日本は何でもうけてて何に注力するべきか

2014-02-26 21:12:13 | 経済


経常収支って何? 日本は何でもうけてて何に注力するべきか
 
 
「日本は資源がないから安い原材料を輸入して高い製品にして輸出して稼ぐ加工貿易の国だ」というフレーズをお聞きになった経験はないでしょうか。確かにこの方法で高度経済成長を成し遂げ、1990年代までは稼いでいたといえるでしょう。しかし財務省が2014年2月に発表した「経常収支」(海外での稼ぎが分かる数値)は黒字(もうかっている)ながら前年より31.5%も減少して3.5兆円に止まりました、「加工貿易の国」論がピンチに陥っています。
.

経常収支は次の4つで成り立ちます

(1)貿易収支……輸出額-輸入額
 (2)所得収支……海外の日本企業などが国内に送金する「仕送り」-外国の企業が日本で稼いで母国へ送金した「仕送り」
 (3)サービス収支……日本旅行に来た外国人が日本に落とした金-海外旅行者が現地で落とした金
 (4)経常移転収支……途上国援助

このうち経常移転収支は性質上常に赤字なので、実態を知るには(1)(2)(3)となります。
.


貿易収支

10.6%の大幅な赤字となりました。理由は
 ・輸出額が伸び悩んだ
 ・輸入額が増えた
 しかあり得ません。うち輸出額はアベノミクスの効果などで円安に振れているにも関わらず、です。1ドル=80円が1ドル=100円になるのが円安で、ドル圏で同じ1ドルの輸出額で売っても、円安になれば20円もうかるわけですから。

 理由は2つあります。長期で見れば1985年のプラザ合意から、短期で考えても2008年のリーマンショックから、円高基調が続いてきて、製造業の多くが円とドルの関係などを示す「為替」に左右されない海外進出を進めてきて国内から輸出しようにもその余力自体が少なくなっているという点です。プラザ合意とはドル高に悲鳴をあげたアメリカがドル安(日本でならば円高)誘導をお願いした会議で、それまで235円から一気に急騰しました。リーマンショックは一時期世界大恐慌にもなりかねない金融収縮が米欧同時に発生し、うち比較的安全な資産とされた円が買われました。つまり長期あるいは短期のトレンドで円高は避けられず製造業の体質が変わってしまって一時的な円安でどうなるものではないのです。

もう1つはドイツやオランダなど欧州の輸出国がEU域内の他の先進国が主な輸出相手国となっている一方、日本は中国を始めとするアジアの新興国が主要輸出先になっている点。新興国市場を開拓するのはいいのですが、そこで売れる値段は当然安くなります

少子化してるEUは利益上げてるが少子化してる日本が同じように利益をあげることができるのか?

それにEUは旧植民地利権があるからね 日本がまねできやしないんだよクソ自民党

 「輸入額が増えた」最大の理由は2011年の東日本大震災後の火力発電増大で原料の天然ガスや石油の輸入量が増えた上に円安がここではマイナスに作用して金額を押し上げました。今後は電力会社任せになっている割高の燃料費を下げるとか、革命とも呼ばれているアメリカの新燃料「シェールガス」を売ってもらうといった工夫が必要でしょう。日本に一番近い天然ガス産出国のロシアからパイプラインが引ければ、今は液化して船で運んでいてコストがかかる分を減らせそうです。また日本は島国で広大な排他的経済水域を太平洋上に持つので、そこに眠る「燃える氷」メタンハイドレートの実用化も視野に入れるべきでしょう。


所得収支

2007年には貿易収支を上回り、13年に貿易収支が赤字になったにも関わらず経常収支を黒字化できた最大の要因が所得収支の黒字です。貿易黒字伸び悩みの原因となった企業の海外進出がここでは「孝行息子・娘の仕送り」として恩恵にあずかっているのです。円安も追い風となりました。いっそここに力を集約して、国内は研究・開発の拠点に止めて「夢の仕送り生活」で経常黒字を維持しようという考え方も存在します。
.

