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てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

今日は

2009年11月01日 | 国内のおでかけ
実家に出掛けるところですが、人身事故で電車が停まっています。
今のところいい天気ですが、この後だんだん下り坂というので心配です。
早めに着いて欲しいんだけどなあ。
まだまだ時間がかかりそうなので本でも読みます。(ひ)
(ρ.-)

中之条ビエンナーレ その8

2009年10月09日 | 国内のおでかけ
中之条ビエンナーレ2009 旧第三小学校にも行こう Nakanojo Biennale

いよいよツアーも終盤。
温泉コースのハイライトというべき旧第三小学校です。
四万温泉街のけっこうきつい坂道を上がっていくと、学校が現れる。
校舎だけでなく、体育館にも展示されていて、何と21人の作家の作品がありました。
その中で印象に残ったものを挙げておきます。

小田のり子の作品はピンホールカメラを使ったもの。
http://ricoda049.blog63.fc2.com/
http://modernism.jugem.jp/?cid=42

レンズを使わず、ピンホールを利用したカメラで普通の写真とは味わいがずいぶん違う。
幻想的な写真が良かったんですが、それだけでなく、部屋自体をカメラにしてしまうという試みまであった。
カメラ・オブスクラと書かれた、まっ暗な部屋の中をしばらく歩くと、外の景色が映っている。
http://www.akusyu.com/contents_01/workshop/wrokshop04/workshop_04.html

ダ・ヴィンチはカメラ・オブスクラを使って遠近法を学んだという話ですが、この部屋から見えるのは遠近感のない不思議な影。
まさに外の世界をのぞき見ているような不思議な感覚。
部屋に入ってすぐのところにある流し台らしきものの角がすごくとがっているのに、目が慣れないとまったく見えないのは怖かったですけど。

木村晴美の作品も良かった。
http://www.kimuraharumi.jp/
イラストレーターで絵本を描いているというのも納得。
多摩美で見たジョージ・リランガなんかも連想させます。
http://www.tamabi.ac.jp/MUSEUM/exhibition/060709.htm

そんな作品を和のテイストで展示しているのが面白い。

小倉良博の人をくった人形は一目見たらわすれられません。
http://pics.livedoor.com/t/%E5%B0%8F%E5%80%89%E8%89%AF%E5%8D%9A

頭が異様に大きい(というか長い?)人形はみんなどこか寂しげ。

と書いているときりがないくらいの作品が並んでいます。
学校の作品群を見た後は、外に移動。
元商店や道の向こうにも展示があったりするんですが、一番笑ってしまったのが無料の温泉の中に作られている作品。
無料で入れる温泉が細い道を入っていった先にあるんですが、結構な人数のおじさん、おじいさんたちが入浴中。
私はおじさんなのでお風呂のすぐ近くまで行って作品を鑑賞したんですが、見られる方は結構嫌だったかも。
バスツアーは若い女性が多かったけど、ここはパスしたんだろうなあ。
ハンコのある場所は作品から結構離れていたんですが。

一通り作品を見た後も時間があったので、集合場所近くの商店でソフトクリームを買い、足湯につからせてもらいました。
お店の中をボーッとしながら見ていると、抽象画が並んでいます。
これも、ビエンナーレの作品か尋ねると、前回のビエンナーレ作品で、その作品を描いた人は今回スタッフの中心メンバーとして働いていて時間が取れず、新しい作品がだせなかったとか。
こうやって、回を重ねるごとに地元の人とアーティストの交流が深まっていくのがいいですね。
中之条ビエンナーレは新潟のような大きなものにはなりそうもありませんが、等身大で町に少しずつアートが根付こうとしている雰囲気がある。
紅葉の時期がお勧めということなのでいつかまた来てみたいなあ、と旅行に行きたい場所がまたひとつふえてしまったのでした。(ひ)



中之条ビエンナーレ その7

2009年10月08日 | 国内のおでかけ
ニュースジャスト 四万温泉鳥獣供養 こんな供養があったんですね

次の沢渡ギャラリーは元々パン屋だったという小さなスペース。
展示されていたのは松枝美奈子の作品。
http://artlive.cool.ne.jp/2008/2008_120.html
赤い糸を使って家のような形のものが作られています。
持ち主がいなくなっても建物だけが残っている空虚感や、それでも建物があることで人と人がつながり、ここにくる可能性があるという期待感の両方が存在しているんじゃないかという気がしました。
入った突き当たりが大きな窓になっていて、外の風景と赤い糸が重なったときの様子も印象的でした。

