てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

ハーブ&ドロシー

2012年08月31日 | 茶の間で鑑賞
remembering Herbert Vogel 1922-2012 CBS Sunday Morning 7-29-12

ハーブ&ドロシー 2008年
監督 佐々木芽生
http://www.herbanddorothy.com/jp/

楽しい映画でした。
郵便局員と図書館司書の夫婦が現代美術のすごいコレクションを作り上げるという実話。
別にコレクションを作ろうとか、買った作品でもうけようなんて気持ちはまったく持たずに足繁く、ギャラリーやアーティストのところへ通い、作品を買い続けた結果だというのが嬉しい。
何でこんな意味不明なものが、こんな高値で? という部分ばかりが取り上げられてきた現代アートですが、そんなことばかり気にするのは美術品で商売するごく一部の人たちと、まったく美術に興味のない人たちだけ。
美術を見る人間にとっては、その作品が自分にとって面白いかどうか、しか気にならない。
ハーブ&ドロシーの夫妻も基本的にはそういう人たちなんですが、いいものは所有したい、自宅でも見たい、という欲が強いのは確か。
そして、アーティストとの交流が楽しいんでしょうね、一番は。
作品を購入する際はできるだけすべての作品を見せてもらい、なぜ、そのすばらしい作品が生まれてきたのか流れを探っていく、というのは相当に贅沢。
その作品はナショナルギャラリーをはじめとする全米各地の美術館に寄贈された訳ですが、作品だけでなく、彼らの美術やアーティストに関する文章をぜひ読んでみたくなりました。
というのも、美術館やギャラリーの人たちの目線がやや彼らを見下したところが感じられるのに対し、アーティストたちのコメントが実に愛情に満ちていたからです。
ドロシーは退職後、作品目録を自分で作るのなんてまっぴら、自分はギャラリーにも劇場にもたくさん行きたいんだ、と語っていたから、本を書くなんてことはなさそうですけど。
「芸術」というものはどうしても、アカデミックな嫌な臭いにまみれているところがあって、自分が学生だった頃、そんな臭いをプンプンさせている大学院生が気持ち悪くて仕方なかったんですが、現代アートって、そんなものと無縁な人間でも対等に楽しめる素晴らしさがあります。

一番おかしかったのは、あるアーティストがふたりを描いた作品。
作品を前のめりで見るハーブと、一歩退いたところから冷静に見つめるドロシー。
ふたりの関係を一瞬で捉えているみごとなものでした。
これから発表されるであろう続編の方も楽しみです。(ひ)


ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年

2012年08月30日 | 都内のおでかけ
Hans Sebald Beham

ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年
2012年6月13日(水)~9月17日(月・祝)
国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2012berlin.html#mainClm

西洋美術館に行くのは久しぶり。
ぐるっとパスでも常設展有料になってしまったし、企画展は結構地味だし、ということで、どうも足が遠のいていました。
今回はフェルメール作品が展示されている訳ですが、東京都美術館のついでに寄る方も多いんじゃないでしょうか。
やはり展示全体は地味目。
フェルメール作品も少し待てばじっくり見れるほどの混雑具合でした(といっても8月前半の話ですけど)。
目玉作品の「真珠の首飾りの少女」は明るい光の差し込んでいる部分が思った以上に印象的でした。
何かがこれから起こる場面のようでも、何かが起こった後の余韻に浸っているようでもあります。
「耳飾り」、「首飾り」とややこしいですが、どちらも上野で見られるというのがすごい。
「飾り」つながりで両館共通のグッズをだせば良かったのに。
意外と、都立と国立って、コラボしにくいのかな。

全体的には西洋美術館らしい、お勉強できる展示。
彫刻や素描が多く、15世紀から18世紀までの美術史を学べる構成になっています。
正直言ってロダンの彫刻の類は退屈で仕方ないので、あっと言う間に展示を見終わってしまうのでは、と危惧したのですが、単に人間の肉体を誇示した感じの彫刻作品は少なくて楽しめました。
フェルメール作品以外では「コジモ・デ・メディチの肖像」と「イルカに腰掛けるウェヌス」が印象的でした。
後者の方はなぜイルカに乗るのか、そして、なぜ、こんなにイルカに似ていない彫刻なのか、大きな疑問が。