サービス収支

90年代から一貫して赤字続きの「不良息子・娘」です。マイナス額は減ってきているものの出国日本人数の半分以下しか訪日外国客数がいないという状況であるのも事実です。
 政府観光局の調べによると外国人訪問者数の国別順位で日本は33位。隣国の中国(3位)、韓国(23位)にも差をつけられています。この辺は政府も胸を痛めていて2008年には観光庁を発足させ「観光立国」を目指しています。日本は世界遺産の登録数は世界13位。決して魅力的でない訳でもないのにあまり来てもらえない理由の1つに五輪招致の際に使われた「おもてなし」どころか外国人がゆっくりリゾートできない障壁が指摘されます。観光地の食事を夜じっくり楽しみたいのにホテルで取らされた。かと思ったらチェックアウトの時間が「通勤かよ」というほど異様に早くて店も開いていないなか放り出された。どこへいっても代わり映えのしないみやげばかり。こうした細かな部分を改善していき、少なくとも黒字化には持っていきたいものです。
.

まとめると

・もう輸出でバリバリもうける時代は終わった。「国内製造業復活」などあきらめ研究に特化する
 ・燃料の安い調達や自前の資源開発にいそしむ
 ・「仕送り」してくれる海外の日本人を大いに応援する。和製ハゲタカも空洞化も大歓迎
・フランスなど観光先進国を見習って海外から旅行に来てくれる工夫をこらす

 といったところ。それが出来ないならば開き直って「加工貿易の国」論を過去のものと捨て去り、既に多くを占める国内需要(国内でほしいものを売買している)を拡大すべく「開国」して海外の投資をどんどん呼び込む方向へ切り替えるという考え方もできます。輸出が復活すればしたで過去のようなバッシングに再び遭いかねません。
.

国際収支と経常収支

なお経常収支を含む年間の国際取引の動きを示した記録を「国際収支」と呼びます。経
 常収支に加えて資本収支と外貨準備増減で構成されます。すべて合わせると常にゼロで
 す。日本は一応経済の先進国なので支払いと受け取りのすべてを示す国際収支で踏み倒
すなど野蛮な行為をしていないため必ずゼロになります。したがって貿易の状態だけを
確認したければ経常収支に注目するのが正しいのです。


米国「ミレニアル現象」

2014-02-25 10:40:55 | 経済


格差の次は“姥捨て山”か、日本の未来映す米国「ミレニアル現象」


先週に引き続き、今週ご紹介するエンターテインメントも本コラム初となる“衣・食・住”のうちの“住”のお話です。

  日本では、4月から消費税率が5%から8%に引き上がる前の駆け込み需要でマンションの売れ行きが好調ですが、とりわけ人気が集中するのが、都心部の拠点となる鉄道の駅の近くに建つ「駅近物件」です。

  高齢化社会の進展で、最近は郊外の大きな庭付き一戸建てを売却し、何かと徒歩圏内で便利な「駅近物件」に住み替えるお年寄り夫婦が激増しています。

  そしてお年寄りだけでなく、若者の間でも車離れが急速に進んでいることから、郊外の一戸建てよりこうした「駅近物件」が人気を集めています。確かに、車に乗らなくても自転車で買い物に行けるし、通勤にも便利ですしね。

  とはいえ国土の広い米国では、ハリウッド・セレブに代表されるように、やっぱりお金持ちは郊外の庭付き・プール付き・ベッドルーム10室、といったような無駄に大きい豪邸に住んでいるイメージが強いのも事実です。まさに成功者の証(あかし)ですね。

  ところがそんな米国でも、最近は何と日本のように、車を運転したくないという若者層が急増。彼らがどんどん郊外から都市部に移り住んでいるというのです

  1月24日付フランス通信(AFP)が「アメリカン・ドリームは郊外ではなく、ますます都心部で見いだされるようになっている」と題した興味深い記事を配信していました。

  ワシントンDCから車で約20分という郊外の街、フォールズ・チャーチに住む女性、ジャステイン・ポスルーズニー・ベロさん(30)は、第一子の妊娠を機に、DCの都心部に引っ越すことを決意しました。自分たちの母親の世代とは真逆の選択です。

  都心部への引っ越しを決めた理由について彼女はAFPにこう説明しました。

  「都心部という環境で子育てしたかったこともありますが、最大の理由は何をするにも車の存在が不可欠というのが嫌だったからです。家族生活を始めるにあたり、自家用車を運転しないで図書館や食料品店に行きたいと思ったんです」

  彼女は新居となる都心部の古いビルのリフォームに取り組んでいますが、彼女のように米国で1980年代~90年代に生まれた「ミレニアル世代」と呼ばれる若い世代の間ではここ数年、郊外を捨て、都心部をめざす傾向が顕著になっています

