桂木嶺のGO TO THE THEATER!~Life is beautiful!~

歌舞伎中心とした演劇・クラシック音楽・美術展・映画など芸術全般のレビューを書きます。優れた芸術は応援します!

アモーレ大国・フランスに思いをはせて♪

2017-05-13 21:30:17 | 読書


野口雅子さんがお書きになった

「フランス女性は80歳でも恋をする」という本を読んでいます。

(もちろん歌舞伎の本も読んでいますが、こちらは気分転換にですね^^)

女性として、とてもたのしいですし、参考になる本ですが、

これを読むと、やはりフランスはアモーレ(愛)の国なのだなと思いますね。


若いころにパリを訪れたことがあり、映画博物館に行ったことがあります。

すると、ここのスタッフの男性が

「キミ、ホテルの番号をおしえてくれない?愛と映画について語り合おう♪」

といったのには仰天しました!

「日本では仕事中にそんなことをしたら怒られますよ!」と一喝したら、

「フランスではこれが当り前さ(^^)

だってご主人はいま日本にいるのだから関係ないよ」

と笑われてさらにビックリした覚えがあります。

いまとなってはアモーレの国なので、

それは一応かれらにとってはマナーだったんでしょうね(〃▽〃)


マクロンさんが選ばれたのも、やはりかれがさわやかイケメンで、

「ありがとう!友よ!」というのがステキだし、

年上の奥様を大事にされているところも、

ポイントが高かったのではないかと思いますね(^_-)-☆


アモーレ(愛)か・・・いまの日本には大事なことかもしれませんね(^_-)-☆

ぜひみなさまもおよみになってみてください♪


歌舞伎座昼の部、菊五郎さんの魚屋宗五郎がすばらしかったです!!!

2017-05-13 07:48:52 | 劇評

きのうは、お友達に席をとっていただいて、歌舞伎座昼の部を拝見してまいりました。

それぞれの演目を心行くまで堪能、とても贅沢な一日になりました!お席もとてもよくて、大変見やすい席だったので、おちついて楽しく見ることができ、感謝しております。また、そのあとも大変たのしいお話を伺うことができて、実り多き一日になりました!

今回特に心に残ったのは、「魚屋宗五郎」の菊五郎さんのえもいわれぬ色気でした。もちろんなんどもなんども見ていますが、今回初めて、このお芝居が好きになりました。かれの洗い上げた型の美しさ、声のつやの見事さ、酔っていくさまの演技の組み立て方などすべてにおいてパーフェクトで、客席から「かっこいい!」という掛け声もかかっていましたが、酒桶をかついで決まるところなど、まさに一幅の絵。気風のよさ、セリフのたのしさ、粋な美しさを心行くまで堪能しました。この江戸前の芝居ができる菊五郎さんの存在は本当に大切ですね。若いかたはどんどん見習っていただきたいと思います。

そして時蔵さんの女房おはまがまた実にいい女房で、菊五郎さんとの息のあった夫婦愛も見事でしたし、すべての段取りが綺麗にきまって、花道の引っ込みまで魅了してくれました。酔った宗五郎をなだめるところなど、慈母のごとき風貌で感動しました。こんないい女房がいるから、宗五郎の大酔ぶりも、家老の浦戸が許してくれたのだろうと思える、そんなおはまでした。

そして、菊五郎劇団のチームワークのよさがここでも発揮され、江戸庶民の哀歓がよくでていて見事でした。とりわけ團蔵さんの父太兵衛は大当り。はじめは妹を殺され落ち込む宗五郎をはげますつもりで酒を勧めるのですが、次第に「こりゃまいったな」と頭を抱え込み、宗五郎をいさめるあたりにリアルな哀感がでていました。梅枝さんのおなぎも品格あふれて素敵ですし、三吉の権十郎さんもうなってしまうくらいいい三吉でした。酒桶を宗五郎に渡すまいと苦心するのですが、いろいろなアクシデントがあって宗五郎がすべて酒を飲みほしてしまうという芝居を自然の流れで綺麗にみせていました。

初お目見得の寺嶋眞秀(まほろ)くんも丁稚与吉で大活躍。大変口跡も度胸もよく、くりくりと大きな目が舞台映えして将来が楽しみ。まずはおつかれさまでした。

左團次さんの家老浦戸も滋味あふれ、実感がこもっていて秀逸ですし、大人(たいじん)ぶりを感じさせます。市蔵さんの岩上典蔵も憎々しげ。発端をつくる磯部主計之助の松緑さんも見事に芝居を引き締め、物語を大団円に導きます。追い出しとしては大変気持ちよかったです。


甲乙つけがたい昼の部ですが、やはり襲名披露の話題作ということで「石切梶原」も忘れ難い妙味。なんといっても彦三郎さんの梶原が襲名というイベントをへて一回りスケール大きく、立派になり、その圧倒的で自在のセリフ術で魅了したのが収穫でした。彦三郎さんの可能性については、ライブドアのブログでも申し上げましたが、義太夫狂言もよくするので、先述の松王・源蔵・知盛のほか、実盛・樋口次郎兼光なども見たいですし、荒事ではやはり祖父の羽左衛門丈も手掛けた「暫」の鎌倉権五郎もいずれはチャレンジしてほしいですね!

彦三郎さんのセリフのよさ、型の美しさはいろいろな方が絶賛されていますが、特に見事なのは「天晴れ、稀代の剣」という声の大音声が、劇場をうねるように包み込むことと、格段に良くなったのが「佞人讒者とそしられようとも」のくだりで、ぐっとハラを見せ、梶原の複雑な人間性を見せた事。また、刀の目利きをする目配りの仕方が本当に祖父・羽左衛門丈にそっくりで、涙がほろりとこぼれました。

楽善さんの大庭三郎も大変すばらしく、きょうのこの日をいちばん喜んでいるのは彼でしょう。また俣野の新・亀蔵さんもますます役者ぶりが大きくなりました。いままで見た「石切梶原」の中でも一、二を争うできだと私は思います。松緑さんの剣菱吞助の襲名づくしの口上がたのしく、奴菊平の菊之助さんのたたずまいが美しいですね。巳之助さん、廣松さん、男寅さん、橘太郎さんの梶原方大名も神妙ですし、辰緑さん、新十郎さん、蔦之助さん、吉兵衛さんの大庭方大名もいいですね。菊十郎さんの牢役人は、菊五郎劇団を見守ってきた彼としては感無量でしょう。

六郎太夫の團蔵さんがここでも安定した演技。さらさらとした境地になったのが新鮮です。梢の尾上右近さんがただただいじらしく可憐ですね。華やかに舞台を彩ります。本当に大満足の「石切梶原」でした。またこのメンバーで再演を重ねてほしいです。

最後になりましたが、海老蔵さん・菊之助さんの「吉野山」も目の覚めるような美しさで観客は大喜びです。吉野川が流れる吉野山は初めてみましたが、海老蔵さんの軍物語は本当に忠信のいさましさを表していて素晴らしいですし、逸品ですね。菊之助さんの静御前もたおやかで品格あふれ、彼の女形としての充実ぶりを感じさせます。逸見藤太の男女蔵さんが飄逸な味でしたね。こちらも贅沢な気分になれる「吉野山」でした。


舞台観劇後、お友達といろいろたのしく歌舞伎談義に話が咲きました。心行くまで「歌舞伎」を堪能できたので、幸せいっぱいで感謝です!またお友達におしえていただいた、歌舞伎座のもっとも「見やすい席」で、これからは見ていけるようにがんばりたいと思います。本当に心が落ち着き、舞台全体もよく見えましたので、うれしかったです!!

うれしい、うれしい一日でした!