てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

清川泰次のアトリエ II 

2012年09月30日 | 都内のおでかけ
清川泰次のアトリエ II 
清川泰次記念ギャラリー
2012年8月7日(火)~12月2日(日)
http://www.kiyokawataiji-annex.jp/

夏からの展示を見てきました。
清川泰次は絵画や写真だけでなく、立体作品も作っています。
立体でも、もちろん抽象的な形態は変わりません。
同じ形の大きさだけ異なる立体が3つセットで並んでいるものが多いのが特徴でしょうか。
3つという数は清川泰次にとって何を意味していたんでしょう。
3つきれいに並ぶとデザイン的にとても美しいというのはあるんでしょうが、それだけではない気がします。
清川泰次の絵画の多くは作品番号がタイトルになっている。
制作した年代と比べてみると、必ずしも制作した年代順ではないようです。

そう思って数字に注目していくと、作品番号はひとつの数字がついているだけのものと、Painting No.190-91のように複数の数字のついているものがある。
どうやって数字が決められているのか謎です。

数字のことを考えつつ、今回もしっかりお茶をいただいて一休みしてきました。
9月末の時点では冷たいお茶が用意されていました。
今回のチラシにしっかり「お茶を飲みながらゆっくりと関連図書などをご覧いただけます」という文が。
関連書籍は昔からあまり変わっていないようなので、別の分館の本や本館の本も含めて、もう少し読めるものを増やしてくれると嬉しいです。
次に、ここに来る頃は冬かな。(ひ)



日中美術展―東洋美術の未来を探る―日本画と工筆画

2012年09月27日 | 都内のおでかけ
日中国交正常化40周年記念
日中美術展―東洋美術の未来を探る―日本画と工筆画
2012年9月5日(水)~17日(月・祝)
東京美術倶楽部
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO46011970R10C12A9BC8001/

最終日に見てきました。
東京美術倶楽部に行くのは初めて。
都営地下鉄の一日券を使い、大門駅から歩いて行きました。
休日のこの辺りは閑散としてますね。
日中友好のイベントが中止になったりしている状況ですが、この展示はつつがなく行われていました。
特に警備が厳しいという感じもなく、ごく普通の雰囲気。
江古田の写真展の方がずっと大変だったのかもしれませんね。

それはともかく展示の方は2つのフロアを使って、日本画と工芸画を完全に分けて展示していました。
ここまで完全に日中で作品を分けることもないだろうに、というのが正直な感想です。
きっと、今年いろいろあったから、こんな展示法にしたというより、こういう展示法がずっと続いてきたんでしょうね。
私でも知っているような有名な画家の作品も何点かあるし、それ以外にも面白い作品が何点もあるのに、なんだかひとつひとつの作品が分断された展示になっているのがすごく残念。
中国の作品では、女性を描いた作品に独特のエロティシズムが感じられるのが印象に残りました。
けだるそうな女性の姿を緻密に描かれた絵は、ごくおとなしい姿なのに、なぜか色香が漂っています。

日本の作品では田渕俊夫の作品に人垣が出来ていました。
「午後の輝き」という作品で、確かに淡い色の美しさに見とれて足が止まってしまう。
そして、佐藤美術館の展示が印象的だった神戸智行の作品もありました。
「星に願いを」という今年制作された作品。
http://www.hirota-b.co.jp/artists/2010/07/post-7.html

作品の中を動きだしそうな金魚が印象的です。
この作品はこんなコラボ作品にもなっているんですね。
http://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/topics/news/photo/h22/08/8-6.html

全体を見ると、わざわざ日中の作品を一箇所に展示した意味が感じられないのがやはり残念。
まあ、こういうイベントが無事行われただけも良しとするしかないのかな、今年は。
来月開催の北京の方の展示は大丈夫なのかな。(ひ)



どうぶつ大行進

2012年09月26日 | 国内のおでかけ
吉田 博

夏休み特別企画
どうぶつ大行進
会期 2012年7月14日(土) ~ 9月2日(日)
千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2012/0714/0714.html

