特別支援をカガクしたがるカワムラのブログ

応用行動分析学(ABA)、障害福祉、特別支援教育など、個人の考えとして書きます。ブログは極めて気楽な執筆態度です。

「アビリンピック」知っていますか?第二のパラリンピック

2016年12月31日 | 障害児、障害者、特別支援教育

東京オリンピック・パラリンピックに向けて、早くも盛り上がってますね。
オリンピックだけではなく、パラリンピックのアスリートも報道されているのはよい傾向ですね。


道徳教育がしっかりなされているようで、障害を持った方への差別的な言動はあまり見なくなりました。
しかし、実際に障害を持った方と日常的な触れ合いがなければ、
真に「障害は個性」であるとみなせるようには、なかなかならないでしょう。
実際に毎日顔を突き合わせることがない方でも、毎日テレビで報道されていれば変わるかもしれません。


さて今回はそのパラリンピックと並んで重要「アビリンピック」

みなさんご存じですか?

簡単に言うと、障害者の職業技能の大会です。

「アビリティ」(ABILITY・能力)と「オリンピック」(OLYMPICS)を組み合わせたものです。


プロモーション動画がありましたのでご参照ください。




分野はものすごくたくさんあります。
年によって増えたりもしますが、第36回大会では
洋裁、家具、DTP、機械のCAD(図面を書くやつですね)、建築CAD、電子機器組み立て、義肢、歯科技工、ワープロ、データベース、ホームページ、フラワーアレンジメント、プログラミング、ビル清掃、製品パッキング、喫茶サービス、オフィスアシスタント、表計算、縫製、木工、クリーニング、ケーキデコレーション
でした。



興味がある方はこちらのサイトを見てみて下さい。時代とともに種目も変化しているようです。
アビリンピックとは




国際大会ともなると相当練習を積んでいるようで、動きが洗練されていました。

このアビリンピックがもっと社会に広まれば、障碍者雇用に踏み切る企業も増えるんじゃないかなあ、なんて勝手に思っています。


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障害と芸術 生活・収入・支援事業など

2016年12月29日 | 障害児、障害者、特別支援教育

先日、都内某所にある障害のあるアーティストの描いた絵を売る画廊を見学してきました。

自閉症の方の描いた絵は、特有の過集中が良い方向へ働いたようで、遠くから眺めた風景画なのにゴマ粒ほどの人の顔も一人一人しっかり描き込んでありました。
なかなか凡人には真似できない凄まじいリアリティでした。


画廊を管理するNPOの職員さんのお話では、

「障害がある方の作品だから」ではなく、純粋に作品の価値で買って欲しい。
アーティストとして生活していけるような収入が得られるように、この活動を広めて行きたい。

とのことでした。



芸術家として食べていくことは楽ではなさそうですね、、それは健常者もですが。



気になったので、障害とアートについて、少し調べてみました。結構支援NPOが設立されてきているようです。

ABLE ART JAPAN
障害の有無を超えて芸術活動をサポートするNPO法人です。

ギャラリーを出すなど、アーティスト側の支援だけではなく、鑑賞のサポートもしているようです。
エイブルアートジャパン




ビッグ・アイ
障害者の活躍を目的に設置された施設です。様々な活用がなされていますが、芸術活動の支援事業もあるようです。


ギャラリー、鑑賞支援その他、障害者が企画する側にまわることもあるそうです。
ビッグ・アイ


パラリンアート
障害のあるアーティストの育成と活動支援を行っています。

企業とアーティストの契約・権利・報酬関係のつなぎ役として活動しているようですね。
パラリンアート


アートの輪
障害のあるアーティストのオンラインギャラリーです。作品が写ってしまうのでスクリーンショットは載せません。リンクからどうぞ。
アートの輪


アートビリティ
障害のあるアーティストのためのライブラリー。アーティストさんの作品を有料レンタルとして貸し出し、報酬を還元しているようです。
アートビリティ



他にも様々な団体、施設が立ち上がっています。素晴らしい傾向ですね。


余談ですが、最近私も絵を描き始めました、、、。
正確には絵を描く道具を買いました。
形から入ってすぐ挫折するのが恒例です、、、。


前回 雑誌に見る障害者

前々回 障害と就労



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雑誌に見る障害者 ココライフ、ステア、バリナビ、コトノネ

2016年12月28日 | 障害児、障害者、特別支援教育

最近、障害者当事者向けの情報を掲載した雑誌をよく目にするようになりましたね。今回はちょこっと紹介してみます!



Co-Co Life女子部
その名の通り、女性向け雑誌です。車椅子をデコったり、車椅子でも行きやすいデートプランを紹介したり。

読者モデルのファッション記事などなど、普通の女性誌と方向性は同じですね!
ホームページから電子版がダウンロードできます。紙媒体も置いているところがたくさんあるようです。↓
ココライフのHP
たまに知的障害者の方も出てますが、身体障害・精神障害がメインのように感じられます。






障害福祉マガジンSTIR(ステア)
「障害という言葉をなくすために人々に旋風を巻き起こすきっかけマガジン」

福祉に限らず、関係するトピックが広く掲載されています。文字の大きさやページあたりの量などは一般的なビジネス誌と同じくらいでしょうか。
PDFがダウンロードできます↓
障害福祉マガジンSTIR(ステア)







フリーペーパーバリナビ
「障害者がつくる 障害者のための 働く・生きる情報誌」

就労関係や働いている方へのインタビューなどが掲載されているフリーペーパーです。
こちらからダウンロードできます。↓
バリナビHP








コトノネ
「社会を楽しくする障害者メディア」

東日本大震災後の障害者施設復興支援を目的に創刊されました。そのためか、地域の中での障害者、という色合いが他の雑誌よりも濃いです。一冊780円、年間定期購読3000円です。
コトノネ






