ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

井上道義さんのラスト・ショスタコーヴィチ✕服部百音さん

2024-07-01 | ヴァイオリン
2024.6.29

サントリーホールで開催された指揮者 井上道義さん✕ヴァイオリニスト服部百音さん✕NHK交響楽団の公演を聴いてきました。
井上道義さんは、今年指揮者を引退される予定なので、東京サントリーホール、大阪フェスティバルホールでの服部百音さんとの最後のショスタコーヴィチのコンサートツアーとなりました。

曲目は、
・ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op77
・ロッシーニ 歌劇「プルスキーノ氏」序曲
・ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調Op129



ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲を1番だけでなく2番も演奏するなど前代未聞(?)
1番だけでもかなりの激しさですし、2番も弾くとなると体力がいるでしょうね。

前半のショスタコ1番、ソリストにとっては難曲です。超絶技巧の上に、ソロパートはほとんど休みなく弾き続ける曲構成になっているからです。この曲を何度も演奏している百音さんですが、この日の演奏は特にパワフルな気がしました。

休憩15分ほどで後半のロッシーニの曲が始まりました。恐らく曲の長さは5分程度。次にショスタコ2番のために登場した百音さん、少し段差のあるステージにやっとの思いで上がり中央まで歩いてきましたが、何か辛そうで、観客の前で2〜3分背を向けて、演奏できるような状態ではありませんでした。足を痛がってる様子でしたが、体全体も疲労しているようでした。それでも、プロ意識と井上道義さんへの送別の思いが強かったのでしょうね。体が整うと前を向いてヴァイオリンを構えます。それからは痛みなど何もなかったように2番を弾き続けました。
考えてみれば、1番から2番の演奏に入るまで、多分20分〜30分程度しか休憩できていません。ずっと立ったまま弾くわけですからきついですよね。
これを6/30も大阪で同じことをしたはずなのです。

百音さんの演奏は本当に素晴らしかったの一言です。渾身の力を絞った、という表現が合ってるのではないでしょうか。
指揮者井上道義さんの送別でしたが、コンチェルトはソリストが主役になってしまうので、送別される指揮者はあまり目立ちませんでしたけど、ロッシーニの曲は、井上さんらしいユーモアのある振りで楽しませてもらいました。


(オケが引き上げて、観客が帰り始めている時に、挨拶に出てきた服部百音さんを帰り際にパチリ。やり遂げた安心感からか、泣いていました)

余談ですが、客席に黒柳徹子さんや小泉純一郎元首相がいらしていて、小泉元首相とは通路で鉢合わせになり、知り合いでもないのにお辞儀してしまいました。😄
わかりにくいですが、右側後ろから4列目の席、男性2人に挟まれている背の低い頭が黒柳徹子さんです。前からの撮影は容易でしたが、勝手に撮影するのは失礼かと思い、後ろからこっそり。


コンサート中は写真撮影は当然NGであり、勿論カーテンコールもコンサートの最中ですので撮影がNGであることは、クラシックファンの間ではマナーの一つとして周知のことです。
カーテンコールで井上さん百音さんが挨拶に出てきて拍手喝采を浴びている時に、一人の男性がスマホで写真を撮り始め、それを見て、我も我もとスマホをかざして撮影し始めました。その数多数。殆どが中高年の男性。2階からはフラッシュが四方から点滅。
見苦しく、呆れるばかりでした。
サントリーホールも、井上道義さんラストコンサートで寛容になっていたのか、写真撮影NGではなくフラッシュNGの札を持って歩き回っていました。
写真撮影は容認していたのかもしれませんが、スマホ画面が会場のそこかしこに散らばって見えるのは「不快」そのものです。
怒りで感動熱が冷めてしまいました。
今後コンサートで、こういう人たち、マナーを理解せず写真を撮り、注意されても無視する人たちが増えるのではないか危惧しています。
それに反して、若い人たちの方がマナーを心得ていますよ。

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クライスラーを弾きたい

2024-06-30 | ヴァイオリン
3月頃からずっと下書き状態になっていた投稿を今頃アップしています。

昨年末でヴァイオリン学習歴は丸5年となりました。
今までレッスンに使っていたバイオリン名曲集33選、曲集の全部をレッスンしたわけではありませんが、弾けると思っていたハンガリー舞曲(重音満載)に手擦り、次のレッスンは何の曲にしよう、となった時に、残りの曲はチャルダッシュやツィゴイネルワイゼン…、など上級クラスの曲。弾いてみたいけど、まだ早いんじゃないか?と自問自答。
ハンガリー舞曲は、小学生でも弾けそうな重音なしの楽譜もあると思うのです。でも、この曲集はほとんどが原曲に近いのか難易度が高い。レッスンでは楽譜通りに弾くのが基本。
考えた末、以前に興味本位で買っておいたクライスラーのヴァイオリン名曲集を先生に提案しました。

ヴァイオリン史上の名手で作曲家といえば、パガニーニやサラサーテに並び、フリッツ・クライスラーでしょう。
よく演奏されて有名な曲はこの3曲で、クライスラーのウイーン古典舞曲集の代表作です。
・愛の喜び
・愛の悲しみ
・美しきロスマリン
どれか1つでも弾けるようになりたいと思っています。

