てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

京都画壇の画家と神坂雪佳

2013年05月23日 | 国内のおでかけ
高島屋が扇のかなめ。
京都画壇の画家と神坂雪佳。
美の競演
京都画壇と神坂雪佳
~100年の時を超えて~
京都市美術館・細見美術館コレクションより
横浜高島屋ギャラリー
4月24日~5月6日
http://www.mbs.jp/event/binokyoen/

結構時間が経ちましたがGWに行った横浜での感想も書いていきます。
西武線、東武線で直通で横浜中華街まで行けるようになったことだし、これで横浜まで行くのは楽々だ、と思ったのは間違いでした。
同じことを考える人は多く電車は激混みでした。
驚きなのはとにかく人が降りないこと。
新宿三丁目でも渋谷でもどんどん人が乗るばかり。
横浜で降りたときもまだかなり電車は混雑していたので中華街に行った人が相当多かったんでしょうねえ。
GWという時期が悪かったとはいえ、普段でも新宿三丁目での乗換えが大変なんて記事が新聞にあったから、あんまり利用しない方がいいのかなあ。

そんな思いをしてついた横浜で最初に入ったのは横浜高島屋ギャラリー。
細見美術館の所蔵作品を中心に展示していました。
そういえば、京都に行ったときも高島屋で細見美術館の展示を見た気がします。
展示は神坂雪佳の作品を中心に京都の画壇を紹介するもの。
神坂雪佳のイラスト的な要素もある可愛い絵とは違う魅力をもつ女性作家たちの作品が印象的でした。
結構散らかった自分の部屋で作品の構想を練る姿を描いた伊藤小坡の「夏」は作家のエッセイを読んでいる気分になる、等身大の女性を描いた作品でした。
こうした傾向の作品は細見美術館でなく、京都市美術館所蔵のものが目立ちました。

展示全体を見ると伝統的な琳派の影響を受け継いだ洗練された神坂雪佳の作品は、当時の日本の絵画の流れからすると非常に工芸的だったということがよく分かります。

この展示を見た後は駅を挟んですぐ近くにあるそごうに移動しました。
それにしても、駅の付近はどこもかしこも大混雑で大変だった。(ひ)

NBAプレーオフ

2013年05月22日 | hoop madness
久々にNBAです。
プレーオフはずっと見ているのですが、アトランタも早々に巻けてしまったので一歩退いた感じです。

アトランタはドリューHCを続投するのか、新HCをもってくるのかという決断を迫られていますが、どうなるか全然読めない状態。
今シーズンのこのメンバーでこれ以上の成績を上げるのも難しい話ですからね。
しかも、ほとんどの選手との契約が切れるだけに、どんなチーム構成になるかまったく分からないままHCを決めなければならない。
スタン・ヴァンガンディの名前も挙がっていますが、どうなんでしょう。
FAで大物取りをせず、彼にあう選手を集めるならありかもしれませんが。

WOWOWの放送はとにかくニックスの放送が多かった。
BS1の中継が少なかっただけに余計にそう感じたのかもしれませんが。
ニックスはベテラン選手が結局POで活躍できなかったのが厳しかった気がします。
キッドはずっと不調でしたが、HCとの関係もうまくいっていなかったのかなあ、と思う部分もあります。
JRスミスを来シーズンどうするのか分かりませんがこれ以上大物取りはせず、若手中心でいいんじゃないでしょうか。
シャンパートのディフェンスのよさが一番印象的でした。
彼が大事なところで休んでいたのが痛かった。

シカゴは結局、ローズが復帰せず。
あれだけ練習していて出ないというのはどういうことなんでしょう。
マイアミとの戦いは墨谷二中と青葉学院の戦いのようで、これを見たらシカゴを応援するのが人情というものです。
この戦力でよくがんばったなあ、と思ったものの、このけが人だらけのプレーオフ状態がつづく限りシカゴの黄金期復活はないんだろうなあ、とも思わずにはいられません。

カンファレンス・ファイナルはディフェンス中心の4チームが残ったので相当地味な試合が続きそうです。
とにかく、どこかがマイアミを倒してくれることを願いつつ楽しみたいと思います。(ひ)

