周回軌道

何度も何度も
あきらめようとする
消去して
なくしてしまおうとする
自分を無理やり
納得させて
その気持ちを
置き去りにして

何度も何度も
離れようとするのに
消しても消しても
浮かび上がってくる
その影は
ずっと
心のどこかに引っ掛かって
その糸は
ずっと
胸の奥に絡まって

ほどいてもほどいても
いつの間にか
戻ってくる


何度も何度も
繰り返してる
同じ周回軌道を

違和感の輪郭

なんとなく 見えていた
方向性の違い
ずっと どこかで感じていた
見えない違和感

だんだんと
不確かが 確かになって
だんだんと
輪郭が見えてきて

その違いが もう
誤魔化せなくなってくる


ここから先へは
進めない


美しい君が
好きだった

繊細で
儚い君が
好きだった

FADE AWAY

いつの間にか気持ちは薄れて
いつか消えてゆくのだろうと

こうやって
またひとつ
離れていってしまうのだろうと


その気持ちは 色を失って
その心は 遠くなって


あのとき咲いた
淡いピンクの桜は

儚く美しく
散ってゆくのだろうと

ショコラ

失恋は
チョコレートケーキの味
ふわふわして
ほろ苦い

艶っぽくて
甘い香りは
一瞬　漂って


溶けていった

高天昇華

あなたにあげられるものなんて
何もなくて
ただ　恋しくて
胸が痛むだけ

手を伸ばせば　届きそうで
手を触れれば　壊れそうで

怖くてかなわないから
涙が止まらないの


すべてを　愛に変えられたら
あなたをそっと包み込む
あふれる愛に　変えたなら

この涙は　天へ昇って
宇宙の果ての　星になって


この世界を　照らすだろう
光り輝き続けるだろう

幻想を

君が同じ景色を
見ていたらいいなんて
君が同じ白い鳥を
眺めていたらいいなんて

そんな好都合な期待を
抱いていたりなんかして


いつも夢見てたんだ
同じ夢を何度も


どんなに繰り返し見ても
擦り切れることのない夢を

長距離走

君に会いたくて
会いたくて
名前を呼んでも
届かなくて


空を飛べたら
飛んで行けたら
君の姿を
一目見れたら


君は遥か
遠い街で
笑って
手を振っている

ハッピーエンド

また今日が終わって
あなたに会えない日が続く
次にあなたに会えるのは
一体いつになるんだろう？


必死で願い続ければ
いつか報われるんだろうか
いつか片思いから
脱皮できるんだろうか
緑のイモ虫のようなこの恋は
いつか蝶になるんだろうか


あなたの手に
いつか届くんだろうか

片想い

片想いでもいいから
君を好きでもいいかな
君に何かを求めて
困らせたりしないから


ただ　ひたすら密やかに
君を想ってもいいかな
見ているだけでも愛おしくて
幸せな気分になるから


君の邪魔はしないから
このまま好きでもいいかな

もうええやろ

なんでそんなに好きになったんか
自分でも分からん
恋は盲目と言うても
こんなに見えんのじゃあ　たまらんわい


やめよう思たら余計に
気になって　しゃあない


私は
バカじゃろか

何回繰り返したら
気が済むんやろか
学習せんのやろか


もう　やめんけんよ

その輝き

あなたは誰に
恋をしているんだろう
あなたはどんな人に
恋をしているんだろう


想像するけど
少しも出てこない


ただ
真っすぐに恋をしている
あなたの姿だけが
目に浮かんで


なんだか　ほっとするような
切ないような
気分になる

疼き

あなたに毎日
会いたくて
あなたの瞳を
見つめたくて


じっとしていられない
そんな私が苦しい


あなたと毎日
話したくて
あなたと気持ちを
通わせたくて


もう押さえきれない
そんな私が苦しい


そんな私が
悲しい

境界線

この気持ちを
どこへぶつければ
僕は　すっきり
笑えるんだろう？


この気持ちに
どう言い訳をつければ
僕は　自分を
あきらめるんだろう？


この気持ちを
どう昇華すれば
僕は　前に
進めるんだろう？


僕は　ただ
君が好きなだけなのに

揺られて

僕はまた
目の前の炎に揺られて
僕はまた
波動を感じて


夕焼けと
か弱い月を見ながら
涙した


君への想いと
目の前の現実
遠い面影は
褪せやすく
君とのセンサーを
切ってしまいそうで


僕は泣いていた


何だか分からなくて
僕は揺られていた



でも君を呼んでいた
君を想いながら


僕は泣いていた

高波

波が来た
また揺られて
僕は切なくなった


日々の小さな出来事の合間に
君を想う

どこにいても
何をしても
思い出すのは
君のことばと
君の色


いつにも増して今日は
波が高いのだ