  2011年の統計調査結果(12年発表)によると、全米の大都市51のうち、27都市で人口が対前年比で1・1%増加していました。一方、郊外の人口増加率は0・9%でした。米国でガソリン自動車が発明されて以来、約100年。初めて都心部の人口増加率が郊外を上回ったのです。

  郊外に住む人々が都心部をめざす理由についてAFPは、ガソリン代の高騰、交通渋滞による(精神的・体力的な)疲弊、離婚率の上昇、そして低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)の大規模な貸し倒れといった住宅危機問題を挙げています。

  また、こうした状況を列挙した1冊「郊外の終わり」(13年)の著者で、米経済誌フォーチュンの編集者兼女流作家のライ・ギャラガー氏は「1950年代~60年代、(米国では)中流階級の出現とともに、われわれは、大きな庭がある邸宅、2人の子供、マイカーというアメリカン・ドリームを描いた。長い間、これが米国の都市計画の唯一のモデルだったが、こうした考え方が袋小路に入り込んでしまった」と説明。その結果、都市部をめざす人々が増え始めたと分析しています。

  そして、こうした動きの顕著化により、貴重な納税者である「ミレニアル世代」が都心部に逃げることを食い止めようとする動きも当然ながら出ています。

  ワシントンDCの北西、メリーランド州のモンゴメリー郡では11年の調査で、全人口に占める20歳~34歳の世代の割合が19%と、ワシントンDCの約30%を大きく下回りました。

  そこで郡当局は「ミレニアル世代」にとってより魅力的な“夜間経済”の活性化を目的とした対策委員会を設置したのです。

  委員長のヘザー・ドゥルホポルスキー氏はAFPに「モンゴメリー郡は、将来的な財務の健全性を熟考するにあたり(「ミレニアル世代」の都市部への移動という)重要問題に対応せねばならないということに気付いたのだ」と説明。

  さらに「『ミレニアル世代』はワシントンDCといった都心部に移り、そこで賃金への課税や余暇の出費を通して税金を納めている。そんな『ミレニアル世代』の多くはモンゴメリー郡に住むこともできるのに、そうしない。彼らは郡が何十億ドルもの予算をつぎ込んだ米国トップ級の公立学校で教育を受けた人たちなのに」と困惑を隠しません。

  委員の1人で、モンゴメリー郡南部の街、ベセスダでレストランを経営するアラン・ポーリレスさんも、仕事後のナイトライフを拡充させることが地域活性化のカギだと確信しています。

  ポーリレスさんは「『ミレニアル世代』の人たちに、住みたい場所や仕事をしたい場所について尋ねると、多くの人は、クールな雰囲気の場所や、自宅から徒歩圏内にある感じの良いバーがあるような地域だと答える。それらはほとんど映画に出てくるようなシーンだ」と話します。

  そうした点を踏まえ、モンゴメリー郡の対策委員会では、くつろぎの場の創出をめざし、夜の11時過ぎでもライブ演奏ができる“ノイズ・ゾーン”を設置したり、歩道の拡張や噴水の設置などで多くの人々が集える場を作り出すといったアイデアを推奨しています。

  ポーリレスさんによると「ミレニアル世代」の若者たちにとって郊外のナイトライフを魅力的なものに変貌させるための最大のポイントは、飲食店の売り上げは食事代とアルコール飲料代で均等でなければならないと制限している郡の許可法の改革にかかっているといいます。

  「ディナーが終わったら、その後にはやることが大してない。ダンスクラブもナイトクラブもない。(私が住む)ベセスダは夜遊びが好きな人々のための場所ではないんだ」(ポーリレスさん)。

  一方「郊外の終わり」の著者、ライ・ギャラガー氏は「(郊外に住む)全員が突然、都心部の高層マンションに住むようになるとは思っていないが、今のアメリカン・ドリームにはさまざまな形があり、1人1人がさまざまな夢を思い描いている。(誰もが)目標とする一つの夢というのは、もはや存在しない」と述べ、アメリカン・ドリームの概念自体が大きく変貌しているとの考えを示しました。

  そして“超格差社会”の米国では、アメリカン・ドリームの概念だけでなく、それ自体を疑問視する人々も増えています。均等に与えられた機会を活かし、勤勉と努力によってアメリカン・ドリームを勝ち取れると信じている人が急減しているのです。

