ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

ラ・フォル・ジュルネ2024 初日(2)

2024-05-05 | ピアノ
2024.5.3

20:45〜のセッションの演奏は、
ピアノ:亀井聖矢さん
神奈川フィル、指揮者は齋藤友香理さん

曲目は、
ワーグナー:楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲 
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23

音響の違和感:
このセッションでは、取れた座席が1階の42列目。中央寄りでしたのでステージは良く見えましたが、音響はよくありません。

最初のワーグナー、弦楽器の重音演奏で始まった時に音がモヤモヤッとダブついて聴こえました。後方は音響が悪いことはわかっていましたが、そこまでとは思いませんでした。
萩原麻未さんの時は23列目でしたが、問題はありませんでした。

東京国際フォーラム・ホールAは巨大ですので、遠くまで音が伝わりにくいというのもありますが、このホールの設計上の問題もあると思います。
元々クラシックコンサート用に設計されていないのでしょうね。
一階席は前方から後方になだらかに上がっています。後方座席の上はアーチ状の二階席があるため、一階後方席の上は下がり天井になっています。

音の拡がりは見えませんが、音はステージ上の空間だけで響いていて、それが塊となって客席に拡がり、下がり天井のせいで屈折してしまったのでは、と自分なりに考えましたが、音響の専門家ではないのでわかりません。2階はどのように聴こえるのか気になります。
とにかく、このホールでクラシックコンサートを良い音響で聴くなら、ステージに近いところがベストということです。

亀井聖矢さんのチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番:
巨大ホールでの演奏を考慮した演奏方法に感服しました。
オケの音はモヤモヤ聴こえても、亀井さんのピアノの音はダブることがない。確実に遠くに音が届くように、度々腰を上げて力強く鍵盤を叩く。速いアルペジオは音が重なってモヤモヤ聴こえそうですが、その部分は音が伝わるようにゆっくりクリアに演奏。
そのような工夫も含めて、亀井さんのチャイコフスキー1番は情感があふれて素晴らしかった。

アンコール曲はリストのラ・カンパネラ:
あれほど美しいラ・カンパネラは聴いたことがありません。

亀井聖矢さんの生演奏を初めて聴くことができましたが、次は音響のよいコンサートホールで聴いてみたいですね。



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ラ・フォル・ジュルネ2024 初日(1)

2024-05-04 | ピアノ
2024.5.3

晴れて暑くなると思ったのですが、少し肌寒い陽気でした。
今日から3日間、東京国際フォーラムを中心に、丸の内のオフィスビル各所で毎年開催されている音楽祭ラ・フォル・ジュルネが始まりました。
コロナ禍で開催中止となっていたのですが、昨年再開されました。


ピアニスト亀井聖矢さんが出演するセッションは、開催時間が20:45〜と遅いので、その前の、ピアニスト萩原麻未さんが演奏するセッションも聴くことにしていました。これらのチケット購入の際は出遅れて、良い席を入手できなかった話は前に書きましたね。

萩原さんのセッションの前に、少し早めに出かけてバイオリン専門店等が数店出展するホールEに寄りました。ホールEはプロアマのアーティストが演奏する入場無料のステージを見る客で溢れ、展示ブースは壁際に数件だけ。
各社数百万円はするストラディバリウス等を数台展示していましたが、興味本位でブースに入ってくる人、写真を勝手に撮る人、恐らく購入者に渡すであろうノベルティを勝手に持っていく人、がいるような環境で、出展する意味はあるのか疑問でした。

さて、18:15からホールAで萩原麻未さん✕神奈川フィルによるオールラヴェルの演奏です。
神奈川フィルの指揮者は斎藤友香里さん。全体的に指揮に切れがあって好印象でした。このオーケストラの弦楽器はなかなかのクオリティですね。
曲目は、ラヴェルの「亡き王女のためのバヴァーヌ」、「ピアノ協奏曲ト長調」、「ボレロ」。


ピアノ協奏曲ト長調:
萩原さんはグリーン地に白赤の帯模様の独創的なドレスで登場。肩や腰のあたりにボコッと袋が飛び出したような…?ちょっと説明しにくいですが。
2010年ジュネーブ国際ピアノコンクールで日本人として初めて優勝したピアニストです。
1楽章はちょっとガーシュインっぽい、3楽章は躍動的で切れが合っておもしろい。2楽章のアダージョは詩的でロマンティックに歌い上げていました。

