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てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―

2017年04月10日 | 都内のおでかけ
日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―
パナソニック 汐留ミュージアム
2017年4月8日(土)~6月25日(日)
https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/17/170408/index.html

久しぶりの更新です。
それ以前から更新の頻度がだいぶ落ちてはいたんですが、昨年春にいろいろ大変なことが重なってブログに向かう意欲も体力もなくなっていました。
今年に入って状況は落ち着いたものの、書かなくなると、それがすっかり習慣になってしまうものですねえ。
今後は、たまにはこうして、勝手なことを書く時間も取りたいなあと思っています。

昨年以降、美術館に行く頻度もだいぶ落ちましたが、月に何度かは行くようになっています。
その中でも印象に残ったものの感想を書きたいと思っていますが、今回は内覧会を見る機会のあった汐留ミュージアムの展示について。

今回は建築に関する展示でした。
というと、時々、足を運んでいる六本木のギャラリー間や、埼玉と八王子で展示のあった日本の建築に関する展示を思い浮かべます。
実際、内容はそうした展示に近いものでした。
建築の展示はパネルと映像と模型の組み合わせで行うことが多いのですが、これもそうでした。
建築って、専門の知識がない人間にとっては、ずいぶんと哲学的な要素が強いことに驚かされます。
そういえば、大学入試の現代文の問題でも、日本と海外の建築の違いなんていう文章がたくさんありました。
パネルを使った、この展示もそういう要素がありました。
フランス人の目で見て、面白いと思った日本の住宅の解説と、その家の模型がずらっと並んでいます。
コルビジェの名前が何度も登場する解説の文を読みつつ、こういう特異な家でなくても、コルビジェの建築は日本の現代の建築にどれくらい影響を与えているんだろう、という素朴な疑問がわきました。

少し会場を進むと、今度は映像も加わり、実際、その住宅に住んでいる人の言葉が中心になっています。
確かに、なぜそんな住宅をあえて建てようと思ったのかは知りたいところです。
建築に一家言ある方や芸術関係の仕事をなさっているという感じの方が多い印象ですが、こういう相当特徴のある家でも、住んでしばらく経てばなれるものなんでしょうねえ。
そんなことを思った次第です。

今回の展示の特徴は東京近郊の家が多く、しかも、公共の建物でなく、私的な住宅が多いということでしょうか。
部屋が大きかったり、特異な形をしている住宅はいろんな面で効率が悪いのかもしれませんが、そんなことを無視して建てられている自由さが時代に反していていいですねえ。(ひ)

存星の記憶

2015年06月30日 | 都内のおでかけ
一か月以上間が空いてしまいました。
というか、今日書かないと6月は書かずじまいになるところでした。
今日も昨年11月末に観た美術館の記録から。


存星(ぞんせい)-漆芸の彩り-
五島美術館

この日まず行ったのは五島美術館。
工芸品にはまったく知識を持たない人間ですが、「存星」は非常に印象的でした。
偉そうな言葉なのに、中国から来た非常に貴重な品物という緩い大まかな括りなのがいいじゃないですか。
「存星」という呼び名自体も日本で使ったものだそうですが、その由来はよく分かっていないそうです。
しかし、展示の方は実にしっかりしていて、その緩い「存星」をしっかりと学術的にとらえようとしていました。
日本で「存星」と呼ばれるにふさわしい優品を展示しつつ、どこが素晴らしいのかしっかり解説。
正直、自分ではどこがそんなにすばらしいものなのかさっぱり分かりませんが、何か勉強になった(気がしました)し、展示する側の熱意はひしひしと伝わってきました。
最近、思うのですが、美術展というのは大きな展示でも意外に手作り感というか、作り手の気持ちのようなものが意外にダイレクトに伝わってきます。
良かったなあと思えるものは、細かいところまで目の行き届いた送り手の意志に感動している部分が大きい気がします。

話はいつもながら大きく逸れましたが、「存星」は時代によって、その特徴がずいぶんと変わっているのも興味深いところでした。
ひとりの絵師や作家の存在が謎に包まれているというのは他にも例が多いところですが、この展示に寄れば室町時代から文献に名前の登場する技法(といっていいんでしょうか)の存在がこんなに謎に包まれていて、それでもなぜか残り続けていったというのは不思議です。


