冬期湛水・不耕起栽培農法の現場を見て歩く。
南房総市にある谷津田の最も奥深い個所にある「冬期湛水・不耕起栽培農法」の水田で、実際に関わっている方と意見交換を行った。
●相談内容
1 この農法では1年目、2年目はまあまあであった。3年目は収穫が大きく落ちた。4年目の昨年度は突然収量がほぼゼロにまで落ちてしまった。
古代米を作っていたが、収穫したものを選別して見たが何と実が入ってなかった。その為もあって、気が重くて今年の稲作は、どうしてもやる気が起きてこない
●対策に関して質疑応答した
1 1年目、そして2年目までは、このの田んぼで過去から現在までに蓄積され
ていた有機物を食いつぶす形で収穫が確保されてきたが 、3年目で落ち、4年目の本年度は堆肥をしっかりと入れて,地力を作る。クローバなども良い。
そして本来の乾田化にもどでぃて一年間、リセットすべきと提言した。
2 本来、冬期湛水・不耕起栽培農法では、地力を付ける応力の一つは、イトミミズやユスリカなどの存在にあるとされている。
同時に、必ず自然由来の堆肥を作り、それにフルボ酸のようなミネラル活性剤を素材として加えている。単に水を張るだけとは本質的に異なります。
そして、多分1年目や2年目までは この農法で、稲刈り後早い時期に米ぬかなどを大量に散布されたとして、それが爆発的にイトミミズを発生させ、地力維持に一翼を担ったと思われる。この2つの力の複合が最も重要です。
3 しかし、例として言えば、水を張っただけでは、永年の稲作で蓄えられた栄養分を失い、ニホンアカガエルなどの卵塊が大量に増えるなどを囃し立てて、それを競い合うような中では、結果としてオタマジャクシなどが激増などで、イトミミズが食害され激減などを起こしてしまうことも。
結果として地力が大きく落ちて、その限界を超して貧栄養な環境となり、味が落ち、収量が落ち、さらに重ねて、水生のコナギやオモダカなどの雑草の繁茂などに襲われていろいろな複合原因で、一気に暗転する可能性が高い。
4 さらに重ねてこの春は、数年前に「ふゆみずたんぼ」といわれる、「冬期湛水・不耕起移培農法」の一部分だけを拝借したような農法が各地で紹介されて、3年、4年目となって、その問題が各地で一斉に発生を始めているようだ。
5 冬の期間水田に水を張ることだけで、いろいろなメリットのあることが喧伝されたような経過もあったりして、かつ一部の行政からの助成金支給などのこともあって、稲作農家にとっては、とても苦しくなってしまういろいろな問題を引き起こしだしていると思われます。
6 この農法は要は、生物の活動力に依存したものづくりであり、米作りは頭を駆使して現場情報を把握して、自然や生き物を管理してあげるという作業を伴うことで、イネにとって理想的なバランスを年間を通じて取ることである。
7 田んぼでの稲作には、各種ミネラルの確保が欠かせず、理想的な堆肥を入れ
て、これからの1年間はしっかりと地力回復のために努めるべきと思われるとアドバイスをした。ここまで来ると、本年は冬期湛水・不耕起栽培農法を1回リセットする必要が高いと思われる。
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