最後は、聴いたことがない人はいないだろうと思う、ラヴェルのボレロ。
この曲は、ラヴェルの母親がバスク出身(スペイン)ということもあって、幼い頃に体験したサンセバスティアン’(バスク)の太鼓祭りからイメージされたのではないかと思っています。
小太鼓奏者が良く見えなかったのですが、メイン奏者の隣にサブがいたようです。読響の場合は1人で演奏するのが常ですが、曲の最初から最後まで叩き続けるのは、かなりきついと思います。
ホールAは約5000人の収容ですが、ほぼ満席でした。

少し終了時間が伸びたので、急いで夕食を食べに行き、亀井聖矢さんのセッションへとつなぎます。












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2024.3.12 川口成彦x18世紀オーケストラ

2024-03-31 | ピアノ
2024.3.12

毎年3月前半は仕事が忙しいので、コンサートは諦めているのですが、ピリオド楽器専門のピアニスト、川口成彦さんが18世紀オーケストラと共演するので、これだけは行こうと決めていました。

「The Real Chopin x 18世紀オーケストラ」


川口成彦さんについては、一昨年の12月に昭和音楽大学で開かれた大学所蔵の19世紀のピアノ・プレイエルの修復後お披露目コンサートで初めて演奏を聴いて感銘を受け、気になるピアニストの一人となっています。(このコンサートについては昨年中のブログに書いています。)
第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位受賞者。

当日は夕方になって土砂降りの雨となりましたが、頑張って東京オペラシティコンサートホールへ出かけました。地下鉄の初台駅からホールへは直結なので濡れることはないのですが、私の足元は長靴という出で立ち。😁 

18世紀オーケストラは、1981年にフランスの故フラン・ブリュッヘンという方が友人達と結成したものですが、現在は世界20カ国以上の演奏家55名によって構成されていて、全員が18世紀から19世紀初頭の音楽を専門とする古楽器や復元楽器の専門奏者です。

私が到着すると、ステージの真ん中に置かれたプレイエルピアノを調律師の方が念入りに調整しています。ピアノの脚元に運搬用のキャスターが付いていましたが、現代になって後から付けたものでしょう。
ピアノは、1845年製のプレイエル。所有者はエンマ・秋山氏。





演奏曲目とソリスト:

1. モーツァルト 交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
チェロ以外は、ヴァイオリン、コントラバス、金管楽器も全員立って演奏していました。
チェリストだけ座っていた理由は、現代ではチェロの下にエンドピンを付けて立てていますが、昔はそれがなかったため、チェロを両足に挟んで支える必要があるというわけです。大変でしたね。
また、ヴァイオリンですが、全員、顎当ても肩当ても付けていません。顎が当たるところに布のようなものを充てているだけでした。
これは驚きでした。昔はこうだったのですね。
顎当て、肩当てがないと滑って演奏どころではないような気がするし、いかり肩の人ならまだ良いですが、なで肩の人は無理でしょう。肩に力が入って、肩凝りに悩まされそうです…。

2.ショパン 「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲変ロ長調Op.2
ピアノ: 川口 成彦
ショパンが学生時代に作曲した作品で、モーツァルトのオペラを題材にしています。この曲をちゃんと聴いたのは初めてでしたが、ピアノが主役で、オーケストラは伴奏という印象。通常のピアノほどフォルテが強く出ないこのピアノで川口さんはエレガントに演奏していました。

3.藤倉 大 Bridging Realms for fortepiano
第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールとコンサート企画カジモトとの共同委嘱作品 (日本初演)
ピアノ: ユリアンナ・アヴデーエワ
水滴の音を感じさせるような響きで始まり、もう一度聴きたいと思える美しい曲でした。

