ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

初めてのミューザ川崎/Vn. ヒラリー・ハーン

2024-05-23 | ヴァイオリン
2024.5.17

初めてミューザ川崎シンフォニーホールへ行きました。
サントリーホール等数々のコンサートホールの音響設計を手掛ける豊田泰久氏のデザインです。
豊田氏のホール設計の特徴は、vineyard型と言われる山間のブドウの段々畑のように、ステージの周囲すべてを客席がすり鉢状に囲む型式なのだそうです。

この1枚は他のサイトからお借りしました。

余談ですが、2011年東日本大震災のときにホール天井が崩落したニュースが報じられましたが、その後、川崎市が設計ミスだとして、建築設計・施工業者に20億円の賠償請求をしましたが一審二審とも棄却されたという話です。
演奏を聴いている間、ドーンと天井の辺りから音が一発聞こえてきましたが、音楽ホールでそんなこと…、ありますかね。

このホールの音響について、イギリス人指揮者サイモン・ラトル(ベルリン・フィル)が「あり得る可能性の中で完璧に近い」と語っています。そんな”完璧に近いホール”、実際はどうなのか気になっていました。

この日のコンサートは、米国のヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンと、ピアニスト、アンドレアス・ヘフリガーのデュオ。
曲目は、ブラームスのソナタ、1番、2番、3番。



ホールはJR川崎駅の中央改札を出て左方向に外に出ると建物がもう見えます。外観、楕円形の建物です。

ミューザの建物入口を入ったところ。


奥のエスカレーターを上がるとホールの入口ロビーに出ます。


内部、2階〜4階席はホールを囲むように設置されていますが、自分の席までたどり着くのにちょっとした迷路にはまります。

写真にあるように、ステージ横の2階席は列が斜めになっています。こちら側も同じ。2階席の最前列、1列約15座席の真ん中辺が私の席でした。自分の席へ「すみませ〜ん」と入っていくと下りスロープ、出るときは上りスロープ。変な気分でした。座っている間は自分の体が斜めになっていたのか感じませんでしたが、開演前は体調がすこぶる良かったはずなのに、終わって立ち上がると、めまいがして気分が悪くなりました。 

ところで、音響はどうだったかというと、ピアノに関しては響きが良いと感じましたが、ヴァイオリンに関しては「完璧」とは言い難く、普通の音響という印象。近すぎたせいでしょうか。
でも、同じような位置であれば、横浜のみなとみらいホールの方が断然良いと思いました。

ヒラリー・ハーンさんは、ファンがかなり多いようなのですが、客層を見ると男性の数が圧倒的に多い。特に学生と思しき若者。
そういえば、NHKのアニメ「青のオーケストラ」の主人公の父親の吹替え演奏をしていました、その効果かもしれないと、後で思い出したのでした。

40代、白髪のショートヘア、青いレース素材の長袖のロングドレスで登場。
グラミー最優秀賞を3度ほど受賞している以外に特に国際コンクールの受賞歴はなし。
なのですが、知名度が高いのです。

ですので、期待して聴きに行ったのですが、良くも悪くもなく普通でした。
技術力は高いのですが、今回のブラームスのソナタ、1番〜3番まで、曲の解釈が浅いのか、ブラームスの情感が伝わって来ない、軽い感じがしました。
好みの違い、と言ったらそれまでですが、40代位になれば、経験などから演奏家の心情みたいなものが音に表れてくるものなのですが…。
私の考えている基準が高すぎるのかも知れませんね。

アンコール演奏は2曲。1曲目は、ウィリアム・グラント・スティルというアフリカ系米国人作曲家の「マザー&チャイルド」、これはとても良かった。ヒラリーさんは、ヨーロッパクラシックより米国の曲を演奏すると良いのではないでしょうかね。
2曲目はブラームスのFAEソナタの3楽章スケルツォ。
使用したであろうヴァイオリンは、恐らくヴィヨーム1864年。

これはホールのパイプオルガン、いつか聴いてみたいですね。


次回は、ホール1階の中央席を選びたいと思います。音響の違いを確かめたいし、斜めは、やはり体調によくないです。


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ラ・フォル・ジュルネ2024 初日(2)

2024-05-05 | ピアノ
2024.5.3

20:45〜のセッションの演奏は、
ピアノ:亀井聖矢さん
神奈川フィル、指揮者は齋藤友香理さん

曲目は、
ワーグナー:楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲 
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23

音響の違和感:
このセッションでは、取れた座席が1階の42列目。中央寄りでしたのでステージは良く見えましたが、音響はよくありません。

最初のワーグナー、弦楽器の重音演奏で始まった時に音がモヤモヤッとダブついて聴こえました。後方は音響が悪いことはわかっていましたが、そこまでとは思いませんでした。
萩原麻未さんの時は23列目でしたが、問題はありませんでした。