そこから徒歩で「沢渡官舎山湯歩道」の作品を見ました。
沢渡温泉の付近は遊歩道になっていて、そこに藤井達矢の作品が点在していました。
http://www.nakanojo-kanko.jp/kankou/shizen/sawatari.html

どのコースを通ったのかはもはや覚えていませんが、結構上り下りしつつ、作品だけでなく景観も堪能させていただきました。
作品はみかんの皮を使っています。
http://t-fujii.kodo-kansai.net/

空き家や境内にとにかくびっしりと黒こげになったみかんの皮が並んでいる。
空き屋は中にあがれるようになっていたんですが、炭化したみかんの皮がつきそうなのでやめておきました。
家の中のテレビの映像が暗い室内に映し出されているのも印象的でした。
コタツの上にミカンが置かれている様子を見ていると何だか遠い昔の出来事のような気がしました。
冬はコタツとみかんが定番という感じでしたが、今時は冬にこたつを置く家の方が少数派なんでしょうか。
廃屋に置かれていると、そんな喪失感が漂ってきます。

沢渡温泉に出たところでバスに乗り、続いては甌穴へ。
甌穴というのは「川の渦巻き状の流れにより、石や砂が同じところを回り、川底の岩盤と接触して侵食されてできた丸い穴」のことだそうで、自然の力ってすごいなあ、そりゃあ水滴も石に穴を開けるかもなあ、などとアホな感想を抱いたのですが、そんなものがいくつもできているからびっくり。
http://www.nakanojo-kanko.jp/kankou/shizen/ouketsu.html

そのすぐ近くの喫茶店と店のすぐ外に作品がありました。
浅沼知明の不思議な巨大オブジェが印象に残りました。
http://blog.livedoor.jp/miyatya955/archives/945333.html

他の作品にはないメタリックな感じに圧倒されます。
照明らしきものもついているので、星空の下で見るとかなり幻想的なんでしょう。
というところで、いよいよ最後のメイン会場に移るのですが、続きはまた次回。(ひ)

中之条ビエンナーレ その6

2009年10月06日 | 国内のおでかけ
月とキャベツ

続いては伊参スタジオへ。
ここは映画「眠る男」、「月とキャベツ」の撮影をしたところ。
偶然にも両方見ていたんですが、元中学校の校舎を「眠る男」の撮影をするために改装したんだそうです。
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/34isama/tuki.html

「眠る男」は行政がお金を出したにしてはずいぶんとシュールな映画だったので驚いた記憶があります。
映画館で見たわけではなく、某公共施設での上映会で見たんですが、役所広司目当てに会場いっぱいにきていた年配の方々が途中休憩でぞくぞくと帰って行ったのが忘れられません。
きっと「Shall We ダンス?」や「うなぎ」みたいな映画かなあ、と思ってきた訳の分からないものやってるぞ、こりゃ退散っていう感じだったんでしょう。
http://www.oguri.info/movie/nemuruotoko/

今回はそのセットとして残っている主人公が眠る部屋の中に大きな虫がいるのでびっくり。
本多絵美子という人の作品。
http://sky.geocities.jp/mizutamari_life/index2.html

異様に大きいダンゴムシがひっくり返っていて、最初は驚くけど笑ってしまう。
木彫りだったんですね。
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/bunka/gallery/art_spot_list/013637.html

眠る男の横に眠る虫という感じでユーモラスでした。

建物の外と中にある大和由佳の作品も素敵でした。
http://www.inax.co.jp/Culture/2006_02/2_02yamato.html

こんな感じの鳥の影が建物の中の床と、校舎の外の地面にできている。
外の方は土を鳥の形に掘って水たまりにしてあったんですが、最後はそこに火をつけるというイベントがあったみたいです。
http://bi-ku.at.webry.info/200909/article_14.html