企画展「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」
日本科学未来館

その後は、既に感想を書いているチームラボの展示を観に行きました。
大井町線経由で意外に楽な移動でした。
こんなことを言うのもなんですが、チームラボの作品は街中が似合うという気がします。
大きな町でふと大型スクリーンに目をやると独特の世界が展開されているというのがインパクトもありますし。
会場を使ってきっちり展示する意味が感じられるのは子供向けの参加型作品の方だったのかもなあ、という気が今振り返るとしてきます。


最後に展示の告知を。

■□■   旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行   ■□■

会期:2015年7月7日(火)~8月23日(日)
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
   (新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階)
開館時間:午前10時-午後6時(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし7月20日は開館、翌火曜日も開館)
観覧料:一般:1000円(800円)
    大・高校生:600円(500円) ※学生証をご提示ください
    シルバー<65歳以上>:800円 ※年齢のわかる物をご提示ください
    中学生以下:無料  ※生徒手帳をご提示ください
    障害者無料
    ※障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者手帳)のご提示に
     よりご本人とその介護者(1名まで)は無料。
     ただし、被爆者健康手帳をお持ちの方は、ご本人のみ無料。
    ※( )内は20名以上の団体料金 および前売り料金
主催:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、朝日新聞社
公式サイト:http://www.sjnk-museum.org/



損保ジャパン日本興亜美術館の今年の展示ラインナップはすごくいいですね。
夏も手抜きはなく、安野光雅です。(ひ)


谷中安規展

2015年05月20日 | 都内のおでかけ
谷中安規展
10月4日(土)~11月24日(月・祝)
町田市立国際版画美術館
http://taninaka.hanga-museum.jp

覚えていらっしゃる方はいないかもしれませんが、以前書いた六本木アートカレッジからのつづきです。
谷中安規の展示は今日で終わりということで、六本木から町田まで一気に移動しました。
小田急線は千代田線が乗り入れしているので便利といえば便利なんですが、やっぱり遠いですね、町田までは。

谷中安規というと幻想的な作品が多く、文学とのつながりが大きいという漠然としたイメージしかありませんでしたが、今回の展示は年代別にしっかりと紹介してくれていました。
今回の展示を見て印象的だったのは初期の作品。
こんなにグロテスクで暴力的な作品を多く制作していたんですね。
前衛芸術家が多く参加していたマヴォにもかかわりがあったということですが、そうすると村山知義あたりともつきあいがあったんでしょうか。
この時期から谷中作品の独特のユーモラスさ、観ている方の顔がほころんでくるような楽しさはしっかり存在していています。
だからこそだからこそかなりグロテスクな作品も魅力的なんでしょう。
その後、内田百や佐藤春夫といった人たちとも一緒に仕事をした(というか作品の挿絵を描いた)のですが、締切もまもらずどこかにふらっといなくなるような自由人だったようです。

ところでネットで谷中安規について調べているうちに、こんなページに行きつきました。
www.umi-neko.com/neko/taninaka/taninaka.html

放浪生活をしていた谷中の晩年(といっても40歳代ですが)を看取った女性が、やはり版画を手掛けていて、こんな本を出していらっしゃるとは。
ぜひ読んでみたいところですが、今は手に入らないんでしょうねえ。きっと。

と、ここで美術展の告知です。

■□■    特別展 住友グループの企業文化力Ⅲ     ■□■
□■□  「フランス絵画の贈り物-とっておいた名画」   □■□

泉屋博古館というと、日本の美術品の展示が多いイメージですが、意外に印象派の作品もあったりするんですよね、前回の小川千甕展ではギャラリートークが非常に楽しかったので、今回もぜひ聞ければと思っています。(ひ)



