助手 「ゴルフが新しくなりましたけど、どう思います。」
所長 「うーん、いろいろと考えさせられるモデルチェンジじゃな。」
助手 「ですよね。」
所長 「まずなんと言っても先代からほとんど変わっとらんように見えるのぉ。」
助手 「先代をベースに改良したマイナーチェンジレベルらしいですね。」
所長 「見えるとこのパネルはみんな変えとるようじゃけどな。」
助手 「でもプラットフォームやエンジンのキャリーオーバーって、向こうじゃ別に珍しくはないですよね。」
所長 「そうなんじゃが今回のゴルフは骨格も変わっとらんじゃろ。窓枠やドアの形状なんてまったく一緒じゃないのか。極端な話、ゴルフⅥにⅤのドアをはめても付きそうな気がするぞ。」
助手 「顔つきやサイドのエッジなんかが変わってますけど、シルエットなんかはそのまんまかもしれませんね。」
所長 「じゃろ。ゴルフと言えば世界中で売らんといかんフォルクスワーゲンの稼ぎ頭じゃろうに。」
助手 「なんでもゴルフⅤって高性能化に振ったせいで、コストが高くつき過ぎて利益率が低かったそうなんですよ。で、今度のⅥは先代のプラットフォームを流用して効率よくつくれるようにしたそうですよ。」
所長 「それはあくまでもつくり手側の話で、買うモンにしてみたら関係のない話じゃろ。この先4、5年はこれで勝負出来るって考えなんじゃろうな。」
助手 「まぁ、TSIやDSGで十分アドバンテージがありますしね。」
所長 「高級化、高性能化路線から軌道修正しようとしとるんじゃろうな。これまでは価格据え置きでどんどん性能を上げてじゃな、ライバルに対して優位に立とうとする戦略じゃったんじゃ。じゃが世の中はもっと低価格なモンに流れていっとるじゃろ、タタ・ナノとか。で、ビートルを出しとったころに立ち返ろうとしとるように思えるんじゃ。」
助手 「モーターショーに出してたup！シリーズとかですね。」
所長 「そうじゃ。じゃがすでに開発のスケジュールに載ってるクルマをすぐに変えられんじゃろ。じゃから今慌てて中途半端なクルマを出すよりは、5年後辺りに焦点を置いてじっくり開発してくるんじゃろ。それまでのつなぎが今度のゴルフⅥじゃと考えると辻褄が合うじゃろ。」
助手 「かもしれませんね。でもそうなるとゴルフⅥは苦戦するかもしれませんね。」
所長 「どうじゃろうな。さっきお前が言ったようにTSIやDSGの効果もまだまだあるじゃろうしな。それに向こうでの主力は、TDIとかいうディーゼルのユニットなんじゃ。なんでも向こうの燃費基準じゃとポロのディーゼルの方がプリウスよりも燃費がいいそうじゃしな。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「現行プリウスの燃費が100km走るのに、燃料が4.3L必要なんじゃが、ポロの1.4TDIは3.8Lじゃそうじゃ。」
助手 「向こうの燃費って日本のようにリッター当り何キロ走れるか、じゃないんですよね。前にルポが3リッター・カーとか言ってましたよね。」
所長 「どっちの表記がわかり易いかは知らんが、既存の技術でハイブリッドを上回っとるのは事実じゃ。この間のジュネーブで発表された1.2LのTDIは3.3Lじゃからリッター当りに直すと30kmを超えるとるそうじゃ。まぁ、向こうの測り方じゃし、日本の10・15モードやJC08モードじゃとどうなるかわからんがの。今度のプリウスが排気量を上げてきたのも高速主体の向こうの実用燃費の向上のためらしいしな。」
助手 「そういうことですか。」
所長 「で、ディーゼルが売れん日本やアメリカではTSIでカバーするという按配なんじゃろ。」
助手 「じゃあ問題なさそうですね。」
所長 「そうも言っとられんのじゃ。軽油の価格が上昇しとるからディーゼルの旨みが薄れとるそうじゃ。」
助手 「あっ、そうですね。レギュラーより高くなってるとかって、聞いたことありますよ。」
所長 「もともとレギュラーも軽油も原価は変わらんから、需要によって価格が変動するんじゃ。あとの差は税金じゃし、軽油とガソリンのシェアが逆転すれば、日本でも軽油の方が高くなるかもしれん。」
助手 「そうなるとディーゼルはつらいですね。」
所長 「じゃからこの先、販売を維持、拡大しようとするとハイブリッドや次世代技術は欠かせんのじゃろ。」
助手 「うーん、そうですか。」
所長 「あと、1.4LのシングルターボがゴルフⅤのときはトレンドラインじゃったのが、今度はコンフォートラインに格上げされたじゃろ。」