展示が終わって一ヶ月近く経つんですが、今更ながら感想を。
夏の常設展示ですが、作品数は約200点と充実していました。
常設展示を企画展示室まで使って見せるとなると、脈役のない特集になるのは仕方のないところですが、動物というゆるい括りでうまくまとめています。
水彩画、油彩画、版画など多岐にわたっているので、自分が面白いと思うものだけじっくり見ればいい、という気楽に楽しめる展示、のはずなんですが、展示された作品に潜む動物たちを全部見つけるとオリジナルグッズをプレゼントという企画をやっていたので、思わずトライしてしまいました。
これが相当に凝っている、というか、マニアックというか、とても普通に作品を鑑賞するついでに、なんて見つけられない代物。
休憩用のテーブルに置かれたヒントを元に目を皿のようにして見てようやくという状態。
動物の少ないスッキリした作品は絵画として見る余裕があるものの、小さな動物が山のようにいる版画だと大変なことに・・・・・・。
自分は美術館でいったい何をしているんだと思いつつも、何とか完成。
問題を作るのも大変だったろうなあ。
ちなみに問題の方は子供向けとおとな向けの2ヴァージョンあるというからすばらしい。
常設展示なので、入館料200円ですからね、公共の施設じゃないと、これだけ手間をかけものなんて作れないでしょう。
それにしても偉い。

200点以上の作品があったので、当然気になったものも多かったのですが、印象に残っているのは吉田博の作品。
このところいろんな美術館で、吉田博の絵画や版画を見て、その幅広さとクオリティの高さに驚いてばかり。
今回見たのはこんな感じの結構リアルな版画作品。

動物園 於ほぼたん あうむ
http://www.sobi2pallas.jp/shin315.html

上野動物園は明治15年にできたそうで、この作品のつくられた大正時代にはアジアゾウがきて人気だったようです。
なぜか吉田博は「あうむ」の版画を描いているんですが、その珍しい造作と色彩を見て版画にしたくなったんでしょうか。

恩地孝四郎の「動物園初秋」もいい感じでした。
初秋だから、今くらいか、もう少し早いくらいの時期でしょうか。
これも上野動物園のようですが、小さく地味にアシカらしき動物の姿が見え、それを見ている親子連れの姿がもう少し大きく描かれている。
画面の多くを占めている木々の葉はまだ緑(単に常緑樹かもしれませんが)。
木の陰は涼しそうだけど、日向はまだまだ暑そう。
親子連れの父親はスーツ姿で母親は和服をきちんと着ている。
今なら、動物園に初秋に行くとき、もっとラフな恰好をするだろうけど、こういう時代は上野に出るなら、やせ我慢してもオシャレな服装をしたんだろうなあ。

などと、いろいろ妄想を膨らませているうちに、2時間ほど、閉館時間近くまでたっぷり楽しませていただきました。(ひ)



ゴヤの《青い服の子供》

2012年09月25日 | 都内のおでかけ
ゴヤの《青い服の子供》ルーヴル美術館のスペイン絵画コレクションに入るまで
2012年4月27日(金)~10月28日(日)
LOUVRE-DNP MUSEUM LAB
http://museumlab.jp/exhibition/09/index.html

五反田のDNPミュージアムラボに行ってきました。
無料でルーブル美術館のコレクションを見ることができるありがたい展示なのですが、展示される作品は絵画の場合1点のみということが多く、しかも完全予約制なので、いつも空いた時間に適当に出掛ける私のような人間には少し敷居が高くて(というか少し面倒で・・・・・・)、見にいくのは今回で二度目です。
既に今回で展示は第9弾。
前に見たのは「第4回展『都市スーサとその陶器、イスラム時代の創成期』」でした。
http://blog.goo.ne.jp/tessies/s/%A5%B9%A1%BC%A5%B5

2008年だから、久しぶりだなあ。
そのときはいろいろ機械を装着して、説明が相当多かった記憶があるんですが、今回は随分シンプルになっていました。
いきなり「青い服の子供」を見た後に、作品の解説があり、別室ではルーブル美術館におけるスペイン絵画コレクションの歴史を見ることができる。
そして、「青い服の子供」の服やバックの絵が変わったら、どうなるか、というちょっとシュールな遊びをした後は、映像作品でスペイン絵画について学ぶ。
解説も短くなったし、お勉強的な内容が少なくなったのはいいんですが、画像や解説を見ない人はあっと言う間に展示を見終わってしまうことになるのが、いいのか悪いのか。
でも、このくらいが疲れなくていいんでしょう。

肝心のゴヤの「青い服の子供」は画像で見ていると、まるで女の子のようですが、目の前で眺めると確かに男の子。
連れている犬をまったく見ずにまっすぐ前を見ている男の顔は結構りりしい。
ルーブルにくる前はイヴ・サン=ローラン所蔵だったそうですが、男の子の服装が気に入ったのかなあ。

それにしても、DNPって、いろいろ開発を続けるもんですね。
国立博物館のシアターも、ここの制作だし。
紙の新聞や雑誌の時代が終わっても十分生き残れそう。
私はやっぱり紙の方がいいけど。(ひ)




