、錦之助さんにとってなんでしょうか?

A:実は歌舞伎をご覧になる方は、日本の現在の人口の7%だという統計が出ているそうです!

ということは残りの93%にとってはいらないものなのですが、7%の方にとっては大事なもので、

それで人生が大きく変わった方もおられますよね。だから、楽しく観劇して帰っていただきたいです。

いい芝居だとみなさんニコニコとされていますよね。

この7%をさらに増やすために、鑑賞教室などで、どんどん裾野をひろげていけたらいいなとおもっていますね。

 

Q:俳優祭の思い出などをお聞かせください。

A:今年も模擬店でたい焼きを売らせていただいたのですが、お客様から

「あの芝居見ましたよ。よかったですよ」など、直にお声を伺えるのでうれしいですね。

また、今年は鷹之資くんとやりましたので、富十郎さんのことを思うと、ずいぶん大きくなり、感無量でした。

 

Q:いままで大切にされた出会いはどんなものがありましたか?

A:いろいろな出会いに感謝ですし、きょうここでお目にかかった皆様にも出会うべくして出会ったので

感謝していますね!

 

Q:歌舞伎以外のお芝居もごらんになりますか?

A:最近見て、とても印象に残ったのは赤坂歌舞伎ですね。コクーン歌舞伎の「盟三五大切」を思い出しました。歌舞伎は引き出しが大切ですし、哲明兄さん(勘三郎さん)がやってこられたことが勘九郎くんや七之助君に伝わっているのがうれしかったですね!

 

そして写真タイムになり、にこやかに撮影に応じられた錦之助さんでした

 

終始大変なごやかなムードでおこなわれ、楽しい雰囲気のうちに

歌舞伎夜話で語ってくださった錦之助さん。

ますます好感度アップとともに、来月の歌舞伎鑑賞教室、また巡業、

今後のご活躍が一層期待されます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


若手花形、隼人・橋之助・萬太郎・種之助・米吉らが大躍進!明治座「南総里見八犬伝」が熱いです!

2017-05-24 02:00:44 | 劇評

 

きのうは明治座の昼夜通しを見てまいりました。どちらも充実した内容でしたが、特に素晴らしかったのは夜の部の「南総里見八犬伝」の通しでした。愛之助、鴈治郎らの奮闘ぶりも心に残る一方、若手花形の隼人・萬太郎・橋之助・種之助・米吉・福之助・新悟そして壱太郎の活躍がめざましく、未来の歌舞伎界を担うかれらの試金石として、十分に成功した内容となりました。ぜひたくさんの方に、この若者たちの奮戦を見ていただきたいと思いますし、時分の花として咲きほこる美しさ、躍動感を感じ取っていただきたいと思います。

特に進境著しいのが、隼人・萬太郎・橋之助・米吉で、この4人がそろう四幕目の第三場は未来の歌舞伎界の縮図として、心に刻み付けられるほどの一大絵巻でありました。八犬士として、互いを探し求め、ようやく出会う場面で、名乗りを堂々とあげるのですが、これが胸のすくような快演。隼人の堂々とした風貌、萬太郎の鮮やかな力感と口跡のよさ、橋之助のスター性、米吉のきりりとした横顔に、熱い感動がこみあげてきました。若いながらも、りっぱに歌舞伎の絵巻物を見せるような魅力にあふれた一幕であり、それぞれの力量が拮抗しているので、大変見ごたえがありました。大詰も八犬士(愛之助ら)と鴈治郎扮する扇谷定正がまたの再会を約して分かれる場面も、華やかな大歌舞伎であり、一幅の絵として立派でありました。ここまでの話をトントンと進ませる、今井豊茂の脚本・演出もすぐれており、古風な味わいを大切にしつつも、愛之助や若手花形の個性をぞんぶんに生かしていて見事です。

また、わき役も思い切った抜擢が続いており、目が離せません。上村吉弥の妖怪の霊などは大奮戦。かれにとり殺される犬村大角(種之助好演)の妻・雛衣の折乃助、玉梓の方を演じる千壽など、清新な配役に、歌舞伎役者の層の厚さと充実を感じます。橘三郎の里見義実、松江の金碗(かなまり)大輔・のちのゝ大(ちゅだい)法師、寿治郎、松之助、歌女之丞も誠実な演技で魅了します。再演を重ね、推敲を重ね、いっそう充実した舞台となることを期待しています。