常設展示室では「クラインマイスター:16世紀前半ドイツにおける小画面の版画家たち」という特集展示が行われていました。
部屋を入ってすぐのところに拡大鏡が置いてあるくらい小さな版画作品が続いている、これまた西洋美術館らしい展示。
聖書と神話の勉強ができます。
見たときはなるほど、と思いながら、数日後には忘れているのが残念ですが。
それにしても、ここまで作品が小さいのはシリーズものの大作でも場所をとらないからなんでしょうか。
当時の人たちがどう楽しんでいたのかが気になります。(ひ)


国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展

2012年08月29日 | 都内のおでかけ
Ilya Repin

国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展
2012年8月4日(土)-10月8日(月・祝)  開催期間中無休
Bunkamuraザ・ミュージアム
巡回先
浜松市美術館 2012年10月16日(火)~12月24日(月・祝)
姫路市立美術館 2013年2月16日(土)~3月30日(土)
神奈川県立近代美術館 葉山 2013年4月6日(土)~5月26日(日)[予定]
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_repin/index.html

またしても少し間があいてしまいました。
仕事の忙しさだけでなく、暑さにすっかり参っています。
暑さだけを考えると昨年の夏も大変だった気がしますが、今年は各所のクーラーが異常に効いている気がします。
昨年は節電、節電と、いって、どこもかしこも弱冷房だったのに、今年は自分の施設で倒れる人間は出してなるものか、ということなのか、ガンガン冷たい風が送られてきます。
まあ、昨年は夏の間、休みだった公共施設が多かったから、美術館にも行ける今年の夏はありがたいんですけど。

話はようやく「レーピン展」です。
先日行われた「ブロガー・スペシャルナイト」に参加してきました。
自分のブログやtwitterをもつ人が無料で参加できるイベントでした。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_repin/topics/topics/post_12.html

1時間の座談会を聴いた後、作品の鑑賞時間が30分というのはちょっと短いんじゃないか、と思ったのですが、十分堪能できました。
座談会ではレーピンに造詣の深い籾山昌夫氏の話がとにかく面白い。
今回の展示にはトルストイ、ムソルグスキーといったロシアを代表する芸術家を描いた肖像画も含まれていますが、レーピン自身がそうした芸術家のひとりに挙げられても当然ということがよく分かりました。
圧倒的に絵がうまいというだけでなく、歴史的事件をドラマティックに描く力強さも印象的です。
ロシアの歴史にまったく疎い私のような人間でもただならぬ気配を作品から感じざるをえませんでした。

民衆を描く画家でありながら、多くの作品が富裕層に購入され、その後の評価がロシアの変化と共に大きく変わっていかざるをえなかったというのも実に感慨深い話です。
その激動の人生ということを考えたとき、連想せざるをえなかったのは、やはり岡田嘉子のことでした。
本人の人生が大変なものだったということももちろんですが、いまだに岡田嘉子という人物を日本がきちんと受容できていない気がしてして仕方がないのです。
レーピンをきちんと受容できていないように。

特に印象に残った作品をいくつか挙げておきます。

○日向で―娘ナジェージダ・レーピナの肖像
娘を描いた肖像画ですが、モネの作品「散歩、日傘をさす女性」を何となく連想させます。
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/monet_promenade.html

モネの作品が描かれた25年後に描かれています。
表情があまり見えないモネの作品に対して、しっかりと表情が描かれているレーピンの作品、その対照的なところも面白い。

○作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像
http://www.artimpression.co.jp/phot-up/phot-26-03.html

ムソルグスキーの最晩年、亡くなる一週間ほど前に描かれたものだそうです。
ムソルグスキーの肖像画は少ないので、そういう意味でも貴重だそうです。
いかにも具合の悪い状態をそのまま描いた、すごい迫力の作品。
晩年といっても、まだ40代前半という若さ。

「思いがけなく」や「イワン雷帝とその息子イワン」もすばらしかったのですが、まだ自分の中で未整理状態です。
少しロシアの歴史を勉強しよう。
エゼンシュテインをもう一度ちゃんと見よう、と思う真夏の一夜でした。(ひ)


