てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

ジョルジュ・ルオー展

2014年07月28日 | 国内のおでかけ
ジョルジュ・ルオー展
2013年10月1日(火)~ 11月17日(日)
千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2013/1001/1001.html

何度なくこれまでに見てきたルオー展ですが、昨年の秋は千葉と東京で同時に展示が行われるという、小さなルオー祭り状態になっていました。
出光美術館、パナソニック汐留ミュージアム、ブリヂストン美術館のルオー作品の充実ぶりは有名ですが、今回の展示は海外からの目玉となるような作品は来ていないものの、日本各地の美術館からいい作品をしっかり集めたものになっています。
最近はこういう、お金はかけないけど、手間はしっかりかけたという感じの展示が多いですね。

千葉市美術館は日本画に強い館長がずっと続いているだけに、こんないいルオー展が開催されるのは意外でもあります。
展示は年代別でなく、サーカス、貧しい人々といったテーマ別に構成されているので、自然と同じテーマで描かれた作品の良しあし、というよりは好みを比べることになりました。
同じピエロでも自分の好きなのはこれだね、やっぱりなんて思ったり、こういう描き方の作品まであったのか、と驚いたり。
個人的にはパナソニックの「聖顔」やブリヂストンの「郊外のキリスト」(今回展示はされてません)がルオー作品の中で特に好きなんだと再確認しました。

この日は常設展示も充実してました。
宮島達男の「地の天」が特に素晴らしかった。
真っ暗な部屋の中にデジタルカウンターだけが光るというのは、他の作品でもおなじみですが、大きなスペースにモノクロに光っている様は美しい星空を見ているようで感動的。
ルオーを見た後に、こんなのを見せられたらたまらないなあ。(ひ)



プーシキン美術館展 フランス絵画300年

2014年01月15日 | 国内のおでかけ
プーシキン美術館展 フランス絵画300年
2013年7月6日(土曜)~9月16日(祝日・月曜)
横浜美術館

これも8月前半に見に行きました。
「Welcome to the Jungle」という展示も見ているので、横浜美術館の企画展を2つ連続で見たことになります。
埼玉から横浜まで電車1本でいけるようになったおかげです。
時間や日をある程度選べば、そんなに電車も混雑しないのもありがたい。
美術館にチラシが置かれるようになった「ヨコハマトリエンナーレ」にも行けそうだな、これなら。

展示のほうですが、作品数は66点と少なめでしたが、内容は非常に充実していました。
これだけの名画がプーシキンに集まるまでの経緯もとても興味深い。
印象派のすばらしさに早くから気づき作品を買って支援していた人物がロシアにいたというのもすごいし、そうしたコレクターたちの財産がすべて没収されてしまったという時代も考え深いものがあります。
そうやって強制的に没収されたからこそ、こうしてまとまった形の展示を見られたりもするわけですが。

17世紀以降の作品を見ることのできる展示でしたが、やはり印象派の作品が目をひきました。

自分を診察してくれた医者へ敬意を込めて描いたのに売り払われてしまったというゴッホらしいエピソードをもつ「医師レーの肖像」
http://www.asahi.com/pushkin2011/topics/AIC201102240020.html

アンリ・ルソーの「詩人に霊感を与えるミューズ」
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/rousseau_poete.html

どちらの作品も相当クセがあるし、モデルに喜ばれなったであろう作品ですが、見れば見るほど面白い。
そして、ロシアのコレクターがわざわざこうした作品を買っているという事実も面白い。
マティスの「カラー、アイリス、ミモザ」も不思議な作品だった。
テーブルと花瓶と花があるシンプルな構成になっているのに、色彩にあふれているし、描かれているものの存在感がすごい。
http://shop.asahi.com/eventplus/7.1/F10189601/

それにしても昨年の夏は暑かったなあ。
そのときのことをこんなに寒くなってから書いているのもなんですけどね。(ひ)



Welcome to the Jungle 熱々!東南アジアの現代美術

2013年06月06日 | 国内のおでかけ
Welcome to the Jungle 熱々!東南アジアの現代美術
2013年4月13日(土曜)~6月16日(日曜)
横浜美術館
http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2013/jungle/