会 期:2015年5月30日(土)~8月2日(日)
    ※巡回:泉屋博古館(京都)2015年3月21日(土・祝)~5月17日(日)
会 場:泉屋博古館分館
    〒106-0032 東京都港区六本木1-5-1
    Tel:03-5777-8600(ハロ-ダイヤル)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし、7月20日は開館、翌21日閉館)
入館料:一般 800円(640円)/高大生 500円(400円)
    中学生以下・障害者手帳ご呈示の方は無料
    *20名様以上の団体の方は( )内の割引料金
主 催:公益財団法人泉屋博古館、日本経済新聞社
協 賛:大日本印刷株式会社ホームページ:泉屋博古館


六本木アートカレッジ

2015年04月09日 | 都内のおでかけ
六本木アートカレッジ
●開催日 : 2014年11月24日(月・祝)10:00~18:30(受付開始 9:00)
●会場 : アカデミーヒルズ(六本木ヒルズ森タワー49F)
●主催 : アカデミーヒルズ
http://www.academyhills.com/school/artcollege/2014/index.html

談志まつりの翌日は、六本木アートカレッジに行ってきました。
1日4000円で朝から夕方までの講座を見放題という充実したものでした。
いただいたチケットで観に行ったのと、その後、町田の美術展にも行きたかったので、午前から午後にかけての2つの講座だけ見てきました。

いとうせいこう(作家・クリエーター)
安田 登(能楽師 ワキ方 下掛宝生流)

語る、つなぐ
~記憶のアンテナにふれるとき~

山口 晃(画家)

TOPPAN presents
ここがすごいよ!日本美術!

のふたつ。
前半の講座は能というものが、精神状態のコントロールをする上でいかにすばらしいものかという話(といってしまっていいんだろうか)。
そして、後半の山口晃の日本美術講座は、複数の「洛中洛外図」を見比べながら、絵師の絵の力量、時代の違い、日本画とはどういうものなのか解説していくという講座でした。
後半は川村清雄がいかにすごい画家だったかという話になるはずだったんですが、前半の話が長すぎてたどりつかず。
話の隙間につねに小ネタを入れずにはいられないという感じで話が繰り広げられていたので、多分、設定の倍の時間つづけても最後までいかなかったでしょう。
「ここがすごいよ!日本美術! 」というタイトルに関するつっこみも長かったなあ。
武家出身の絵師は空間把握の方法が普通の絵師と違うという話が特に印象的でした。

講座は時間が決まっているので、講師の傍には時計が置いてあるのですが、それがまったくあっていないらしく、いとうさんも山口さんも困惑していました。
講座終了後、山口晃の本を購入すると、本人からサインをもらえるようになっていたんですが、恐ろしいまでの列ができていました。すごい人気だなあと改めてびっくり。

その後、観に行った町田の美術展の感想はまだ後日書きます。

最後にこれから開かれる美術展の宣伝です。

■□■   ユトリロとヴァラドン-母と子の物語   ■□■
□■□   -スュザンヌ・ヴァラドン生誕150年-   □■□

会期:2015年4月18日(土)~6月28日(日)
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
   (東京都新宿区西新宿1-26-1)
    ユトリロとヴァラドン-母と子の物語
主催:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、日本経済新聞社
観覧料: 一般 1200円(1000円)、 大・高校生 800円(650円)
     シルバー(65歳以上) 1000円 
※( )内は20名以上の団体料金 および前売り料金
※前売り券はチケットぴあ、ローソン、セブンイレブン、ミュージアムカフェ、イープラス、ちけっとぽーとでお求めください(4月4日から6月27日まで販売)
公式サイト: http://www.sjnk-museum.org/

ユトリロが母親からの愛情を得られず苦しんでいたエピソードは以前テレビでも観てきになっていただけに、どんな美術展なのか気になるところです。(ひ)

歌川国貞とCURATORS TV

2015年03月24日 | 都内のおでかけ
またまた久しぶりの更新です。
前回の翌週昨年の11月末に見た展示の話を書きたいと思います。
まずはこちらから。


没後150年記念 歌川国貞 
太田記念美術館

この美術館ではいつものことですが、前期・後期で展示作品がかなり違っていて、私が行ったのは後期の方でした。
有名な国貞ですが、改めて見ると、面白いデザイン(?)の作品が多いという気がしました。
中でも「七代目市川団十郎の暫」、「蚊帳美人図」といった肉筆画が印象的でした。
http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0041980