助手 「価格も上がってしまいましたよね。」
所長 「ジュネーブで発表されたポロに1.2LのTSIが載るそうじゃけど、これをゴルフにも載せるんじゃないかと思うんじゃ。」
助手 「そのためにトレンドラインを空席にしたのかもしれませんね。」
所長 「単なる廉価版じゃなくって、燃費で考えると一番性能がいいわけじゃから、他のグレードが霞んでしまうかもしれんがの。」
助手 「それは言えてますよね。」
所長 「ま、出来ることならディーゼルのTDIを日本のポスト新長期規制に適合させて導入して欲しいとこじゃけどな。」
助手 「いいですね。」
所長 「どれぐらいの値付けになるかで大きく変わるじゃろうけど、1.4Lで250万ぐらいで出せれば、プリウスやインサイトなんかのハイブリッド勢に一石を投じる存在になれると思うんじゃがな。」
助手 「そう考えるとゴルフⅥもまだまだ楽しみですね。」
参考資料
フォルクスワーゲン・ゴルフ（『webCG』 日経デジタルコンテンツ）
フォルクスワーゲン・ゴルフGT TSI（轟クルマ文化研究所）
フォルクスワーゲン・ゴルフⅤ（轟クルマ文化研究所）
フォルクスワーゲン up！（『webCG』 日経デジタルコンテンツ）
フォルクスワーゲン・ポロ（『webCG』 日経デジタルコンテンツ）
Yahoo！グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「うーん、いろいろと考えさせられるモデルチェンジじゃな。」
助手 「ですよね。」
所長 「まずなんと言っても先代からほとんど変わっとらんように見えるのぉ。」
助手 「先代をベースに改良したマイナーチェンジレベルらしいですね。」
所長 「見えるとこのパネルはみんな変えとるようじゃけどな。」
助手 「でもプラットフォームやエンジンのキャリーオーバーって、向こうじゃ別に珍しくはないですよね。」
所長 「そうなんじゃが今回のゴルフは骨格も変わっとらんじゃろ。窓枠やドアの形状なんてまったく一緒じゃないのか。極端な話、ゴルフⅥにⅤのドアをはめても付きそうな気がするぞ。」
助手 「顔つきやサイドのエッジなんかが変わってますけど、シルエットなんかはそのまんまかもしれませんね。」
所長 「じゃろ。ゴルフと言えば世界中で売らんといかんフォルクスワーゲンの稼ぎ頭じゃろうに。」
助手 「なんでもゴルフⅤって高性能化に振ったせいで、コストが高くつき過ぎて利益率が低かったそうなんですよ。で、今度のⅥは先代のプラットフォームを流用して効率よくつくれるようにしたそうですよ。」
所長 「それはあくまでもつくり手側の話で、買うモンにしてみたら関係のない話じゃろ。この先4、5年はこれで勝負出来るって考えなんじゃろうな。」
助手 「まぁ、TSIやDSGで十分アドバンテージがありますしね。」
所長 「高級化、高性能化路線から軌道修正しようとしとるんじゃろうな。これまでは価格据え置きでどんどん性能を上げてじゃな、ライバルに対して優位に立とうとする戦略じゃったんじゃ。じゃが世の中はもっと低価格なモンに流れていっとるじゃろ、タタ・ナノとか。で、ビートルを出しとったころに立ち返ろうとしとるように思えるんじゃ。」
助手 「モーターショーに出してたup！シリーズとかですね。」
所長 「そうじゃ。じゃがすでに開発のスケジュールに載ってるクルマをすぐに変えられんじゃろ。じゃから今慌てて中途半端なクルマを出すよりは、5年後辺りに焦点を置いてじっくり開発してくるんじゃろ。それまでのつなぎが今度のゴルフⅥじゃと考えると辻褄が合うじゃろ。」
助手 「かもしれませんね。でもそうなるとゴルフⅥは苦戦するかもしれませんね。」
所長 「どうじゃろうな。さっきお前が言ったようにTSIやDSGの効果もまだまだあるじゃろうしな。それに向こうでの主力は、TDIとかいうディーゼルのユニットなんじゃ。なんでも向こうの燃費基準じゃとポロのディーゼルの方がプリウスよりも燃費がいいそうじゃしな。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「現行プリウスの燃費が100km走るのに、燃料が4.3L必要なんじゃが、ポロの1.4TDIは3.8Lじゃそうじゃ。」
助手 「向こうの燃費って日本のようにリッター当り何キロ走れるか、じゃないんですよね。前にルポが3リッター・カーとか言ってましたよね。」
