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文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

楢葉の白鳥現象とは

2005-03-03 22:22:54 | 日本で越冬するガン・ハクチョウ類の生態
福島県の浜通り、楢葉町にたまたま調査に行った折、小さな堤に600羽以上の白鳥群が越冬していました。聞くと1日、この堤にいて、1日2回の餌を待ってのんびりしていると聞きました。餌付けは町役場が、○○補修費(?)の名目で予算化し、選任の職員が米を主体に餌を撒いていました。見学者は殆ど来ません。実は、福島県だけで1万羽近い白鳥群が、60ヶ所ほどで越冬しています。福島県下では、餌や人件費で年間2億円を軽く超している模様ときいています。
 白鳥が人間を利用しすぎて、白鳥固有の生き方を失った状態だと、はっと気が付きました。千葉県でも本埜村の白鳥群がよく似た状態だとも。この過重な餌付けによる、生き物の自立喪失は、戦後の日本の文化の反映ではないかとも考えています。私はこの状況を「楢葉の白鳥」現象と呼び、問題を指摘してきました。
 まず、日本に渡来する白鳥群は極めて頭が良く、人間を徹底的に利用している生き物であると認識して下さい。ペットで言うと、猫では無く犬に近い。寿命は野生状態では平均10年程度、しかし餌付けされた個体群では18年~20年と言われています。餌付けされた白鳥群では、野生群と比較しても、繁殖率は異常に高く、千葉県本埜村の個体群も、いまやネズミ算的な増え方に入っていると見ています。
餌付けは日本では戦後、それも最近の風潮です。戦前は鴨場のごとく狩猟の目的のため等以外での餌付けはされていなかったと思います。

まず、餌付けされた白鳥の親は、シベリアに北帰、繁殖し、夏の終わり頃、ようやく飛べるようになった幼鳥を引き連れて、10月15日~20日頃、越冬地まで一気に南下飛来します。本来、白鳥は日本での越冬地での半年間、幼鳥に餌のある場所,餌の取り方,食べられるもの,駄目なもの,タヌキや鷲、犬等からの危険の避け方,仲間との付き合い方などを、付きっきりで教育します。また、親になれるまで3年間、家族群として毎年、親と行動を共にすると言われ、しっかりと親の行動を見て学習しているといわれています。また、半年後北帰するまでには幼鳥は越冬地を故郷としてしっかりと認知します。

ところが餌付けされた親は、生きる手段を人に託し、1日中越冬地に留まります。子どもに何も教えません。1日2回の餌を待って、寝たり起きたりの生活です。俗に言う3食昼寝付きの生活で、栄養満点、体力抜群。おいしいものしか食べなくなります。当然、そのような親の幼鳥は、餌の取り方も、餌場も、本来の危険さえも経験しないまま、4年目には親となって幼鳥を同行してきます。何も知らないままに親になった白鳥は、当然、親と同じで、人に命を託します。子ども達に何も教えられません。原体験がないからです。

問題はここです。人間を徹底的に利用しすぎて、白鳥の本来の生活者としての生き方を無くした、白鳥文化を台無しにしてしまった状態と言って良いと思います。人のペットの犬と同じくらいで、ライフサイクルが人の3倍早く、それ故に、私も親子3世代以上での観察で「楢葉の白鳥現象」に気が付きました。

日本の子ども達の実情を見ていると、餌付けされた白鳥群は、いまの学校の先生や、教わる生徒達と重なりませんか。日本の文化喪失の実態、生き方の原体験の不足、日本文化への関心の薄さなど、日本の今の社会現象の中に「楢葉の白鳥」現象が随所に見られます。問題の本質はここにあると思っています。

今年5月21日、我孫子市中央学園で開催予定の「第2回里山シンポジウム」の実行委員会では、私どもの情報の発信先たる中心を、「子ども達の親の世代へ向かって、絞り込んで行こう」ということになりました。サブテーマ「里山と子ども-親に継承える(つたえる)昔体験-」へとつながる話しだと考えています。

でも、この現象にも宮城県や山形県、新潟県では、すでに人との共生の定着のなか、人の都合で餌付け箇所が減り、自立化が進んで自然に解消されてきています。

自立喪失は白鳥にとっては、一時的な現象といっても良さそうだと分かってきました。正直、ホットしています。それは人の自立した生き方への、重大なヒントを与えてくれています。





皇居外濠 九段下牛ヶ渕が見事に自然再生

2005-03-03 21:26:01 | 都内で生活する水鳥や蝶などの虫たちの現況
皇居のお濠など、閉じられた湖沼や沼や、濠冬期湛水水田での自然再生の急務は、最もやっかいな存在である、ソウギョの排除が急務だと思います

 環境省東京公園事務所が主体となって、都内皇居外濠一つ、九段下牛ヶ淵濠を開堀したのは最近です。
 主な目的は外来種の排除試験と聞いています。オオクチバス、ブルーギル等に混じってソウギョの排除を行ったそうです。

 その結果、豊富な湧き水のある希有な場所であることも幸いして、何十年ぶりか、ヒシをはじめ、多様な沈水、浮揚水草が大量に発生しました。
 夏の期間、3番のカイツブリが繁殖に成功し、秋から春にかけて、大変な数の群が渡来・越冬しています。

 沈水水草の越冬芽を食するホシハジロが急増し、2枚貝が好きなキンクロハジロ、浮揚植物を食するヒドリガモが激増し、オナガガモも複数羽、さらにオカヨシガモやヨシガモまでもが渡来し、前からいるハシビロガモも減少しましたがしっかりと。
 そばらしい、自然再生のモデルとして、これから存在価値を大いに高めることに感じています。
 ソウギョは、昭和30年代後半に、秋の水草の排出が大変なことから、皇居の濠全部を対象に放魚されたとのことでした。ソウギョの排除が、今回の主な動機の一つと環境省側の担当官から聞いたことがあります
 

