remembering Herbert Vogel 1922-2012 CBS Sunday Morning 7-29-12
ハーブ&ドロシー 2008年
監督 佐々木芽生
http://www.herbanddorothy.com/jp/
楽しい映画でした。
郵便局員と図書館司書の夫婦が現代美術のすごいコレクションを作り上げるという実話。
別にコレクションを作ろうとか、買った作品でもうけようなんて気持ちはまったく持たずに足繁く、ギャラリーやアーティストのところへ通い、作品を買い続けた結果だというのが嬉しい。
何でこんな意味不明なものが、こんな高値で? という部分ばかりが取り上げられてきた現代アートですが、そんなことばかり気にするのは美術品で商売するごく一部の人たちと、まったく美術に興味のない人たちだけ。
美術を見る人間にとっては、その作品が自分にとって面白いかどうか、しか気にならない。
ハーブ&ドロシーの夫妻も基本的にはそういう人たちなんですが、いいものは所有したい、自宅でも見たい、という欲が強いのは確か。
そして、アーティストとの交流が楽しいんでしょうね、一番は。
作品を購入する際はできるだけすべての作品を見せてもらい、なぜ、そのすばらしい作品が生まれてきたのか流れを探っていく、というのは相当に贅沢。
その作品はナショナルギャラリーをはじめとする全米各地の美術館に寄贈された訳ですが、作品だけでなく、彼らの美術やアーティストに関する文章をぜひ読んでみたくなりました。
というのも、美術館やギャラリーの人たちの目線がやや彼らを見下したところが感じられるのに対し、アーティストたちのコメントが実に愛情に満ちていたからです。
ドロシーは退職後、作品目録を自分で作るのなんてまっぴら、自分はギャラリーにも劇場にもたくさん行きたいんだ、と語っていたから、本を書くなんてことはなさそうですけど。
「芸術」というものはどうしても、アカデミックな嫌な臭いにまみれているところがあって、自分が学生だった頃、そんな臭いをプンプンさせている大学院生が気持ち悪くて仕方なかったんですが、現代アートって、そんなものと無縁な人間でも対等に楽しめる素晴らしさがあります。
一番おかしかったのは、あるアーティストがふたりを描いた作品。
作品を前のめりで見るハーブと、一歩退いたところから冷静に見つめるドロシー。
ふたりの関係を一瞬で捉えているみごとなものでした。
これから発表されるであろう続編の方も楽しみです。(ひ)
ハーブ&ドロシー 2008年
監督 佐々木芽生
http://www.herbanddorothy.com/jp/
楽しい映画でした。
郵便局員と図書館司書の夫婦が現代美術のすごいコレクションを作り上げるという実話。
別にコレクションを作ろうとか、買った作品でもうけようなんて気持ちはまったく持たずに足繁く、ギャラリーやアーティストのところへ通い、作品を買い続けた結果だというのが嬉しい。
何でこんな意味不明なものが、こんな高値で? という部分ばかりが取り上げられてきた現代アートですが、そんなことばかり気にするのは美術品で商売するごく一部の人たちと、まったく美術に興味のない人たちだけ。
美術を見る人間にとっては、その作品が自分にとって面白いかどうか、しか気にならない。
ハーブ&ドロシーの夫妻も基本的にはそういう人たちなんですが、いいものは所有したい、自宅でも見たい、という欲が強いのは確か。
そして、アーティストとの交流が楽しいんでしょうね、一番は。
作品を購入する際はできるだけすべての作品を見せてもらい、なぜ、そのすばらしい作品が生まれてきたのか流れを探っていく、というのは相当に贅沢。
その作品はナショナルギャラリーをはじめとする全米各地の美術館に寄贈された訳ですが、作品だけでなく、彼らの美術やアーティストに関する文章をぜひ読んでみたくなりました。
というのも、美術館やギャラリーの人たちの目線がやや彼らを見下したところが感じられるのに対し、アーティストたちのコメントが実に愛情に満ちていたからです。
ドロシーは退職後、作品目録を自分で作るのなんてまっぴら、自分はギャラリーにも劇場にもたくさん行きたいんだ、と語っていたから、本を書くなんてことはなさそうですけど。
「芸術」というものはどうしても、アカデミックな嫌な臭いにまみれているところがあって、自分が学生だった頃、そんな臭いをプンプンさせている大学院生が気持ち悪くて仕方なかったんですが、現代アートって、そんなものと無縁な人間でも対等に楽しめる素晴らしさがあります。
一番おかしかったのは、あるアーティストがふたりを描いた作品。
作品を前のめりで見るハーブと、一歩退いたところから冷静に見つめるドロシー。
ふたりの関係を一瞬で捉えているみごとなものでした。
これから発表されるであろう続編の方も楽しみです。(ひ)