昼の部にも触れましょう。こちらは愛之助奮闘公演の趣。「月形半平太」は新国劇の傑作ですが、歌舞伎の舞台に洗い直し、現代に問う内容となって秀逸。ことに、桂小五郎役の片岡亀蔵が重厚な演技で締め、壱太郎の芸妓梅松、新悟の染八があでやかに華を添えます。愛之助の半平太は憂国の士でありつつも、女と酒にふけるデカダンぶりを凄艶な魅力で演じています。最後の大立ち回りも新国劇を彷彿とさせる男っぽさと壮絶さ。絶唱が胸に響きます。

「三人連獅子」は愛之助が家元を勤める楳茂都流でのめずらしい踊り。愛之助の父獅子、壱太郎の母獅子、種之助の仔獅子が力演。華やかな打ち出しとなりました。

久々に訪れた明治座でしたが、また清新な配役と斬新な企画で、すぐれた歌舞伎を世に送り出してほしいと願いつつ、帰途につきました。

 

 


おなじ主婦にはちがいないんですが・・・(笑)

2017-05-23 01:04:39 | くらしのくふう

きょう電車の中できいて、仰天した、とある奥様方の会話です♪

品の良い奥様A「アタシ、Excelとかワードとか、全然やる気おきないの。

だってそんなもの身に着けたってしょうがないでしょう?家計簿もわたし、つけたことないし」


品の良い奥様B「私もよ。Excelなんて、意味がないでしょう。

息子にきけばいいわ、とおもっているの」

品の良い奥様A「だいたい、ドキュメントっていわれたって全然わからないわ。

フォルダにいれてくれっていわれるけど、どれがどれだかさっぱりわからないわ。

パソコンって全然意味がないわよね」

そしてふたりは、「オホホホホ」と笑うのでした。

 

いま日本でこんな会話のできる、奥様方もおられるのですね・・・。

・・・家計簿つけたことないって、それはすごいですよね(笑)

Excel、Wordをやったってしょうがないって・・・

それ、旦那様はきっと会社で必須でがんばっておられると思いますけど(笑)

そして、きょうも家計簿ソフトにコツコツつけ、論文をコツコツ書いている、かつらぎでした(苦笑)


きのうは勉強デー♪

2017-05-22 01:22:26 | 芝居のエッセイ

きのうは一日勉強デーとなりました

手掛けている論文がそろそろ締め切りが近くなってきたので

本格的に調べ物をしておりました。

うーむ、文献をあさればあさるほどあたらしい発見があるなぁ(^^)

いいものに仕上げられるようにがんばります

夫とともに、図書館にこもっておりました。

 

午後は国立劇場の伝統芸能情報館へ

実は先日の文楽の第2部「加賀見山旧錦絵」を見て、

どうしてもいろいろナットクの行かなかった私、

「え、どうしてこういう風に考えてしまうんだろう?」と思っていたら、

なんと、渡辺保先生が、伝統芸能情報館で、1日文楽講座をしてくださるというではありませんか!(^^)

そこでさっそく申し込み、伺うことにしました。

久しぶりの先生の授業は、やはり、とてもいい緊張感があってステキです♪

テーマはこの「加賀見山」についてお話ののち、

集まった人たちでたのしく文楽を鑑賞するというものだったのですが、

わたしは講座だけ伺うことにしました。

 

どんなことを先生がお話なさったかはナイショとさせていただきますが

とても素敵で、楽しく、ウキウキするようなお話でした。

文楽はいまとても充実のときを迎えているのだと思いますし、

「加賀見山」に対して、私もとても勉強になりました。

まちがっても岩藤は「パワハラ上司」だけのお局さまではないし、

尾上・お初は「空気の読めないお嬢さん」でもないということですね

 

とても新しい発見の多い「加賀見山」だったそうで、

今日の文楽のひとつの水準を示すものだそうです。

勘十郎さん、玉男さん、和生さんという同期生トリオの活躍に期待したいということでした。

今回あらためて、先生の解説をうかがって、得心することがやまほどありました。

また、私はまだまだ文楽に対する知識が浅すぎるので

(無理もないですね、まだ6回目くらいの鑑賞ですから!)