ラファエロ展

2013年05月21日 | 都内のおでかけ
ラファエロ
会期:2013年3月2日(土)~6月2日(日)
国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/raffaello2013.html
http://raffaello2013.com/
ということで、この日最後に見たのは「ラファエロ展」。
ぐるっとパス施設は軽く見終わるものが多かったとはいえ、久々に一日5箇所まわりました。
さすがに6時を過ぎると人の数もやや落ち着いてきてゆっくり展示を見ることが出来ました。

ラファエロの作品が約20点で、全体でも約60点という展示作品数でした。
まあ、作品数としては物足りないんですが、混雑する展示はこのくらいがちょうどいいのかなあ、という気がします。
混雑した中、二時間以上かけて見ても集中力が持ちませんしね。
物足りないくらいで見終わって、もう一度じっくり見直す余裕があるのもいいものです。
最近の大型企画展示は大抵そうですが。

とにかくラファエロ自身の作品のすばらしさを堪能しました。
壁画や大きな作品よりも、目の前で美しさを堪能できる肖像画がいいですね。
しかも背景があまり描かれず人物と直接向かい合っているような気分になれる肖像画や聖母像の前に立つとこちらも居住まいを正してしまいます。
後年、背景を黒く塗りつぶされたという聖母像も、そうした気持ちが分かるような気がします。

背景に宗教的、時代的意味合いが含まれて、それを読み解くというのも絵画を見る楽しみかもしれませんが、なんだか作品との直接のつながりを阻害されるような気もします。

それにしても「エゼキエルの幻視」というのは不思議な作品でした。
インパクトがありすぎて、一度見たら忘れられない作品ですが、果たしてこの幻視の意味するところはなんなのでしょう。
それぞれの動物が意味するところがあるのかな。
そして、当時の人々は、この絵を見てどんな感情を抱いたんだろう。
やっぱり謎解きは難しいなあ。(ひ)

国宝 大神社展

2013年05月20日 | 都内のおでかけ
国宝 大神社展
東京国立博物館 平成館 特別展示室
2013年4月9日(火) ~ 2013年6月2日(日)
前期:4月9日(火)~5月6日(月・休)
後期:5月8日(水)~6月2日(日)
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1573
http://daijinja.jp/

金曜日だったので夕方から国立博物館の展示も見てきました。
ラファエロがメインだったのですが、夕方になってもまだ混んでいるので、とりあえず空いている「大神社展」を先に見ることにしました。

全国の神社から国宝級の品々が集まるという、豪華でこの上なく分かりやすい展示なはずなのに、このもやもや感はなんでしょう。
仏像や仏典というものはすっかり見慣れて知識の断片や流れもなんとなく入っているので違和感がないのですが、神社に対する知識が足りなすぎてありがたみが全然分かりませんでした。
仏教系の展示のときにも感じることですが、国立博物館としては宗教に関してはなるべくニュートラルであろうとして、全然深入りしてくれないので、予備知識がある程度ないと、目の前の品々をただ見るだけになってしまうんですよねえ。

古神宝を見ると、神に捧げる大きな服飾・調度・武具類というのが展示されていましたが、こういうものは神を人間に近い造形の、それでいて大きく強い存在であって欲しいという願望なんでしょうか。
衣装の大きさや色にいわれや基準があったりするものなんでしょうか。

第6章に神の姿を描いた神像が並んでいましたが、どう見ても貴族という姿が多い一方で、仏像に影響を受けたんだろうなあ、という像もあるのが印象的でした。
貴族に好まれたものや庶民から好まれたものには違いがあったんでしょうか。

と、知識のない私には? のつく展示品も多かったのですが、後期展示には「春日権現験記絵巻」と「北野天神縁起絵巻巻八」があるというのでもう一度行こうかと思っています。(ひ)





骨より怖いのは~その9 国立科学博物館

2013年05月17日 | ぐるっとパス
江戸人展
平成25年4月9日(火)~6月16日(日)
国立科学博物館
http://www.kahaku.go.jp/event/2013/04edo/