鎌塚氏、すくい上げる

2012年08月20日 | 劇場へ
鎌塚氏、すくい上げる
作・演出:倉持 裕
出演:三宅弘城、満島ひかり、田中 圭、市川実和子、広岡由里子、玉置孝匡、今野浩喜(キングオブコメディ)、六角精児
2012年8月9日(木)~8月26日(日)
本多劇場
http://www.morisk.com/plays/kama2/index.html

三宅弘城主演のシリーズ第2弾ですが、初めて見てきました。
新国立で見た「イロアセル」がまったくダメだったので、不安を持っていったんですが、まったくタイプの違う芝居でした。
商業演劇か後藤ひろひとを彷彿とさせるような舞台。
「完璧なる執事」の三宅弘城がわがままな公爵長男と令嬢をどうやって見合いさせるかという物語。
次々と困った事件が起きて大変なことになりながらも、最後は見事事件解決という典型的なコメディです。
あとはその世界にどう見事に引きずり込んでくれるか楽しみに鑑賞したんですが、どうも今ひとつ。
倉持裕という人の生真面目さがベタな笑いには向いていないみたいです。
こういう芝居はストーリーなんてある意味どうでもいい訳で、どこかでストーリーからはみ出してもいいから爆発的に笑わせてくれる場面が欲しいんですが、それがない。
アホな設定がせっかくいっぱい転がっているのに、いろんなところがあっさり過ぎます。
「月刊バトラー」の話なんて、もっともっといじれるだろう、と思ってしまった。
中森明菜の歌を突然歌うのは第1弾も見ていると爆笑できるのかな?
とりあえず、今回だけ見た者にとっては唐突過ぎるものでした。
G2演出でキッチュが出ていれば、お腹が痛くなるほど笑っただろうなあ、なんて、つい思ってしまう。

登場人物も船長や主人公達に敵対する人たちをもっともっと魅力的にしないといけないのに、なんでこんな行動してるの? と意味不明な点が多い。
ストーリーの展開は最初から見えている芝居だけに、観客が登場人物にどれだけ寄り添えるかが大事だろうに。

とはいえ、いい役者が出ていると、そんな状態でもなんとかしてくれるもんですね。
こんな豪華な出演者だけに、本多にしては結構チケット代が高かったけど、この人たちだったからこそ見ていられたともいえるよなあ。(ひ)





マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝

2012年08月19日 | 都内のおでかけ
A Short Film About Frans Hals

マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝
2012年6月30日~ 2012年9月17日
東京都美術館
http://www.tobikan.jp/museum/2012/mauritshuis2012.html

まだ開催中の展示ですが、8月前半に見てきました。
日曜の午後少し遅めに行ったところ約20分待ち。
とはいえ、ここは国立博物館なんかとは違って、建物の中で待つので夏でも倒れる心配がないのでほっとします。
西洋美術館の方もそうですが、親子連れや小学生の姿がとても目立つ。
多分、学校の宿題でびじゅつかんに来ているんでしょうね、作品前でいろいろメモをとっている子が多い。
人と人の垣根を無理やり割り込んだり、絵の前に陣取って動かなかったりするのには困りましたが、子供には注意しにくいですよねえ。
そういえば、こんな混雑している展示なのに、子供に絵の模写を促すような、すさまじい企画もやってました・・・・・・。
作品の展示位置が全体に低すぎるのも、解説の文字が小さすぎるのもどうなんでしょう。
国立新美術館くらい、ゆったりした展示にしてくれるといいのに。
そんな悪条件の中ですが、作品はしっかり見てきました。

「真珠の耳飾りの少女」が当然一番印象に残りましたが、特別に混んでましたね、この作品だけは。
列に並んで正面から一瞬見た後は、列の背後から眺めましたが、いくら見ても見たりない感じ。
いくつか見た他のフェルメール作品でもそうですが、見るのをやめた瞬間に何かが始まりそうな気がして、目が離せなくなります。
時間にしたら結構長く見たはずなのに、あまり見た気がしない。
困った作品です。

フランス・ハルスの「笑う少年」も印象的。
ブラウエルの「苦い薬」を思い出しました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Adriaen_Brouwer_004.jpg
落ち着いた風景画や肖像画が圧倒的に多い中、こういう感情を露にした絵があると、嬉しくなってしまいます。
にっこり笑った表情に惹き付けられました。
教訓めいた感じがしないのもいいですね。