いろいろ文楽について伺っていこうと思います。

 

次回文楽講座は、9月18日(月・祝)だそうです。

文楽をまだよくわからないという方もぜひぜひこの機会にどうぞ♪

※まだ渡辺先生のHPにものっておりませんで、当日配られたチラシ情報です。

14時半から15時半 渡辺先生による講座(場所:国立劇場 伝統芸能情報館 3F)

16時~      国立劇場小劇場にて9月文楽第2部「玉藻前あさひ(>字が出なくてごめんなさい)袂」を鑑賞

         ※お弁当・お茶付き 一等席だそうです。

人数は先着順で限定だそうですので、お早めにお申し込みください(^_^)

申し込み先・問い合わせ先:芝居茶屋 新日屋(しんにちや) 

      電話 03-5652-5403 FAX 03-5652-5404

      メール:reservation@shinnichiya.com

料金:9000円(税込み、事前講座、文楽一等席。ただし講座のみ受講の方は2000円だそうです) 

 

とりいそぎのご案内でした(^_^)/

とにかく、私も勉強します~(^_^)/

 


ハワイアンの魅力にうっとり\(^o^)/\(^o^)/

2017-05-21 02:56:01 | 音楽

突然、なにごとかとおもわれたかと思いますが(^^)

きのうは金田栄一さん(元歌舞伎座支配人、現・歌舞伎座舞台株式会社の顧問でいらっしゃいます。

右端のギターをもっておられるのが金田氏です)とお仲間たちによる、

たのしいハワイアンのライブ(於・渋谷バッキ―)に行ってまいりました

ごらんのように大変和気あいあいとした、アットホームな雰囲気でした

 

金田さんは、もちろん歌舞伎ファンにとっては、よくご存じの、

歌舞伎に造詣がふかいばかりか、たのしい歌舞伎解説、

そして数々の歌舞伎の大イベント(團十郎襲名、高麗屋三代同時襲名、源氏物語などなど)

を成功させた立役者のひとりとして、

私にとってもほとんど「レジェンド」的な存在ですが、

実は大学の先輩でもあるというすばらしいご縁に恵まれました

 

ところが、歌舞伎通でいらっしゃることはもちろんのこと、

天は二物を与えたのですね、金田さんはハワイアンの演奏家としても

たいへんすぐれた才能をお持ちで、こうしたライブ活動もされておられたことをしって

わたしはビックリ

さっそく伺わせていただいた次第でした。

写真ではわかりにくいですが、スチールギターについては

本当に名手でいらっしゃいます。

また軽妙なMCもされ、たのしくライブを盛り上げるのはさすがの一言です!



第1部はハワイアンの名曲・新曲を中心に演奏され、

また第2部は60年代ポップス(恋のバカンスなど)を歌い、

そして第3部は上の写真のように、「オール・オブ・ミー」や「ブルー・ハワイ」などの名曲を

お見えになったお客様みずからが演奏し歌うという、

大変すばらしい会になったのでした。

みなさん、本当にお上手で感動してしまいました。

金田さんのほか、落合さん、鈴木さん(ドラム)、

そしてヴォーカルのJunkoさんによる編成ですが、

ぜひまた次回のライブもうかがいたいと思っています


こちらがJunkoさん。大変お美しく、美声で、またフラダンスの名手でもいらっしゃいます

ステキな声で魅了しました後ろはギター担当の落合さん。こちらも美声で、名演です。

 

本当にスペシャルな夜で、ハワイアンにあまり詳しくない私も、

すっかり魅せられました。

ぜひみなさまもこれを機会にハワイアンの魅力、そして歌舞伎の魅力に

ふれてみてください(^_^)/

 

お誘いくださった、金田大先輩にお礼を申し上げます!