もうひとつ横浜で見てきたのは横浜美術館の展示。
ふたつのデパートの展示はどちらも結構混雑していたのですが、こちらは地味な企画展のためか、GWにしては人が少なめ。
それにしても、GWに横浜に行くのはかなり無謀ですね。
横浜駅周辺はどこもかしこも大混雑。
失礼ですが、こんなつまらないチェーン店まで、と思うようなところまで行列ができていて、お昼を食べるのを断念し、横浜美術館周辺まで移動してきました。
横浜の都心部って、隙間なく大きなビルが町を埋め尽くしている感じで、地元の小さな店というのがすぐに見つからない。
ちゃんと食べるところを調べてくればよかったなあ、と思いつつ、コンビニでおにぎりを食べてすませてしまいました。

美術館の展示の方ですが、東南アジア8ヶ国のアーティストの作品を紹介するというもの。
社会的、政治的メッセージや自国の文化にこだわった作品が多いのは、全体的な傾向なのか、この企画展の選考をした人の好みなのか。
見ているうちに、数年前に近代美術館で開催された沖縄に関する企画展を思い出しました。
立体、映像、絵画とヴァラエティに富んだ作品が展示されていましたが、印象に残ったものの感想を書いておきます。

ティタルビの作品は子供の胸像。
顔や体のいたるところに文字が彫られているのは「耳なし芳一」を連想させて怖い気もしますが、丸みのあるフォルムと両手を広げた姿はかわいらしい。
ところが、両手を広げたポーズは拒絶を意味するんだそうです。
日本なら、もっと前に大きく両手を突き出さないと拒絶にはならないんですが。
イスラム教徒の中でも宗教がそんな微妙な存在だったりもするんだなあ、と意外でした。

PHUNKの大きな作品も印象的でした。
「電力都市(ネオン)」というタイトル通り、「ELECTRICITY」という文字や都市の夜景を思わせる電飾が妖しく光る様子に魅了されました。

全体的には意味性が強すぎる作品が多く、少し残念でした。
立派な主張が込められているのは分かりますが、それを知識としてもっていないと楽しめない作品が多かった気がして。
ここまでメッセージ性の強い作品を取り上げるなら、ひとつの国の展示に絞って詳しく見せるべきだし、こうした入門編的な展示にするなら、もっと分かりやすい作品を増やすべきでしょう。

それにしても、横浜美術館のGWの展示は「コレクション展」まで大胆。
あえてメジャーな作品を外して上田コレクションの現代アートの作品がずらっと並んでいました。
私はうれしかったですが、これで大丈夫なのかな?
松井智惠の「彼女は溶ける」という作品を久しぶりに見ました。
以前感想を書いたら、ご本人からコメントをいただいたのですごく印象に残っているんですが。
今回も何も起こらない映像をじっと見てしまいました。(ひ)

山口晃展 付り澱エンナーレ(つけたりおりエンナーレ)~老若男女ご覧あれ~

2013年06月04日 | 国内のおでかけ
山口晃展 付り澱エンナーレ(つけたりおりエンナーレ)~老若男女ご覧あれ~
そごう美術館
4月20日~5月19日
http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/13/0420_yamaguchi/

しばらく空いてしまいましたが、またGWに見た展示の続きから書いていきます。
高島屋の次に行ったのは駅を挟んですぐの、そごう美術館。
お客さんの年齢が幅広いのが意外でした。
圧倒的に女性ファンが多いのかと思いきや、年配の男性の姿も少なくありませんでした。
もともとそごうに来るお客さんは年齢が高めなんでしょうか。
まさにタイトル通りの客層だったというわけです。

少し前に銀座のギャラリーで見た「Tokio山水」のような、いかにも山口晃という趣江戸と東京が混在したような作品が並ぶ前半、山口晃流現代アートの展開される「山愚痴屋澱エンナーレ」を挟んで、挿絵が数多く紹介される後半に分かれているヴァラエティに富んだ展示になっていました。

今回数多くの挿絵と「山愚痴屋澱エンナーレ」の作品を見て改めて感じたのは、山口晃の作品って、エッセー漫画みたいだということ。
生真面目に作り上げられた作品を自ら揶揄したり、ちょっと作品からずれた緊張感を解く一言がつけられることで、いかにも山口晃(と勝手に見るものが)感じられる、微妙な作品との距離感ができている気がします。
個人的には「山愚痴屋澱エンナーレ」の作品群に興味をひかれました。
アカデミックな「美術」に対する山口晃の屈折した感覚がいい意味でストレートに出ているんじゃないでしょうか。
それにしても、あの大きな音の出る作品はちょっと勘弁して欲しかった。
デパートの美術展の薄い壁には酷な展示だった気がします。
前の部屋の展示を見る気を大分そがれてしまったなあ。(ひ)


