桂木嶺のGO TO THE THEATER!~Life is beautiful!~

歌舞伎中心とした演劇・クラシック音楽・美術展・映画など芸術全般のレビューを書きます。優れた芸術は応援します!

松緑芸話を改めて読んでいます。

2017-11-13 22:24:43 | 読書



明日の国立劇場の予習もかね、こちらの本を読んでいます。六代目への畏敬の念が、二代目松緑丈を名優たらしめたのですね。芸質もとてもまっすぐだったことがよくわかります。色気もあり、剛毅でも繊細でもあった丈の面影にいやされています。明日が楽しみです!


ただいま読んでいる本です♪ いったいこの世の中はどうなるのかな?「ポスト・キャピタリズム」という本です。

2017-10-18 06:18:50 | 読書

みなさま おはようございます!

この10月の頭に発刊されたばかりの新著をご紹介します。

また大変むずかしくて、すこしずつ読んでいますが、

とても刺激にみちた内容なので、みなさまにもぜひ読んでいただき、

いろいろな意見をたまわりたく、ご紹介させていただきます。

「ポストキャピタリズム 資本主義以後の世界」

という本です。イギリスのジャーナリスト、ポール・メイソンが書いています。

(東洋経済新報社より)

 

具体的にはどういう内容かというと、

いま、いろいろな意味で、資本主義が限界を迎えているのではないか、という

考察から始まり、「プロジェクト・ゼロ」・・・・という考え方を提唱しています。

つまり、

1)機械や製品のコストはゼロ、労働時間も限りなくゼロに。

2)生活必需品や公共サービスも無料に

3)民営化をやめ、国有化へ。公共インフラを低コストで提供し、単なる賃金上昇よりも公平な財の再分配へ

4)ベーシック・インカムで、劣悪な仕事は姿を消す

5)並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間などが出現

6)経済活動に信用貸しや貨幣そのものが占める役割がずっと小さくなる etc

といった考え方、(かなり大胆ですね)を提唱していくものです。

 

それは、どこからスタートしているかというと、2004年ごろを過ぎて、インターネットとモバイルデータの進歩で

新しいビジネスモデルが可能になったことを筆者は示唆しています。

「ネットワークによって、人は、産業資本主義の時代に形成された活動分野とは別に知識を生み出して消費できるようになった。

このため、私たちはニュースと音楽の業界でまず崩壊が起こったことに気付き、政治的プロパガンダとイデオロギーを独占してきた

国家体制が突然失われたことを知った」と筆者は記し、それが資本主義経済によって起きたのではなく、

ネットワーク社会の成熟によって起きたことを示しています。

 

新自由主義は崩壊し、分断化とゾンビ国家をもたらしたのは、「情報経済と市場経済は共存できるものではない」という考え方によるものだと

筆者は指摘します。つまり、大変な社会変革の可能性を示唆しているわけです。

 

ここで、この本に寄せられた海外の識者からの賛辞をお届けします。

【本書への賛辞】
たとえ、あなたが現在の資本主義システムを愛しているとしても、本書を無視するのは間違っている。
本書の主張は、右派と左派も分け隔てなく幅広い読者層を得るだろう。
――ジリアン・テット(ジャーナリスト・元フィナンシャル・タイムズ アメリカ版編集長)

これまでとは違う真の選択肢を導き出す独創的、魅力的、刺激的かつ活気ある明確なビジョンである。
――ナオミ・クライン(ジャーナリスト、『ショック・ドクトリン』著者)

ポストモダニズムなど、さまざまな『ポスト○○論』の流行が去った後、
メイソンは、唯一本物のポスト論である『ポスト資本主義』と恐れることなく向き合った。
――スラヴォイ・ジジェク(哲学者、精神分析家)


【主な内容】
プロローグ ポスト資本主義はユートピアではない 

第1部 資本主義の危機と歴史の循環
 第1章 新自由主義の崩壊
 第2章 コンドラチェフの長い波、短い記憶
 第3章 マルクスは正しかったのか
 第4章 長く混乱した波