色彩の錬金術師羅展

2012年09月24日 | 国外のおでかけ
ブログに「ルオー」展に関する情報を載せると抽選でチケットをプレゼントというメールが来ました。
宣伝効果があるとは思えない、このブログに情報だけ載せるのは何だし、自分の記録になることを書かないとブログでさえなくなってしまうと思い、ルオーについてなんか書こうと考えていました。
そこで思い出したのが、二年前に韓国でルオー展を見たこと。
二年前の春に韓国に行ったのに、その直後、あまりにも大変なことがあったので、その旅行中のことは全然かけずじまい。
結構、美術館やギャラリーにも行ってきたんですけどね。
せっかくなので、ルオー展の感想を憶えている限り書いてみます。

日本語のタイトルは「色彩の錬金術師羅展」となっていました。
「羅」がルオーということなんでしょうか。
海外初紹介のポンピドゥーの未公開コレクションというのが売りで、場所はHangaram Art Museumというところ。
ずいぶんといろんなところから入れる施設でチケットを買うのに苦労した記憶があります。
初台のオペラシティみたいな感じの、劇場や美術館が入っている複合施設でした、確か。
http://www.sac.or.kr/eng/Space/space_art.jsp

ルオーというと、パナソニック汐留ミュージアムや出光美術館が充実しているだけに、日本では企画展が多く、たくさんの作品を目にしている訳ですが、このときのコレクションは日本で見るものと微妙に色彩が違うなあ、という印象を受けたのを憶えています。
作品数が170点と多く、携帯で写真を撮っても大丈夫だった記憶が、ということはどこかに写真が残っているはず。
色のことまでは確認できませんが、どんな作品があったのか、後で見てみます(どんな中途半端な感想だ)。
ステンドグラスの作品がとても良かったんですが、一番印象に残っているのは、チケット売り場で照明に照らされていた、ルオー作品の美しさ。
やっぱりルオーには光と影が似合うんだなあ、と感動。(ひ)



「ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス」展
2012年10月6日(土)~2012年12月16日(日)
開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週水曜日
入館料一般:800円 大学生:600円 中・高校生:200円 小学生以下:無料
65歳以上の方で年齢のわかるもの提示:700円
20名以上の団体:各100円引(65歳以上は除く)
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで:無料
パナソニック汐留ミュージアム
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
公式サイト



奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている

2012年09月22日 | 国内のおでかけ
「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている」/神奈川新聞(カナロコ)

奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている
2012年7月14日(土)-9月23日(日)
横浜美術館
http://www.nara2012-13.org/

先週の日曜に見てきました。
今週末で展示終了ということもあって、大盛況。
といっても、不思議なことに大混雑なのはチケット売り場とミュージアムショップで、展示自体は割とゆったり見られるようになっていました。
チケットを買い求める人の列が外まで伸びていたのは、ゆっくりチケットを売ることで入場制限していたからなんでしょうか。
そう思えるくらいギャップがありました。
チケットを既に持っていて、ラッキーでした。

ミュージアム・ショップと、会場限定のグッズ売り場の方は混雑だけでなく、あまりにもベビーカートの数が多すぎるのが怖かった。
人が密集している中をベビーカートでどんどん進んでいく人って、すごい勇気というかなんというか。
ボヤボヤしていると、狭い通路の前後をベビーカートで挟まれたりして、近くにいるのも怖い状態だったため、グッズは一切買わず逃げるように出てきました。

奈良美智の大きな展示を見るのは、青森以来。
その後も近代美術館でドローイングの展示を見たり、ギャラリーで展示を見たりはしていますが、今までの奈良美智の展示とはずいぶん違う気がしました。
ともかく今までは展示の大きさは関係なく、とにかく過剰なくらいたくさんの作品を所狭しと並べて、混沌とした世界を作り上げていたのに、今回は会場に隙間が多く、広い空間の中にポツポツと作品が並んでいるという印象。
別に、作品数が少ないんじゃないの、と文句をいうつもりではなく、この隙間というか、余白のようなものも、最近の奈良美智の作品の一部ではないか、という気がしました。
「君や 僕に ちょっと似ている」というタイトルに忠実といっていいのか、ほとんど女の子の姿のみ。
そうした作品を次々と見ていくと目力の強さに圧倒されます。
こちらも見つめられている感じで、息が抜けなくて疲れてくる。

奈良美智の発言を読んだり、聞いたりすると、同じ話の中に共感と違和感の両方があることが多い。
作品自体のわかりやすさと、本人の意図や居場所のわかりにくさのギャップがいいです。(ひ)