京都画壇の画家と神坂雪佳

2013年05月23日 | 国内のおでかけ
高島屋が扇のかなめ。
京都画壇の画家と神坂雪佳。
美の競演
京都画壇と神坂雪佳
~100年の時を超えて~
京都市美術館・細見美術館コレクションより
横浜高島屋ギャラリー
4月24日~5月6日
http://www.mbs.jp/event/binokyoen/

結構時間が経ちましたがGWに行った横浜での感想も書いていきます。
西武線、東武線で直通で横浜中華街まで行けるようになったことだし、これで横浜まで行くのは楽々だ、と思ったのは間違いでした。
同じことを考える人は多く電車は激混みでした。
驚きなのはとにかく人が降りないこと。
新宿三丁目でも渋谷でもどんどん人が乗るばかり。
横浜で降りたときもまだかなり電車は混雑していたので中華街に行った人が相当多かったんでしょうねえ。
GWという時期が悪かったとはいえ、普段でも新宿三丁目での乗換えが大変なんて記事が新聞にあったから、あんまり利用しない方がいいのかなあ。

そんな思いをしてついた横浜で最初に入ったのは横浜高島屋ギャラリー。
細見美術館の所蔵作品を中心に展示していました。
そういえば、京都に行ったときも高島屋で細見美術館の展示を見た気がします。
展示は神坂雪佳の作品を中心に京都の画壇を紹介するもの。
神坂雪佳のイラスト的な要素もある可愛い絵とは違う魅力をもつ女性作家たちの作品が印象的でした。
結構散らかった自分の部屋で作品の構想を練る姿を描いた伊藤小坡の「夏」は作家のエッセイを読んでいる気分になる、等身大の女性を描いた作品でした。
こうした傾向の作品は細見美術館でなく、京都市美術館所蔵のものが目立ちました。

展示全体を見ると伝統的な琳派の影響を受け継いだ洗練された神坂雪佳の作品は、当時の日本の絵画の流れからすると非常に工芸的だったということがよく分かります。

この展示を見た後は駅を挟んですぐ近くにあるそごうに移動しました。
それにしても、駅の付近はどこもかしこも大混雑で大変だった。(ひ)

コニカミノルタ ニコンサロン

2013年02月04日 | 国内のおでかけ
ジム・ブランデンバーグ写真展「A TRIBUTE TO NATURE」
1月20日(金)~1月31日(火)
コニカミノルタプラザ
http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2012january/jim/

「宇宙から見たオーロラ展2012」
1月20日(金)~1月31日(火)
コニカミノルタプラザ
http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2012january/aurora/

新宿で時間があったので、いつもの2箇所に行ってきました。
まずはコニカミノルタプラザから。
たまたま行くと大きな企画展示をやっていることが多く、この日もたくさんのお客さんがいました。
人が多すぎて、オーロラ展は映像のある一角には入れない状態。
高野に寄ったついでという方が多いのかな。
ジム・ブランデンバーグの写真は自然の中の生物を写したもの。
「ナショナル ジオグラフィック」の代表的な写真家と分かって納得。
小さな虫やカエルを撮影するのは大変なんでしょうね。
こういう写真や映像を見ると、色彩が「いかにも」というものになっているのが気になります。
あまりにも原色が強くきらきらしすぎていて、「造った」ものという感じがしてしまうんですよねえ。
自然の美しさに負けない色にしたくなるんでしょうが、もう少し抑え目の色にした方が「リアル」な気がするのは私だけでしょうか。

オーロラの方はJAXA全面協力ということで美しい写真や映像がたっぷり。
なんですが、混雑しすぎて映像はあまり見られませんでした。
宇宙ステーションからもオーロラってはっきり見えるものなんですね。
それにしても、オーロラの映像をわざわざJAXAが撮るというのはどういう意味があるんだろう。

千村 明路写真展
[砂界 ~SHAKAI~]
1/29 (火) ~2/4 (月)
新宿ニコンサロン
http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2013/01_shinjyuku.htm#04