第2部 機能しない情報資本主義と無料の世界
 第5章 ポスト資本主義の予言者
 第6章 無料の機械に向けて
 第7章 美しきトラブルメーカーたち

第3部 新自由主義からプロジェクト・ゼロへ
 第8章 資本主義を超える経済への移行
 第9章 パニックには理性的に
 第10章 プロジェクト・ゼロ

ちょっとずつ読みますので、また随時ご紹介いたします。

「労働時間が限りなくゼロに」というのは

あながち夢物語ではなくて、ネットワーク化を進めていった結果、

アメリカのシリコンバレーでは、1か月の労働内容に相当する作業を

月に1時間の出社でできてしまう社員がいるので、1時間の出社だけでよい、

ということを認めた会社が出てきたそうです。

3)に至っては、かなり大胆な考え方ともいえるので、どうなるのか推移を見守りたいところです。

というわけで、まったく映画でも芝居でも音楽でもないお話ですが、

ぜひみなさまもご一読くださいませ(^_^)/


「街道をゆく」を読み始めました。そして、「坂の上の雲」のこぼれ話。

2017-06-27 02:11:06 | 読書

街道をゆく 1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか (朝日文庫)
司馬 遼太郎

朝日新聞出版

いま横浜そごうのそごう美術館では、「司馬遼太郎展」が開催されています。

たまたま昨日は横浜に用事があり、行ってまいりました。

とてもすばらしい展覧会だったので、ぜひたくさんの方にお越しいただければと思います。

嬉しかったのは、私が、(もう書いていいと思いますが)

大河ドラマの仕事をしていたときの、

「坂の上の雲」などの衣裳が展示されていたことですね!


「坂の上の雲」に関していうと、途中までしかかかわっていないのですが、

すべての制作過程が驚くべきスケールで、

時代考証も本当に緻密で、丁寧だったことが印象的です。

私は衣裳のお仕事を手伝っていたのですが、

たとえば、海軍の軍服のボタンがあるとすると、

何十種類ものボタンを集めてきて、

その海軍の階級にあったボタンを探し、

一個一個つけていく作業がとても面白いし、大変だったことを思い出します。


また、水兵さんのシャツを300枚「汚した」ことも

大変でしたが、いまとなっては懐かしい思い出です。

「汚し」というのは、洗い立ての衣裳では、

古さや質感が出ないので、洗濯機で何度も洗い、あえてくしゃくしゃにし、

戦国時代の衣裳などは、合戦などでの場面を想定して、

石油や泥などで、いわゆる「汚し」て質感を出すという作業で、

大変根気のいる作業です。


使われる場面は数カットなのですが、

時代考証を綿密に行い、厳重なチェックの上、場面に登場します。

300人の水兵さんが、私の手掛けたシャツを着てくださったのを

画面でみたときには、うれしくて涙が出たものでした。


というわけで、話がとてもそれてしまいましたが、

日本を代表する作家・司馬遼太郎は、大河ドラマの原作を数多く手掛けており、

その品格あふれる文体と、すぐれた歴史観で、

いまなおたくさんのファンを集めています。

そごう美術館の展覧会では、偉大なる司馬遼太郎の足跡をたどり、

日本の歴史の神髄に迫る構成をとっており、

大変興味深かったですね。


21世紀が迫りくる中、司馬遼太郎が若者に向けて書いた一文が

展示されており、見る者の胸をうつ名文となっていますので、

ぜひこれもご注目いただければと思います。


 

売店でも司馬遼太郎の作品は多々売られていましたが、

 

没後20年を経て、ふたたびもっと脚光をあびるべきだと思います。

 

そこで、この「街道をゆく」1を買いました。

 

これから、丹念に読み進めていきたいと思いますし、

 

これを機会に、あらためて司馬文学と日本人の来し方行く末を考えたいですね。

 


Martという雑誌が大変面白いです♪

2017-05-29 04:05:19 | 読書

ちょっと話題を変えまして♪ 私のすきな雑誌のお話です。

まぁ、なんでも楽しく物事は考えていきたいですね!

 

 

いろいろ好きな雑誌はあります。

もちろん、歌舞伎の専門誌「演劇界」も好きですし、

映画の雑誌も好きですけれど、

専門外でいうと、いちばん好きなのは、実はこちらの雑誌です。

 

こちらは、若いママや主婦の方向けに作っている雑誌なのですが、

中身は大変面白く、読み応えがあり、かつくらしの知恵に富んだ内容となっています。

わたしは雑誌で買うよりも、500円でオトクに買える、

kindleで買うようにしています。

保存もできるし、繰り返し読めますので、大変便利ですね

 