女性に負けないくらい蚊帳に不思議な色気がありますしね。

この日はこの展示を原宿で見た後、地下鉄で有楽町に移動して、ぐるっとパスを利用して、あいだみつを美術館に行って、夕方から「談志まつり」よみうりホールで見てきました。
すぐ近くのリンガーハットで食事してからと思ったら、いつも割と空いている店が激混み。
公演時間直前に一気に空いたから、同じことを考えて入っていた人が多かったんだろうなあ。

そんな一日だったんですが、ここで話はガラッと変わります。
もうすぐ(というか明日には)締め切りですが、CURATORS TVというサイトでアンケートを行っています。
http://blog.curatorstv.com/2015/02/1curators-tv.html

一年間好きな美術館を無料で見られるという夢のような抽選に惹かれて見てしまったのですが、当選者五組十名は厳しい。
それにしても、一年間好きな美術館に行けるというなら、やっぱり大型企画展の多い国立新美術館か、東京都美術館がいいですねえ。(ひ)

チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地

2014年12月05日 | 都内のおでかけ
チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地
日本科学未来館
平成26年11月29日(土)~平成27年3月1日(日)
 
またしても久しぶりの更新です。
今回は先週の土曜日に見て来た展示の感想を書かせていただきます。
11月29日に始まったばかりの展示ですが、その日の閉館後に開催されたブロガー対象の無料鑑賞会に参加してきました。
昨年、ここで同じような企画があったんですが、今回はとにかく参加者が多かった。
チームラボって人気あるんですね、やっぱり。
東京で大きな展示をやるのは初めて。
それがこの会場というのは少し意外な気がしましたが、展示を見ているうちにこの会場こそ、展示にぴったりかもしれないという気がしてきました。

チームラボはデジタル映像を使った作品で定評のあるアート集団とでもいえばいいのでしょうか。
伊藤若冲の作品を映像化したNirvanaが一番有名かもしれませんが、今回はその作品を含めた映像作品群と、3Dお絵かきタウンという、デジタルで子供が体を動かして遊べるスペースのふたつに分かれた展示が並んでいます。

どの作品も大きくて、目や耳だけでなく、体全体に映像を浴びるという感じの作品が並んでいました。
大きな作品ですが、細かいところまで凝っていて、じっくり見ていると最初は気づかなかった細部がどんどん見えてくるようになっています。
日本の古い絵巻を思わせる「花と屍」という映像作品はタイトルの通り、昔の日本の絵巻がもつようなグロテスクな部分を描いているところもあるのに、作品全体は非常にさわやか。
現代アートと呼ぶにはずいぶん健全だなあ、というところがちょっと個人的には不満に感じる部分でしたが、当然、より多くの人に見せる、しかも、チームラボのような街中に使われる作品には「健全さ」というものが必要とされる時代ですから仕方ないんでしょうね。
個人的にみられる、裏版チームラボ作品なんていうのがあったらいいのに、と勝手に思ってもいます。

日本未来科学館って、遠いのが難点だよなあ、とずっと思っていたんですが、会場前に止まるバスを使うと便利だし、早い。
錦糸町や森下に行くバスがあるから、森下から両国に移動したりすると、意外とぐるっとパスで回るのもべんりだったりするんですね。(ひ)


チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地

フェルディナント・ホドラー展

2014年10月13日 | 都内のおでかけ
日本・スイス国交樹立150周年記念 フェルディナント・ホドラー展
会期:: 2014年10月7 日(火)~2015年1月12日(月・祝)
国立西洋美術館
http://hodler.jp/

久しぶりの更新ですが、つい最近見た展示の感想です。
西洋美術館で始まったばかりのホドラー展です。
今年はスイスのアーティストの展示が多いですが、これもその一環。
いずれもいい展示でしたが、これも興味深いものでした。
過去にこれだけ興味深いアーティストが多いとなると、現代のスイス人アーティストの展示も見てみたくなりますが、それは別の機会に。

