水徒然

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放射化現象に係る記載を調べました。(その7:シリカ(SiO2)の崩壊放射線との反応)

2011-05-27 | 日記

 既報(その1その5その5-2その6)の投稿にて、海水中に
漏洩している放射性物質からの崩壊放射線が単に熱に変換されるだけでなく、海水中に共存している物質を励起して順次より低エネルギーの活性な有害光線(電磁波)に遷移していく可能性について断片的でありますが、調べています。

 既報でも記載しましたが、妄想?杞憂かもしれませんことを予め断っておきます。

<今までの整理>
黄砂などから海にフォールアウトしている砂塵、シリカ(SiO2)微粒子幅広い海水のpH域において分散しやしすい粒子であり、他の紫外線を発生する可能性のある共存物質と比較して安定している。 また、その存在量が多いことから、崩壊放射線による影響を受けやすい。 <<詳しく見る>>

・環境中の崩壊放射線のエネルギーは紫外線などを発生させるのに十分である。<<詳しく見る>>

・シリカの励起がおこれば、そのバンドギャップエネルギー約8(eV)に相当する波長約250nm前後の紫外線の発生が想定されます。 (その5-2
 人工の紫外線ランプで照射される約250nm(UV-C;波長100~280 nm)*の紫外線は各種のウィルス、細菌、微生物に対する殺菌・殺傷が非常に大きい。<<詳しく見る>>
*自然界では酸素、オゾンなどによって吸収されて地表には届いていないと言われています。

・水中でも各種の崩壊放射線の到達距離(約0.1~100mm)内に物質が存在しておれば、
放射化もしくは励起現象が発生する。
 (その6

 ということで、シリカを選択して、その放射線による励起に係る
 記載を調べました。

<今回のまとめ>
 下記の調査資料から、シリカ単独からなる微粒子はエネルギーの低い紫外線を吸収して蛍光(自然光)を発光するようですが、崩壊放射線を照射しても着色するのみで、紫外線は発生していないようです。(絶縁体だからチャージアップしているのかもしれません)
 また、シリカガラスに希土類金属が微量含まれている場合も蛍光発光するようです。
実際の黄砂、火山灰などの砂塵は、純粋な石英のような均一シリカではなく、不純物を含有した複合の酸化物であるので、まだバンドギャップエネルギーが3.1~4.3(eV)のUV-A、B紫外線発光の可能性は消えていないと想われます。
 
 
<調査資料>
発光性シリカ微粒子およびその製造方法
特開2005-239436(一部抽出しました。)
<<本文を読む>>

「・・・【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、均一な配列体を形成することができる発光性シリカ微粒子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
従来、蛍光を呈するシリカガラスとして、希土類、例えばNd(ネオジム)、Er(エルビウム)、Pr(プラセオジム)等のイオンを添加したガラスや結晶化ガラスがよく知られている。
これらのガラスを用いたレーザ発光や光増幅については、1990年代を中心に精力的に研究開発が行われた。その結果、ガラスレーザやエルビウムドープ光ファイバ増幅器に代表されるように、実際に大出力レーザや光通信機器等に利用されている。
しかし、希土類は貴重な資源であるためコストが高く、リサイクルする場合においても多大なエネルギーを必要とするため、より環境負荷の小さい発光材料が求められている。
他方、シリカ自体を発光体として用いた発明が特許文献1に記載されている。
この発明では、ケイ素ターゲットにレーザを照射することにより得られた三次元ウェブ状シリカ微粒子を、硬化性シリコーンに封入することにより発光材料としている。

 前記三次元ウェブ状シリカ微粒子は、紫外領域から可視領域までのうちで所定領域の光を吸収して蛍光を発するシリカ微粒子(以下「発光性シリカ微粒子」と称する)であるため、希土類等の発光体を別途必要としない。
【特許文献1】特開平10-121042号公報(段落0033~0037、図1)
【発明の開示】

発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記三次元ウェブ状シリカ微粒子は不定形であるため、均一に配列させることが困難で、特定波長の蛍光の強度を向上させる所謂「光共振器」等への応用展開は期待できない。
また、前記三次元ウェブ状シリカ微粒子を製造するには、レーザや真空系を含む複雑な装置が必要となるため、製造コストが嵩む。
そこで、本発明は、均一な配列体を形成することができる発光性シリカ微粒子を提供することを第1の課題とする。
また、本発明は、前記発光性シリカ微粒子が安価に得られる製造方法を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載された発明は、紫外領域から可視領域までのうちで所定領域の光を吸収して蛍光を発する、不活性ガス雰囲気下で製造されるシリカ微粒子(発光性シリカ微粒子)であって、このシリカ微粒子の粒径の幾何標準偏差が1.1以下となる粒径分布を持つことを特徴とする。・・・」

⇒シリカ微粒子は紫外領域から可視領域までのうちで所定領域の光を吸収して蛍光を発するようです。

 JST Innovation Bridz  放射線量の測定技術
「- シリカナノ粒子を用いた放射線の可視化技術 - 」によれば
(一部割愛しました。)<<本文を読む>>

「(1)研究者のアピールポイント
 専門は化学(放射線、光、コロイド、電気)で、シリカナノ粒子や同カプセルを数十ナノメートルから数百メートルまで溶液中で調製及びフィルム状に成形することができます。それらの内部に蛍光色素、電子受容体、放射性同位元素、光感受性物質、金属粒子、酵素などの機能性分子を固定することができます。
 
これらのシリカ粒子を用いることによってγ線やβ線による着色・発光量から放射線量に応じた検出材料が調製可能と思われます。
(2)本発表に関する研究の概要
 シリカナノ粒子を含む溶液から成形したシートやフィルムが、γ線照射(0.1Gyから)で着色し、その着色量から放射線量が得られることを確認しています。
 また、蛍光分子を固定したシリカナノ粒子によるX線蛍光体の波長シフトが容易に行えます。これらは、放射性同位元素からのβ線の検出にも応用することもできます。
(3)本発表の注目点 シリカナノ粒子及び蛍光分子を固定したシリカナノ粒子を調製してシート状またはフィルム状に用いることによって、γ線、X線、β線など性質の異なる放射線の線量に応じて着色・発光を起こす材料を調製しました。

⇒シリカ微粒子はγ線、X線、β線など性質の異なる放射線で着色する。発光はしていない。


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