  米ニューヨークのマリスト大学と米マクラッチー紙が2月14日に発表した共同世論調査の結果がそれを如実に物語っています。

  調査は2月4日~9日にかけて、全米の成人1197人に実施しましたが、全体の約8割が、昔より今の方が成功するのが難しく、次世代が今より成功するのはさらに難しいと考えていました。

  自分たちを中流階級だと答えた人は50%、中流上位は14%、中流下位は22%でしたが、全体の半数以上にあたる55%の人々は、今後、こうした中流層の人々が政府の施策から取り残されると考えていました。

  実際、米国勢調査局によると、12年の米国の世帯年収(中央値)は5万1017ドル(約510万円)で、67年の調査開始以来、最高だった99年の5万6080ドル(約560万円)と比べると約9%も下落していました。

  そして年収5万ドル(約500万円)未満の人々の72%は、懸命に働いても暮らしが良くならないと感じていると答え、75%の人々は、米企業は社員より株主のことを最優先で考えていると指摘しました。

  そのうえ、米消費者金融保護局によると、国が負担する学資ローンの債務残高の総額は何と1兆2000億ドル(約120兆円)。この数字は、学資ローンという多額の借金を抱えたまま大学を卒業し、就職後、その借金を国に返済しながらの生活を強いられる人々が想像以上に多いことを物語っています。

  こうした悲観的な回答や状況の数々を受け、この共同世論調査では、アメリカン・ドリームが多くの米国人にとって既に手の届かないものと化しており、それを手にしたいという希望すら失われていると断定付けています。悲しいことですね。

  そういえば日本でも、アベノミクスで恩恵を受けているのは今のところ、大量の株式といった金融資産や不動産を保有している富裕層ばかりです。一般庶民にまで恩恵が行き渡っていないのが現状で、結局、資産格差がさらに拡大しただけのような気がします。

  独立宣言にもうたわれているアメリカン・ドリームの実現を多くの人々が既に諦めてしまった米国のように、格差がこれ以上拡大しないよう安倍政権には何とかしてもらいたいものですね。(岡田敏一)


デトロイト市が財政破綻=米自治体で過去最大

2013-07-19 07:11:04 | 経済

クソ自民党と自民党を選んだ愚国民によって日本もあと数年で破綻する

デトロイト市が財政破綻=米自治体で過去最大

米メディアによると、米中西部ミシガン州のデトロイト市は18日、同州の連邦裁判所に連邦破産法9条の適用を申請した。米国内の地方自治体の財政破綻としては過去最大規模となる。

米デトロイト、財政非常事態に=過去最大の自治体破綻も

米中西部ミシガン州のスナイダー知事は1日、財政難にあえぐ同州デトロイト市について財政非常事態を宣言した。同市は州知事が任命する緊急事態管理者の下で財政再建の道を探る公算が大きい。地元メディアなどが報じたもので、長期債務残高は140億ドル(約1兆3000億円)超に達するという。
 今後、10日間の意見申立期間を経て、知事の判断が覆らなければ、緊急事態管理者が任命される見通し。財政立て直しで強大な権限が付与される同管理者は、最終的に連邦破産法第9条の適用申請を勧告する可能性があり、同市が申請すれば米国で過去最大の自治体破綻となる。
 米自動車産業の中心地として知られるデトロイト市は、産業の規模縮小や治安悪化に伴って居住者が流出。最盛期に180万人を超えた人口は現在約70万人まで減少し、同市は税収の落ち込みに悩まされている。(2013/03/02-10:24)

ビッグ3のエンジニアを買い漁る中国メーカー

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38101
中国企業による米自動車産業のメッカ、デトロイトへの進出が加速している。しかも殴り込みというより、静かに事業を拡大している姿がむしろ脅威でさえある。
 
 中国の業界大手、上海汽車は6月、ミシガン州バーミングハム市に北米オペレーションセンターを起ち上げた。上海汽車はすでに米ゼネラル・モーターズ(GM)と合弁事業を進めているが、合弁相手のGM関係者もその動きを知らされていなかった。同センターでは100人以上の現地スタッフが採用される予定だ。

今年5月、やはり経営難に陥っていた米電気自動車メーカー、フィスカー・オートモーティブを買収する動きが表面化した。この買収は万向集団だけでなく、GMの元経営者であるボブ・ラッツ氏が率いる自動車ベンチャーのVLオートモーティブとの共同買収計画である。

