文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

六義園しだれ桜とその影でひっそり消えいく鴨群の明暗(3)

2006-03-30 07:49:24 | 都内で生活する水鳥や蝶などの虫たちの現況
 明るくなっての功罪では、鴨が減りました、特に冬期のオシドリの消滅は痛手となっています。少ない数ですが、オシドリの塒となっていた巨木の根本の薄暗い箇所まで人が入れること。結果として、塒が消えて事が大きな原因と考えています
 これは、鴨の生態について、特にオシドリ等に関しての認識不足に原因があり、残念でなりません。
 現在は、少数のキンクロハジロとマガモが定着しているだけです。それも庭園来訪者からの餌に依存した残存の群れです。(12羽中雌は1羽)
 栄養状態も良くなく、写真のごとく雄ばかりです。雌は餌取り競争で絶えず雄に負けてしまいます。
 今のままでは、体力不足でシベリアで子どもが生めません。繁殖地での場所取りで負けてしまいます。六義園の鴨は、面倒を見て貰えないが為に、餌不足でどんどん死に絶え。今後、2,3年で消滅してしまうでしょう。一つの文化の消滅です。
 一時、400羽以上の鴨が(オナガガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ)生息してきた現状を見ている立場からは、忸怩たる思いです。
 餌付けが良くないという一言の影響の大きさを強く感じます。でも、六義園の鴨がどこで餌を取れるというのでしょうか。
 東京近郊10km圏に鴨の餌場がありますか。
 東京人の共通のペットとしての生き物であったと認識しています。
ここの、シダレ桜の評判を見ても、同じ生き物でももう少し配慮が必要なのではないかと考えています。



夏目の堰にオオハクチョウの1家族も(5)野生の状態

2006-03-30 07:28:22 | 利根川下流域に水鳥の大規模越冬地形成
 400羽以上と思われる、コハクチョウ群のなかに1家族のオオハクチョウがおりました。
 夏目堰きの周辺の田んぼで採餌中でしたが、この家族群はとても警戒心が強く、近寄れません。
 500mが限度でした。
大昔の、餌付けされる前の状態に戻っています。
 餌付けされた経験がないのか、新しい越冬地であるために神経質になっているかは分かりません。
 

文京区六義園のしだれ桜(2)

2006-03-29 22:02:01 | 東京の街角からモニタリングでわかること
 しだれ桜が著名になるに付けて、六義園の庭園としての手入れは急ピッチですすんでいます。
 現在、明るい雰囲気で、すばらしく無条件にきれいです。
 甘酒やお茶を供してくれる茶屋が、この庭園には2ヶ所もあり、結構人も入れ込んでいることが、この面からも分かります。
 私の住まいのすぐそばに、これだけ美しい庭があることは、私どもの地域での誇りともなっています。
 でも10年前は、巨木に近いスダジイなど常緑種がはびこり、全域が薄暗く、またものすごい数のカラスのねぐらでもありました。カラスはまだ少しいますが。


千葉県印旛沼周辺で越冬したオオヒシクイの保全(6)

2006-03-29 21:52:20 | 利根川下流域に水鳥の大規模越冬地形成
2006/2/1 千葉県環境生活部自然保護課鳥獣管理対策室長 殿
印旛沼周辺へ渡来した天延記念物「亜種オオヒシクイ」保全に関して意見書
以下、2項目に関しての意見書です。よろしくお願いいたします。
1 印旛郡本埜村及び栄町周辺への、国の天然記念物 オオヒシクイの渡来と越冬個体の保護
 印旛郡周辺域で、亜種オオヒシクイが最低4羽以上。2週間以前から渡来定着しているとの事です。
2 亜種オオヒシクイは、霞ヶ浦の江戸崎に渡来している個体群と種が同じです。その群れの分散かは不明です。
今期-短期的な課題として 短期的には、各分野の行政への注意喚起を
① 本日朝の現地調査してくれた方の話では、越冬地のすぐ横の田んぼに米を撒いた無双網の猟場があるそうです。
冬期湛水水田をつくっての無双網の猟等での誤殺も、十分に考えられます。
② 現在猟期でもあり、誤射にて狩猟される可能性が高く、狩猟監視員等への強い指示をお願いします
③ カメラマン等の殺到が予想されますので、発表は印旛沼周辺というレベルでお願いします
 
中期的課題としてこの地域には、禁猟区がいまだ設定されておらず、かつ銃猟禁止区域にも未指定です
① 本埜村の白鳥渡来地から、栄町の四ッ谷地区など、本年度は1,300羽以上ものコハクチョウが越冬しています。
② さらに、自立した白鳥群は、周辺10kmを目処に採食場を求めて、あちこちと飛び回っています。しかし、佐倉 市や佐原市で、その目的もあって冬期湛水水田していただいた箇所では、ハンターが入り込んで、集まった鴨を銃猟しています
③ この周辺耕地を中心にして銃猟禁止指定、できましたら、オオヒシクイの渡来地形成を機会に、周辺域を含めて禁猟区設定を検討頂ければと存じます。