すごく不思議な写真です。
煙が上空に上がっていくと鳥が去っていくような感じなんでしょうね。

小市亮二という作家の作品も面白かった。
http://www.ryo2ko1.com/nikki1.html

すごい数の作品が部屋中に並んでいる。
ワークショップをやっているところを見てみたかった。

この会場はすぐ近くも散策出来るようになっていて、作品も点在しているので一通り見るのに時間ぎりぎりという感じだった。
そういえば、もうひとつだけ気になったのは、この学校の校歌を服部良一が作っていること。
学校がなくなって校歌も使われなくなるのはもったいないなあ、と思うんですが、無数の学校がなくなるということは無数の校歌も消えている訳ですね。
私自身は小、中、高、大といずれの校歌も歌えない輩なんですが。(ひ)



中之条ビエンナーレ その5

2009年10月05日 | 国内のおでかけ
中之条ビエンナーレ07_001始まりのたけやま

つづいては昼食。
道の駅霊山たけやまでそばを食べました。
てんぷらもついて、そばもしっかり量があって、しかも美味しい。
蕎麦打ち体験なんかもあって、ちょうど体験講座をやっているところでした。
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/michi_no_eki/index.html

店の外にはコンニャクの木が飾ってありました。
さすが群馬。
体験は蕎麦打ちだけでコンニャク作りはないようです。
そばはかなりコシがあって美味しかった。
さすがそば粉だけでつなぎなしというだけあります。

ここにも作品があって、春には鯉のぼりが飾られる場所に展示されていました。
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/michi_no_eki/guide.html

100匹の鯉のぼりをつるすためのワイヤーが道の駅の駐車場の上を、山の上まで延びています。
そこにサクサベウシオ作のヘビのような作品がありました。
どうやらヘビではなく龍のようですが。
http://www.jalan.net/uw/uwp3500/uww3512.do?yadNo=331679&aid=0000473194

生き物のような感じはしませんが、真下にいるのはみんな気になるそうで、ワイヤーの下は駐車を避ける人が多いそうです。
ワイヤーに作品を固定させるのがすごく大変だったいうことですが、確かにこんな中途半端な状態で重いものをつるすのは大変そう。

食事の後は「JAあがつま倉庫」へ。
ここは蔭山武史の作品でしょう、何と言っても。
暗い倉庫の中に入ると、机と映像が。
映像にはタクシーのメーターが映っている。
相模原から中之条までタクシーに乗って、やってきた行為を作品にしたというもの。
こういう馬鹿馬鹿しいのは基本的に大好きなんですが、もうひとひねり欲しかったなあ、惜しい! という感じ。
だって、タクシーでくるのは楽すぎません、いくら何でも。
距離は150kmくらいで料金が45000円くらいというのは意外に近いし、安いのね、とびっくりでしたが。
運転手は長距離乗って貰ったのはいいけど、どうやって帰ったのかなあ。
そんなしょうもないことが気になるのでした。(ひ)



中之条ビエンナーレ その4

2009年10月02日 | 国内のおでかけ
バスはどんどん自然の中に入っていき、旧五反田学校へ。
多分、携帯は圏外になってました。
さすがすぐに使えなくなるソフトバンク。
旧五反田学校は明治43年建築という歴史を持つ古い建物。
http://www.nakanojo-kanko.jp/bunka/machi/5.html

地元に学校を作るべき、みんなで建てたという話なんですが、ここは町の中でもかなり高いところにあるんですよねえ。
見晴らしが良くていいんですが、どうやって建築素材を運んできたんだろう。
この展示を見に来たときも細い道にバスが入れないから、途中から歩いたくらいなのに。
そんな謎を残しつつ、学校の前に出た途端、いきなり大量の柱が。
http://bi-ku.at.webry.info/200909/article_3.html

写真のように上のページの写真でお分かりのように建物の中にも木が。
藤井龍徳の作品ですが、こちらにとても興味深い文章があるので勝手に紹介させていただきます。
http://higekuma.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/09/post_0a26.html

なるほど、カタカナが無数に書かれている作品が「イヤナンデス」という文字をサイコロに書いて出た文字を順番に書いたということは、ガイド兼運転手の方に説明していただいたんですが、なぜ「イヤナンデス」なのかとは考えませんでした。

もうひとり、清岡正彦の作品はもっと静かに壊れゆくものの何かを映し出している感じがしました。
http://kiyooka.jpn.cx/floatingdive/index.php
http://blog.tsuruya.net/2009/08/20096---f4d0.html

