アレルギー性気管支ぜんそくを抑制 ピロリ菌でアレルギー抑制物質 筑波大など予防に道

2010-12-14 16:53:30 | 医療
 筑波大学などの国際研究グループは、幼少期に与えれば成長後のアレルギー性気管支ぜんそくを抑制できる物質をマウスの実験で発見した。ピロリ菌がつくるコレステロールの一種で、食物アレルギーや花粉症など様々なアレルギーを予防できる可能性もあるという。
 米ハーバード大学、英バーミンガム大学などとの共同研究成果。ピロリ菌は胃に感染する細菌で、胃かいようや胃がんの発症にかかわると考えられている。発見したのはピロリ菌がつくる「コレステリルアシルグルコシド(ChAcG)」という物質。
 これを幼少期のマウスに投与した実験で、成長してからアレルギー性気管支ぜんそくにかかるリスクが減ることがわかった。成長後に投与しても効果はなかった。
 アレルギーは免疫の一種である液性免疫が過剰反応することで起きる。これを抑えるには別の免疫である細胞性免疫がバランス良く働く必要がある。ChAcGが細胞性免疫を幼少期に発達させるため、アレルギーを抑制できると研究グループはみている。
 この仕組みは同ぜんそく以外にも、食物アレルギーや花粉症など「1型アレルギー全般に効く可能性がある」と筑波大の島村道夫客員研究員は話す。将来、乳児のときに投与して様々なアレルギーを予防する薬の開発に役立つと期待している。(ピロリ菌でアレルギー抑制物質 筑波大など予防に道  :日本経済新聞)


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