東庄町「夏目の堰」で越冬を開始したコハクチョウの保全に関する意見書 (5)

2006-03-29 21:49:07 | 利根川下流域に水鳥の大規模越冬地形成
[satochiba:1690] 東庄町「夏目の堰」で越冬を開始したコハクチョウの保全に関する意見書 (1)
2006/2/1 千葉県環境生活部自然保護課鳥獣管理対策室長 殿 宛

東庄町「夏目の堰」で越冬を開始したコハクチョウの保全に関する意見書
以下、意見書を提示します。よろしくお願いいたします。
 夏目の堰に、約400羽ちかいコハクチョウが越冬中です。
この群れは、自立した個体群で、可能性として新潟県の瓢湖冬期湛水水田や
最上川のスワンパーク等から大寒波の襲来で、大群をなして千葉県下にも渡来、
越冬中と考えられます。
今期-短期的な課題として
(1) 短期的には、行政への注意喚起を
① 別記、記載の通りです。
 この2月から3月にかけて、このコハクチョウの個体群を無事に北帰させるためには行政的な配慮が必要となりそうです。このままでは、餌不足で餓死する個体の出現が予想されます。そのまえに、アスペルギルスに感染して、大量斃死が全国で過去にありました。

② そのために
・冬期湛水水田(ふゆみずたんぼ)のごとく、白鳥の採食場の確保。但し、うなってしまった箇所を除く(耕起された箇所は餌がない) 
・ 給餌行為(準備)餌付けは避けたいが、餓死をさせるわけにはいきません。そこで、今回は給餌する
・ その方法は、本埜村での経験が重要だと提案致します。本埜村白鳥を守る会の●●さんが詳しいです

(2) 同様な越冬地の形成が、千葉県の各地で生じているとの予想がされています
① 千葉県での、先日の「ガンカモの全国調査」での、白鳥や雁の記録の早期な整理と情報収集をよろしくお願いいたします。
② 個人的には、ほかにも渡来しているとの情報も受けております。早急な調査を行いたく、渡来情報を、私どもにもお知らせいただきたくよろしくお願いいたします。


関東には今年はコハクチョウの野生群が大量に飛来しています(4)

2006-03-29 21:45:04 | 利根川下流域に水鳥の大規模越冬地形成
 東京都神奈川県の境を流れる多摩川では、一部は12/20頃から、秋川と多摩川の合流付近で目撃が相次ぎ、1羽は秋川と多摩川の合流点付近で定着し、6羽は杉並区の善福寺公園で、数羽は、東京都野鳥公園に渡来しました。
 それらが東京湾を横断して、市川に到達し、葛西臨海公園などでも観察されています
1 その多くがさらに飛び続けて九十九里に到達し、茫洋たる海に出る手前の陸地に九十九里の各地に三々五々舞い降り、餌場と塒を探し回っていたところで、だんだんと大きな群れになり、最後に「夏目の堰」に到達し、ここを塒に定めたというドラマの様な筋立てが想像されます。
2 ヒシクイも同様な行動に出た個体群があり、多摩川の中流域に6羽が定着。1羽は、東京湾を超えた市川市の田んぼにも飛来しています。
3 コハクチョウでは餌付けされた個体群と、野生の個体群は明らかに行動原理が異なる野生に戻った(生活の自立化)この様な個体群が日本海側で激増しており、この冬の大雪で、餌付けされていない個体群が、餌場を失い、一気に動いたと考えられます。
  その背景には、コハクチョウの増加によって、環境が過密状態に陥っているとも考えられます。(新潟県だけで、推計15,000羽!)
4 今後とも、毎年家族群(両親と非繁殖亜成鳥と当歳の幼鳥で構成される?)単位での冒険旅行がこれから続々と繰り返される可能性が高いと考えられます。
 個体群密度の高さが影響して、新たな越冬地を探そうという動機付けが若者、家族群に生じたとも考えられます。
5例えば、新潟県阿賀野市にある、白鳥で有名な瓢湖では、12/20以降、約1,300羽のコハクチョウが減少して、飛び先不明になっています。
 ここは、今、多くのコハクチョウが塒としての利用で、早朝飛びだし、夜遅く塒へ多数の家族単位で、三々五々帰ってきています。幅広く阿賀野市の田んぼ地帯で採餌しています
 この行動様式は、今の瓢湖のコハクチョウとよく似ています。
 瓢湖管理事務所の担当者が 「うちのコハクチョウだ!」といみじくも言われたのとも符合しています。ひとつの有力な原渡来地情報ともなってきました。