茨城県神栖の海岸を写した作品。
といっても、美しい海を撮影するというのでも、震災後の姿を撮影するというのでもない。
海岸に落ちているゴミや散乱したものを撮影しているんですが、その色彩もあって、非常に美しい。
てっきり、3月11日以降、まだ撤去されていないゴミなんだと思ったんですが、それ以前のものと知ってびっくり。
海が汚れているという問題は、当然それ以前からもずっとあったのに、そんなことをすっかり忘れてしまう。
ゴミを美しいと思うなんて、変な感覚だという気もしますが、実はゴミの写真も自然の生き物の写真もある意味、そんなに変わらないのかもしれないと思えてきました。
人が考えるべきはゴミのほうだし、被写体としてもきっとゴミのほうが面白い。

佐藤 静香写真展
[たくと]
1/29 (火) ~2/4 (月)
新宿ニコンサロン
http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2013/01_bis.htm#05

姉が弟を撮影したもの。
家族を写した作品は「いかにも」というものが多くて苦手なんですが、これはよかった。
撮影されている少年のとまどいが多くの写真が見えるし、一枚一枚顔がずいぶんと違うのがいい。
ふたりの関係がどんな感じかまったく分からないんえすが、ぎくしゃくしたところも結構あるのかなあ、なんて思えるところもいい。
少年の格好悪さがきちんと写っている写真って好きなんですよね。(ひ)



開館30周年記念展 日本の70年代 1968-1982

2012年12月06日 | 国内のおでかけ
Joji Yuasa : "Projection Etcenplastic for pianos" - piano : Yuji and Aki Takahashi

開館30周年記念展 日本の70年代 1968-1982
2012.9.15 [土] - 11.11 [日]
埼玉県立近代美術館
http://momas.jp/exhibitionguide/exhibition/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae70%e5%b9%b4%e4%bb%a3%e5%b1%95-1968-1982/

一ヶ月ほど前に見た展示ですが、感想を書きます。
70年代の日本のサブカルチャーを考える、というかなり窓口の広い展示。
有名アーティストの作品が多いわけではないのですが、相当準備に手間隙がかかっているのが分かる展示でした。
私自身は70年代にはまだ子供だったので、世代的な共感はさほどなく、新しく発見することの方が多い展示でした。

たとえば、こういう展示で嫌というほど取り上げられる「大阪万博」についても、「せんい館」という一風変わった建物について詳しく紹介しています。
http://masudahp.web.fc2.com/expo1970/p-seni02.html

70年代を代表する大イベントに、こんなサイケデリック風な展示があったとは。
会場で聞くことのできる湯浅譲二の曲もすごいし、四谷シモンの「ルネ・マグリットの男」も相当なインパクト。
子供の頃、見ていたら夢でうなされそうです。
http://www.simon-yotsuya.net/profil/seni-kan.htm

西武美術館の展示ポスターがずらっと並んでいるのにも興味を惹かれました。
75年に開館して99年に閉館したという美術館には一度も行ったことがないのですが、子供だった私も広告や野球を通じて「西武の時代」の勢いは感じていました。
今や、当時の勢いの影も形もない状態になって存在しているのが西武のすごさ。
おなじく展示されていた「ぴあ」は雑誌としての使命は終わったものの、チケット販売で効率よく儲ける会社になってしまっているので可愛げがない。
余談ですが、ナディッフが西武と元々つながっていたことを初めて知りました。

雑誌やレコード・ジャケット、70年代のサブカル好き若者の部屋を再現した展示といった、マニアックすぎない内容にしんさがらも、いくつか非常に濃い展示も混じっている、というものでした。
個人的にはもう少しテーマを絞った方が良かった気がしますが、どうなんでしょう。

MOMASコレクションの方も充実してました。
熊谷守一と駒井哲郎の作品をしっかり見られたのがうれしい。
どちらも寄贈作品だそうです。
そんなことを書いていたら石洞美術館でやっている駒井哲郎の企画展も見たくなってきました。
今年度、ぐるっとパスをやるとしたら今かな。(ひ)

中村正義の《顔》展

2012年10月19日 | 国内のおでかけ
中村正義の《顔》展
2012年09月15日~2012年10月14日
川崎市市民ミュージアム
http://www.kawasaki-museum.jp/display/exhibition/exhibition_de.php?id=233