まずは、「美しきロスマリン」。
アップボウ・スタッカートで始まります。
弓を返せずに、弓を上向きに、タッタッタッタッと一弓で連続してスタッカートをスラーにして演奏するテクニックです。
コツを掴むとできるようになりますが、スラーが2小節に亘る青線の箇所、A線→D線→G線→D線と弓を移動させますが、GからDに戻る時に一弓では足りなくなってしまいます。弓の配分や右手首の動かし方が鍛えられる所です。

この曲の前半のメロディーは後半でも繰り返されるのですが、弓の向きが前半とは逆になっているので、引っ掛からないように譜面を注意深く読む必要があります。上の譜面(前半)の赤線と下(後半)の赤線の箇所は同じメロディーでも弓の運びが違います。上の弾き方に慣れてしまってなかなか適応できず苦戦…。
YouTube等でプロが弾いているのをよく見ると、ほとんど前半と同じに弾いています。レッスンだから楽譜通りに弾かなければならないのが辛い…です。


一見易しそうに見えた曲集ですが、楽譜の細かいところに難しさを感じます。どの曲も運指や重音等のテクニックの練習になりそうなものばかり。


この曲集の中に、発表会で弾きたいと思える曲がいくつかありました。
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初めてのミューザ川崎/Vn. ヒラリー・ハーン

2024-05-23 | ヴァイオリン
2024.5.17

初めてミューザ川崎シンフォニーホールへ行きました。
サントリーホール等数々のコンサートホールの音響設計を手掛ける豊田泰久氏のデザインです。
豊田氏のホール設計の特徴は、vineyard型と言われる山間のブドウの段々畑のように、ステージの周囲すべてを客席がすり鉢状に囲む型式なのだそうです。

この1枚は他のサイトからお借りしました。

余談ですが、2011年東日本大震災のときにホール天井が崩落したニュースが報じられましたが、その後、川崎市が設計ミスだとして、建築設計・施工業者に20億円の賠償請求をしましたが一審二審とも棄却されたという話です。
演奏を聴いている間、ドーンと天井の辺りから音が一発聞こえてきましたが、音楽ホールでそんなこと…、ありますかね。

このホールの音響について、イギリス人指揮者サイモン・ラトル(ベルリン・フィル)が「あり得る可能性の中で完璧に近い」と語っています。そんな”完璧に近いホール”、実際はどうなのか気になっていました。

この日のコンサートは、米国のヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンと、ピアニスト、アンドレアス・ヘフリガーのデュオ。
曲目は、ブラームスのソナタ、1番、2番、3番。



ホールはJR川崎駅の中央改札を出て左方向に外に出ると建物がもう見えます。外観、楕円形の建物です。

ミューザの建物入口を入ったところ。


奥のエスカレーターを上がるとホールの入口ロビーに出ます。


内部、2階〜4階席はホールを囲むように設置されていますが、自分の席までたどり着くのにちょっとした迷路にはまります。

写真にあるように、ステージ横の2階席は列が斜めになっています。こちら側も同じ。2階席の最前列、1列約15座席の真ん中辺が私の席でした。自分の席へ「すみませ〜ん」と入っていくと下りスロープ、出るときは上りスロープ。変な気分でした。座っている間は自分の体が斜めになっていたのか感じませんでしたが、開演前は体調がすこぶる良かったはずなのに、終わって立ち上がると、めまいがして気分が悪くなりました。 

ところで、音響はどうだったかというと、ピアノに関しては響きが良いと感じましたが、ヴァイオリンに関しては「完璧」とは言い難く、普通の音響という印象。近すぎたせいでしょうか。
でも、同じような位置であれば、横浜のみなとみらいホールの方が断然良いと思いました。

ヒラリー・ハーンさんは、ファンがかなり多いようなのですが、客層を見ると男性の数が圧倒的に多い。特に学生と思しき若者。
そういえば、NHKのアニメ「青のオーケストラ」の主人公の父親の吹替え演奏をしていました、その効果かもしれないと、後で思い出したのでした。

40代、白髪のショートヘア、青いレース素材の長袖のロングドレスで登場。
グラミー最優秀賞を3度ほど受賞している以外に特に国際コンクールの受賞歴はなし。
なのですが、知名度が高いのです。

ですので、期待して聴きに行ったのですが、良くも悪くもなく普通でした。
技術力は高いのですが、今回のブラームスのソナタ、1番〜3番まで、曲の解釈が浅いのか、ブラームスの情感が伝わって来ない、軽い感じがしました。
好みの違い、と言ったらそれまでですが、40代位になれば、経験などから演奏家の心情みたいなものが音に表れてくるものなのですが…。
私の考えている基準が高すぎるのかも知れませんね。