レンブラントは「自画像」と「スザンナ」でしょうか。
「スザンナ」は長老たちに迫られている女性を描いていますが、その女性の姿勢の不自然さや怯えながらも毅然とした表情で暗闇を見つめる強さが伝わってきます。
当然ながら、光の使い方も効果的。
「自画像」の方はレンブラントの波乱万丈の人生を感じさせる、晩年の姿を描いた作品。
自分の年老いた表情をストレートに描いているのが、見るものの想像力をかきたてます。

「東京都美術館ものがたり」展という無料の展示も一緒に見てきました。
展示会場がやや分かりにくいせいか、いい作品が多いわりに空いています。
前期展示では片岡球子が見られなかったのでもう一度行きたいなあ。(ひ)

吉川霊華展 近代にうまれた線の探究者

2012年08月17日 | 都内のおでかけ
東京国立近代美術館 吉川霊華展

吉川霊華展 近代にうまれた線の探究者
東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
2012年6月12日(火)~7月29日(日)
http://www.momat.go.jp/Honkan/kikkawa_reika/index.html

工芸館とセットで二回見てきました。
60周年の記念展示のひとつとしては地味ですが、内容は充実していました。
明治から大正にかけて日本画の伝統を追求しつづけた人物です。
そのストイックさにバーン・ジョーンズを連想しましたが、アマチュアリズムの画家だったジョーンズと違って、吉川霊華の場合、絵も書も恐ろしく洗練されています。
幼い頃から賢く小学校を途中で辞めてしまったというエピソードを持つ人だそうで、大人になってからも人にあわせるのが嫌いなタイプの人物だったそうです。

作品で一番印象的だったのは会場に入ってすぐ目に入る「神龍図」。
その表情の迫力はもちろん、体は短くて足とその先の尾が長い。
よく見る蛇を思わす長い生きものというよりも、もっと俊敏な動きをする力強い獣という印象を受けました。
よく描かれる龍との違いをどう出すかに苦慮したというコメントがつけられていますが、なるほど完成した作品と下書きでまた雰囲気が異なっている。最後の最後まで考え抜いた結果の作品なんでしょうね。

その後に並んでいるスケッチもすごいものでした。
模写や作品の構想や下絵らしき絵が所狭しと描かれている。
薄い紙の裏まで使ってびっしり描かれているのでよく見えないものがあるのが惜しい。
こうした下書きもきちんと残して、作品に生かしたんでしょうね。

ところで、日本や中国の古典文学を題材にした作品が多かったんですが、いつもこうした作品の解説を読んでいると?が頭に浮かぶことが多い。
話のあらすじは何となく分かったけど、それって何がいいたいんだろう?という疑問が消えません。
文学に対する基本知識がなさすぎるのがいけないんでしょうけど、もう少し話のポイントの解説があってくれるといいんですが。
展示に書くと長くなりすぎるなら、休憩用の椅子の辺りに、話のポイントが書かれた小冊子があってもいいし。

吉川霊華は鏑木清方、松岡映丘、平福百穂らと金鈴社という美術団体を結成していたということですが、その三人と比べても作品の完成度が一段と高いことを感じさせられます。
それにしても、ポロックにつづいて、この展示というギャップがすごいなあ。
次回の「日本近代美術の100年」ではどんな仕掛けがあるのか楽しみです。(ひ)





今週のNBA

2012年08月16日 | hoop madness
Team Argentina このチームの今後も気になるところ

オリンピックが終了して数日経ちましたが、バスケットボールだけはそれなりに見ていたので感想を書いておきます。
今回初めてのネット生中継の試合はぜんぜん見ていないので、米国戦プラス2試合ほどしか見ていませんが、いろんな方から指摘が多かったように、実況の間違いの多い中継でした。
選手の名前を間違えるのはどうにもならないミスだとしても、その他の選手の背景に関する豆知識的な情報が多すぎませんかね、日本のスポーツ実況は。
バスケットに興味のない人にも関心をもってもらうための配慮かもしれませんけど、そんなことより目の前の試合や両チームの試合の作り方なんていう部分をもう少し詳しく話してもらえないものでしょうか。