川崎市市民ミュージアムで、この展示もあったので見てきました。
消化不良の展示がふたつ続いたし、特に「スタジオ・アッズーロ展」はあっという間に見終わってしまったし、帰りがたい気分だったので、迷わずチケットを買って入場。
川崎には「中村正義の美術館」もあるんですが、それとはここは別なんですね。
いつかそっちにも行かないと。
会場の広さは「スタジオ・アッズーロ展」の会場と同じくらいでしょうか。
両会場が端にあり、真ん中の無料ギャラリースペースが異様に広い。
有料のところが狭くて、無料のところが広いというのも不思議な話ですが。
無料スペースでは裕次郎に関する展示と写真展が行われていました。

中村正義は練馬区立美術館で見たインパクトのある作品が忘れられませんが、この企画展では「顔シリーズ」に焦点を絞って、自画像や人物画が展示されていました。
彼の作品の中では割とおとなしめの、飄々とした印象を受ける自画像から始まり、油断してみているところにインパクトのある「舞妓」が登場し、最後には地縛霊かと思うような恐ろしい顔の張り付いた作品で度肝を抜かれるようになっている。
いやあ、やっぱり迫力あります。
なんだか、この日のもやもや感がふっとびました。
この展示が600円と料金的には一番安いんですけどね。
会場の出口付近には中村正義をイメージした立体作品が待ち構えています。
http://kondokeisuke.blogspot.jp/2012/09/blog-post_5696.html

作品に使われた色を使っているようですが、不思議な立体作品は確かに顔に見えてくる。
ケースからはみ出ている部分もあったりすると、更に中村正義的な気がしますが。

帰りはバスで武蔵小杉まで出て、南武線、武蔵野線を乗り継いで帰りました。
武蔵小杉駅で藤子・F・不二雄ミュージアムの宣伝の入ったバスを発見。
ここからミュージアム行きのバスが出てるのかな?
それとも宣伝が入っているだけ?
それにしても、川崎の美術館はみんな駅から遠いなあ。(ひ)


スタジオ・アッズーロ展

2012年10月17日 | 国内のおでかけ
泳ぐ人 IL NUOTATORE (va troppo spesso ad Heidelberg)

さわって、ふんで、声かけて!映像神話の現在形 スタジオ・アッズーロ展-KATARIBE- 2012年09月22日~2012年11月04日
川崎市市民ミュージアム
http://www.kawasaki-museum.jp/azzurro/index.html

ということで、こちらも見てきました。
結構近いとは言っても、砧町から成城学園前にバスで出て、小田急線と南武線を乗り継ぎ、武蔵小杉に出て、そこから更にバスで市民ミュージアムに行くということでなかなか大変。
展示に対する期待も相当高まるというものです。
ようやく会場に着くと、午後3時くらいになっていたので、今更ながら遅い昼食。
ミュージアムの中のレストランは意外に値段が安くてビックリ。
しかし、「席を案内するまでお待ちください」という表示があるのに、まったく店員のくる気配がない。
会計の際のベルを押して、呼んでみると、「お好きな席にどうぞ」というつれない返事をしてさっさと奥のほうに消えていく。
メニューや水は店内の一角にまとめて置かれていて、勝手にもっていってくれという、超セルフサービスなシステムらしい。
だったら、あんな表示しなければ、いいのに。
お昼どきだけ店員ももっと多くいるし、ちゃんとしたレストランになるということなんだろうか。
なかなか来ない店員をやっとのことで捕まえて注文しようとすると、メニューのほとんどが終了していることが判明。
遅い時間だから仕方ないとはいえ、相当裏寂れた感じだなあ。
お世辞にもおいしいとはいえないパスタを食べて、早々に店を出ました。

展示会場に行くと、ここもどうやら人が足りないらしい。
ちょっと、ここでは書くことをはばかれるようなミスがありつつ、展示会場内へ。
展示は初台のNTTの企画展を彷彿とさせる感じのものでした。
イタリアやアメリカの人びとのインタビューをインタラクティブなプロジェクションを使って見て行くというもの。
映像にタッチすることで話がスタートしたり、不思議な線画が登場するのはそれなりに面白いんですが、字幕がないので内容はさっぱり分からない。
線画と話の内容がリンクするのかどうかも分からない。
ビデオ映像ではインタビューを字幕つきで流しているんですが、どうやら自分の地元についてのごくパーソナルな話をしているらしく、ちっとも興味がわいてこない。
映像作品がかなり好きな私でも5分と見ていられませんでした。
他にもいくつか作品はあるものの、中途半端感に満ち満ちていてどうしたもんだか、という気持ちにならざるをえません。
会場を入ってすぐに、スタジオ・アッズーロの過去の作品を紹介した本があるんですが、日本語以外のものばかり。
親子連れが多かったけど、みんな楽しめたんだろうか。