すばらしかったです

 

 


 






フェドセーエフの指揮が冴えわたる!NHK交響楽団定期公演Cプログラムに行ってきました(^_^)/

2017-05-20 07:16:12 | 音楽

まだ駆け出しのクラシックコンサートファンである私ですが、ウラディーミル・フェドセーエフのことを全く知らなかったので、きのうのNHK交響楽団の第1861回定期公演Cプログラム、”ロシアン・ナイト”は、非常に芳醇で贅沢な時間を過ごすことができました。フェドセーエフは大変な大ベテランでしたが、新進気鋭の指揮者のように、野心あふれ、エネルギッシュな演奏で、私たちを魅了しました。また、N響もやはりヨーロッパ・ツアーを経て、確実に世界的オーケストラへの道を歩んでおり、勇壮なグリンカ、ボロディン、チャイコフスキーという作曲家たちの魅力を最大限発揮して、スラブの風を運んできてくれました。

特に魅力的だったのは、ボロディンの交響曲第2番ロ短調で、私はこれを全く初めて聴きましたが、実にロマンあふれる大作でした。ボロディンが苦心して作り上げただけあって、みごとな曲想で大胆な展開に驚きました。演奏の機会がこれを機に増えるといいですし、ちょっと譬えとして適切かどうかわかりませんが、「千と千尋の神隠し」のラストの音楽に匹敵するダイナミックかつ豪奢な音楽で素晴らしかったです。こと第3楽章のハープからの導入、第4楽章へ続けて演奏される展開は圧倒的で、息をのむようでした。激しい滝を流れるかのような流麗さにただただ惹かれました。ともあれ、今回の白眉ともいうべき、ボロディンの交響曲第2番でした。

また、やはりN響の圧倒的な演奏力が発揮されるのは、チャイコフスキーの交響曲第4番で、こちらも私は全く初めて聴きましたが、弦楽器(篠崎史紀以下の陣容がすばらしい超絶技巧を聴かせてくれます)が見事ですし、管楽器もよく期待に応えました。こちらも大変豪壮華麗な音楽で、ロシア音楽のひとつの頂点ともいうべきものであり、日本でも、もっと人気の出る曲として、浸透することを祈っています。特に第1楽章の管楽器の「運命」を告げるファンファーレ、終盤の第4楽章におけるオーケストラが混然一体となって超絶技巧を繰りひろげる様は、大変な陶酔感をともなうものでした。

ホールは熱狂的にフェドセーエフを迎え、この大ベテラン指揮者に敬意を表しました。ロシアの大地の魅力を運んできてくれた彼と、N響に感謝したいと思います。

つたないですが、英訳します。

It was I who is still a novice classic concert fan, but I didn't know Vladimir Fedoseev at all, so yesterday's 1861st time fixed period performance C program of NHK Symphony Orchestra, Tokyo and" Russian night" could spend very mellow and luxurious time. He was a serious great expert, but Fedoseev charmed us by an ambition overflow and an energetic performance like an up-and-coming conductor. NHK Symphony Orchestra also was walking the way to a worldwide orchestra certainly, was showing composers' heroic charm called Glinka, Borodin and Tchaikovsky maximally and was carrying a Slavic wind via Europe tour as expected.

A 2nd number of Borodin's symphony was B minor, and I heard this just for the first time, but the one attractive in particular was the masterpiece very full of romance. That Borodin took pains and completed, I was surprised at bold development by an excellent song idea. I hoped that a chance of a performance increased taking this as an opportunity and I didn't know whether it was slightly appropriate as a metaphor, but it was wonderful by dynamic and luxurious music which equals the last music of "Spirited Away". Played development continued introducing from a harp of a fact 3rd movement to the 4th movement, and was overwhelming, and they seemed to hold the breath. It was attracted by elegant as if it flows through an intense waterfall. Anyway it was a 2nd number of Borodin's symphony like this fine example.

It was a 4th number of Tchaikovsky's symphony that the overwhelming performance power of NHK Symphony Orchestra is shown as expected, and I also heard this just for the first time, but the strings (You made them hear the transcendent art with the wonderful battle formation below Fuminori Shinozaki.) were excellent and a wind instrument often also responded to the expectation. Gorgeous also is splendid music and is the one like one climax of Russian music very much here, and it's being hoped also to permeate as the song among which I become popular more in Japan. The orchestra in the 4th movement of a fanfare and the final stage who tells "destiny" of a wind instrument of the 1st movement in particular was one by which the state by which unfolds transcendent art in a body involves a serious fascination sense.

Hall met Fedoseev and paid his respects to this great expert conductor enthusiastically. I'd like to thank NHK Symphony Orchestra with him who was carrying charm in the Russian earth.