それはともかく今回の試合を見ての一番の感想は、アメリカ、スペインが確かに他国をリードしているけど、その差はさらにつまったんだなというものです。
以前は多くのチームが先発5人の出ている時間でないと、アメリカにまったく対抗できていない感じだったのに、第3Qの途中くらいまで十分対抗できていました。
これはコーチKが試合後半までディフェンスのレベルをあえてそれほど上げていないから、ともいえますが、こういう戦い方を必要とするくらい力が拮抗していたのも事実でしょう。
カーメロやデュラントの調子のいい試合が多かったので、楽に勝ったように見えますが、中でも外でも自由にアメリカが得点しているというケースはそれほど多くなかった気がします。
アメリカが凄かったのは、ファイナルまで戦っていたオクラホマの3人とレブロンがしっかりプレーできていたこと。
コーチKとコービーが抜けるとどうなるかは分かりませんが。

話題をNBAに変えると、ハワードの行き先がオリンピック中に決まりました。
レイカーズがずいぶん無理してハワードを穫りに行ったことに驚きましたが、こういうチームですよね、レイカーズは。
5つのドラフト指名権のうち、いくつがレイカーズのものかは分かりませんが、パウ・ガソルとナッシュがあとどのくらいプレーできるか考えると相当な賭です。
今まで手間暇かけて育て上げてきたバイナムを放出してますし。
バイナムに関しては素行の悪さと怪我の多さで低い評価を与えている人も多いようですが、同じく素行が悪く、怪我の状態もよく分からない、おまけに今後チームに残るかどうか分からないハワードを迎えるのが得策といえるのかどうか。
オーランドがここまで再建モードに切り替えたというのもどうなんだろう。
来シーズン、お客さんくるのかなあ。
それにしても、マイク・ブラウンは来シーズン大変そうだ。
ナッシュとコービーの共存というのも意外に難しそうだし。

アトランタは今週特に動きなし。
ディフェンス力のあるSFが欲しいとダニー・フェリーが発言したようですが、Cもまだまだ不安ですね。
開幕までにどういうメンバーになるのか注目です。(ひ)

しみじみ日本・乃木大将

2012年08月14日 | 劇場へ
しみじみ日本・乃木大将
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
日程: 2012年7月12日(木)~29日(日)
作:井上ひさし
演出:蜷川幸雄
出演:風間杜夫、根岸季衣、六平直政、山崎 一、大石継太、朝海ひかる、香寿たつき、吉田鋼太郎 ほか
主催:こまつ座/ホリプロ/公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2012/p0712.html

7月後半に見た舞台ですが、感想を。
今年になって初めて、乃木坂で旧乃木邸を見たから、というわけではないんですが、
「しみじみ日本・乃木大将」を見てきました。
それにしても、井上作品公演ラッシュはとどまるところを見せず、ホリプロ中心の芝居はみんな結構なお値段のものが多い。
今度の「日の浦姫物語」はついに10000円ですよ。
井上ひさしが生きていたら、こんな値段になったのかなあ、と疑問もわいてきますが、亡くなったからこそ、ここまで自由に過去の名作を上演できるというのも事実。
そんな複雑な思いを胸にさいたま芸術劇場まで行ってきましたが、蜷川幸雄の演出はいつも以上にオーソドックス。
晩年の井上作品に比べると、台詞での説明が非常に長い芝居をそのまま上演していました。
うまい役者たちばかりだからこそ、その辺はあえて変えなかったのでしょうが、馬の足になりつつ、長いセリフを立て板に水で話すのは、ベテラン役者たちにも当然きつかったのでしょう。
何度か台詞がとんでたみたいだし、息もかなり切れていました。
そんな、後の井上作品にはない荒さも感じられますが、晩年の三部作に見られるような、ある種の説教臭さがなく、生々しく勢いもありました。

乃木希典がどんな人物だったかについてはいろいろ意見が変われるようですが、この井上作品の中では実直なあまりに、周りに利用されるだけされてしまい、天皇の神格化に一役買ってしまった人物として描かれている。
その辺があまりに分かりやすくまとまり過ぎている気はするが、あくまでコント乃木大将といえる思い切りのいい芝居でした。(ひ)

越境する日本人---工芸家が夢みたアジア 1910s―1945

2012年08月11日 | 都内のおでかけ
越境する日本人---工芸家が夢みたアジア 1910s−1945
2012年4月24日(火)-7月16日(月)
東京国立近代美術館 工芸館
http://www.momat.go.jp/CG/ekkyou2012/index.html

