カリフォルニア州 財政破綻相次ぐ

2012-11-05 06:38:07 | アメリカ

町の財政破たん ストックトン

アメリカ大統領選で争点の一つになっているのが『経済の立て直し』です。カリフォルニア州では、不景気の影響で『都市財政の破綻』が相次いで起き、問題になっています。
 
 カリフォルニア州北部の街、ストックトン。19世紀、ゴールドラッシュの時代に物資の輸送拠点として栄え、ここ10年ほどは大都市・サンフランシスコのベッドタウンとして人口が急増し、爆発的な成長を遂げました。しかし・・・。
 
 「郊外にありますこちらの住宅地では、街灯や道路の整備が終わっているものの、肝心の住宅の建設が手つかずのままになっています」(記者)
 
 サブプライムローン問題が引き起こした住宅バブルの崩壊によって、街の様子は一変しました。
 
 「住宅市場が崩壊し、経済も不景気になり、歳入全てがダメになりました」(ストックトン市 アン・ジョンストン市長)
 
 失業率は全米平均のおよそ2倍に悪化。税収の減少も止まらず、今年6月、ついに7億ドルにのぼる債務を抱えて連邦破産法の適用を申請しました。破綻した街。そこでは、さらに市民生活を脅かす深刻な問題が起こっています。
 
 「この通りは犯罪発生率が高い場所です。多くのギャングが活動していて、路上強盗や発砲事件が頻繁に起きています」(警察官)
 
 もともと『治安の悪い街』として有名だったストックトンですが、財政悪化がさらに追い打ちをかけました。殺人事件はここ3年で2倍以上に増加。公園には昼間からギャングの一団がたむろし、薬物の取引が頻繁に行われているといいます。取材中、ギャングを撮影していると、突然、一人の男が近づいてきました。『オールドギャング』と呼ばれる男は最近の犯罪についてこう話します。
 
 「若いやつが若いやつを殺している。黒人も黒人を殺し、他の国のやつらもお互いに殺し合ってる。理解できないね」
 
 悪化の一途をたどる治安。しかし、警察官の数は市の支出削減によって4分の1も減らされました。市民の安全を取り戻すため、経済のたて直しは待ったなしの緊急課題です。6日に迫った大統領選挙。激しい選挙戦を続ける2人の候補に、市長は痛切に訴えました。
 
 「オバマにしろロムニーにしろ、次の政権に望むことは、この国の中のそれぞれの市の窮状にもっと気付いてほしい」(ストックトン市 アン・ジョンストン市長)



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