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仏像にはまる

2009-05-02 19:15:00 | 徒然なるままに
今、3年生に「仏像を100倍楽しく見る見方」という授業をしている。

もうすぐ京都・奈良方面に修学旅行に行く3年生。少しでも有意義な旅になればと思って計画したことだが、今のところ反応は今一といった所か・・・。

この授業は、1年生では「鎌倉校外学習」がある学校や3年生で「奈良・京都修学旅行」のある学校ではずっと続けてきた授業だ。
昨年度の中学校では大好評で、生徒たちからは、
「先生は1年間しか僕たちの学校にいられない先生だから、ぜひ、先生が在任中に、2年生たちにもこの授業をしていってあげてください」
というメッセージをもらい、私もその気になって、つい先々月もやってきた授業だ。

『仏像』なんて、古臭い、辛気臭いと思っていた生徒たちが、どんどんその魅力に引き込まれ、「実物を見たい!」「学習したことを自分の目で確かめたい!」「仏像と実際にその場で目を合わせて見たい!」「早く修学旅行に行きたい!」と意欲的になっていくのを見るのはとても楽しい。
『仏像の授業を受けて、この素晴らしい人類の宝を、今の私たちが見ることができるように命がけで守ってくれた人々に感謝したい。そして自分たちも、未来の人たちのために、しっかり守っていかなくてはならないということを学んだ。』
という感想を寄せてくれた生徒もいた。

今の学校の3年生もそうなってくれるかどうか、不安よりもワクワクするほうが勝っている。

そのためにも、さらに充実した授業にせねばといろいろ調べているうちに、私自身が仏像にハマっていっている。調べれば調べるほど奥が深く、面白い。

『阿修羅展』を見に行く前に、手塚治虫の『ブッダ』を読んだ。
伝え聞く超人的なブッダではなく、とても人間くさい主人公の心の葛藤にすごく共鳴した。さらに架空の人物やフィクションを交えながら、ブッダが何を悟り、ブッダの説法の何が人々や異教の神々を帰依させていったのかが実に分かりやすかった。
『仏教』の視点とは違う視点やエピソードだが、より身近にブッダを感じることができた。


3月に上海に行ったとき、何体もの仏像を見たが、何故か日本の仏像ほどありがたみを感じなかった。

阿修羅像を30年ぶりに見たとき、その答えが分かった。
日本の仏像は、古めかしく、中には痛んでいたりするものもあるが、そこにむしろ、戦火や廃仏毀釈をを潜り抜け、大切に守られてきた歴史の重みと人々の祈りの深さを感じるのだと思う。

これが、毎年、作りたてのようにきれいに修復され、極彩色や金ピカに塗りなおされていたらどうだろう・・・。
わずかに残る彩色後や金箔の名残が、作られた当時の鮮やかさや華やかさを想像させるというところが、想像力を刺激するのではないだろうか・・・。

『あおによし・・・』とは、新緑に映える春日大社の鳥居の朱色のことを言うと聞いた。
鮮やかな『丹』もよし。名残を残す古寺のわびさびの色もよし。

前回は、仏陀の生涯について。
次回は、仏像の見方の2回目。大仏・如来、菩薩、二十八部衆、十大弟子について。

中学生の授業としてはかなりマニアックになってきたかな?

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