7月になって2度同じ企画展を見てきました。
本館の方とセットで2度見てきたのですが、結構地味な展示なのでどちらも空いていました。
とはいえ、こちらの展示は「民藝」や「アジア主義」を扱ったタイムリーな企画展。
工芸館でなく、本館で、もっと大々的な企画展にしていれば、かなり話題になったと思います。
どうも工芸館は建物のインパクトばかりが大きく、展示数が少なく、企画展の内容も変わり映えしないという悪いイメージが先行している気が。

東洋の工芸文化を西洋から守るべく生まれたはずの「アジア主義」という言葉が日本の目指したアジア支配とどうつながり、どう対立したのか、非常に興味深いところです。
この展示でその辺の事情を深く掘り下げる、というところまではいっていませんが、「アジア主義」を考える上でヒントとなる作品を広く展示していました。
浅川兄弟はもちろん、川瀬巴水や川喜田半泥子の作品も展示されています。
今回はその第一弾として、何年かかけて「工芸から見たアジアの歴史」シリーズをぜひやって欲しいなあ。

この展示を最初に見に行ったのが偶然、水曜日で「タッチ&トーク」というイベントを行っていました。
スタッフの方次第で、毎回、内容が異なるらしく、この日は器の種類や作り方の話が中心。
他の参加者の方々はどうやって、こんな作品ができるのか、に興味深々という感じですが、どうもその方面に興味がない私は退屈なのを悟られないように、とだけ考えて無事イベントの終わるのを待っていました。
参加者が5、6人だったから、やる気のないのが目立ちそうだったんですよね。
作品に実際触れることができるというのはすごいことなんだろうけど、どう触ればいいのか困ってしまうし。
椅子の展示なら、すぐ座り心地を確かめたくなるんだけど。
NHKの美術番組でも、どうやって、こんな色を出したのか、とか、この絵はどうやって描かれたのかなんて、ことを取り上げていますが、そういうのは退屈で仕方がない。
実際の手の動かし方や技術よりも、その人がなぜそういう方向に向かったのか、なぜ違う方向に向かわなかったのか、ということに興味があるんですね。
とはいえ、そんな人間はごく一部で、今はいろんなことを自分でもやってみたいという人が多いんだろうなあ、と思ったのでした。(ひ)


落語物語

2012年08月10日 | 茶の間で鑑賞
落語物語 2011
監督・脚本・原作:林家しん平
製作:大月俊倫

今戸家小六:ピエール瀧
山岸葵:田畑智子
今戸家小春(春木真人):柳家わさび
本藤昌和:柳家権太楼
スマイル:春風亭小朝
本藤一子:石橋杏奈
山海亭文酒:嶋田久作
遊々亭吉八:三遊亭時松
遊々亭ごろ八:柳家小権太
山海亭心酒:隅田川馬石
赤飯亭ごま塩:古今亭志ん橋
鶴家朝丸:三遊亭小円歌
バーのマスター:柳家喬太郎
落語噺家協会会長・鞍馬家天狗:桂文楽
http://rakugomonogatari.jp/

これは駄目な映画でした。
というか、映画になっていないことが問題ですね。
複数のエピソードの入った、本物の落語家が知っている、作り物でない映画にしたかったんでしょうが、ひとつのストーリーになっていないし、中途半端なリアルさがとても退屈。
本当に「落語」を感じさせるリアルな映画を作りたいなら、こんなものを作ったら落語の世界に身を置き難くなるというくらいの実際のエピソードを盛り込むべきだし、映画として成立させたいなら、ピエール瀧夫婦と弟子の話に焦点を絞るべき。
自分の描きたいエピソードを入れるために、ストーリーを無理やり動かすのはやめて欲しい。

まあ、落語を題材にした映画を見る、というつもりでなく、落語家が出ている映画を見る、というつもりなら許せるのか。
配役も意味不明なところが多かったけど。

こんな映画にみんなどんな感想を持っているんだろう、と思ってネットを適当に調べてみると、意外に褒めている人が多い。
と思ってよくみると業界関係者っぽい人か、落語好きの人なんですね。
落語好きな人は優しいんだなあ、と思いつつも、業界関係者の褒め言葉ってまったくあてにならないんだなあ、と再確認。
褒めることのリスクということも考えて欲しい。(ひ)