第三極、競合区で共倒れ 自民に漁夫の利
【石塚広志、二階堂勇】今回の衆院選は、第三極の日本維新の会、みんな、日本未来の各党が同一選挙区で競合し、民主党とともに「共倒れ」するケースが相次いだ。第三極の候補が多い選挙区ほど、自民党の候補が「漁夫の利」を得て当選するケースが増え、大量の議席につながった。
300選挙区のうち、第三極が自民、民主と争ったのは203選挙区。ほかに自民推薦の無所属や公明、民主推薦の国民新と争ったところが5選挙区ある。
第三極の3党全てが候補を立てた「5党対決型」▽いずれか2党が立てた「4党対決型」▽いずれか1党が立てた「3党対決型」の選挙区を比べると、最も競合した「5党型」(12選挙区)では自民が全勝した。
「自民党が漁夫の利」 愛知知事
2012.12.17 11:46 [衆院選]
愛知県の大村秀章知事は17日の記者会見で、自民党が大勝した衆院選の結果について「民主党が分裂し、第三極勢力がまとまらなかったことで、自民党が漁夫の利を得たからだ」と述べた。新政権に対しては「足元の景気は弱含みとなっており、経済対策を重点的にやってほしい」と訴えた。
自ら代表を務める政治団体「減税日本」から日本未来の党に合流した前職らを応援してきた河村たかし名古屋市長に対しては「彼の思い描いた通りにならなかった。引き続き、盟友として共同歩調を取りたい」と話した。
「自民に漁夫の利与えてしまった」 みんな・渡辺代表
みんなの渡辺喜美代表は、投票が終わった午後8時ごろから東京都内のホテルに設けた開票センターに詰めた。相次いで当選の報が入ると、「やった」と拍手をしながら、壇上の一覧表に赤い飾りを貼り付けた。公示前より議席を増やし、深夜の会見では「大変ありがたいこと。勝利と言える」と語った。
一方、自民党が大きく議席を伸ばしたことについては「民主党が崩壊過程に入り、その反射的効果だ」と分析。第三極がバッティングしたとして「漁夫の利を与えてしまった」と話した。
「民主党は政権交代時に訴えた約束をことごとく反故(ほご)にして、第2自民党化した。財務省のいいなりになったことを国民は見透かした」と批判し、「安倍さんにも同じことが予測される。役所の既得権益である業界団体と結びついた選挙をした。来年の参院選までにこうした先祖返りDNAを変えられなければ、失墜は早い」と語った。
今後の党の動きについては「日本維新の会は司令塔が二つあるような政党では一緒にやるのは難しい。改革の原点に戻ってほしい」。自民に対しては「国益を踏まえた改革、開国を進めることであれば協力は惜しまない」と語った。
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