展示作品がたった4つと少ないのは会場の狭さから考えて仕方ないんでしょうが、別の作品にしたほうが良かったのでは、と思うものが残念ながら多かった。
それなりに楽しめたのは「泳ぐ人」という、複数並んだモニターに泳いでいる人の姿が映っていくものだけでした。
とにかく、いろんなところで人権費の削減をしすぎです。
この展示だって、NTTくらい、ちゃんと展示内容の説明をしてくれる人が何人かいれば、もっと楽しめるだろうに。
政治家やマスコミはアホみたいに無駄をなくすなんて言っているけど、人間のかなりの部分は無駄でできているのだ。
無駄を効率よく省くなんて無理な話だ。(ひ)




どうぶつ大行進

2012年09月26日 | 国内のおでかけ
吉田 博

夏休み特別企画
どうぶつ大行進
会期 2012年7月14日(土) ~ 9月2日(日)
千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2012/0714/0714.html

展示が終わって一ヶ月近く経つんですが、今更ながら感想を。
夏の常設展示ですが、作品数は約200点と充実していました。
常設展示を企画展示室まで使って見せるとなると、脈役のない特集になるのは仕方のないところですが、動物というゆるい括りでうまくまとめています。
水彩画、油彩画、版画など多岐にわたっているので、自分が面白いと思うものだけじっくり見ればいい、という気楽に楽しめる展示、のはずなんですが、展示された作品に潜む動物たちを全部見つけるとオリジナルグッズをプレゼントという企画をやっていたので、思わずトライしてしまいました。
これが相当に凝っている、というか、マニアックというか、とても普通に作品を鑑賞するついでに、なんて見つけられない代物。
休憩用のテーブルに置かれたヒントを元に目を皿のようにして見てようやくという状態。
動物の少ないスッキリした作品は絵画として見る余裕があるものの、小さな動物が山のようにいる版画だと大変なことに・・・・・・。
自分は美術館でいったい何をしているんだと思いつつも、何とか完成。
問題を作るのも大変だったろうなあ。
ちなみに問題の方は子供向けとおとな向けの2ヴァージョンあるというからすばらしい。
常設展示なので、入館料200円ですからね、公共の施設じゃないと、これだけ手間をかけものなんて作れないでしょう。
それにしても偉い。

200点以上の作品があったので、当然気になったものも多かったのですが、印象に残っているのは吉田博の作品。
このところいろんな美術館で、吉田博の絵画や版画を見て、その幅広さとクオリティの高さに驚いてばかり。
今回見たのはこんな感じの結構リアルな版画作品。

動物園 於ほぼたん あうむ
http://www.sobi2pallas.jp/shin315.html

上野動物園は明治15年にできたそうで、この作品のつくられた大正時代にはアジアゾウがきて人気だったようです。
なぜか吉田博は「あうむ」の版画を描いているんですが、その珍しい造作と色彩を見て版画にしたくなったんでしょうか。

恩地孝四郎の「動物園初秋」もいい感じでした。
初秋だから、今くらいか、もう少し早いくらいの時期でしょうか。
これも上野動物園のようですが、小さく地味にアシカらしき動物の姿が見え、それを見ている親子連れの姿がもう少し大きく描かれている。
画面の多くを占めている木々の葉はまだ緑(単に常緑樹かもしれませんが)。
木の陰は涼しそうだけど、日向はまだまだ暑そう。
親子連れの父親はスーツ姿で母親は和服をきちんと着ている。
今なら、動物園に初秋に行くとき、もっとラフな恰好をするだろうけど、こういう時代は上野に出るなら、やせ我慢してもオシャレな服装をしたんだろうなあ。

などと、いろいろ妄想を膨らませているうちに、2時間ほど、閉館時間近くまでたっぷり楽しませていただきました。(ひ)