TOTO

お気楽主婦のお気楽な日記

2006-12-05 10:20:57 | 木村っち
『武士の一分』の映画評をところどころ読む。
賛否があってあたりまえ。
100%の評価なんてありえないし、望んでいない。
感想はそれぞれあるのが当たりまえ。
ただ、貶す目的で貶しているのねっていうのは不快だけどね。
以前ほど、怒りはわかない。
むしろ哀れかも。

気になったレビューがあった。
「妻を寝取られたら武士らしく敵を斬り殺し、自分も切腹したらどうなのだ。」
それが従来の武士のイメージなのかしら?
それでは暴力の連鎖。
何も生み出さないし、命はあまりにも軽い。
山田洋次監督が描くわけのない世界。
命を奪わなかったことで暴力の連鎖を断ち切った新之丞は、
斬って捨てる従来の武士像の一歩上をいったと思う。
悟りといえば大仰だけど、
「必死すなわち生くるなり。」を体感したのではないのか。
ここに山田作品らしさを感じた。

99%の死の予感に対しての1%の生きたいという光明。
それが鉢巻にした加世の襷だと木村さんは語る。
必死を体感したことによって、新之丞は再生した。
敵を切り捨ててはそれは得られなかったはず。

愛妻物語でもあり、「命」を描いた映画だと思う。
時代劇というカテゴリーに無理にはめるのも間違いじゃなかろうか?