てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

ルーヴル美術館展—地中海 四千年のものがたり

2014年05月22日 | 都内のおでかけ
ルーヴル美術館展—地中海 四千年のものがたり
2013年7月20日(土) ~ 9月23日(月・祝)
東京都美術館
企画棟 企画展示室
http://www.tobikan.jp/exhibition/h25_louvre.html

昨年秋の目玉の展示のひとつでしたが、、これも例によって、会期最終盤の9月22日に行ってきました。
さすがに混んでました。
いつものことながら展示前半の小さな作品は人の壁が……。
「全8美術部門が結集」と宣伝されている通り、絵画作品がそれほど多くないのが特徴でしょうか。
正直、絵画作品で大きな目玉になるものはなかった気がします。
普段、絵画作品以外は軽く流すように見てしまう私のようなものにとっては、ちょっと肩すかしの展示だった気がします。
それだけに、見たい作品だけに集中し、じっくりいいものを堪能できた気がしますが。
そんな数少ない絵画作品で一番印象に残ったのはやはり、コローの「ハイディ ギリシャの若い娘」になります。
ハイディはバイロンの詩に登場する娘だそうです。
バイロンといわれても、作品を読んだことはなく、ヘンリー・ジェイムズの「アスパンの恋文」にでてくる伝説の詩人のモデルだったのを思い出すくらい。
それにしても、「ドン・ジュアン」に出てくる女性の娘を描くというチョイスはどうなんだろう。
未完の作品だそうですが、そんな脇役を描いてもみんながわかるほど有名な作品なんだろうか。
コローの作品にしては女性の顔が力強いのも印象的です。

絵画作品以外では「赤像式クラテル:エウロペの略奪」でしょうか。
五反田のルーブルDNPでこういう器を見ていたからですが。
この作品を連想したわけです。
http://www.museumlab.jp/exhibition/10/index.html

そのとき見た戦いを描いたものとは違い、こちらの器はずいぶんと優雅。
といっても、王女エウロペが連れ去られるシーズンを描いています。
なぜこういう器には戦とか略奪といったものが描かれるんでしょう。
戦の前の祝杯を挙げる際に使われたんでしょうか。

それにしても、しつこく書いて申し訳ありませんが、東京都美術館は作品解説の文字が小さく、混んでいると見にくい場所にあるのがすごくストレス。
いい展示が多いんだから、いい加減なんとかならないものだろうか。(ひ)


色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…

2014年05月19日 | 都内のおでかけ
「ブリヂストン美術館コレクション展  色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…」
2013年6月22日(土)-2013年9月18日(水)
ブリヂストン美術館
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/2013/184/

最近、国立美術館のすみわけがずいぶんはっきりしてきたなあ、という印象を強く持ちます。
国立近代美術館や国立西洋美術館は企画展にあまり力を入れず、常設展示で確実にお客を呼ぶことに切り替えた感じがして仕方ありません。
最近は近代美術館は日本の若い作家の作品を結構購入しているんですよねえ。
まあ、大きな企画展は国立新美術館に完全に任せたんでしょう。
あそこは常設展示なしですし。

どうしてそんな話を最初に書いたかといえば、最近、私立美術館が充実したコレクションに甘えず、いい企画展を開こうと模索している印象があるからです。
山種や松岡なんて少し前はずいぶん地味でしたけど。
ブリヂストンの場合、年1回の大きな展示以外も小さな特集を設け、それが結構充実しています。
コレクションが強力なだけに、他の美術館の作品を借りてきても、そちらの印象が残らない、という贅沢な悩みはありますが。
残念ながら、結構空いていることが多いんですけど、この努力がいつか実るといいなあ、と陰ながら応援しています。

タイトルにも登場するルドンとマティスは陰と陽、両極にある作品でおもしろい。
マティスの「ジャズ」は見ているだけで音楽が聞こえてきそうなポップな作品。
それに対して、動きがとまったようなルドンの「夢想(わが友アルマン・クラヴォーの想い出に)」は本の挿絵とは思えない強い意味性を感じさせる。
アルマン・クラヴォーは確か西洋美術館の特集で作品を見ている植物学者。