小笠原諸島まで4羽と,12羽。2羽保護され福島県楢葉で放鳥(3)

2006-03-29 21:41:55 | 利根川下流域に水鳥の大規模越冬地形成
 千葉県の九十九里にある、銚子に近い東庄町「夏目の堰」に400羽ものコハクチョウの塒が突然出現して、地域でびっくりしています。 この個体群がどこから出現したかを調査しているわけです。
 太平洋に飛びだした群れの一部が、あわてて逆戻りして九十九里へと戻れたのかも知れません

 相当数はそのまま太平洋に飛びだして海没、一部が何と小笠原諸島にたどりついたのではないかとの考えられます。厳しい現実の結果が残っています。

千葉県九十九里に突然コハクチョウの大群(1)日本海側から

2006-03-29 21:31:49 | 利根川下流域に水鳥の大規模越冬地形成
 千葉県九十九里・東庄町にある「夏目の堰」の白鳥渡来群は、昨年12月末より突然大挙して渡来してきました。
現在でも350羽以上とも言われています
 この群れがどこから来たのか。有力な説は、日本海側下越にある瓢湖の個体群と言われています。
 丁度、2005年12月の異常な寒波との関係性が指摘されています。
 2005年12月の季節はずれのドカ雪と、異常な寒波との関係で、大量のコハクチョウが餌場と積雪と凍結によって、ねぐらの両方を奪われたのでは無いかと指摘されています。
 12月の末から正月にかけて 日本海側から、小さな群れで栃木、茨城、東京、千葉へと飛来した可能性が高そうです。
 その一群が奥秩父を越えて、東京都あきる野市でも目撃され、多摩川沿いに下って杉並区善福寺公園(6羽定着)や東京港野鳥公園等にも飛来しています。
 栃木県や茨城県での100羽単位で飛来しています。夏目の堰に飛来した群れも同様と考えられます。


 新しい越冬地の形成がされたことと同時に、この個体群が本埜村の群れとは明らかに違い、殆ど餌付けを期待しない野生種として評価されています。
 早朝、全部が一斉に飛びたち、高く舞い上がって、幅広く九十九里方面を探索して餌を探して、夕方遅く一斉に帰着する。 完全に自立した姿と報告されています
 餌付けで生じる、親が子どもに何も教える必要がなくなった事で、何も伝えない現象
人間に何から何まで、命までをも託してしまう、白鳥に日本で生じた独自の行動を「白鳥の文化喪失」として捕らえ、それを「楢葉の白鳥」と定義しました。
 日本の子ども達に見られる「子ども文化の崩壊→」となぞらえてみましたが、どうも、この白鳥群は、人間とは距離を置き、自立を果たした群れと理解しています。
 人間の行動を観察し、餌をくれないなら、しょうがない自分で探すか。で始まった模様で、依存していません。

 本埜村の個体群とは、殆ど関係がない模様でもあります

六義園のしだれ桜(1)

2006-03-29 01:44:21 | 東京の街角からモニタリングでわかること
 ことしも六義園のしだれ桜を見学する時期となりました。風物誌です。昨年度は夜間照明を入れ、タイトアップして、1週間で70,000人が、有償で見学をしたという事です。累計すると大変な金額です。すっかり、六義園はきれいに、すばらしう庭園になりました。今昔の感です。
 六義園のしだれ桜はまだ60年程度しか経過してないとのことですが、既に老木としての風格と広がりを持っています。

鳥害防除網の存在が、地域の最大のリスクとして顕在化

2006-03-29 01:30:32 | 利根川下流域に水鳥の大規模越冬地形成
 今回、見学コースには鳥害防除網がびっしりと張られた箇所が多く、後の話しあいでは、特に女性から質問を受けました。
 委員全員が周知となりましたが、どうしたらよいのか分からない状態です。

 相変わらず、たくさんの鴨の死骸が干からびた物から、まだぴくぴくしているようなものまで、死骸がぶる下がっています。
 
 地域の人は、さも当たり前の意見として「こうしておけば鴨が近寄らない」と言います。環境センターの所長にまで文句を言いにこられる方もある時いています。
 一方で、霞ヶ浦で泳げた、水が飲めた、魚が捕れたといいながら
実は、地域の方々の、この気持の冷たさが、実は最も問題なのでしょうか。あまりの痛ましさに、東京では新聞社が写真掲載を行えないという噂もあります。
 
 複数の新聞社から、私にも直接意見を求められて困りました。
このままだと、この秋以降での事故が心配でなりません

 問題は、農家の方々が、食害にだけ気持がいっていて、その食害の事実確認や、
冬期間に網を張ることの是非、
それと、消費者側の意見を重視する姿勢の欠如などが問題なのではないでしょうか