古い舟や道具、山並みか海岸線のようにのに見える白い物質の周りを歩くうちに、この学校に存在してきた長い時間のうねりのようなものが感じられた気がします。

旧廣盛酒造やこの学校は改修するという話みたいですが、お金もかかるし、古い良さを残しつつ維持するというのは大変ですね。
それにしても学校の外の眺めは最高でした。
というところで、いよいよお昼です。(ひ)


中之条ビエンナーレ その3

2009年09月30日 | 国内のおでかけ
中之条ビエンナーレ09_000プレイベント~

まだ駅周辺です。
裏町空き家、ダンスホール、キリンホールは小さな会場でそれぞれひとりのアーティストの作品が展示されていました。
中でも、一番良かったのがキリンホール。
パチンコ屋というアートとは縁遠いものを見事に会場に変えているのが素晴らしい。
パチンコ屋といっても、昔の手動のパチンコがずらっと並んでいる。
まったくパチンコに興味のない私のようなものにとっては、今のパチンコはひたすらうるさくて近くを通りたくもないんですが、この当時のものには何ともいえない趣がありますね。
その古いパチンコ台の中に絵が入っているからびっくり。
http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/sSJjIP8OuzTrBWa4DHmY?lang=ja

こうするとパチンコ屋が座って作品を見られる画廊に変身。
作品数は131点というんだからすごい。
時間に限りがあって、全部をゆっくり見られないのが残念。
中之条のいろんな風景が描かれていて、地元の人なら、これはあそこを描いたんだな、って分かるんでしょうね。

SATORIは呉服店だった家屋で建物も中の展示もとてもおしゃれ。
ガラス玉や薄い布を用いた風や光を意識した作品を見ていると汗もひいてきて和やかな気持ちに。
会場ごとに本当にガラッと雰囲気が違うのが面白い。
もう呉服屋はやめてしまったということですが、その後、この建物はどうなるんだろう、と気になりました。

駅前の最後は旧廣盛酒造。
ここも元酒造で最近辞めてしまったとか。
こうやって、空いたスペースが多くあるからアートの展示が出来るんですが、この何年かで本当に多くの店が潰れてますねえ。
今まで何とかギリギリもっていた店がついに堪えきれなくなって、ということは地方でも東京でも多いわけですが、東京なら新しい店ができる。
でも、地方は古い家屋や歯抜け状態の空き地が増えて行くのみ。
日本中どこにいっても、イオンやユニクロのようなチェーン店しか残らないのは勘弁して欲しい。
話は逸れまくりですが、地方の駅ビルに行くと東京とおなじチェーン店しか入っていないことに愕然とします。
わざわざ遠くに来て、東京で食べられるものなんか選びたくないよ、と思うんですが地元の人は嬉しいのかなあ。

旧廣盛酒造は薄暗く広い会場ということもあり、立体作品やTWSで見そうなクセのある絵画などが並んでいます。
浦部裕光のリアルな動物にビックリしました。
http://www.woodvoice.net/photo2.html
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/~nakanojo-times/200708/tokusyu2.html

人形劇団ひとみ座入団という経歴が気になります。
人形を作っているんですよね、きっと。

水野暁の作品は素晴らしかったなあ。
http://akiramizuno.hp.infoseek.co.jp/pg124.html

緻密な絵ひとつひとつが素晴らしいのですが、全体の展示がひとつの生き物のように感じられます。
東京も展示があればぜひ見てみたいなあ、と思ったら11月と12月にあるようなので忘れずに行こう。

というところでバスに乗り、次の会場に移動。
次の会場も相当印象的に残るところだったんですが、その話はまた次回。(ひ)


中之条ビエンナーレ その2

2009年09月29日 | 国内のおでかけ
中之条ビエンナーレ2009(これも蔵の中の作品)
ようやく作品の話を。
中田木材は大正13年創業という広い敷地をもつ会場。
駅のすぐ近くに相当広い場所を取るだけあって、かつては隆盛を誇っていたそうです。
道路を挟んだ数カ所が会場になっているんですが、ガイドブックが見やすいので全部の作品が見られました。
印象に残ったものを挙げると。

李容旭
http://tpucollegeofart.wordpress.com/2009/08/31/%E4%B8%AD%E4%B9%8B%E6%9D%A1%E3%83%93%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AC%E5%B1%95%E8%A6%A7%E4%BC%9A%E9%80%B2%E8%A1%8C%E4%B8%AD%EF%BC%889%E6%9C%8822%E6%97%A5%E3%81%BE%E3%81%A7%EF%BC%89/

