ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

EXILE(RICHARD NORTH PATTERSON)

2008年08月24日 | 海外ミステリー(洋書)
700ページ以上で、しかも、通常のペーパーバックに
比べて、縦の長さが2センチほど長いので、持ち運びも
ちょっと、重く感じる重厚な作品を、やっと、読み終えた。

もちろん、外見だけでなく、中身も読みごたえのある
作品だった。


①EXILE

ユダヤ系アメリカ人で、優秀な弁護士の主人公は、
結婚して、政界入りを予定していた。

しかし、学生時代に愛し合ったパレスチナ難民の
女性から電話が有り、テロ事件の弁護を頼まれる。

爆弾テロの亡くなった首謀者が、生き残った共犯者
に、連絡係は、その女性だったと伝えていたのだ。

女性は夫と子供と共に、米国に旅行に来ていたが、
投獄されてしまう。

主人公は、イスラエルに飛び、イスラエルの特務機関や、
パレスチナの過激派などと接触を図り、事実を求める。

しかし、次々に、関係者もまた、暗殺されていってしまう。

非常に奥の深い作品だ。中東問題理解のための優れた本でも
ある。アマゾンの書評の中にも、推薦者が前アメリカ大統領
のクリントン氏だというコメントがあった。

ある時は、イスラエル人とパレスチナ難民という、絶対に
結ばれることがありえない男女の葛藤が描かれる。

ある時は、証人はすべて、死んでしまい、残った証拠は、
有罪を示唆するという絶対絶命の状況の中での弁護の緊迫感
を味わえる。

前半は、証人は亡くなるし、証拠はないし、結婚予定だった
彼女とも別れることになり、ストレスを感じる。

しかし、後半、最後の200ページくらいの、法定シーンは、
秀逸で、一気に読み進められる。

リーガルサスペンスを専門に書いている作家のようだが、
法廷シーンは、グリシャムらに負けない筆力を感じた。

久し振りに、読んだあとに、充実感の感じる作品だった。

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