解決策として、日本雁を保護する会が全国の雁・鴨・白鳥のとらいちでの食害に関わる課題解決に、市町村側との食害保証条例等の制定という方法があります。まずもって、この制定が必須だと考えられます。
 
 この春、土浦市に渡来したコハクチョウの群れが、この網に引っ掛かるような事故がおこったとしたら大変でした。大手新聞社もキャンペーンを張る準備まで進めていたそうです。
 
   
  

第53回 日本生態学会新潟大会&東アジア生態学会連合第2回大会((1)

2006-03-28 23:27:32 | 冬期湛水不耕起栽培の現状とこれからの課題
 今回の大会は、延べ5日間にわたる大きな大会として、2006/3/24~3/28 新潟コンベンションセンター(朱鷺メッセ)で開催されました。
 この会場では、いくつかの自由集会が開催され、その一つとして、3/27 pm6:00~8:00「農村生態系研究における情報共有プラットフオームの必要性とその提案」に関する集会が開催されました。
 当社も今回ご推挙をいただき、具体的な提案をいくつかさせて頂くことができました。
 

日本生態学学会 新潟大会 自由集会でパネラーとして発言(2)

2006-03-28 23:18:40 | 冬期湛水不耕起栽培の現状とこれからの課題
自由集会の概要及び参加者は約60名 盛会でした。開催趣旨は以下
「新多様性国家戦略にて、里地・里山、つまり農村の生態系の変質とその生態系に依存してきた生物に注目が向けられるようになってから、我が国における農村生態系の研究は格段の進展を見せている。例えば、水田生物個体群や群集の動態に関する研究発表は、生態学会をはじめとして、造園学会、農業土木学会、農村計画学会、雑草学会、応用動物昆虫学会、環境情報科学誌など、生物系、農学系、情報系の各分野でなされ、アプローチの間口は分野を問わないほどに広がっている。
 しかし、研究発表や事例報告の場が多岐にわたるにつれ、その情報は蓄積・共有の方向ではなく拡散しつつある傾向にあるといえよう。一例として、昨年企画した自由集会では、水田生態系研究における生態学分野と農業土木分野との研究者間で全く情報の共有ができていなかったことが明らかになった。
一方、「田んぼの学校」の取り組みをはじめとして、近年、各地で地域住民も参加しての生きもの調査が盛んに行われている。各地で記録されたこれらの生きものデータは、精度はともかく、「ある・なし」データが広く公開されれば、生物研究や地域計画において有益な情報を与えてくれるものと考えられるが、全国網羅的なデータベースの作成やシステムの整備はまだ立ち後れているといえよう。
そこで、農村生態系やその保全に関する研究者や関係者にとって有意義な情報を蓄積し、共有化を図るようなプラットフォームについて、研究成果情報と生きものデータベースとの2部構成でその必要性を確認し、具体的なプラットフォーム構築に向けての課題整理するとともに、たたき台となる素案を提案していきたい。」
趣旨説明 嶺田拓也((独)農業工学研究所)
第1部 農村生態系の研究レベルにおける情報共有の必要性とその提案
講演1:大澤啓志(慶応大学)農村生物研究における情報共有がもたらすもの
講演2:村上裕(愛媛県立衛生環境研究所)農村生物調査における研究情報データベースの必要性
講演3:嶺田拓也(農業工学研究所)水田生物研究の情報共有プラットフォーム私案
コメンテータ: 日鷹一雅(愛媛大学) 

第2部  生きもの調査における情報共有の必要性とその提案
講演4:加納麻紀子(農村環境整備センター)「田んぼの学校」からみた生きものデータの扱いとその課題。→ 今までのデータの分析から見えてきたもの   
講演5:浜崎健児(農業環境技術研究所)生きものデータベース構築に向けて必要なもの  → 事例の紹介が主体の話し

講演6:荒尾稔(トータルメディア研究所)生物情報収集のためのプラットフォーム提案  → 京都フオレストでの京都府立大学田中和博教授との経過(パンフレット配布)、東北大学農学部伊藤豊彰様の研究チームとの田んぼの生き物調査プロジェクトでの事例を交えて、最も重要な事項はデータ収集の多様さと、ITインフラの活用、特に携帯電話の利用方法の提案。そしてデータ監査制度の重要さを申しあげました。情報共有化のためには研究者には論文生成や引用に使えるレベルでのデータ管理技術が要求されるが、市民等からの情報では勿論として、そのレベル向上が課題。
 最後にコメンテータとして、農村関係のデータ管理が将来共通プラットフオームを介して1本化する方向性が必要だと強調:岩淵成紀(NPO法人「田んぼ」)から