続いては科学博物館に移動しました。
ぐるっとパスの際は普段だと企画展とシアター360のふたつを見るんですが、さすがGW中、シアター360が30分待ちになっていたため、企画展だけ見てきました。
ちなみに国立博物館で高いお金を取るのは特別展で、企画展は常設展示の料金で見ることが出来ます。

「江戸人展」は江戸の人々の骨格や体つきを骨から観察し、服装や暮らしぶりも見ていくという企画展でした。
衣装や写真、絵で江戸の人々を見ていくという後半の展示はあまり科学博物館らしくないもので、骨を使った展示だけだと地味すぎるかも、という配慮から付け加えたものなんでしょうね、きっと。
写真はパネルでの展示でずいぶんとおざなりでした。
こういうものは写真美術館で本物をしっかり見たほうがいい。

面白かったのは科学博物館らしい前半の展示。
士農工商という身分制度のあった江戸時代にはそれぞれの生活の方法にもはっきりした違いがあったわけで、骨の形までずいぶん違ってました。
えらの張り方や顔の長さは当然個人差があるものの、全体的には身分による傾向が出ていたものなんですね。
武士の家の娘と農家の娘では同じくらいの年齢でもずいぶんと違うんですが、ここに肉と皮膚がつくとどんな感じになるか、復元したものが表情がなさすぎてどうもピンとこなかった。
リアルにできすぎていて、どちらもロボットみたいなんだよなあ。
そういえば、平田オリザの芝居に出てるロボットも気持ち悪い。
ああいう芝居を書くセンスっていったいなんなんでしょうね。

人骨がずらっと並んでいることに違和感はなかったんですが、寒気を覚えたのは「試し切り」された骨の展示。
犯罪人が殺された後、刀の試し切りのために体を何度も切られたりしたというんですね。

それにしても、この時代は今と比べて医学が発達していなかっただけでなく、食料事情もよくなかったため、若くしてなくなった人の割合がかなり高かったようです。
江戸時代はすべてをリサイクルしていたんだ、と日本文化を誇る際に言う人もいますが、単に必要に迫られていただけなんでしょう。

面白い企画展なので「明治人展」、「大正人展」と続けて欲しいなあ、ぜひ。
日本の医学の発達や食糧事情の変化はすぐに体格の変化をもたらしたんでしょうか。(ひ)


秘蔵の資料?~その8 下町風俗資料館

2013年05月16日 | ぐるっとパス
藝大の後は少し歩いて下町風俗資料館へ。
奏楽堂は残念ながら休館中。
岩崎邸庭園が代わりにぐるっとパスに入ってくれたりしないものでしょうか。
国立近現代建築資料館のお披露目もかねて。

下町風俗資料館は意外にお客さんが多い施設。
親子連れや外国人の姿が多いのが目立ちます。
上野にきたついでにふらっと寄りたくなるんだろうなあ。
一階では染色工芸の実演が行われていました。
いつものようにおみくじを引いてから二階の展示へ。
関東大震災前後の上野の様子を改めて写真や資料で見てきました。

面白かったのは実はこの施設でいただける「下町風俗資料館号外」という小冊子。
ユニークな記事で目が離せないのですが、今回は「昭和の初めの女性像」という記事が載っています。
昭和12年に発行された「主婦の心得いろは歌」という本が紹介されているのですが、カステラを切るときは包丁を温めろ、とか、かんぴょうは塩もみしろとか、豆知識系があると思えば、姑の小言は良薬のようにあるがたいものだ、とか、遊んでいると病気になるぞ、といったお説教系も入っていて、笑ってしまう。
こんな本が売れたかどうか知りませんが、当時は姑の存在の大きい時代だったんだなあ、と思い知らされます。
NHKに出てくる江古田のおばあちゃんがこんな説教くさかったら、今や非難轟々でしょうね、きっと。(ひ)


幻のコレクション展~その7 東京藝術大学大学美術館

2013年05月15日 | ぐるっとパス
藝大コレクション展―春の名品選―
2013年4月5日(金)- 5月6日(月・祝)
東京藝術大学大学美術館 展示室1
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2013/collection2013sp/collection2013sp_ja.htm