なんといっても、一番印象深かったのは追悼特集されていたザオ・ウーキーです。
この人の作品こそ、色の美しさが際立っている。
見ていると美しい青の中におぼれそうになります。
色に関する特集で彼の作品が後半に登場するというのはにくい演出でした。(ひ)


特別展「和様の書」

2014年05月17日 | 都内のおでかけ
特別展「和様の書」
平成館 特別展示室 2013年7月13日(土) ~ 2013年9月8日(日)
東京国立博物館
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1602

国立博物館は企画展の派手さ地味さにずいぶんむらがあり、時々びっくりするくらい会場が空いていることがあります。
これはまさにそんな展示。
展示最終日に行ったというのに、実にゆったり見られました。
書は人を選びますよねえ、とはいえ、ここの展示で人垣ができて大変なのは書であることが多い。
みんな歴史上の人物の直筆がみたいんでしょうか。
今の時代は手書きの書類が多いから、後々全然、ありがたいものにはならないんでしょうか。

そんなどうでもいいことを考えつつ、一番気になった作品といえば、やはり「藤原良相邸跡出土墨書土器」です。
少し前に新聞に載っていた貴重な品ですが、展示の前にはまったく人がいませんでした。
最古の「仮名」文字かもしれない歴史を変えるものなのに。
藤原良相という人はいいことをしたから、一度地獄に落ちたのに生き返ることができたという話がある人。
そんな話って、何をきっかけに作られるんだろう。(ひ)



佐藤真生展 _家 HOME _

2014年05月15日 | 都内のおでかけ
佐藤真生展 _家 HOME _
武蔵野市立吉祥寺美術館
2013年07月27日 ~ 2013年09月08日
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/2013/05/home.html

なんだか気候の変化も激しい毎日ですが、週末は順調(?)に美術館に行っています。
などと珍しく時候の挨拶的なことを書いていますが、今日は昨年9月前半に見に行った展示の感想です。
この日もきっと暑かったんだろうなあ、覚えてないけど。
佐藤真生という方の作品を見るのは初めてでしたが、一度見ると忘れられない独特なものばかりでした。
吉祥寺美術館のHPの紹介にあるように、どこか郷愁を感じさせるものばかりですが、そこには日本的なものだけでなく、いろんな国の要素が入り混じっている。
童話や絵本の世界にも近い気がしますが、自分の作り上げた世界から一歩引いた外側から見ているような客観性、というか孤独感があった気がします。
絵画作品にとどまらず立体作品さらにはギターに絵を描いたりもしています。
一番印象に残ったのは大きな襖絵の「白象夏至之譚」でした。
大きいけれども、存在感の薄い白で描かれた大きな象がいるのは広い工場か建築中の施設の中。
私も地方出身ですが、子供のころは周りでずっと工事ばっかりあったような気がします。
公共の古い建物が新しくなる時期だったんでしょうか。
特に夏の日中は外を歩いていると、工事現場で作業している音が響いていた気がします。
この作品からも勝手にそんな音を聞き取ってしまいました。
当然ながら、別にあの工事の音をもう一度聞きたいというわけではないけど、ノスタルジックな気持ちにはなってしまう。
それにしても、不思議と幼いころの記憶が夏のことばかりなのはどうしてなんでしょう。(ひ)



NBAプレーオフ

2014年05月13日 | hoop madness
Lucas Nogueira es pura dinamita

ブログの更新もすっかり滞っていたので、NBAのことを書くのも久々です。
少し前にDVDレコーダーが突然壊れてしまい、HDDに録画していた映像がすべて見られなくなりました。
そんな訳で2月から3月にかけての試合がまったく見られませんでした。
プレーオフ直前の試合から新しいブルーレイ・レコーダーで録画した試合を見始めたものの、それでもWOWOWの週に5試合放送は追いつくのがハードです。
普通は対戦カードで何試合か選んで見るんでしょうが、アトランタの試合なんて年に5回くらいですからね。
そんなことをすると見る試合がなくなってしまうんですよねえ。
嫌いなチームはマイアミやオクラホマだから、そんなカードを除いていると、優勝するチームの試合を見ないまま終わるかもしれないし。

