焦点 2009-11-17 | 独りごと 目の前にいても 見えていないこと 見ようとしていないこと 心の距離を感じるとき ちょっとした絶望感 思い描いたものが 崩れる瞬間 目の前で同じように 見ているはずなのに 見えているものが違うこと 焦点が 合わないこと
開放 2008-11-09 | 独りごと やっと終わった ぼやけていた視界が やっと クリアになった いつも心のどこかに 引っかかっていたもの 縛りつける紐は解けて 風船は飛んでいった 自由になって 空へ還っていった
流線 2008-01-29 | 独りごと 高架橋の上から 流れる光を追って どこまでも続く この孤独の行き場を じっと探していたんだ 求めても 届かない この手の行き場を ひとり探していたんだ 君に打ち明けられたら どんなに楽だろう 君に寄りかかれたら どんなに 時々迷子になる この想いの行方を 知らないまま 僕は歩く ただひたすら どこかへ
ひとりぼっちのギターとわたし 2007-09-15 | 独りごと 帰り道 とぼとぼ ひとりぼっちで 電車に揺られ 街の明かりが ぼやけて見えた 唇を噛みしめて 負けないように 懸命に立っていた もう泣くのは やめにしたい 家に着く頃には すっかり夜に包まれて 影のように歩いた道は いつもより長くて 心細かった 月も星もなく ただタワーの光が 雲を染めていた ギターをかき鳴らしながら ひたすら歌を歌った 届かない想いは この夜の闇へ 吸い込まれて 消えてゆけ ひとりぼっちのギターと ひとりぼっちのわたし 歌になって 飛んでゆけ 歌になって 超えてゆけ
正直なガーベラ 2007-07-03 | 独りごと 花屋さんで買ったガーベラ 一輪挿して 向き合って夕飯を食べた 昨日の夜のこと ずっとこちらを向いていた花が 起きたら上を向いていた 茎は力強く まっすぐ上に向かって そう そういうこと 生命は真っすぐ 上を向いて生きるように 一つ一つの細胞に 神様から伝えられてある そういうことなんだよと ガーベラは言っていた
灰色の空、あふれる想い 2007-03-15 | 独りごと 雨降りの午後 雫に揺れる 庭の青葉 静かにゆっくり 時間が流れる 止まっているような 小さな私は 灰色の空の下 息をして 春の雨は しみ込んで 私の体を ふやかして 膨らんだつぼみ 風を待って あふれる想い 耳を澄まして ひたひたに 浸かった私と 雨降りの 3月の午後
白い鳥 2006-10-30 | 独りごと 仲間を呼びあう声が 緑の中に響いて 私は思い出した 私が呼ぶのは 同じ色をした人 ひと目見れば 声を聴けば 解る 私もあんな風に 声を出して鳴けたら 仲間がわかるのに 届かなければ 消えてなくなるような そんな 哀しくて 切ない声で鳴く 私は一羽の鳥
大雨 2006-07-21 | 独りごと どしゃ降りの雨の中 ただ盲目に走った いつもの道に 大きな水たまり 雨の日は 気をとられるから 感覚のセンサーを 切っていられる 涙も 紛れてしまえる 大雨が なぜか心地よい 夏の真ん中に
水溶性 2006-06-14 | 独りごと 防波堤の コンクリートの上 寝ころんで 夕焼け色の空では 染められた雲が ほてっていた その赤が 反射した海は サクラのようなピンクが ゆらゆらと揺れて 目の前まで迫る 空の重圧感が 心地よくて そのまま 溶けていきそうだった
満潮 2006-05-11 | 独りごと もう 壊れそうで 僕は走っていた 気付いたら いつかの公園に来ていた どうにもならないから 僕は流れるままに 風が 話しかけていた すべてが大きすぎて 僕は ただ 途方にくれて 時々 この小さな体に 満ちる想いが 入りきらなくて 時々 抱えきれなくて 苦しくなる だから この手を握って あなたのその温かい手で 僕のこの手を 握っていて
三日月と夜の道 2006-05-03 | 独りごと 僕は一人で歩く 空では 三日月が電線に引っかかって 窮屈そうに見えた 僕は一歩下がって 三日月は電線をよけた 近くで星が光ってた 雑踏の中を 一人で歩く僕は 少し冷たい夜の中に 心地よく 溶け込んでいた
奇蹟の人 2006-04-11 | 独りごと こんなにたくさんの人が この世界には存在していて 人はどうやって たった一人を見つけるのだろうと 雑踏の中で 僕は思った それはきっと 奇蹟だ 探し求めて 歩いた分 僕には その喜びがある 奇蹟の人は 存在するのだ あきらめなければ 出会うのだ
ちっぽけなこの存在を 2006-01-15 | 独りごと ちっぽけなこの存在を 僕は何と呼ぼう? ちっぽけなこの生き物は 日々 息をして 歩く 時々 トボトボ 時々 ズタズタ 時々 ガンガン 時々 フラフラ こんなちっぽけな 僕という存在 あなたにぶち当たっても きっと痛くもかゆくもないような 気づいてももらえないような そんな存在だけど こんなちっぽけな僕にも 心に秘めたことがある 伝えたい想いがある 貫くべき 道がある このちっぽけな 僕という存在を 君は愛してくれるだろうか