久々に「藝大コレクション展」を見てきました。
ぐるっとパスはどんどん参加施設も増えて改良されているんですが、上野駅周辺施設に限ってはレベルダウンの一途をたどっています。
西洋美術館も国立博物館も常設展でさえ割引のみ。
追加料金なしで入場できる美術展は「藝大コレクション展」のみ。
しかも、これは春限定ですから、時期を逃しやすい。
ということで、しっかりとせっかくのチャンスを逃すまいとGW中に行ってきました。
藝大ではなぜかこの時期が企画展示の狭間でこの展示のみの開催。
しかも、会場は一室のみと結構さびしい感じです。
とはいえ、「藝大コレクション展」ですから展示作品は見るべきものがありました。

「特集展示①都市を描く―移りゆく東京と画家」では小野忠重の作品が展示されていました。
藤牧義夫と一緒に活動していた版画家。
都市化しつつある東京の町並みを力強く描いているのは藤牧義夫と共通しています。
谷中安規の作品を思い起こさせる味わいが感じられる面白いものでしたが、藤牧義夫作品の力強さの方に個人的には惹かれます。
謎が多い藤牧義夫に関する本をせっかく買ったのにまだ呼んでいないことを思い出しました。
せっかく思い出したんだから早く読もう。
どうやら小野忠重が藤牧義夫を殺したんじゃないかという本まであるみたいですね。

「特集展示2 修復記念 小磯良平《彼の休息》」は小磯良平の「自画像」と「彼の休息」の二作品が展示されていました。
どちらも学生時代に描いたもので、作品の修復方法と「彼の休息」を描いたときのエピソードが紹介されています。
モデルになったのは詩人の竹中郁。
ラグビーのユニフォーム姿で練習後疲れきって部屋で休んでいるという趣の作品です。
とはいえ、休んでいる人物はどうにも居心地が悪そうだし、後ろに置かれた画集の大きな「マネ」の名前の作為的な感じが気になります。
有名な「斉唱」もそうですが、彼の作品にはモダンさと不思議な居心地の悪さが感じられて印象に残ります。(ひ)



記憶の底に~その6 ニューオータニ美術館

2013年05月14日 | ぐるっとパス
知られざるプライベートコレクション
ジャパン・ビューティー 描かれた日本美人
ニューオータニ美術館
3月16日~5月26日
http://www.newotani.co.jp/group/museum/exhibition/201303_beauty/index.html

歴史博物館の次にはニューオータニ美術館に移動しました。
どちらも駅から微妙に距離のある施設ですが、複数の路線を使っていけるので便利。
この日は四谷三丁目から赤坂見附まで丸の内線に乗ったわけです。
展示の方はニューオータニらしい格調高い美人画の展示で上村松園、鏑木清方、伊東深水の作品が並んでいましたが、それだけでなく、甲斐庄楠音をはじめとする美人画の枠を超えたグロテスクな雰囲気のある作品も並んでいました。
大正から昭和初期にかけては甲斐庄楠音に限らず、こうした作品が存在していたということなんでしょうね。

その後、横浜の美術館に行ったときにも感じたことですが、いかにも美人画という、理想化された女性の美しさを描く男の画家とは異なり女性画家はごく普通の女性が日常的な風景の中にいる美しさを描くのがうまい。
女性画家が誕生し、洋画の影響も受けて、ここに展示されている明治以降の美人画というのは大きな変化を迎えていた時期だったんでしょうね。

今までまったく知らなかった木谷千種の「化粧」という作品が印象に残りました。
いろんな要素を感じさせる作品で他のものも見てみたくなります。

他の作品にはいくつか、この解説の文章は読んだ記憶があるなあ、というものがありましたが、それはこの美術館で見たんだろうか。
今回の展示は複数のプライベートコレクションを集めたものというから、他の美術館で見ていても不思議はないんですが。
自分の記憶力の衰えが悲しい。(ひ)


