維新の会 比例選は大阪トップ 114万票

2014-12-17 10:53:09 | 橋下徹

維新の会 比例選は大阪トップ

14日投開票された衆院選。橋下徹共同代表(大阪市長)率いる維新の党は大阪府内の小選挙区で5勝と、12勝した前回選から後退した。

一方で、比例選の政党別では府内トップの114万票を獲得し、小選挙区で敗れた9人のうち7人が比例復活した。全国的に自民、公明両党が大勝する中、維新が本拠地・大阪で踏みとどまった要因は何だったのか。

 ◆動揺◆

 中盤戦までの維新は混乱続きだった。橋下氏と松井一郎幹事長(府知事)は当初、府内の小選挙区に出馬する構えを見せたが、「大阪を投げ出したと批判される」との反対論が府議らから噴出し、見送った。

 公示直前には、山梨県を地盤とする党幹部の小沢鋭仁氏が、橋下氏らの意向で比例近畿ブロックの単独1位に処遇された。内部からは「幹部が安全圏に逃げ出した」との反発が起きた。

 報道各社が「自公圧勝」の序盤情勢を伝える中、府内の各維新陣営には悲観論が広がった。大阪には、安倍首相ら自民党幹部らも繰り返し応援に入っていた。

 「もう、俺のことはいいから」。ある候補は、選挙カーの中で、支援する地方議員に弱音を漏らした。別の候補は取材に、「比例復活できれば御の字だ」と語った。

 ◆異例◆

 9日の選挙対策会議。維新幹部は「しっかり回れ。いったい、どないなってんねん」と声を荒らげた。各候補の活動状況を査察すべきだ、との指摘も出た。

 橋下氏は候補者に演説内容に関して指示するメールを送った。「自公圧勝のデメリットを強調する――」。政策を浸透させるより、自公の「勝ちすぎ」を懸念する人たちの受け皿を目指す戦略だった。

 終盤、ほぼ大阪に張り付いた橋下氏。「あす自公が歴史的な勝利を収める。維新は完璧に負けました」。13日夜、大阪・難波で行った最後の訴えでは、そう強調した。異例の「完敗宣言」は、インターネット上で瞬く間に拡散した。

 ◆警戒◆

 今回、維新が得た府内の比例票(114万)は、日本維新の会で躍進した2年前の前回選(146万)には及ばないが、昨夏の参院選を9万票も上回った。得票率は32・4%、比例近畿ブロック全体でも1位自民党(28・9%)に迫る26・1%に達した。

 松井氏は「(来年春の)統一地方選で十分戦えるだけの力は残してくれた」と手応えを語る。看板政策・大阪都構想に関する「プレ住民投票」のための署名活動も近く始まる予定で、統一選に向け攻勢を強めている。