ショパン国際コンクール2日目。
今日は仕事があったため、ライブ演奏は聴かず、朝早く起きて時間のある限り、録画を視聴しましたが… これはすごい!
帰宅後、もう一度聴きなおしました。
今夜のファイナルの最後のグループの演奏は聴く余力はありませんが、今日のこれは記録として書かずにはいられません。
この二人の協奏曲2番を聴かずして、ショパンコンクールは語れないでしょう。
アレクサンダー・ガジェブと、マルティン・ガルシア・ガルシアの演奏。
(写真はPTNAから拝借しました。)
今までショパンコンクールのファイナルでピアノ協奏曲2番を弾いて優勝したピアニストは数少ないそうです。
そこを敢えて挑戦する二人。あともう一人、この後02:50頃に2番を演奏する韓国のイ・ヒョクがいますが、彼も挑戦組の一人でしょう。
名前順とはいえ、コンツェルト経験薄な17歳の二人が、この大人の二人の前後に演奏することになろうとは。
ファイナルは、オーケストラとの共演力や一体化が試される場。
このピアノ協奏曲2番は、ピアノの独奏部分が多く、独奏している間は、オーケストラの音量は小さいため、共演力をアピールするにはとても難しい。その小さい音量でも、ピアノを演奏しながらそれにピッタリ合わせられるし、打音のタイミングも絶妙。これこそ、経験豊かな音楽家のなせる業です。
この曲の2楽章は、ショパンが初恋の人を想って作曲したとされますが、ガジェブの演奏は、朝から涙が出そうになるほど美しかったです。
カワイのピアノ、音がきれいですね。
聴いた後に、ピティナのレポーターの飯田有抄さんの記事を読んだら、同じことを感じていたようで、こちらの方が文章が上手なので添付します。
続いて登場したのは、スペインのマルティン・ガルシア・ガルシアです。
ソロ演奏の3次までの雰囲気とは異なり、髪型も服装もプロフィール写真のように戻り、表情はシリアス。
ピアノはファツィオリ。済んだ音色のカワイとは違い、明るくはっきりとした音色です。
オーケストラの前奏もガジェブの時と雰囲気が違っていました。短調の曲なのに全体的に力強いし明るい。
ガルシア・ガルシア、口をパクパクしながら、自分の世界に入ってしまったと思いきや、しっかりオーケストラの演奏と呼吸が合っています。不思議な人です。
2楽章は、高音が明るく響きすぎて、ガジェブの涙を誘うような情感は感じられませんでした。動画録音とホールでの音の聞こえ方には差があるので、ホールではきれいに響いていたのかもしれません。
この後、マズルカのリズムが入る3楽章、左手の音が際立って聞こえてくるのが、マズルカに一層の効果を与えています。この奏法は自分で編み出したのでしょうか。
終わった後の観客の拍手と歓声は大きかったですね。
協奏曲第2番のイメージを覆すような演奏でした。ある意味、異端児的な演奏でしたが、審査員達はどう思ったのか気になります。
先ほどのピティナの飯田さんが、ガルシア・ガルシアについて面白いことを書いているので、こちらも添付します。