プレＳＥ、「少額訴訟」 第三章 その１

第三章　 ヒアリング

翌日は月次業績検討会議で、本部ごとの審議が行われたが、
その先頭は御厨の属する本部だった。

予定は八時三〇分から二時間だったが、常務にさんざんしごかれ、
終わったときは十一時を回っていた。

やっとのことで自席に戻ると、本部長の山上の号令の下、反省会議が開かれた。

山上のお小言は相変わらず常務のオウム返しで、
つい今しがたまで叱られたことをまるでリプレイのように繰り返すのだった。

もういいよ、十分聞いたさ。
だからどうしたいのか、その次のことを言ってくれ。
受注が取れないのは、自分たちも判っている。

ここで非建設的な話を聞いているくらいなら、
飛び込み営業にでも行った方がましだ。

ましてや、今日は引き合いのあった話の進展が期待できるんだから
早く話を止めてくれ。

御厨はうんざりしながら山上の話を聞いていた。
見ると他の部長も同じように呆れ顔だ。

反省会議は珍しく昼ちょっと前に終わった。

御厨は会議机から自席に戻るとそそくさと資料を片付け始めた。

山上も席に戻ってきて、食堂へ行こうと部長連中に声を掛けた。

御厨は、これから新橋に行くので昼飯を食べている時間がありませんと言い、
他の部長たちとは別行動を取った。

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