アンコール演奏は2曲。1曲目は、ウィリアム・グラント・スティルというアフリカ系米国人作曲家の「マザー&チャイルド」、これはとても良かった。ヒラリーさんは、ヨーロッパクラシックより米国の曲を演奏すると良いのではないでしょうかね。
2曲目はブラームスのFAEソナタの3楽章スケルツォ。
使用したであろうヴァイオリンは、恐らくヴィヨーム1864年。

これはホールのパイプオルガン、いつか聴いてみたいですね。


次回は、ホール1階の中央席を選びたいと思います。音響の違いを確かめたいし、斜めは、やはり体調によくないです。


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2024/5/4「題名のない音楽会」に東亮汰さん出演

2024-05-03 | ヴァイオリン
明日5月4日(土)10:00〜、テレビ朝日「題名のない音楽会」に、私が注目する若手ヴァイオリニストの東亮汰さんが出演する予定です。

東さんは、桐朋学園大学を首席で卒業。日本音楽コンクールのヴァイオリン部門第1位受賞。
現在は反田恭平さん率いるジャパン・ナショナル・オーケストラのコアメンバーです。
このオケのプロデュースで国内各地でアンサンブル等の演奏活動をしていますが、なかなかチケットが取れないアーティストになってしまいましたね。
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2023年のヴァイオリンレッスン記録

2024-03-23 | ヴァイオリン

昨年は1年間、ヴァイオリンのレッスンの話を書いていませんでした。
もう弾き方を忘れてしまいそうな曲もあるので、備忘のため教わった曲をまとめておきます。

2022.11月~2023.1月
ラフ作曲 カヴァティーナ(ニ長調)/「バイオリン名曲31選」から
ヨアヒム・ラフ、19世紀のスイスの作曲家。
カヴァティーナは、1859年に結婚した年に発表した「ヴァイオリンとピアノのための6つの小品(Op.85)」の三番目の曲。
同じメロディーが3回繰り返される箇所があり、3回目は重音になり、とてもきれいな響きになるのですが、苦手な重音で指に力が入り必死に弾いていました。

2023.2月~3月
ドルドラ作曲 思い出(ニ長調)/「バイオリン名曲31選」から
フランティシェク・ドルドラ、19~20世紀のチェコのヴァイオリニスト&作曲家。「思い出」はヴァイオリンとピアノのための小作品。
冒頭から、弾いていると踵が上がって体が伸びそうになる、三連符の上りアルペジオ。のどかで品のあるメロディーで心地よいのですが、中間部でまたしても重音に苦しめられます。ヴァイオリニストならではの技巧が見え隠れしていて、意外と難しい曲です。
この時期に、音階練習と共に重音練習もレッスンに取り込まれました。

4月~6月 
ドヴォルザーク 我が母の教え給いし歌(変ホ長調)
発表会に弾いた曲です。
全7曲からなる「ジプシーの歌(Op.55)」の第4曲目の曲。もともと歌曲だったものがクライスラーによりヴァイオリン用に編曲され、その原譜を使いました。
ピアノと合わせるととても美しい、私の大好きな曲の一つです。
ピアノの楽譜を見るまで気が付かなかったのは、ヴァイオリンは2/4拍子、ピアノは6/8拍子で書かれています。ピアノの拍子は考えず、メロディーを全体で把握していれば自然に合います。
表現方法の参考のために、ヴァイオリニストの東亮汰さんのYouTube動画を繰り返し視聴しました。
最後にはヴァイオリンのカデンツァがあります(これがない楽譜もあり)。カデンツァがきれいに決まれば、総て良しでしょう。

7月
ドルドラ 思い出(続き)

8月
バッハ G線上のアリア(ハ長調)/「バイオリン名曲31選」から
本当にG線だけで弾きます。
Lento、4/4で全音符のミ音で始まりますが、弓の配分を考えたり、拍をしっかり取る必要があります。
レッスン3回ほどで完成し、この名曲31選の中で初めて先生に褒められました。

9月~11月
ドヴォルザーク ユーモレスク(ト長調)/「バイオリン名曲31選」から
初級の頃に弾いたユーモレスクとはレベルが格段に違います。この曲もクライスラーがヴァイオリンのために編曲したものです。
装飾音あり、重音が満載で指の先がカチカチに硬くなりました。
三か月練習しても思っていたようには弾けませんでした。
ユーモレスクは好きなのに、がっかりです。

12月~2024.1月
ブラームス ハンガリー舞曲第5番(ト短調)/バイオリン名曲31選」から
簡単な楽譜が他にもあるのに、この楽譜は難しすぎる。
元々管弦楽用に作曲されたものを二重奏に編曲したものなので、重音で演奏しないと曲らしくならない。そこを考えたハイレベルの楽譜です。
無理に重音で弾かなくても良いと言われたのですが(確かに重音でなければ楽に弾けそうなのですが)、3重音、4重音のところは2重音だけにして、なるべく重音で弾いてみました。
私のレベルで2か月で完成するわけがありません。
出来は兎も角として、最後まで頑張って弾いたので、努力賞でしょうか。
できたことにしてくれました。

この曲集、これ以上先には進めません。
先にはチャルダッシュあり、ツィゴイネルワイゼンあり、絶対無理無理……










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