ここで、調律師がピアノの調整を行いました。

4.ショパン アンダンテ・スピオナートと華麗なる大ポロネーズOp.22
ピアノ: ユリアンナ・アヴデーエワ
この曲は、ピアノ独奏作品と思われがちですが、ショパンがピアノとオーケストラのために書いた最後の作品です。
アヴデーエワさんは2010年のショパン国際コンクールでの優勝者。アルゲリッチさんに続く女性で2番目の優勝者です。
ダンパーペダルを何度も強く踏んでいたので、ピアノが壊れないか気になりましたが、素晴らしい演奏でした。現代ピアノでも演奏を聴いてみたいピアニストです。

4番目の曲の演奏中、ピアノの響きがどんどん変化して行くのに気づきました。調節が大変なピアノです。
休憩となり、調律師によりまた調律です。

5.ショパン ピアノ協奏曲第2番へ短調Op.21
ピアノ: トマシュ・リッテル
ポーランド生まれ。川口さんが2位を受賞した同じ年のコンクールでの優勝者です。
ピアノの響きの変化を強く感じた演奏でした。リッテルさんが弾き始めると、前曲まで表れなかったクリアな音が流れてきました。アヴデーエワさんがペダルを強く踏んでも出てこなかった音響です。リッテルさんはプレイエルのピアノの特性をよく捉えていると感じました。

興味深いコンサートでしたね。
とても貴重な経験だったと思います。




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亀井聖矢さんのチケット獲得に苦戦

2024-03-19 | ピアノ
今年はピアニストの亀井聖矢さんの演奏に注目していて、年初からコンサート情報をチェックをしていました。そのはずなのですが…。

先月、2025年2月に横浜みなとみらいホールで、亀井聖矢✕神奈川フィルによるサン・サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」が演奏される情報を知り、是非行きたいと思っていたわけです。2022年に亀井さんが優勝したロンティボー国際ピアノコンクールの本選で演奏した曲です。
来年の2月なので、チケット販売はまだだろうと思っていたことが不覚でした。

その話の前に、2月の下旬に、GWに開催のラ・フォル・ジュルネのプログラム発表とチケット販売が始まりました。ぴあの先行の更に先行の販売です。
今年のラ・フォル・ジュルネでは亀井聖矢さん✕神奈川フィルの演奏が予定されていて、先行販売していることをラ・フォル常連の友人に伝えると、そんなに急がなくても大丈夫という答え。チケット購入をお任せすることにしました。

その一方で、今月の初め頃、上述した来年2月の亀井聖矢さんのサン・サーンスのチケット販売が始まったことに気が付きます。来年なのに?と慌てました。
先行販売だったのか一般販売期間だったか忘れましたが、残席を見たときは、もう前方ブロックもステージ周りの席もほとんどありません。しまった!出遅れた!

そこで、気になって、ラ・フォル・ジュルネの残席を見ると、こちらも先行の先行販売期間中でしたがすでに、東京国際フォーラムホールAの前方ブロック38列までほぼ埋まっていて、わずかに左端、右端にポツポツと残席があるだけでした。後方ブロックにはもちろん残席ありましたが、東京国際フォーラムは広すぎて、後ろの方は音が良く届かないのです。

友人にすぐ連絡し、友人も大慌て。
取り敢えず、前ブロックのうち残っているところを取ってもらいました。

亀井聖矢さんのチケット、何でこんなに取りにくいの?と考えました。ファンが多いこともあるでしょうが、共演するオケが神奈川フィルだからだと思いました。神奈川フィル、神奈川新聞社、みなとみらいホール、神奈川県民ホール、は繋がっています。特に新聞の発信力や宣伝力は強いです。

ラ・フォル・ジュルネで亀井聖矢さんの演奏を聴くことができそうですが、来年のサン・サーンスは、結局諦めました。もう完売したようですね。

5月のラ・フォル・ジュルネのスケジュールです。
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読響プレミア 1月公演の読響✕藤田真央 ブラームス第2番 放送予定

2024-02-19 | ピアノ
先日投稿した、2024.1.10にサントリーホールで演奏された、読響(ヴァイグレ指揮)✕藤田真央さんによるブラームスのピアノ協奏曲第2番が、日本テレビの読響プレミアで放送されます。
とても良かったので、また聴けるのが楽しみです。

放送予定

3月21日(木)午前2:29〜3:54 (20日水曜の深夜)
日テレ

再放送:
3月30日(土)朝7:00〜8:25
BS日テレ

ひと月先なので忘れそうですね。



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