毎回のテーマも、うーん、とうならされることが多いですが、

100円ショップのグッズを使って、たのしくお部屋を綺麗にしたり、

おいしそうな料理のレシピをアップしてくれたり、

日ごろの生活で活用できそうなファッション情報、

まだ利用したことがありませんが、「コストコ」のたのしい買い物方法や、

気になる「カルディアコーヒーファーム」などの新商品のご案内など、

眼からウロコの特集ばかりです。

 

また、なんといっても白眉は、わたしがとても気に入っているリュック

「アネロ」の話題!このリュックの情報を提供してくれたのも「Mart」でした。

最近は、私はまだ体験していませんが、「ズパゲッティバッグ」というバッグの

編み方も特集していますね。

アイディア満載で、それでいてちっともせちがらくなくて、

毎日のくらしをたのしく実り豊かにエンジョイするという精神が気に入っています。

 

冒頭の、「海外派遣員ミセス」「地域特派員ミセス」の情報も充実しており、

東京だけの発信でない、各地での流行やくらしのくふうが凝らされていて

すばらしいです。

フルカラーでお届けするので、読みやすさもバッチリ♪

いつかこの雑誌で歌舞伎や芝居をご紹介できたらいいなぁ・・・と

夢見ごちながら、読んでいます。

 

この種の生活情報雑誌としては、オレンジページやレタスクラブ、

暮しの手帖などがあげられますが、

Martはやはり暮らしを楽しむ精神があふれていて素敵です!

ぜひぜひ、みなさまも(男性の方も♪)お手にとってみてみてください(^_^)/

ご家庭での毎日の過ごし方がとてもたのしくなることうけあいです 

 


「『凛とした魅力』がすべてを変える」が素晴らしいです!

2017-05-25 22:25:25 | 読書

 

きょう書店で刊行されたばかりの、「フランス人は10着しか服を持たない」の第3弾シリーズ「『凛とした魅力』がすべてを変える」という本を、一気に読破しました。このシリーズの読者にとっては大変読みやすく、わかりやすく、ジェニファー・L・スコットさんがシンプルでシックな生き方を提案します。きっかけは彼女のパリ留学での生活でしたが、そのライフスタイルは、アメリカの物質主義に異を唱えるものです。精神的なゆたかさと、気品をもって情熱的に生きることを、「凛として生きる」という言葉に収斂して提案していきます。

服を10着コーディネートすることから始まり、観劇などのファッションマナー、また、スマートフォンに依存しがちな私たちの生活を見直し、姿勢を美しく保ち、言葉遣いを綺麗にすることで、おだやかで満ち足りた生活を送ることを私たちに改めて呈示してくれ、勇気づけられます。

どうしても日本でも情報過多になってしまい、気が付けばうるおいのない生活を送りがちになってしまいますが、この本を読んで改めて、「凛として生きる」ことの大切さを改めて考えさせてくれる、すばらしい本になりまし...た。

女性むけに書かれていますが、生き方のひとつの伝授をしてくれる上で、男性にも必読の書といえますので、ぜひご一読くださいませ。


アモーレ大国・フランスに思いをはせて♪

2017-05-13 21:30:17 | 読書


野口雅子さんがお書きになった

「フランス女性は80歳でも恋をする」という本を読んでいます。

(もちろん歌舞伎の本も読んでいますが、こちらは気分転換にですね^^)

女性として、とてもたのしいですし、参考になる本ですが、

これを読むと、やはりフランスはアモーレ(愛)の国なのだなと思いますね。


若いころにパリを訪れたことがあり、映画博物館に行ったことがあります。

すると、ここのスタッフの男性が

「キミ、ホテルの番号をおしえてくれない?愛と映画について語り合おう♪」

といったのには仰天しました!

「日本では仕事中にそんなことをしたら怒られますよ!」と一喝したら、

「フランスではこれが当り前さ(^^)

だってご主人はいま日本にいるのだから関係ないよ」

と笑われてさらにビックリした覚えがあります。

いまとなってはアモーレの国なので、

それは一応かれらにとってはマナーだったんでしょうね(〃▽〃)


マクロンさんが選ばれたのも、やはりかれがさわやかイケメンで、

「ありがとう!友よ!」というのがステキだし、

年上の奥様を大事にされているところも、

ポイントが高かったのではないかと思いますね(^_-)-☆


アモーレ(愛)か・・・いまの日本には大事なことかもしれませんね(^_-)-☆

ぜひみなさまもおよみになってみてください♪