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ワーケーション、ワーカホリックの勧め

2021-11-02 09:41:39 | 観察
「ワーケーション」
「ワーク」と「バケーション」をくっつけた造語。

「テレワークではない」「テレワークとは違う」とされている。

働きながら休暇を楽しむ、といえば聞こえはいいが、休暇中も働く、となるとイメージが変わる。
ワーケーションを説明した動画に、家族みんなで旅行に行きながら、お父さんだけは仕事の続き、
なんてのがあったようななかったような。

リモートワーク、テレワークがなかった時代にも旅行先に仕事を持っていく「モーレツ社員」はいたが、
せっかく家族でバケーションを楽しもうというのに、お父さんは宿泊先でお仕事。
奥さんと子供たちだけがアクティビティ、なんて悲しくないか。

テレワークですら、出退勤のけじめがつかない、土日早朝深夜を問わず業務連絡が来る。
テレワーク中のケガが労災認定されにくい、テレワーク中に機材を壊したら自己責任。

ワーケーションとなれば旅行先への移動中や帰宅中も連絡が来る可能性があるし、
車の運転でメールが見れないのに、返事が遅いと怒られるかもしれない。

何より、バケーション先でお父さんだけがお仕事で家族が幸せか。

ここで一つお断りしておくが、なぜ「お父さんはお仕事」なのか。
ここにもジェンダーバイアスが隠れている。
お母さんだってお仕事をされているかもしれない。
ご両親とも働いているかもしれない。
お父さんのお仕事のほうが緊急性が高いとは限らないし、子供をお母さんだけが見るのもおかしい。

せっかく休みを合わせてバケーションに向かったのに、緊急の連絡が入り、ご両親は旅先で仕事、
子供放ったらかし、なんて悲しくないか。

英語圏でも「workcation」というらしいが、長期に休暇がとれる欧米と違って、頑張っても一週間。
前後の土日を入れて9日間の休みを取ろうものなら、罪悪感すら感じさせられるのに、
休みまで仕事するのが当然と思われたらかなわない。

昔々、働きすぎが問題になり始めたころ。
課の宴会で会場に向かっているときに、帰社する部下に遭遇。
「早く片付けて会場に来るように」という前に、部下への指示をパパっとやって、
自分自身で「ワーカホリックだな」とつぶやいてしまったことがある。
周りの反応は「ほんと、そうですよ」だった。

別の話だが、ある女性がフライドチキンか何かを食べながら、「忙しいお昼時にびったり」
(セリフは違っているかも)とやっているCMがある。
その時、忙しい理由を示すためだと思うが、女性はノートPCで何やら作業をしている。
食事する間も惜しんで仕事をしなければならないのが現実かと思うと悲しい。

品川駅のデジタルサイネージに「今日の仕事は、楽しみですか」と表示して大反発を食らい、
早々に広告中止、謝罪に追い込まれるのが日本の現実。

仕事に熱意とモチベーションを持って効率的に仕事をしてほしいと思うなら仕事と休みの切り替えは大切。

とにかく、ワーケーションの宣伝を見てワーカホリックの勧めかと思うのは私だけだろうか。

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