また中国の自動車メーカー「ビッグ5」の1社である重慶長安汽車股份有限公司(他4社は第一汽車、東風汽車、上海汽車)は、同州プリマス市郊外に調査センターを開設した。
 
 同センターでは自動車の基本構成部分の理解と調査を進めており、デトロイトの米メーカーから解雇されたエンジニア20人を雇用している。メディアでは大々的には語られていない静かな動きである。

 リーマンショック後、ビッグ3の中ではフォードを除くGMとクライスラーが経営破綻し、多くの失業者を出した。

両社は米政府による財政支援によって復活しているが、多くの従業員が解雇された。今でも全員が再雇用されたわけではない。解雇組の中には経験豊かなエンジニアもいる。
 
 中国企業はそうした技術者に狙いをつけて雇用し始めている。
 
 地元では雇用が創出されることを歓迎するが、中国企業側は1970年代から80年代にかけて日本企業が犯した過ちを繰り返さないつもりだ。つまり、米国側に中国が攻めてきたと思われないように、派手な動きを控えているのだ。
 
 ジャパン・バッシングならぬチャイナ・バッシングを回避する狙いがある。
 
 中国側による動きはそれだけではない。今年1月、中国の自動車部品メーカー最大手の万向集団が、米リチウムイオン電池ベンチャー企業、A123システムズを買収した
 
 この動きは皮肉と言わざるを得ない。何しろバラク・オバマ大統領がA123システムズに助成金を充てて、成長を期待していたからだ。同社はオバマ政権が推しているグリーン・ニューディール政策の期待の星で、米エネルギー省は2億4900万ドル(約238億円)もつぎ込んでいた。
 
 例えばBMWのハイブリッド車「ActiveHybrid3」 「ActiveHybrid5」やGMの電気自動車「Chevloret Spark EV」などの車載リチウムイオン電池を作っていた。その企業が中国企業に買収されたのである。

 


三井物産、企業向け電力小売りに参入

2013-07-09 12:37:14 | 経済

三井物産、企業向け電力小売りに参入

 【中川透】三井物産は9月から、企業向けの電力小売り事業に参入する方針を固めた。発送電分離など電力改革が今後進むのをにらみ、発電から小売りまでを手がける態勢を整える。大手商社は今まで海外の電力事業に力を入れてきたが、経験を生かして国内でも強化する動きを広げている。
 
 三井物産は、企業向けの小売事業者「新電力」の届け出を経済産業省にすでに出しており、売電先の交渉を進めている。風力や太陽光の発電所の建設も、愛知県や鳥取県などで始めた。小売りへの参入で、発電から小売りまでのサービスを一貫して提供する。
 
 海外で三井は、原発6基分の約600万キロワット分の発電所を持ち、地元の政府系電力会社などに電気を売っている。国内では、昨年7月に自然エネルギーの固定価格買い取り制度が始まったのを機に、電力事業を強化。政府が発送電分離や電力自由化を今後進める方針のため、小売りの商機も広がる、と判断した。
 
 政府は6月にまとめた成長戦略で、電力制度改革を進めてエネルギー産業を育てる方針を掲げた。電力以外の異業種から新規参入を増やしたり、サービスの融合を進めたりして、競争を進める。商社のほか、NTTやソフトバンクなど通信各社も電力事業を広げている。


高学歴でも就職難、欧州危機が生んだ「失われた世代」

2013-06-29 14:55:42 | 経済

高学歴でも就職難、欧州危機が生んだ「失われた世代」

スウェーデンの大学でエコツーリズムと文化史を学んだLinnea Borjarsさん(25)は、卒業から1年を迎えようとしているが、いまだに職に就けず苦悩の毎日を過ごしている。

卒業後、Borjarsさんは人権と観光をテーマに活動している非営利団体「フェアトラベル」で、インターンとして働き始めた。当時はここでの経験が正規雇用につながると期待していた。

しかし、そのような幸運に恵まれることはなかった。

契約が切れると、無給のインターンのまま働くことを条件に契約更新のオファーを受けたが、Borjarsさんはこれを拒否。以後、職探しに奔走したものの、2回の面接にたどりつくのがやっとだった。履歴書に書かれた優秀な学業成績やインターンの経験も効果はなかった。

「私は役立たずだと感じるようになった」。先月、若者が暴動を起こした場所から程近い地域に住むBorjarsさんは肩を落とす。その暴動でも厳しい就職難に抗議の声が上がった。