そんな中、ようやく先日、プレーオフ最初の試合、オクラホマvsメンフィスを見ました。
いくらオクラホマのホームとはいえ、ずいぶんとオクラホマびいきのジャッジをするもんだなあ、、と驚きました。
シーズン中はきわどいジャッジを慎重にVTRで確認することが多かったのに、この試合はそんなことすらしませんでした。
それはさておき、やっぱりウエストブルックのわがままなプレーは今シーズンも変わっていないんだなあ、というのがこのゲームの一番の感想。
彼を見ているとAIを思い出します。
こういう選手がPGで優勝したチームというのは、やっぱりありえないという気がするだけに今後も注目です。

アトランタのPOでの試合はまだ見ていないんですが、既にシーズンは終了してしまいました。
イースタントップのインディアナに3勝したのはそれなりに評価されることですが、以前も強い時期のボストンに3勝したことがあったんですよねえ。
その後、大きな補強ができずチーム成績はゆっくりと下り坂に入っていきましたから、大事なのは来シーズン。
二度目の大きなけがをしたホーフォードに負担がかからない選手を入れられるかどうかがポイントになりそうです。
というところで注目はドラフトで指名したルーカス・ノゲイラ。
http://www.ajc.com/news/sports/basketball/hawks-draftee-nogueira-scores-13-points-in-win/nftQN/

knee tendinitisで二か月間休んでいたとあるのが気になりますが、映像を見る限り、プレーに力強さが出てきた気がします。
髭のせいでそう感じるのかもしれませんけど。
まだまだ足はずいぶん細そうだから、すぐにNBA入りするかどうかは微妙かなあ。
ミルサップやルー・ウィリアムスは契約最終年ということで、来シーズンでしっかりとした結果をチームで上げられないとまた大きくメンバーを変えることになってしまうのもきついところ。
そんな心配ばかりが先に立ちますが、まずはプレーオフの残りの試合を楽しみ、今シーズンもテレ朝チャンネルで放送されるらしいスペイン・リーグの試合でノゲイラのプレー振りを確認したいと思います。(ひ)


引込線2013

2014年05月12日 | 都内のおでかけ
引込線2013
2013年8月31日~9月23日
旧所沢市立第二学校給食センター
http://hikikomisen.com/2013/artists.html

またまたおよそ一か月振りの更新になってしまいました。
季節外れの以前見た美術展の感想を書いているうちに、ほぼ1年遅れとなってしまいそうです。
がんばって更新します。

二年に一度開かれる所沢ビエンナーレを見に行くのはこれで3度目。
いつの間にか、「引込線」というタイトルになってしまいましたが、今回も場所は元給食センター。
前回は結構有名なアーティストが登場してましたが、今回はかなり地味な内容でした。
最近のこうしたアートイベントは町の活性化の一環として、地元の人の協力とともに開かれるわかりやすいものが多いのに、このイベントは圧倒的に硬派。
駅からかなりの距離があって、バスで来ても最寄りのバス停から結構歩く。
しかも、会場も付近もかなり殺風景。
こちらの画像を見ていただくと、その地味さは一目瞭然。
http://sculptures.design-mania.jp/modules/webphoto/index.php/category/92/

一番印象に残ったのは遠藤利克の「空洞説ー浴槽・身体」という作品。
http://sculptures.design-mania.jp/modules/webphoto/index.php/photo/1830/

この漏れている液体は廃油です。
いやあ、臭かった。
黒々とした様子だけですごいんですが、このただならぬものが漏れている様子は、○号機から漏れ出ている様子を連想せずにはいられません。
今や、具体的にそんな内容をメディアで取り上げると袋叩きにあう時代ですから、現代美術にがんばっていただくしかないですね。
抽象的な作品の強みというものです。
そういう意味では今回の「引込線」はおそろしく2013年の空気感を反映した展示でした。
会場に入ってすぐ見られる前野智彦の「Stage of Uninhabited/island Season-Episode Final」もそう。
http://sculptures.design-mania.jp/modules/webphoto/index.php/photo/1834/

白い鉄のパイプやビーカーといったものが無数に並んで構成されている異様な空間は汚水処理施設。
前回の2011年にこの同じ会場に来た時のことをいろいろと思い出しました。
あの打ちひしがれていた感覚を忘れてはいけませんね、いろんな意味で。(ひ)