所長 「どっちの表記がわかり易いかは知らんが、既存の技術でハイブリッドを上回っとるのは事実じゃ。この間のジュネーブで発表された1.2LのTDIは3.3Lじゃからリッター当りに直すと30kmを超えるとるそうじゃ。まぁ、向こうの測り方じゃし、日本の10・15モードやJC08モードじゃとどうなるかわからんがの。今度のプリウスが排気量を上げてきたのも高速主体の向こうの実用燃費の向上のためらしいしな。」
助手 「そういうことですか。」
所長 「で、ディーゼルが売れん日本やアメリカではTSIでカバーするという按配なんじゃろ。」
助手 「じゃあ問題なさそうですね。」
所長 「そうも言っとられんのじゃ。軽油の価格が上昇しとるからディーゼルの旨みが薄れとるそうじゃ。」
助手 「あっ、そうですね。レギュラーより高くなってるとかって、聞いたことありますよ。」
所長 「もともとレギュラーも軽油も原価は変わらんから、需要によって価格が変動するんじゃ。あとの差は税金じゃし、軽油とガソリンのシェアが逆転すれば、日本でも軽油の方が高くなるかもしれん。」
助手 「そうなるとディーゼルはつらいですね。」
所長 「じゃからこの先、販売を維持、拡大しようとするとハイブリッドや次世代技術は欠かせんのじゃろ。」
助手 「うーん、そうですか。」
所長 「あと、1.4LのシングルターボがゴルフⅤのときはトレンドラインじゃったのが、今度はコンフォートラインに格上げされたじゃろ。」
助手 「価格も上がってしまいましたよね。」
所長 「ジュネーブで発表されたポロに1.2LのTSIが載るそうじゃけど、これをゴルフにも載せるんじゃないかと思うんじゃ。」
助手 「そのためにトレンドラインを空席にしたのかもしれませんね。」
所長 「単なる廉価版じゃなくって、燃費で考えると一番性能がいいわけじゃから、他のグレードが霞んでしまうかもしれんがの。」
助手 「それは言えてますよね。」
所長 「ま、出来ることならディーゼルのTDIを日本のポスト新長期規制に適合させて導入して欲しいとこじゃけどな。」
助手 「いいですね。」
所長 「どれぐらいの値付けになるかで大きく変わるじゃろうけど、1.4Lで250万ぐらいで出せれば、プリウスやインサイトなんかのハイブリッド勢に一石を投じる存在になれると思うんじゃがな。」
助手 「そう考えるとゴルフⅥもまだまだ楽しみですね。」
参考資料
フォルクスワーゲン・ゴルフ（『webCG』 日経デジタルコンテンツ）
フォルクスワーゲン・ゴルフGT TSI（轟クルマ文化研究所）
フォルクスワーゲン・ゴルフⅤ（轟クルマ文化研究所）
フォルクスワーゲン up！（『webCG』 日経デジタルコンテンツ）
フォルクスワーゲン・ポロ（『webCG』 日経デジタルコンテンツ）
Yahoo！グループ 轟クルマ文化研究所
新しいゴルフも４年すれば新型に変わります。しかし、各雑誌でも好評のようなので、商品力の向上という観点から見ると・・乗り換える価値は充分にあるのでしょうね。
アウディＡ３１．４Ｌを試乗しましたが、出来は素晴らしかったです（１．４で充分）。ゴルフにベーシック１．２Ｌを移植するという推理は「！（なるほど～）」と感心しました。
日本のメーカーとは違うやり方で実績をだしてますしね。
新しいゴルフ、Ⅴからの乗替えは少なそうな気がしますが、ゴルフの潜在的な顧客は多そうですし、新型も売れるんでしょうね。
1.2LTSI、ゴルフの重量には非力な気もしますが、250万以下で燃費18km/L超えなら売れるでしょうね。
フリーク研究生「１．４Ｌが主流だったんですか？特別車で２Lがあったりしたんでしょうか？」
先代の途中にTSIエンジン（1.4Lのターボとスーパーチャージャーのダブル過給）が追加されてから、すっかりこっちがメインになり、6代目は1.4Lしかないんですよ。
ま、そのうちGTIで2Lも復活するんでしょうけど。
フリーク研究生「クロスゴルフってもんまで出来てるんだ！！」
元々向こうでは一つの車種に様々な排気量のエンジンを搭載し、少ない車種バリエーションで顧客の要望に答える仕組みですし、当然ゴルフとポロにも同じエンジンが載ることもあるんでしょうね。
＞クロスゴルフ
ありましたね。
クロスポロはたまに見掛けますが、クロスゴルフは…（笑
ちなみにVWで一番の注目はシロッコです。
ボクもゴルフⅤの丸っこいカタチより、シャープなこっちの方が好みです。
シロッコもそろそろ出るようですね。
顔つきはシロッコが一番似合ってると思うんで楽しみです。