みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

田島神楽(福岡市指定無形民俗文化財)

2017年07月08日 | 俳句日記

福岡市の中心部の南西に、城南区という
行政区がある。
昔は、樋井川村と言った。
日本の名だたる都市がそうであるように
、福岡市も幾条にも博多湾に流れ込む川
によって形成された、扇状地の集まりで
ある。

その樋井川という川が形成した地域に、
田島という町があつた。
もう一つ南に、島めぐり橋と言うバス停
があるところをみると、中世までこのあ
たりは博多湾の一部で、田島は田圃をひ
らけるぐらいの大きな島であったのでは
あるまいか?

その島に「薦ケ渕」と言う渕があった。
この渕は、いかな干ばつでも水が干上が
ることも無く、住民は助けられていた。
ところが実は、住民達は毎年人身御供を
供え、水枯れ無きように祈願をしていた
のである。

建武の中興の始まりの頃、田島八幡神社
を建立して、神楽を奉納することにより
それに変わる祈願を始めた。
そのことが神慮に叶うこととなり、以来
約670余年続けられているのが田島神楽
なのである。

プロなど一人もいない。
伝承された歌と踊りを、何代にも亘って
継承していくことの有り難さ、日常の生
活の中で受け継いでいくことの尊さ、何
がそうさせるのかを考えると、社会の命
が解ってくる。

約六世紀余り、この地域にこのお祭りが
続いてきたということは、この地域がそ
れだけに豊かであったと言う証なのだ。

神楽を舞う人びとの、お一人お一人の心
が豊かであることの証しなのだ。

十一の演目のすべてを見ることは叶わな
かったけれども、この場に集う人々の笑
顔は、十分に心を豊かにしてくれた。
母にこのことを伝えに行こう。

〈神苑に 集う笑顔や 夏神楽〉放浪子
季語・夏神楽(夏)

7月8日〔土〕梅雨晴れか?
自転車がパンクする。
神楽を取材する。
夕刻から実家でパスタ・パーティ。







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