この奇妙な植物のような、生き物のようなオブジェが外に展示されていた平島タクミのタコをモチーフにした作品と妙にリンクしていて面白かった。
平島タクミのタコは以下のページの一番左上の作品。
http://www.hirashimatakumi.com/logical/index.html

東城信之介の大きな風に揺れるオブジェも生き物のような不思議なものでしたし、崔允美の不思議な植物まであるし。
http://bi-ku.at.webry.info/200905/article_25.html

アーティストの個性がまったく違うのに不思議な共通点が感じられて面白かった。
会場の中田木材はだだっ広い開放的なのに、何だか有機的な湿った空気感もある不思議なスペース。
その雰囲気をうまく用いた展示だったと思います。

その後は各自、徒歩で移動。
バスに乗る場所と時間が決まっていたので、駅周辺にある展示を見られるだけ見て言いという訳です。
これはちょっと離れた「二宮倉庫」も含めて全部見るしかない、と小走りで移動しつつ見学。
その「二宮倉庫」が非常に良かったので走った甲斐がありました。
ユイ・ステファニーのおなじ人物の写真を大量に並べた作品にインパクトがあったし、八幡幸子の蔵の中にひっそりと展示されている日本画は幻想的。
宇佐美志保のおもちゃ箱をひっくり返したような作品といい、全体的に誰かの家をのぞいているような感じがする。
http://bi-ku.at.webry.info/200907/article_17.html

それにしても、こんな駅の近くに蔵があったりするなんていいなあ。
こんなところは観光できても普通、寄るはずのないところ。
こういう野外のアート巡りは格好の町歩きにもなっているから嬉しい。
自然を満喫できる場所もいいけど、私はこういう住宅街の路地裏を入っていくような散歩がすきなんですよねえ。
いつのまにか、私道に入っていて、慌てて出たりするのが。
このビエンナーレは地元の人が会場の受付をやっているだけでなく、お客さんとしてもきている姿があるのも印象的でした。
散歩の途中にアート巡りができる感覚なんでしょうね。(ひ)





中之条ビエンナーレ その1

2009年09月28日 | 国内のおでかけ
中之条ビエンナーレ2009 旧第三小学校にも行こう Nakanojo Biennale

中之条ビエンナーレ
群馬県吾妻郡中之条町内各所(総合受付:伊参スタジオ)
2009年8月22日(土) - 9月23日(水)
http://www.bi-ku.com/nakanojo/

もう既に会期終了になっているんですが書いておきます。
所沢と同じようにビエンナーレなんですが、印象はこちらの方が圧倒的に良かった。
まだ2回目なんですが、町の人とアーティストが少しずつ一体化しつつある状況を見られたという意味では、大地の芸術祭にない初々しさのようなものがあった気がします。

規模としては2日間あれば十分見終わるくらいのもの。
公式ガイドブックに30ヵ所ハンコを押せればパーフェクトというもの。
そのハンコはひとつひとつが会場のためのオリジナル作品になっていて可愛い。
大地の芸術祭はみんな同じハンコというのが物足りなかったりもしたんですが。

小規模とはいえ、車が無いと移動が困難なくらいの距離はあるんですが、週末はバスツアーがありました。
青春18切符の残りの一枚もあることだし、と日帰りできるか時間を調べたところ、一番早く着く列車に乗っていけば集合時間にギリギリ間に合う。
温泉地なだけに泊まって欲しいけど、まずは中之条と四万温泉の魅力を知って貰おうというバスツアーなんでしょう。

朝、七時過ぎの電車に乗って東京を出て中之条へ。
結構乗り換えは多いものの座れたので楽でした。
現地に着くと、3000円かかるはずの料金が何と1000円に。
あまりにも参加者が少ないので役所のバスに切り替えたんだそう。
役所は利益を上げるわけにいかないので、ガソリン代、昼食代、ガイドブック代、おみやげ代込みでたったの1000円。
その後もホームページには料金3000円と書かれていたけど、どうなったんだろう。
ガイド兼運転手は役所の方で大変そうでした。
この日は結構な人数が参加していたので、業者のツアーに戻ったのかなあ?