東京国際フォーラム・ホールAは巨大ですので、遠くまで音が伝わりにくいというのもありますが、このホールの設計上の問題もあると思います。
元々クラシックコンサート用に設計されていないのでしょうね。
一階席は前方から後方になだらかに上がっています。後方座席の上はアーチ状の二階席があるため、一階後方席の上は下がり天井になっています。

音の拡がりは見えませんが、音はステージ上の空間だけで響いていて、それが塊となって客席に拡がり、下がり天井のせいで屈折してしまったのでは、と自分なりに考えましたが、音響の専門家ではないのでわかりません。2階はどのように聴こえるのか気になります。
とにかく、このホールでクラシックコンサートを良い音響で聴くなら、ステージに近いところがベストということです。

亀井聖矢さんのチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番:
巨大ホールでの演奏を考慮した演奏方法に感服しました。
オケの音はモヤモヤ聴こえても、亀井さんのピアノの音はダブることがない。確実に遠くに音が届くように、度々腰を上げて力強く鍵盤を叩く。速いアルペジオは音が重なってモヤモヤ聴こえそうですが、その部分は音が伝わるようにゆっくりクリアに演奏。
そのような工夫も含めて、亀井さんのチャイコフスキー1番は情感があふれて素晴らしかった。

アンコール曲はリストのラ・カンパネラ:
あれほど美しいラ・カンパネラは聴いたことがありません。

亀井聖矢さんの生演奏を初めて聴くことができましたが、次は音響のよいコンサートホールで聴いてみたいですね。



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ラ・フォル・ジュルネ2024 初日(1)

2024-05-04 | ピアノ
2024.5.3

晴れて暑くなると思ったのですが、少し肌寒い陽気でした。
今日から3日間、東京国際フォーラムを中心に、丸の内のオフィスビル各所で毎年開催されている音楽祭ラ・フォル・ジュルネが始まりました。
コロナ禍で開催中止となっていたのですが、昨年再開されました。


ピアニスト亀井聖矢さんが出演するセッションは、開催時間が20:45〜と遅いので、その前の、ピアニスト萩原麻未さんが演奏するセッションも聴くことにしていました。これらのチケット購入の際は出遅れて、良い席を入手できなかった話は前に書きましたね。

萩原さんのセッションの前に、少し早めに出かけてバイオリン専門店等が数店出展するホールEに寄りました。ホールEはプロアマのアーティストが演奏する入場無料のステージを見る客で溢れ、展示ブースは壁際に数件だけ。
各社数百万円はするストラディバリウス等を数台展示していましたが、興味本位でブースに入ってくる人、写真を勝手に撮る人、恐らく購入者に渡すであろうノベルティを勝手に持っていく人、がいるような環境で、出展する意味はあるのか疑問でした。

さて、18:15からホールAで萩原麻未さん✕神奈川フィルによるオールラヴェルの演奏です。
神奈川フィルの指揮者は斎藤友香里さん。全体的に指揮に切れがあって好印象でした。このオーケストラの弦楽器はなかなかのクオリティですね。
曲目は、ラヴェルの「亡き王女のためのバヴァーヌ」、「ピアノ協奏曲ト長調」、「ボレロ」。


ピアノ協奏曲ト長調:
萩原さんはグリーン地に白赤の帯模様の独創的なドレスで登場。肩や腰のあたりにボコッと袋が飛び出したような…?ちょっと説明しにくいですが。
2010年ジュネーブ国際ピアノコンクールで日本人として初めて優勝したピアニストです。
1楽章はちょっとガーシュインっぽい、3楽章は躍動的で切れが合っておもしろい。2楽章のアダージョは詩的でロマンティックに歌い上げていました。

最後は、聴いたことがない人はいないだろうと思う、ラヴェルのボレロ。
この曲は、ラヴェルの母親がバスク出身(スペイン)ということもあって、幼い頃に体験したサンセバスティアン’(バスク)の太鼓祭りからイメージされたのではないかと思っています。
小太鼓奏者が良く見えなかったのですが、メイン奏者の隣にサブがいたようです。読響の場合は1人で演奏するのが常ですが、曲の最初から最後まで叩き続けるのは、かなりきついと思います。
ホールAは約5000人の収容ですが、ほぼ満席でした。

少し終了時間が伸びたので、急いで夕食を食べに行き、亀井聖矢さんのセッションへとつなぎます。












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2024/5/4「題名のない音楽会」に東亮汰さん出演

2024-05-03 | ヴァイオリン
明日5月4日(土)10:00〜、テレビ朝日「題名のない音楽会」に、私が注目する若手ヴァイオリニストの東亮汰さんが出演する予定です。

東さんは、桐朋学園大学を首席で卒業。日本音楽コンクールのヴァイオリン部門第1位受賞。
現在は反田恭平さん率いるジャパン・ナショナル・オーケストラのコアメンバーです。
このオケのプロデュースで国内各地でアンサンブル等の演奏活動をしていますが、なかなかチケットが取れないアーティストになってしまいましたね。
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