田村彰英 夢の光

2012年09月20日 | 都内のおでかけ
田村彰英 夢の光
東京都写真美術館
7月21日~9月23日
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1591.html

いろいろと考えるところのある展示でした。
撮影されているのは、国内の米軍基地、定点観測した町の光景、座礁した船といったもの。
ジャーナリスト的な視線で撮影されそうな主題もあるのに、より純粋に撮影の対象としての美しさ、面白さに特化しているのがすごい。
昔、ジャン・ルノワールの映画を見ていたら、悪役であるはずの政治家がなんとも魅力的に描かれていて驚いたことがあったのですが、善悪とか正しいとか間違っているといった概念とアートというものは、あんまり寄り添いすぎると面白くない。
そして、そんなに理屈だけで生きなくてもいいんだよ、と言われると、やっぱりほっとします。

米軍基地の戦闘機の美しさを描こうとする、なんていうのは、まさにアートという気がします。
今、オスプレイを安全性の問題ではなく、被写体として美しいかどうかだけを考えるテレビ番組を放送したりしたら、視聴者から一斉攻撃を受けそうですが、そういう価値判断も当然あっていいはず。
オスプレイを目の前で見たことのない、メカにもほとんど興味のない私が、実際のその姿に感動するかどうかはわかりませんが。

3月11日の震災に関連するアート作品に対して、どうしても一歩引いてしまうことが多いのも、このことが関係しているのかもしれません。
「アートで復興を」という考え方は正しいんですが、正しい枠にアートを押し込めてしまうと、きっとそのしっぺ返しが待っている気がしてなりません。

展示に話を戻すと、撮影した場所や時代は様々なのに、撮影された作品は、まるで時間や風景と引き剥がされるように、まったく異質の空間を描き出している。
いわゆる日常的な風景を感じさせる写真はほとんどない。
いい写真は具体的な何かである必要はないんだな。(ひ)



おおきなかぶ、むずかしいアボカド

2012年09月19日 | 本の記録
おおきなかぶ、むずかしいアボカド
村上 春樹 著
大橋 歩 画
http://magazineworld.jp/books/all/?gosu=2250

村上春樹のエッセイ集。
これが村上ラヂオとしての2冊目で、既に3冊目が出ています。
1冊目も3冊目も読まず、なぜか、この本から読んでみました。
アンアンの連載しているエッセイだということが、ときどき、本文に書いてあるんですが、日常的な食べ物や過去の思い出といった、いかにも作家のエッセイ的話題の他はプロ野球やラティガンなど、あまり女性雑誌向けとはいえないものも多い。
そこは村上春樹だから、スポーツや演劇に興味がなくても十分楽しめる文になってはいるんですが。

特に、印象に残ったのはアボカドとオリンピックの話。
ハワイにいたという、アボカドの食べごろを見事に当てるというおばさんの話はいかにも村上春樹の話に出てきそうな人物。
果たして、そんな人物、本当にいるの、と眉唾な話を楽しむのが村上春樹好きとしては正しい態度なんじゃないでしょうか。
それにしても、アボカドの食べごろは本当に難しい。
6個で300円というアボカドを買って、連日食べているので、特に深く実感しています。

オリンピックの方は、テレビ中継を見ると興味をもてないけど、現地で見たらとてもよかったという話。
生で見るのはいいね、というだけの話ではなく、気持ち悪いほどナショナリズムの塊になっているオリンピック中継を見ると、日本が何個メダルを獲ったかという情報ばかりであることに疑問を投げかけている。
多分、中継する側も見る側も、あんまりスポーツとしてとらえてない、もしくはスポーツの捕らえ方がスポーツ好きと、オリンピック好きで違うということなんでしょうね。
日本の勝った競技の、日本の試合だけ見て、満足するという気持ちが今ひとつ理解できないんですよね、正直。
サッカーでも、卓球でも、なんでもいいですが、普段から世界選手権や各国の選手の活躍を見たうえで、競技の面白さや、世界のレベルの高さを感じつつ、日本選手の活躍を楽しむ方が感動も大きいだろうに。
なんて、余計なことをいろいろ考えて全然楽しめないんですよねえ、オリンピック。
日本とはまったく関係ないバスケットボールだけ見ていた変わり者としては、妙に共感してしまいました、村上春樹の話は。
スポーツ中継だけでなく、ニュースなんかも、国内情報の危うさを感じる日々ですからね。
それにしても、ニュースやオリンピック中継を放送する時間って昔より、増えている気がするのに、延々と同じ情報をループされているようにしか思えないのはなぜだろう。(ひ)