Borjarsさんの置かれた状況は、欧州経済危機がもたらした影響の深さを物語る。欧州連合(EU)域内では失業だけでなく、フルタイムの職を望みながらパートタイムで働く状態などを意味する不完全雇用が深刻な問題となっている国が多い。

EUが発表する失業統計には、ハンバーガーショップで働く大卒者や、より長時間の勤務を希望するパートタイマーのバリスタらは含まれていない。ただ、専門家からは不完全雇用の労働者人口の増加が著しく、無視できなくなっており、これが潜在的に大きな経済損失になっているとの声が聞こえる。

<不完全雇用>

不完全雇用がどこに組み込まれているのかを理解するには、EUの統計がどのように構成されているかを見る必要がある。昨年12月の統計によると、労働人口2億4000万人のうち2500万人が求職活動中の失業者とされ、失業率は11%となった。

それに含まれない1100万人については、失業中ではあるものの、求職活動をやめたか、すぐに働き始めることができないとされ、失業者とみなされなかった。この1100万人を含めれば、失業率は15%に跳ね上がっていた。

一方、より長時間の勤務を望みながらも機会がなくパートタイムで働いている900万人超は就業者とされた。仕事が必要としている以上の学歴や経験がある(オーバー・クオリファイド)労働者についての数字はないが、経済協力開発機構(OECD)の推計では、EU域内の総労働人口の4分の1以上に当たる6500万人に上るとされている。

希望に反してパートタイムで勤務する労働者については、オランダやベルギー、オーストリアなど、ジョブ・シェアリングの伝統がある国でも、そういったシステムが一般的ではない南欧や北欧でも増加傾向にある。現在、EUの労働人口に占めるパートタイマーは10年前の16%から20%に増加している。

<ダブルパンチ>

「スペインの状況は最悪だ。私の働くスターバックスでは、週10時間勤務の従業員を募集している」。こう嘆くのは、マドリードの大学で化学を学んだラウラ・イグエラスさん(24)。「ドイツやオーストリアに友人がいるが、エンジニアや化学者として働いている。スペインでは、スターバックスで働けるだけでラッキーだ」と皮肉を込めた。

欧州議会のシュルツ議長はロイターとのインタビューで、第2次世界大戦後これほど高学歴者の多い世代は初めてだと指摘。その上で「親は子の教育に多額の資金を投じてきた。その子どもが働く年齢になって、社会から『居場所はない』と突き付けられている。ロストジェネレーションだ」と述べた。

英国では、公共部門をはじめとして賃金が凍結された結果、時短で働く50歳以上の労働者が減少。若い労働者は労働時間を奪われる格好となり痛みを伴った。

米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授は、「今ではこの2つのグループに大きな格差がある。経済危機の前は平等だった」と説明。「若者はダブルパンチを受けている。職に就けず、就いても十分な労働時間が確保できない」

<生活保護>

スウェーデン・ヨーテボリ大学のBjorn Gustafsson教授は、不完全雇用の労働者が「低賃金、低い生活水準によって貧困になり、収入を生活保護などに頼ることになる」と警告する。

欧州では大卒者の増加に伴い、企業側は求職者に対し、より実地経験を求めるようになった。このことで、理論的な大学プログラムと労働市場のミスマッチが深まり、自分が持つ学歴を必要としない職を受け入れたり、勉学を他の場所で続けたりする大卒者が増えた。

ストックホルムでは、Borjarsさんが大学院の願書を提出した。ただ、その効果については疑問を抱いたままだ。「ジレンマを感じている。大学の単位が増えても、就職しやすくなるとは限らない」と顔を曇らせる。

クロアチア出身のGoran Majlatさん(26)は、米ミネソタ大学でビジネスを専攻し2011年に帰国。海外留学経験があるMajlatさんでも就職難に直面し、7カ月間失業状態が続いた。クロアチアの若年層失業率は35%だ。

「うつになり、家から出ることもできなかった。車を運転するにもコーヒーを飲むにもお金が必要だ。最悪だった」と失業期間を振り返るMajlatさん。結局、地元ホテルのベルボーイとして働き始めたが間もなく解雇された。

Majlatさんは、再び9カ月間の失業期間を経て、販売員として仕事を再開し、その傍らでヨット会社で観光客の対応をする仕事にも就いている。後者の仕事について「魅力はないが簡単だ」と話すMajlatさんは、「仕事があればラッキーだ。どんな仕事でも」と前を向いた。