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「水習字用紙」は「水で書ける」ことが画期的ではない、「乾いても消えない」ことがすごい

2023-04-28 10:00:41 | 趣味
gooニュースがまいどなニュースの記事を伝えている。
水だけで文字が書ける! 画期的な『水習字用紙』に「筆を洗わなくて済む」「小学校に導入してほしい」と絶賛
ということだが、これだけ読んで、そんなのずっと前からあるし、100均でも売ってる、と思ったのは私だけではあるまい。

この「水習字用紙」け本当に画期的なのだが、「水だけで書ける」から画期的なのではなく、「乾いても消えない」のだそうだ。
つまり、「墨汁を使わないで書く」が「墨汁で書いたものとと同じように残る」のが、最大のメリット。」

墨汁を使うととにかく汚れる。
書道下でもある開発者は「作品が残らないと上達しない」と考えており、従来からある「乾いたら消える水書用紙」ではなく、
「乾いても消えない」物を作ったそうだ。

紙に特殊なインクが塗ってあり、水で発色するようだ。
筆に色の素(墨)ではなく、半紙に色の素()元そういう意味では逆転の発想。
今は青い文字のものしかないが、黒文字が書けるものを開発中とのこと。

中には「こんなのは書道ではない」「墨で書いてこそ書道」なんて意見もあるようだが、じゃ、墨汁を使うのはいいの?と聞いてみたい。
墨って本来、硯でするものでしょ。(そういう意見もあるらしい)
習字に『道』を求める人は、それでよろしい。
書道って言うぐらいだからね。
しかし、筆文字文化に触れる、残す、親しむ、ことが目的なら、「修行」は必要ないんじゃないかと思う。

墨汁を使う難関を解消できることはすばらしいと思うし、特に学校での習字の後の辛さが軽減されるのは、児童生徒だけでなく、
ご家庭にとっても、学校や先生方にとってもメリットと思われる。

ただ、「水だけで文字が書ける! 画期的な『水習字用紙』」ではそのインパクトが伝わらない。
「水で書けて消えない!」であれば、インパクトがあるし、今までの消える水書き用紙を知っているにも訴求する。

記事を書いた人が知らなかったのか、タイトル編集時の言い回しの問題か。
とにかく、過去の「水で書けて、乾いて消える」水嶼陽氏との違いが際立つようなタイトルにした方がよかった。
なお、乾いて消えるものは、汚れないとか、墨が要らないだけでなく、「何度でも使える」ことが最大のメリットで、
この「水習字用紙」とは、方向性が全く違っていると思うのは私だけだろうか。

しかしながら、どうしても墨にこだわる人はこだわればよろしい。
それで子供に習字を習わせたいというならそれでも結構。
しかし、本人が習字を好きになるかどうか、長くやりたいと思えるかどうかは疑問だ。



話は変わるが、今は「筆順」と言わず「書き順」という。
本来、美しい字、美しい筆遣いのために「筆順」があるはずで、横棒が先だろうが、縦棒が先だろうが、
鉛筆やボールペンでしか書かない今の時代なら、大した問題ではないはずだ。
過去、何度も文部省から通達が出ているし、手引きにも注意書きが書かれているが、クイズにはよく使われるし、
いまだに厳密な書き順の教育も行われているようだ。

なお、ついでに言うと、「未」と「末」、「土」と「士」のように横棒の長い、短いで別の字になってしまうものもあるが、
大抵の漢字では、長い、短いも厳密ではない。
例えば「春」の横棒は、3本のどの線が長くても短くても良いし、「満」の横棒もどっちが長くても良い
(字としてどっちがきれいとか、どっちが好きかとか言うのは別として)
「止め、はね、はらい」にこだわる必要もないとされている。

特に漢字習い始めの小学校低学年において「漢字嫌い」を誘発しているように思う。

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