特別支援をカガクしたがるカワムラのブログ

応用行動分析学(ABA)、障害福祉、特別支援教育など、個人の考えとして書きます。ブログは極めて気楽な執筆態度です。

知的障害児の量感訓練。2月に論文掲載。

2021年12月26日 | 研究

日本自閉症スペクトラム学会の機関誌「自閉症スペクトラム研究」に論文が掲載されることになりました。関係者の皆様に感謝申し上げます。


タイトル:特別支援学級在籍児童に対する算数における「任意単位による比較」の指導実践―四角形のカードを用いた広さの比較訓練の効果および社会的妥当性の検討


知的障害児は眼科的疾患を併発しやすいことがこれまでに報告されています。しかしながら、大きさの恒常性に関する知覚はそれほど深刻な障害を伴ってケースも多いです。にも関わらず、教育界では量感の指導に難儀しているケースが多々あります。実はこれ、指導法がイマイチなことが。


小学校でよくある指導手続きは

長さの見当づけ、測定、フィードバックという三段階。しかしながらこれだけだと物の長さではなく、末端位置の定規の数字だけを注視・弁別して反応できてしまう。


そこで、離散試行訓練にて相対的な量の比較課題を扱い、分離量をフィードバックすることによる連続量の比較選択行動の獲得を図りました。


効果量の指標としてPANDNAPを使っているところもミソです。


かながわ依存症ポータルサイト!!そして厚労省の依存症対策サイト!

2021年12月04日 | 日記
最近役所に行く機会があって、そこで見つけたパンフレットの中にこんなサイトが載っていました!


これは興味深い。
学校が外部機関と連携を取るべき旨は最近盛んに言われていますが、このような機関はそもそも教師らに知られてすらいないかもしれませんね。
かく言う私も知りませんでした!これではいけない。

厚労省も対策サイトを出していました!ご参考に!



日本発達障害支援システム学会で発表をします「時間と方法に制約の大きい状況下での特別支援学級担任に対する行動コンサルテーション事例―現場実態を前提とした略式介入方法の検討―」

2021年12月04日 | 研究

今月の24日からの日本発達障害支援システム学会で発表します。

 

タイトルは

「時間と方法に制約の大きい状況下での特別支援学級担任に対する行動コンサルテーション事例―現場実態を前提とした略式介入方法の検討―」

 

僕ら行動分析学を勉強する者が担任をする場合、行動問題は問題にならないことが多いです。

しかしながら、「自分が担任やりながらコンサルもする場合にどのような点が課題になるか」という点は常に問題としてつきまといます。

 

外野から問題が指摘されることの多い業界ではありますし、かなり独自の文化を持っている業界でもあります。

しかしながら、多くの先生はその中で相当頑張って踏ん張っているんです。

ただ、現場で教師の指導法を規定する随伴性は児童の変容のみではない。良くも悪くも四方六法、周囲から凄まじい数の要請を受けながら仕事をする。

そんな教育現場では、指導法を変えるときに色んな制約が生じる。研修だけで教師が変わるとは限らない。そんなこんなでコンサルをするときに生じた現象を報告しました。

行動分析家にとって常識でも、教師にとっては常識ではない。理想を先導する思想家は間違いなく必要だ。しかし、我々は一年で指導成果を出すことが求められる。学校における特別支援に批判的な方々へ、現場を知ってもらう目的もあって今回は発表を出しました。


あなたと関わりのある教師、母集団を代表するサンプルとして妥当ですか?あなたにコンタクトを取るくらい熱心な方ではないですか?あなたの権威は動機づけ操作になっていませんか?

担任が担任をコンサルする互助型コンサル、そして実証と実務のどちらを優先するかというシーソー。このへんに開き直った感じの研究です。