藤田嗣治と愛書都市パリ

2012年09月17日 | 都内のおでかけ
藤田嗣治と愛書都市パリ
-花ひらく挿絵本の世界-
7月31日(火)-9月9日(日)
渋谷区立松濤美術館
http://event.hokkaido-np.co.jp/foujita/highlight/index.html

またしても、松濤美術館に行って来ました。
今回は藤田に関する企画展。
少し前には、目黒区美術館で小企画展もあったし、藤田の作品はコンスタントに見ている気がします。
やはり、人気が高いんでしょうね。
この展示では藤田をはじめとする、エコール・ド・パリの画家たちが手がけた挿絵本や油彩画の展示となっています。
同じような展示を笠間日動美術館で見たときは、いくつかの作品のすべての挿絵を展示しながら、本の内容もじっくり紹介していたのですが、今回は作品数も多く、それぞれの本のごく一部を紹介するというものになっています。
それだからなのか、本の内容がよくわからないものも多いのが残念といえば、残念ですが。

藤田の描く挿絵は、きっと作家にも評判が良かったんじゃないでしょうか。
特に、フランス人向けに、かなり歪んだ、異国、日本の姿、エキゾティズムを表現するのが非常にうまい。
日本人が海外で自国を紹介するんだから、などという変な「愛国心」とは無縁だったところが、やはり藤田のすごさなんだろう、と勝手に確認する思いでした。
1920年代以降に挿絵を手がけていたということはバルビエやラブルールとほとんど時代的に変わらないわけですね。
そういえば、アール・デコの時代のジャポニズムは藤田の描く日本と共通するものを感じます。
アーレ・デコ好きだったフランス人って、その後の戦争中の日本をどんな思いで見つめていたんだろう。

関係ないですが、私が一番印象に残る挿絵というと、中学生の頃に、図書館で借りて読んだ江戸川乱歩全集の挿絵。
横尾忠則も描いていることは今になって知りましたが、作品とはほとんど関係のない異様な挿絵が妙に怖かったなあ。
表紙の蛾や昆虫も不気味だった。
でも、もう一度手にとって見たい。(ひ)





秋にむけて

2012年09月14日 | 都内のおでかけ
今年はなぜか夏の美術展が例年になく充実していましたが、ようやく涼しくなって、足を運びやすいのはこれから。
秋はお得な無料展示が意外にあるので、備忘録としてまとめておきます。

○東京国立博物館
東京国立博物館140周年「秋の特別公開」
2012年は9月17日(月・祝))は、総合文化展のみ無料

◎損保ジャパン東郷青児美術館
ジェームズ・アンソール
―写実と幻想の系譜―
お客様感謝デー無料観覧日:10月1日(月)

◎東京都写真美術館
機械の目 カメラとレンズ
10月1日(月)

○東京都現代美術館
MOTコレクション
■ 作品の名前|1960-80年代の美術から
■ 特別展示|オノサト・トシノブ―福原コレクションを中心に
■ 新収蔵品展|アニッシュ・カプーア/曽根裕/奈良美智/櫃田伸也/小瀬村真美
10月1日(月)

◎世田谷美術館
対話する時間 世田谷美術館コレクションによる現代美術展
10月7日(日)、8日(月・祝)は、世田谷区制80周年記念として観覧無料

◎世田谷文学館
齋藤茂吉と『楡家の人びと』展
10月7日(日)と11月3日(土・祝)、及び北杜夫氏一周忌の10月24日(水)

◎府中市美術館
ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅
10月14日(日)は開館記念無料観覧日

◎国立西洋美術館
手の痕跡
国立西洋美術館所蔵作品を中心としたロダンとブールデルの彫刻と素描
11月3日(文化の日)は無料観覧日です。
FUN DAY(11月10日(土),11日(日))開催日は無料観覧日です。

○印刷博物館
印刷都市東京と近代日本
11月3日(土・祝)文化の日は入場無料

◎東京国立近代美術館
美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年
12月1日(土)の開館記念日は無料


◎は特に行きたいと思っている展示。
都民の日と文化の日の無料展示は年々たいしたことがなくなっていて、一番期待できるのは公共の施設ではない東郷青児美術館だったりします。
ここは秋にいい展示があるから、かなり混雑するんですよねえ、毎年。
世田谷の2館はバスで乗り継いで一日で行くべきか。
複数の日にちが設定されているのは太っ腹ですが、微妙にずれていたりします。
国立博物館は都民の日、国立科学博物館は文化の日がそれぞれ無料なのも面白い。
文化の日の情報はあまりないんですが、もう少し無料の施設があると嬉しいなあ。(ひ)