7歳で父を亡くし、母の再婚相手に絵の手ほどきを受け、後に放浪生活の中から画家としての大きなステップを踏んでいくという彼の人生自体すごいものですが、作品も非常にユニークでした。
「絵画」と「リズム」というのはなかなか融合しえない要素だと思えるのに、それを自然や人物を描いた作品の中でひとつにしたのがホドラー。
描かれた作品の中に登場する人物はしっかり停止しているのに、その前後の動きが想像できるのが独特でした。
スイスの紙幣にも使われた「木を伐る人」にもそれは強く感じられます。
この作品、以前見た覚えがあったんですが、どうやら大原美術館所蔵のものだったんですね。
http://www.ohara.or.jp/201001/jp/C/C3a23.html

非常に似ているんですが、今回は別の作品。
図録によると、7点の小さな作品と12点の大きな作品があるそうで、こうなったら全部の「木を伐る人」のそろった展示が見てみたい。
彼が非常に大きく影響を受けたルドルフ・シュタイナーによる舞踏芸術、オイリュトミーの英語での名称はユーリズミー。
そう、アニー・レノックスとデイヴ・ステュワートのいたユーリズミックスというグループ名はそこから取っているんですね。
そういえば、シュタイナーという名前は荒俣宏の著作でよみましたよ、大昔に。
そのせいかオカルト関係の怪しい人じゃないかという思い込みがあったんですが、すごい人だったんですね。

人物だけでなく、いかにもスイスの画家という山の絵も数多く見られました。
とはいえ、そんな作品もみんな独特の色遣いが魅力的でした。
自然のものを描いているというのに、その独特の造形と色彩が不思議なリズムを生んでいるんですね。
これはぜひ体験してみてください。(ひ)




ターナー展

2014年09月12日 | 都内のおでかけ
ターナー展
2013年10月8日(火) ~ 12月18日(水)
東京都美術館
http://www.tobikan.jp/exhibition/h25_turner.html

牛の歩みのようにゆっくりと書いているブログですが、ようやく「ターナー展」まできました。
2013年の記録もようやく終わりです。
その間に2014年が終わりかねませんが。
2012年を振り返っての感想の時も書いた気がしますが、一時期に比べると美術館やギャラリーに足を運ぶ回数は減ってきましたが、都内で開催された目玉になる展示は見ることができています。
ぐるっとパスは、いろいろと忙しい時期と重なり、もうひとつたくさん回り切れない感じがしていましたが、この夏はうまく効率的に回れた気がして喜んでいます。
その感想はいつになったら書けるか不明ですけど。

「ターナー展」も例のごとく、展示終盤に見に行ったので、かなり混んでました。
土曜の夕方、6時過ぎに行ったんですが、それでも人は多かった。
大混雑の展示前半は後回しにして、中盤の見やすいところから見て、閉館間際に前半部分を見るという、いつもの回り方で一通りじっくり見られましたが。
個人的には「色彩と雰囲気をめぐる実験」という後半の展示が印象的でした。
そのまま抽象画の作品といっても通じるような色の組み合わせの実験が行われています。
作品のための実験でしかないんでしょうが、独特の色の組み合わせはやはりターナー。
こういうものを見せるのは本人は喜ばないんでしょうけどね。

今回はターナーのイメージにないような、人をはっきりと描いた作品も展示されていましたが、やはりターナーは風景画に限るなあと正直思いました。
人物と風景の完成度の落差が大きすぎるんですよねえ。

それにしても、日本でのターナーって不思議な存在だという気がします。
アーティストとして、というよりも、イギリスの美しい風景を理想通り描いてくれる、ある意味、旅行雑誌の写真的なものとして、彼の絵を見ている人も多いんじゃないでしょうか。
作品を見ながら、自分がイギリスに行った時の感想を話している人も多かった気がします。
イギリスに行けば、ターナーの絵を見る確率も高いですし。
私もイギリスで見たターナー作品を思い出しつつの鑑賞でした。(ひ)

美しき、ブラックリスト展

2014年09月05日 | 都内のおでかけ
美しき、ブラックリスト展  英国D&AD賞50年の軌跡
2013年10月19日(土)~2014年1月19日(日)
アド・ミュージアム東京(入場無料)
http://www.admt.jp/exhibition/program/2013_dandad2013.html