もうひとつのエロシェンコ~その5 新宿歴史博物館

2013年05月13日 | ぐるっとパス
中 村 彝 展 -下落合の画室- 
新宿歴史博物館
3月17日(日)~5月12日(日)
新宿歴史博物館 地下1階企画展示室
http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=38785

ぐるっとパスを買うと意外に足を運ぶことが多い新宿歴史博物館。
地味ながらいい企画展示が多いから行きたくなるんですが、今回は「中村 彝 展」という多くの人が気になる堂々たる展示です。
30点と作品数は少ないながら、茨城県立近代美術館、横須賀美術館、国立近代美術館などから集められた作品もある充実した内容になっています。
中村彝の作品をまとめて見た記憶があまりありません。
近代美術館の常設展示の中で小特集を見た記憶があるくらい。
こうやって、まとめて作品を見ると人物画は思っていた以上にルノワールの影響が強い気がしました。
そして、短い期間に作風も変化しているのがよくわかります。
作品の中には彼以外のものもあり、鶴田吾郎の「盲目のエロシェンコ」を見ることができるのは興味深かった。
同じ人物を描いていても、ずいぶん違うものですね。

彼といえば中村屋をすぐ連想するくらい結びつきの強さについては知っていたものの、娘をモデルに複数の作品まで描いているとは知りませんでした。
中村屋に間借りまでしていたそうですが、その後、下落合にアトリエを構え、そのアトリエが今年復元されて記念館になったそうです。
これで新宿区には中村彝アトリエ記念館、佐伯祐三アトリエ記念館、林芙美子記念館と気になる施設が三箇所できたことになります。
どこにも行ってないんですよねえ。
この辺って、徒歩で移動可能なんだろうか。
展示会場に紹介されていた刑部人のアトリエもぜひ見たいと思ったんですが、既に取り壊されているんですね、残念。
刑部人の屋敷は建物も相当ユニークな洋館だったそうですからねえ。

中村彝の作品は茨城県立近代美術館所蔵の作品が多いと思ったら、水戸出身なんですね。
なんとそちらにもアトリエが再現されているようです。(ひ)

静と動~その4 東京国立近代美術館フィルムセンター

2013年05月12日 | ぐるっとパス
映画より映画的!
日本映画 スチル写真の美学
東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(企画展)
2013年4月16日(火)~8月7日(水)
http://www.momat.go.jp/FC/STILLS/index.html

ブリヂストンの後はフィルムセンターへ移動しました。
久しぶりに来てみると、最初の常設展示の雰囲気が少し変わっていました。
映像の多くは同じでしたが、全体に展示物が減って見やすくなったような気がします。
椅子の数が少ないのは相変わらずですが、このくらいで足りるといえば足りるのかな。

企画展示はスチール写真。
映画の宣伝には欠かせないスチール写真は、予告編映像以上に重要なものでありつづけています。
ある意味、本編よりも重要といえる存在なので、作品には登場しない場面をわざわざ用意されることも少なくないようです。
有名な昔の映画、「モダンタイムス」や「市民ケーン」なんかはスチール写真がすぐに目に浮かぶくらいです。
そういえば、そうしたスチール写真を雑誌や本で使うときは、その作品の公開時でないと結構な使用料が必要だと聞きました。
著作権は作品と同じ年数存在するんでしょうか、それとも撮影したカメラマンが基準なんでしょうか、そんなどうでもいいことが気になってしまった。

展示で興味深かったのは、スチール写真に関する対談の文章。
映画関係者がスチール写真にはつまらないものが多いという批判をしているものでした。
こういう熱い議論というのは映画界ならではなんでしょうね。
でも、映画関係者にすぐに気に入られる写真が出来のいいものといえるかどうかは微妙だったりもするんでしょうけど。

最近のスチール写真は有名な写真家が撮ることも多く、単なる映画の宣伝材料ではなく、独立した作品になっていることもあるようです。
川内倫子の「花子」はドキュメンタリー映画の主人公を追いかけた作品ですが、映画の撮影とはまったく別に撮られたものになっています。
http://www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=468

ふたつの作品の競作という感じで興味深いですね、こういうのは。(ひ)