バスツアーは土曜の「温泉コース」と日曜の「故郷コース」の2つがあったのですが、日程的な都合で土曜の「温泉コース」に参加。
駅周辺から四万温泉の作品までを見るというもの。
2つのコースで結構被るところがあるし、両方に参加しても回れないところがあるのに後から気付きました。
でも、両方に参加する人はなかなかいないかな。

前置きが長くなりましたが、バスは最初の見学場所、中田木材へ。
そこから駅周辺の作品をぐるっと見たのですが、長くなったので作品の話はまた次回。(ひ)

所沢ビエンナーレ「引込線」

2009年09月22日 | 国内のおでかけ
THE CLASH - TRAIN IN VAIN

所沢ビエンナーレ「引込線」
西武鉄道旧所沢車両工場
2009年8月28日(金)~ 9月23日(水)
http://tokorozawa-biennial.com/index.html
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/09/09/artsaitama/index.html

地味そうだなあと思いつつも、自宅から近いので行ってきました。
会場が変わったところなので、鉄道好きな方はそれだけで満足かもしれません。
だだっ広い場所を一応3ヵ所に分かれて展示が並んでいますが、ほとんど何の脈絡もなく展示が並んでいます。
企画概要のところを見るとなぜそんな展示なのか書かれています。
http://tokorozawa-biennial.com/statement.html

まあいいんですけどね。
私はアートなんて言ったってコマーシャリズムを否定する程度のものでどうするんだよ、なんて生意気なことを考えてしまうので、こういう記述には正直嫌悪感が。
かと言って、やたらコマーシャルすぎるものも鼻につくんですけどね。
それは音楽でも、演劇でも同じかなあ。

そんな話はさておき展示の方で面白かったものを挙げてみます。
飯田竜太
http://www.ryuta-iida.com/

上記のホームページを見ると分かるとおりの本を用いた作品でした。
百科事典の文字と絵をみんな切り取ってしまうというもの。
情報をすべて抜いてしまった後の本とは何なのか、ということを考えさせられます。
最初から何も印刷されていない本なら「無」の状態かもしれませんけど、情報を「抜く」という行為がなされた後は情報を抜くという行為がなされた、という情報だけが残っている本? などと理屈っぽいことを考えました。
でも、私たちの受け取る情報はそんな形で受け取っていることも少なくない気がします。

白井美穂
大地の芸術祭ではこんな作品を残しているんですね。
http://www.echigo-tsumari.jp/2009/artworks/index.php?id=270

農舞台の近くにあるのかあ、見てないなあ。
2本の映像作品が見られたんですが、Train in Veinというタイトルはクラッシュの曲名から取ったんでしょうか。
何だか不思議なインドを見ているような気分になります(といってもインド映画をちゃんと見たことないんですけどね)。
ひたすらゆるーい映像をだらーっと見てしまいました。
よく分からないけどクセになる。
フランク・チキンズとぜんじろうを思い出したのは私だけですね。

増山士郎
一番インパクトがあったのがこれでした。
題して「アーティスト難民」。
どこまでが本当でどこまでがフィクションか分からない、そんな世界を楽しめる方には最高の作品です。
文化庁の留学までしている作者がドイツで生活できなくなったので、日本でバイト生活を始めることになった。
どうせなら、展示会場を生活の場にすれば、部屋代も浮くし、自分の状況を作品に出来るということで、会場に寝泊まりしている。
バイトの面接を受ける様子を映像で流したり、履歴書を貼ってあったりしているスペースの奥で、咳がきこえる。
ガラスの向こうを見るとパンダ状態で男の寝ている姿がみえる。
昼はそこにいて、夜はヤマト便かなにかのバイトに行くというのです。
制服までちゃんと展示されてました。
これ全部本当なら、面接先の会社の許可とれてるの? と気になるし、嘘で企業名だされたらもっと怒るよなあ、と思ったりして。
その後の増山士郎がどうなっているかもすごく気になる。
こういう展示がすごく好きなのは以前プロレスファンだったから?
こういう人を食った感じのものが大好きなんですよねえ。

他にも面白い作品はあったんですが、基本的に排他的な空気がプンプンしているのが何ともいえなかったなあ。
いや、それはそれで楽しんでいる自分がいるんですけどね。
途中で映像を付けて何かやっているアーティストもいたんですが、見学者が近づいても気持ちいいくらい無視してました。
まあ、まだ制作中かもしれないけど、一応展示会場ですからねえ。
それもアートか? (ひ)