せっかく汐留に行ったので、アド・ミュージアムにも寄ってきました。
汐留付近はパナソニックだけでなく、このアド・ミュージアム、旧新橋停車場鉄道歴史展示室、資生堂ギャラリーも近いので、かなりお得なエリアです。
日曜でなければ、銀座のギャラリーも開いていますし。

アド・ミュージアムでの展示は「ブラックリスト」。
ブラックリストと言われると、マイナスな要素しか浮かびませんが、最高賞「ブラック・ペンシル」のリストということで、褒め言葉なんですね。
ちょっと無理して作った造語ではあるんでしょうが。
ブラック、イエロー、ホワイトと3色の賞があって、ブラックはイエローよりも上で、受賞作がないこともあるくらいのものだそうです。
展示されている作品の中に、おなじみユニクロのユニクロックがありました。
暇なときに見始めると、ボーっとしながらいつまでも見続けてしまうものでしたが、宣伝効果はあるのかなあ?
あれを見たからユニクロに行こうという気には正直ならない。
ユニクロの購買層と違うところに向けた宣伝になっている気がする不思議な存在でした。

受賞作で印象に残ったのはDumb Ways to Dieという鉄道の事故防止キャンペーンのアニメーション。
キャラクターが次々まぬけな死に方をすることで注意を喚起しようというもの。
見ていてちょっとひいてしまうところがあるんですが、それはそれでいいんでしょうね。
歩きスマホに関するアニメもこれから作った方がいいかもしれません。
それにしてもさすがイギリスの賞だけあって、みんな独特のユーモアがあるものばかり。
日本のCMで賞をとれそうなものは少なそうだなあ。(ひ)

生誕120年 宮芳平展―野の花として生くる。

2014年08月10日 | 都内のおでかけ
生誕120年 宮芳平展―野の花として生くる。
平成25年9月15日(日曜)から11月24日(日曜)
練馬区立美術館
https://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/tenrankai/tenrankaikako/tenrankai2013/miya2013.html

昨年11月半ばに見た美術展の感想です。
宮芳平の名前はここで展示を見るまではまったく知りませんでした。
といっても、このとき初めて見たわけでなく、2011年の冬に行った特集展示が最初。
そのときは文展に落選し、理由を聞きに森鴎外を直接訪ねて行ったという事実が非常にインパクトを感じさせました。
森鴎外の生きていた時代までさかのぼらなくても、以前は有名人の個人情報が相当オープンだったことに時々驚くとがあります。
最近、古本市で見たミステリー小説のハンドブックには作家の住所録があって、みんな住所が書かれていたし、近代美術館フィルムセンターで見た資料にはスターの住所がしっかり記されていて、手紙がはがきで質問を送れば、返事をもらえると書かれていたりします。

それにしても、練馬区立美術館は牧野邦夫といい、この宮芳平といい、有名とはいえなくても、一度見ると忘れられない個性をもった画家の企画展をつづけているのがすばらしい。
宮の場合、鴎外のほかにも有名な画家たちとも知り合いだったし、実力も認められていただけに成功する画かとそうでない者との間にはどんな差があるのかと、つい考えたくなります。

職業画家としては成功せず、地方で教職に就きながら細々と絵を続けていた宮芳平。
初期の作品は独特の暗い色彩を持ちながらも、ある意味デザインのようなおしゃれな要素があるのが印象的でした。
「椿」という文展で落とされた作品もシンプルな作品ながらも、全体が朦朧としています。
そこから時間を重ねるにつれ、どんどん宗教的要素が強くなり、ますます濃いタッチのものになっていきます。
すごいなあ、と思いながらも正直、息の詰まる感じもありました。
それだけに同時に展示されていた、明るいシンプルなペン画作品が印象的でした。
http://www.kyuryudo.co.jp/shopdetail/063000000033/

タイトルと絵がすぐに結びつかず、どんな場面を描いているのか不思議なものも多かったんですが、そういえばルオーの作品もそんなことを考えてしまうことがあるなあ。(ひ)