これほどまでに、このジャンルが栄えているとは。大変素晴らしい傾向ですね。





ただ、
あくまでも個人的な印象ですが、身体障害者・精神障害者向けの情報の割合が多く、知的障害者向けのモノは少ないかもしれませんね。


読みやすさに関してもです。
文字も小さく、漢字にフリガナもなく、そもそも読めない方もいるかも知れないです。行間が狭いとキツイと感じるLDの方もいることでしょう。


最近、近所の図書館に、点字図書のコーナーができました。
身体的な障害への配慮が進む今だからこそ、雑誌を始め、本に対してももう一歩先の合理的配慮が欲しいと思ってしまいます。
このジャンルから本のユニバーサルデザインを推し進めて欲しいですね。


あと少しフリガナがあるだけで、
あと数ポイント文字が大きいだけで、
行間が数ミリ開くだけで、
人生が豊かになる人がいるかも知れません。
絵本が好きな自閉くんが、大人になっても読書を続けられるかもしれません。


もちろん、読者層に身体障害者の方が多いからこそ、この現状があるのだと思います。読者を確保しなければ出版が成立しません。故に現状を非難するつもりはありませんが、ちょっとモヤモヤする。



皆さん、どう考えますか?


次回 障害とアート


前回 障害と就労

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就労継続支援と就労移行支援、特例子会社のシステム

2016年12月27日 | 障害児、障害者、特別支援教育

このブログのツイッターにて、
就労支援の関係者様が続々とフォロー返してくれました。ありがとうございます。

先日、就労継続支援A型のパン屋さんの見学に行きました。


許可を得て撮影しています。

レシピには結構難しい漢字、桁数の多い数字。でも使いこなしてバリバリ皆さん働いてました。
余談ですが、食パンが超絶うまい!バターなしで一斤食ってしまう!アカン血糖値が!でもクルミの入ったのも食べちゃう!チョココロネも!



私は門外漢なのですが、
そんなこんなで今回は就労について。

障害者の就労先として、大きく分けて以下のようなパターンがあります。

1.就労移行支援
2.就労継続支援A型、B型
3.特例子会社
4.企業内の障害者雇用枠
5.一般枠での就労



まずは1.就労移行支援です。
これは厳密には就労先ではなく、就労に向けた訓練の場です。ただし訓練とはいっても多くのケースでは費用は免除です。最長2年間の訓練が受けられます。

2.就労継続支援にはA型、B型があります。
このABの違いは雇用契約の有無。B型は雇用契約を結んで働くことは困難な場合が対象です。
A型は雇用契約を結んで働くことが可能な場合が対象です。
二つとも一応お金は貰えますが、働く場の提供と訓練が目的で、ここで能力を高めて一般就労を目指す!ということになっているようです。



3.4.はまとめて説明します。
企業には一定の割合で障害者を雇用する義務があります。ただし、障害者雇用のための特例子会社を設け、そちらで雇用してもokということになっています。


5.一般枠は余り話題を聞きませんが、私の知っている人ではお弁当屋さんや八百屋さん、スーパーの品出しのバイトなど、様々なフィールドで働いている方がいます。


手厚いようですが、、、
しかーし!就労継続支援の賃金について、
以下の構成労働省の記事をご覧ください。
厚生労働省 就労継続支援の賃金

とても自立して暮らしていける金額とは思えません。あくまで、一般就労までのツナギというコンセプトなんでしょうか。
特別支援学校高等部の先生が必死に一般就労の先を探すのはこういうことですね。特例子会社になると身分は正社員ですから、最低限暮らしていける金額を貰えることが多いようですが。

でもこの金額もやむを得ないと考える方もいるかもしれません。
私が見学した先の中でも、いくつかの施設では、余り収益性のある仕事はしていませんでした。

例えばチラシのポスティングをしている時、一人で道を覚えられそうな方なのに、健常者の方が同行していたりします。
乾燥棚にあってほっとけば乾く食器を延々拭く作業に従事する方も。これは果たして収益に結びつくのでしょうか?

私も高校生の時にポスティングのバイトをしていましたが、月に3日もやれば継続支援B型の平均月額と同じくらいの金額でした。
もちろん、安全管理や健康管理、能力向上のための訓練などの側面がありますから、健常者のバイトとの比較は的外れっちゃーそうなんですが、、。

クロネコヤマト傘下のスワンベーカリーなど、10万円以上稼げるところは教育色がしっかりしてるイメージ。
障害があっても責任をもたせ、教え、生産性を上げる。その結果で賃金が上がる。素晴らしいですね。

障害者を保護する視点はもちろん必要なこともあるでしょう。しかし、自立のための技術を教え、保護をフェードアウトさせるような教育的視点がもっとあってもいいんじゃなかろうか?なんて思ってしまう。

我々教育屋が福祉屋さんと話をしてるとモヤモヤするのがその差でしょう。ついつい「その人、これ教えりゃできるよ!」って考えてしまう。
でも事業所の中には健常者がバリバリ働いてモノを生産して、カネを稼いで、それでギリで経営している所もある。教える余裕があるとは限りませんね。

悩ましい。
皆さん、どう思われます?
ぜひコメント下さい。

以上、全然カガクしてない乱文で失礼しました!
あ、ちなみにスワンベーカリーのパンも超うまいですよ!血糖値にご注意!


制度・現状等の詳細は厚生労働省でわかりやすく解説されています。
厚生労働省 就労関係情報



次回 雑誌に見る障害者

次次回 障害とアート





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