印旛沼周辺の白鳥群の最近 千葉県印旛郡本埜村

2005-03-03 20:50:11 | 利根川下流域に水鳥の大規模越冬地形成
 昨日までに、印旛郡本埜村の白鳥群は、コハクチョウが姿を消し、数羽のオオハクチョウが滞在するだけとなりました
 今期は渡来数が800羽を超してしまいました。この秋はまたまたたくさんの幼鳥を連れて渡来し、その数が900羽前後までに増えるだろうと
予想されます。
 白鳥シーズンは終わり、この秋にまた再会を楽しみにしていますとの、本埜村の出山さん達からのコメントです。

 ところが、同じ印旛沼栄町の新海さんの田んぼ(3ha以上の1枚田んぼ)には、本日もコハクチョウが21羽も滞在しています。新海さんは当分滞在すると新海さんでは、見ているようです。 新海さんは、ふゆみずたんぼを実践し、無農薬、無肥料を目指しておられます。
 でも、一番喜んで朝に、夕に電話で報告して下さる、田んぼの持ち主が新海さんでもあります。
 今年は、渡来直後に、悪さがあって、白鳥群が警戒して渡来し日々が続いていました。

 親が2羽、若者(未繁殖)が3羽、になぜか幼鳥が16羽も滞在中とのことですこしおかしい感じです。真の親は何処へ行ってしまったのでしょうか。
 もしかして、個体数が増えすぎて、十分な餌にありつけなかった個体かも知れません。
 この群れの北帰が、どの様な展開になるのか、やや不安です。 
 同時に、この田んぼの周辺が乾田化していますので、タゲリやタシギ、タヒバリやツグミなど、冬の越冬種が、大挙集合を始めています。

 本来銃猟禁止区域でもなく、銃猟も、鴨を捕る無双網等も張られる箇所ですが、すがに白鳥が定着すると、誰も悪さをしなくなります。景観もすばらしく。
 ことしは、空中散布もなくなりそうです。白鳥群は周辺の人々の心を解きほぐし、優しい気持ちの方々が増えてきてくれます。

 

日本語処理の現場では、大きな地殻変動に揺れています

2005-03-03 20:28:52 | 組版プロの思考からXMLを考える
 本日、大手組み版・フオント会社と会議。細かい部分での合意事項を検証。
結果として、wordの文書フアイルから、きれいなXMLを生成出力する当社が複数企業と一緒に開発したソフトウェア WORD2XMLの評価中です。

(1) word2xmlの設計上での、記号類(""、()-など)の日本語処理部分での、wordの開発特性をいかにXML上にコンバートしているかの評価。
(2) WORDのルビ機能の内で、グループルビではなく、モノルビ入力されたデータであれば、XML上で表現可能都判定。今回の開発部分は、基本的にクリアできていることを確認。wordからのピユアなXML出力の出力方法の有用性に関して一致した。
(3) MATHML空のXML情報を、詳細調査中。バージョンの相違による情報格差は、TML側の解釈で対応することで合意した。

■ この分野での問題点
 28日にも、都内で複数の印刷会社が倒産。私も会員のNPOでは、昨日からメールが飛び交い、定期的な新聞等の印刷物が発刊出来ない事態に陥った。早く、このXML環境をも含めて、ドキュメント管理の世界で、その真の意味と対処方法をマスターした中小企業を育てないと、前途に希望を見失った会社の社長が、続々と倒産することが避けられないと、つくづくく思います。
 問題の本質が、印刷企業がお手軽に、画像処理環境にMACを選択したときから始まった事が大きい

■ 官庁や学校、一般企業を通じて、windows対応でしょう。それなのに、印刷産業全体が”差別化”を意図したとしか考えられません。現在、文書管理で一般企業でMACで対応していますか。殆どありません。差別化すると、逆に差別化されることが、いまの実態です。

白鳥の世界は、犬と同じ年齢 その生活は、まさに日本の縮図

2005-03-03 20:25:26 | 日本で越冬するガン・ハクチョウ類の生態
千葉県印旛沼栄町の「新海さんの田んぼのコハクチョウ
 21羽の群れに、親が2羽という構成は、この時期には
良くあるそうです。
 まず心優しい親が1番いて、そこにその前年生まれの、その親の
若者白鳥が、3羽よりそい、それに本来の自分の幼鳥が4-5羽。
典型的な一家族です。
 それ以外の幼鳥11-12羽は、親から子離れされた幼鳥が
複数家族分集まった、集団だと考えられます。
 面倒見の良い大人に従って生きていこうとしているのでしょう
 人と同じで、大変な乱暴者もいれば、

「フアントム2羽が排除」白鳥の湖異変
琵琶湖のコハクチョウ飛来数激減 朝日新聞 20054/1/10


 早々子離れして
自分たちの白鳥文化生活を楽しむ夫婦もいて、さながら地球を
渡り歩く生活者として、多種多様な生き方をもった、生き物だと
だと言うことを知っておいて下さい。

 餌付けも、救餌も、じっと人を見て、受け入れているわけで、
日本という社会にも、巧みに溶け込める生活の知恵者でもあります。
多様な生活方法を、個体別に選択していく柔軟性があって、この
生活困難な日本でも、日本文化に溶け込んで、種としての成功を
納めているのでしょう

 人との接点は、ドッグイヤーとして、人の3倍早いわけですが、
子ども達への教育効果、どう生きていくべきかを知らせるには
最適な媒体だと、常日頃思う最近です