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『手塚治虫展』

2009-05-24 21:10:00 | 徒然なるままに
5月24日(日)

『手塚治虫展』(~6月21日・江戸東京博物館)を見てきた。
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2009/0418/200904.html

私にとって、手塚治虫の漫画やアニメは、物心ついたときには当たり前のように、身近なものだった。
それは、漫画より、アニメのほうがより強かったかもしれない。

小1のときに始まった『鉄腕アトム』は、毎週一家で楽しみに見ていたし、小学校の鼓笛隊が演奏していたのを憧れの眼差しで見ていたものだ。明治製菓のマーブルチョコレートのおまけのアトムシールは宝物で、遠足の時はいつもマーブルチョコを買っていた。
お風呂でシャンプーをするときは髪の毛をアトムやウランちゃんの髪型にしてみたり。
アトムの最終回のラストシーン、アトムがロケットに抱きついて太陽に向かっていったときには、弟と一緒に声をあげて泣いたのを覚えている。

『ジャングル大帝』は、オープニングからインパクトがあった。なんてったって、オールカラー!富田勲の雄大な曲に負けないぐらいおおらかな歌声、フラミンゴの大群が大空でいっせいに翻るシーンは圧巻だった。

『バンパイヤ』はアニメと実写の合成だったが、今見てもそのアイディアも技術も完成度が高い作品だと思う。主人公の少年を演じていたのは、水谷豊氏だった。

『マグマ大使』は大好きな実写ドラマだった。地球をアースというのだということを知った。フォーリーブスの江木俊夫氏が主人公役を好演。

『どろろ』は、第1話から最終回まで本当に毎回ショッキングな話だった。特に最終回で、最後の倒すべき妖怪が実の父親だというシーンはすごく切なかった。
この作品が再放送されない理由が『放送禁止用語』が頻繁に使われているからと知り、残念に思う。

『リボンの騎士』は毎週胸ときめかせて見ていた。
 サファイヤが亜麻色の髪の乙女に変身してフランツ王子と会うシーンは切なくて、心からサファイヤの幸せを願ったものだった。

『ワンダー3』は、私がSFに目覚めていくきっかけだったかもしれない。
あの歌がよかったな~♪
♪とってーも好き ポッコ、ブッコ、ノッコ 星から来た仲間ーよ!

『悟空の大冒険』は私のお気に入りのベスト3に入る名作!あのテンポとキャラクターが大好きだった。
頼りない三蔵法師の声をアラン・ドロンの声を演じている野沢那智氏が演じていると知って、そのあまりのギャップにビックリしたものだった。

『アンデルセン物語』は夢中になって見ていた。とくに、『プシケ』の話は、私がギリシャ神話にはまるきっかけとなった。

『不思議なメルモ』は、思春期前期の私には、かなり刺激的で、でも、とても考えさせられるアニメだった。メルモが亡くなったお母さんに会いたくなって、キャンディーを食べるシーンは切なくなった。

『海のトリトン』は、原作は手塚治虫氏ではあるが、富野 由悠季氏の演出・脚色が色濃い。私は原作も、アニメ版も大好きだ。

『三つ目が通る』『ブラックジャック』『火の鳥』と大作が続くが、大人になってから(自分もアニメの世界の人間になってから)見るとどうしても純粋に物語の中に入っていけない。いつか原作もじっくり読みたいと思っているが・・・。

アニメ版ばかり書いてきたが、漫画版についてはまた次回書こうと思う。

展覧会に戻るが、生涯700作にわたる傑作を生み出した巨匠の、生涯とその時代背景、仲間の交流、家族などプライベートなども触れてあり、『人間・手塚治虫』を身近に感じることができる展示となっていたように思う。音声ガイドのナレーションを息子の手塚真氏、アシスタントをアトムとブラックジャックがつとめるという趣向も面白かった。これから展覧会を見に行く人がいたら、この音声ガイドはぜひ、オススメだ。

本物の展示を見て私が一番感動したのは、中学生時代に描いた昆虫の図鑑だ。本物そっくりの緻密な描写力にはただただ感心した。もう、感動!!
自分の名前に『虫』という文字をつけるくらい、本当に虫が好きだったんだなぁ・・・。


最期に、手塚治虫氏は、奥様に
『頼むから仕事をさせてくれ』
と言って亡くなったそうだ。
死の間際まで描いていた絶筆の遺稿を見て、本当に涙が流れた。
60歳、あまりにも早すぎる死ではあるが、その生涯はなんと濃密で、後世に多大な影響力を持つ偉大な生き様だったことだろう。
彼の求めてやまなかった永遠のテーマ『命の尊さ』は、どの作品にもちりばめられてあり、一貫している。

医学を志し、無類の虫好きで、過去・現在・未来を見通し、ミクロの世界から宇宙にまでイメージを広げられる手塚治虫氏はやはり『漫画の神様』だった。

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