THE CLASH - TRAIN IN VAIN
所沢ビエンナーレ「引込線」
西武鉄道旧所沢車両工場
2009年8月28日(金)~ 9月23日(水)
http://tokorozawa-biennial.com/index.html
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/09/09/artsaitama/index.html
地味そうだなあと思いつつも、自宅から近いので行ってきました。
会場が変わったところなので、鉄道好きな方はそれだけで満足かもしれません。
だだっ広い場所を一応3ヵ所に分かれて展示が並んでいますが、ほとんど何の脈絡もなく展示が並んでいます。
企画概要のところを見るとなぜそんな展示なのか書かれています。
http://tokorozawa-biennial.com/statement.html
まあいいんですけどね。
私はアートなんて言ったってコマーシャリズムを否定する程度のものでどうするんだよ、なんて生意気なことを考えてしまうので、こういう記述には正直嫌悪感が。
かと言って、やたらコマーシャルすぎるものも鼻につくんですけどね。
それは音楽でも、演劇でも同じかなあ。
そんな話はさておき展示の方で面白かったものを挙げてみます。
飯田竜太
http://www.ryuta-iida.com/
上記のホームページを見ると分かるとおりの本を用いた作品でした。
百科事典の文字と絵をみんな切り取ってしまうというもの。
情報をすべて抜いてしまった後の本とは何なのか、ということを考えさせられます。
最初から何も印刷されていない本なら「無」の状態かもしれませんけど、情報を「抜く」という行為がなされた後は情報を抜くという行為がなされた、という情報だけが残っている本? などと理屈っぽいことを考えました。
でも、私たちの受け取る情報はそんな形で受け取っていることも少なくない気がします。
白井美穂
大地の芸術祭ではこんな作品を残しているんですね。
http://www.echigo-tsumari.jp/2009/artworks/index.php?id=270
農舞台の近くにあるのかあ、見てないなあ。
2本の映像作品が見られたんですが、Train in Veinというタイトルはクラッシュの曲名から取ったんでしょうか。
何だか不思議なインドを見ているような気分になります(といってもインド映画をちゃんと見たことないんですけどね)。
ひたすらゆるーい映像をだらーっと見てしまいました。
よく分からないけどクセになる。
フランク・チキンズとぜんじろうを思い出したのは私だけですね。
増山士郎
一番インパクトがあったのがこれでした。
題して「アーティスト難民」。
どこまでが本当でどこまでがフィクションか分からない、そんな世界を楽しめる方には最高の作品です。
文化庁の留学までしている作者がドイツで生活できなくなったので、日本でバイト生活を始めることになった。
どうせなら、展示会場を生活の場にすれば、部屋代も浮くし、自分の状況を作品に出来るということで、会場に寝泊まりしている。
バイトの面接を受ける様子を映像で流したり、履歴書を貼ってあったりしているスペースの奥で、咳がきこえる。
ガラスの向こうを見るとパンダ状態で男の寝ている姿がみえる。
昼はそこにいて、夜はヤマト便かなにかのバイトに行くというのです。
制服までちゃんと展示されてました。
これ全部本当なら、面接先の会社の許可とれてるの? と気になるし、嘘で企業名だされたらもっと怒るよなあ、と思ったりして。
その後の増山士郎がどうなっているかもすごく気になる。
こういう展示がすごく好きなのは以前プロレスファンだったから?
こういう人を食った感じのものが大好きなんですよねえ。
他にも面白い作品はあったんですが、基本的に排他的な空気がプンプンしているのが何ともいえなかったなあ。
いや、それはそれで楽しんでいる自分がいるんですけどね。
途中で映像を付けて何かやっているアーティストもいたんですが、見学者が近づいても気持ちいいくらい無視してました。
まあ、まだ制作中かもしれないけど、一応展示会場ですからねえ。
それもアートか? (ひ)