ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

ギタリスト ホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイ 来日コンサート

2019-11-02 | ギター
Blogのカテゴリーにギターを追加しました。 
クラシックギター、フラメンコギター、ともに音色が好きな楽器です。
クラシックとフラメンコのギターは、見かけは似ていますが違います。
主な特徴の違いは、まず、ボディの厚み: クラシックギターは厚いが、フラメンコギターは薄い。次に、弦の高さ: クラシックギターは高いが、フラメンコギターは低い。
これらの違いの理由は、クラシックギターは、クラシック音楽に重要な音の響きをよくし、余韻を長くさせる必要があるからです。一方、フラメンコギターは、激しい踊りや歌に合わせるため、明るく鋭い、カリカリと歯切れがある音でなくてはいけないので、余韻は長くない方が良いのです。また、フラメンコの方は、右手の指で表板を叩く奏法があるため、ゴルぺ板という透明なフィルムが貼られているのが特徴です。
テクニックで言えば、フラメンコギターの方が超絶に難しいと、クラシックギターからフラメンコに転向した人が言っていました。
自分は弾かないのですが、フラメンコギターについては、仕事でちょっと関わったことがあるので、なぜか詳しいです。 

さて、ヴァイオリンを始める前のしばらくの間、フラメンコ音楽ばかり聴いていたのですが、久しぶりに、クラシックギターの生演奏を聴きました。
ギターといえばスペインですね。

10月30日、スペイン・セビージャ出身のクラシックギタリスト José María Gallardo del Reyが来日し、セルバンテス文化センターでトーク&コンサートが開催されました。

José María Gallardo del Rey (ホセ マリア ガジャルド デル レイ)、1961年生まれ。
クラシックギタリスト&作曲家。 小澤征爾、ジョン・ウィリアムズ、村治佳織等数々の著名な音楽家と共演し、一方で様々なギター曲の作曲を手掛けています。
6歳で母親の勧めでギターを習い始め、9歳の時にセビージャ音楽学校に入学し、クラシックギタリストへの道を歩み始めます。後にアンドレス セゴビア等の著名なギタリストに師事しています。 フラメンコ発祥地のひとつ、セビージャという土地で育った影響で、幼少の頃からフラメンコ音楽は自然と体に入っている。クラシックギタリストでありながら、フラメンコとの関係も深く、フラメンコアーティストとも親交があるそうです。ファリャやグラナドス、アルベニス、ロドリーゴなどスペインの著名な作曲家は、フラメンコの影響を大きく受けていることを強調し、自身が持つフラメンコへの感性を、それらの曲の演奏に反映させているそうです。
ガジャルド氏は、プラシド・ドミンゴやテレサ・ベルガンサ等のオペラ歌手やフラメンコアーティストへの公演指導を行った経験があり、中でも、1990年にパコ デ ルシアによる「アランフェス協奏曲(ロドリーゴ作曲)」の日本初公演とレコーディングの際の演奏指導を任された経験は大きいようです。パコ デ ルシアは、フラメンコギターの奇才と言われるほどの偉大なアーティストでしたが、当時、オーケストラとの共演は初めてで、クラシックには疎かったそうです。

(写真を撮るのに絶好の場所にいたのですが、カメラを向けると、照れくさいのか意識的によそを向くので、撮影のタイミングが難しかったです。😓 )

この日の演奏は、ルネッサンス~バロック時代のスペインの作曲家から、スペイン音楽がフラメンコの影響を受けた19~20世紀の作曲家までの代表曲を、それぞれの時代の解説を交えながら演奏し、最後に、ガルシア ロルカの歌を編集して組曲にした自作の曲を披露してくれました。

演奏曲:
・ルイス・ミラン(1500-1561) パヴァーヌ
・ガスパル・サンツ(1640-1710) スパニッシュダンス
・フェルナンド・スル(1778-1839) メヌエット
・ディオニシオ・アグアド(1784-1849) 教則曲
・フリアン・アルカス(1832-1882)  ソレア
・マヌエル・デ・ファリャ(1976-1946)  ファルーカ
・ホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイ(1961- )  ロルカ組曲

作曲家でもあるガジャルド氏の今回の来日の目的は、コンサートではなく別にありました。
来年のスペインのセビージャ交響楽団の企画である、John Healeyの著書「セビージャのサムライ」をテーマにしたシンフォニー公演、の曲作りのために日本の楽器や音楽を研究するためだそうです。
「セビージャのサムライ」とは、約400年前に伊達政宗がスペイン アンダルシアに派遣した慶長遣欧使節団のうち、帰国せずにセビージャのある田舎町に残った武士達がいて、その子孫であると信じている人たちのことが書かれたものと思われます。
日本のメディアで報道されたこともありますが、彼らは、ハポン(日本)姓を名乗り、「サムライの末裔であることを誇り」にしながらそこに暮らし、仙台市との交流を通して日本との関わりを維持しているようです。

いずれにしても、来年発表される予定の、そのシンフォニーが日本で演奏されるかどうかは不明ですが、どんな曲なのか興味深いですね。

そして、ガジャルド氏は、コンサートの締め括りに、是非聴いてほしいと、自分が体験した三味線、琴、尺八等の日本の伝統楽器の、そのサウンドをイメージして自身が作曲したギター曲を2つ披露して下さいました。それぞれの楽器の音の特性を捉えていて、素晴らしい曲でした。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする