月夜 2009-10-05 | ことばの風景 月明かりの夜 十五夜のお月さんは 僕の背中を守ってる 僕の世界を守ってる なぜだろう その静かな光は 揺るぎない自信にも似た 安心感を たたえてる 大丈夫だよと 月は言っている 満面の笑みで 月は語ってる
四角い空の向こう 2007-07-02 | ことばの風景 屋上から見える空 薄い雲が重なって 右へ左へ流れてく 時々見える青い空 向こう側の雲は 白く輝いて そこに太陽があることを それは夏であることを 静かに教えている こんな日は あの雲の上に浮かんで どこまでも続く白い海を 眺めていたいな
ママチャリで坂道 2007-07-02 | ことばの風景 日が傾いた午後 ママチャリに乗って 歩き慣れた道を 風と共に走る 坂道を上ったり下りたり 忙しい駅の傍 ママチャリで すいすい 広がる世界を連れて スピード上げて 心も走る あの夕焼けの空 追いかけて 赤いママチャリ どこまでも 回れ
紅 2007-01-30 | ことばの風景 雨音が響いて 止まった時間を紡いでる 流れる水 繰り返すリズム 葉っぱの影が くっきり形を示して 広げた枝から 赤く染まって 落ちてゆく 土にしみ込んだ 紅の葉っぱは やがて いのちの種になって また花を咲かせる 散りゆく姿は 未来への飛翔 赤い生命の 急降下
曇り空から 2006-10-30 | ことばの風景 曇り空 東へ向かって走る 朝のバイク 川の土手を通る風は 少し冷たくて 向こう岸 雲の小さな隙間が 赤らいで その地上を そこだけを 照らしていた それは特別な光で そこで太陽を浴びた生物は 幸せでいられるような 一点を射す光 東へ進むバイク 坂の手前 太陽に選ばれて あたたかさが満ちる一瞬 生きていることの 素晴らしさ
夜の境目に 2006-07-07 | ことばの風景 水が揺れている 湿った空気と 傘をたたんで歩く人 昼と夜の境目 忙しそうに 帰る人たち 僕の周りだけ 時間が止まって 同じ風景を 窓から眺める 今夜の月は どんな形だろう 目の前の木々は 色を失って 葉っぱの形だけが 黒く浮かび上がってる どこからが空なのか 僕はわからなくなった ただ水面だけが 向こう側を映して ゆらゆらと うごめいていた
水たまりを越えて 2006-06-26 | ことばの風景 雨の中 傘を差して 鼻歌を歌いながら 歩道を歩いた くちなしの垣根が 甘く漂って 私の頭には 君の声が 鳴り響いていて 光が差したようだった 帰り道には 西から動く雲の隙間に 青空が見えて 弱くやさしい光が 広がっていた 私の頭の上では うすい緑の若葉が 透き通っていて 天を目指していた 電車で揺られながら 外を眺めていると 屋根も車も田んぼも ピンク色に染められていて 西側を向くと にわか雨の向こうに ピンクの雲が 輝いていた
雲の間のインディゴ 2006-06-24 | ことばの風景 大空に雲の天井 無数に動く光たち 差し掛かる太陽 細波は 定まらないリズムで 絶え間なく寄せる 弱まりゆく光線の先には 七色のオーラたちが 境界線もなく漂う 僕は距離感もつかめず ただ迫りくる景色に 見とれて 仰ぐ 深くなりゆく 透明な青が ところどころ 覗いていた
道草 2006-05-21 | ことばの風景 晴れた日の夕暮れ 少し傾いた陽の やわらかい光が 大きな木の間から 降りてきていた しゃがみこんだら クローバーの葉っぱに いろんな虫が 這い出していた 向こう岸では 楽しそうに お散歩する犬がいて なんとも言えない 普通の日常の一コマが 広がっていた こんな平和な日は ここでじっとしていたい ただひとり 自然と向き合っていたい 立ち止まっていたい 風を大きく吸い込んで
暮れゆく空に 2006-05-03 | ことばの風景 夕方の僕は 傾いた太陽に向かって バイクを走らせる 雲一つない空のすみっこが 赤くにじんでいた 夕焼け空が見れること 夕日に会えること この上なく うれしくて 僕は最高にしあわせだった その一瞬を 心に焼きつけて 一生しあわせでいられると思った
透明なもの 2006-02-21 | ことばの風景 ライトに照らされた ペットボトルの水が 青く光っていた その輝きが あまりにもまぶしくて 僕は目を奪われた 透明なものを 通した光は なんて素直に 輝くんでしょう 水の妖精が 出てきそうな そんなパワーを 感じた
七色 2006-02-17 | ことばの風景 梅の花が咲き始めた頃 わたしは新しいものを見つけた しなやかで 気高いもの すがすがしい一日の終わりに 青い空を見上げたら ぽわんと浮かんだ雲のはしっこが 黄金に染まっていた 夜に傾いた その瞬間に 空は七色を映し出す 西の端から東の端まで 夕方に染まっている そしてまあるいお月さんと 雲の隙間から光る星たち まっ暗闇を 白く 正しく照らしていた
12月 2005-12-07 | ことばの風景 冷たい雨雲の切れ間から 空の青が光っていた にごりない 曇りない空 立ち昇った灰色の雲は 地上の空気を巻き込んで 刺さるほどの冷気に 白い息 冬が好き 厳しさの果てには 澄みわたる光たち こんな嵐の中でも 美しさを失わない この青い 地球が好き