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てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

旅の時代、旅の記録~その29 江東区深川江戸資料館

2011年08月01日 | ぐるっとパス
ryuichi sakamoto - 旅の極北

江東区深川江戸資料館
http://www.kcf.or.jp/fukagawa/

行ったのが日曜日だったので、ギャラリーが開いていなかったのが残念。
すぐ近くの無人島もお休みなので、こことすぐ近くの古本屋に寄ってきました。
展示はいつもと変わらず、「江戸庶民のレジャー ~日帰りハイキングと泊まりがけの旅~」という展示も行われていました。
昔の旅といえば、お参りに富士山。
富士○○、○○富士という地名は今も多いわけですが、ご利益があるようなところだから旅に行こうという気になるし、堂々と旅に出られるという訳なんでしょうね。
日帰りだろうが、すぐ近くだろうが、本人が旅と思えば旅な訳ですが、昔の人がどんな旅をしたかよりも、どういう心持ちでなぜ旅に惹かれたか、に興味があります。

江東区にはここを含めて3箇所のぐるっとパス施設があります。
せっかくだから、歩いて3箇所を巡る際のお勧め径路や寄り道する場所なんかを教えてくれる展示があればいいのに。
とはいえ、歩いて中川船番所資料館まで行くのは遠すぎるかな?
http://www.kcf.or.jp/facilities.html


展示を見た後は、江戸の町並みをぼんやり眺めて、次の五百羅漢図に移動しました。(ひ)



0.5歩の距離~その28 東京オペラシティアートギャラリー

2011年07月31日 | ぐるっとパス
ホンマタカシ Takashi Homma Interview

ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー
2011年4月9日[土]─ 6月26日[日]
東京オペラシティアートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/exh129/index.html

刀剣博物館と一緒にここも見てきました。
当然こっちがメインですけど。
「ニュー・ドキュメンタリー」というタイトルに違わぬひとひねりある展示。
広告やファッション誌を舞台にしながらアート的な要素のある作品を作っているホンマタカシならではの、商品と芸術の間を揺れ動くことを楽しんでいるような遊びに満ちていました。

Tokyo and My Daughterという最初の展示からして人をくっている。
子どもの成長の記録を写したと思える一見パーソナルな写真に、いかにも商品という感じのきれいに撮られた写真が入り混じり、どこまでが本当の家族の写真なのか分からなくなる。
奇をてらった構成のようにも思えるが、ドキュメンタリーと言われるものは、映像にしろ文章にしろ写真にしろ、そうした作為と真実が入り交ざらざるをえない。

Mという作品も興味深い。
いくつかの国のマクドナルドが撮られた写真が並んでいる。
といっても、必ずしもマクドナルドは写真の中心になく、風景の一部として存在しているものが多い。
どのマックにも全然行きたくならないような、非コマーシャルな写真。
といって、世界中をマックが支配することを批判しているなんて写真にも思えない。
電柱や信号や車のようにマックは世界中の風景の一部になってしまったのだ。
マックの存在の特異さが浮き彫りになっている。
そのことに比べたら、何を売っているかなんて、微々たることなのだ。

もうひとつ気になった作品をあげるとTogether: Wildlife Corridors in Los Angelesになる。
映像作家のマイク・ミルズと共同で作り上げた作品というかプロジェクト。
ロサンゼルス郊外にすむ野生のマウンテンライオンのために大きな道のすぐ近くにライオン用の道が作られ、そこをライオンが通っているという事実を写真で丁寧に追っている。
とはいえ、ライオンは登場しない。
都市の生活の中に、ひそかに野生の生き物が生息している面白さが堪能できる。
車を走らせている人の多くはまったくしらない異空間がごく普通に存在している面白さといえばいいんでしょうか。
人と自然が共存する、なんてことを簡単にいう人が世の中にはいるけど、実践したら、こんな歪んだことになったりするのだ。
不思議なところだな、アメリカはやっぱり。

どの展示も決して分かりやすくないけど、見ている者に何かを喚起する力がある。
また近いうちに美術館での展示をやって欲しいなあ。(ひ)







企画展示を見逃すな、なんとしても~その27 古代オリエント博物館など

2011年07月30日 | ぐるっとパス
日本刀といえば

「タイムスリップ!古代オリエントの世界」(常設展)
2011年5月28日(土)~7月18日(祝/月)
古代オリエント博物館
http://www.sa.il24.net/~aom/josetsu.html

「栄光のペルシア展」を残念ながら見られず常設展示を見てきました。
常設展示はほとんどいつも通りなので、目新しいものはなし。
気合の入った特別展を見るのがやっぱり正しいようでお客さんの数も相当少なかったです。
今年度の企画展は夏だけなので、今がお勧めと言うことでしょうか。

ぼんやり展示を見てきましたが、やっぱりイランのものが面白い。
常設展示のときは展示は同じでも、解説が毎回変わってくれるといいのになあ、と贅沢ながら思います。

と感想はこのくらいで短すぎるので、もうひとつおまけとして刀剣博物館の話を。
ぐるっとパスに入った施設なので、初台に行ったとき寄ってみたんですが、無料の展示を開催中でした。
なので、寄ったけどぐるっとパスは使わず。
なんともむなしい。

http://www.touken.or.jp/museum/

刀って、博物館でも必ず素通りしているところなんですが、こんな施設もあるんですねえ。
無料だからなのか、意外に観覧している人は多い。
外国人の姿もあったりして、なんだか不思議なところにきたなあ、という感じ。
オペラシティの近くなんですが、公園のすぐ近くの閑静なところ。
ここだと参宮橋からも遠くないのか。
展示されている刀を見れば見るほど良し悪しはわからず。
私にとって、日本一難解な博物館かもしれません。(ひ)





楽器のある音楽~その26 古賀政男音楽博物館

2011年07月29日 | ぐるっとパス
Loudon Wainwright Red Guitar

歌の中の楽器たち
2011年4月1日(金)~2011年7月31日(日)
古賀政男音楽博物館
http://www.koga.or.jp/plan/plan_13.html

意外に多く行っている、この施設。
きっと5,6回は足を運んでいるんじゃないでしょうか。
企画展示に惹かれてというよりは、代々木上原という、千代田線でも小田急線でもオーケーという場所がいいんですね。
古賀春江の作品が見られるというのも魅力かもしれません。
今回の企画は「歌の中の楽器たち」。
タイトルに楽器が出てくる歌をずらっと紹介しています。
企画展示室が狭いのは仕方がないとして、紹介されている音楽を部屋のBGMとして聴くしかないというのが、いつも不満に感じるところ。
今回の展示では演歌、歌謡曲に混じって、意外にもブランキー・ジェット・シティとなんかも違和感たっぷりながら紹介されています。
ぜひ、古賀政男音楽博物館でブランキー・ジェット・シティが流れるのを聞きたいと思いつつも、そのために長時間待つわけにもいかず、展示室をあとにしました。

それにしても、昔の演歌や歌謡曲は楽器の出てくる曲が多い。
昔は、楽器に対する憧れが一般的に今より強かったのか、それとも楽器に馴染みがあったのか。
アコーディオンとかギターとか、流しの演奏にあわせて自分が歌った経験のある人も多かったでしょうし。
駅の近辺で自分の曲をやっている若者がいまだに多いけど、「自分を見て! 」という感じだし。
今の時代、楽器をタイトルにいれると特別に演奏や楽器にこだわりをもつミュージシャンという感じがするのかもしれません。(ひ)


見えないところに~その25 文化学園服飾博物館

2011年07月28日 | ぐるっとパス
14 - The Wedding Present - You Should Always Keep In Touch..

ヨーロピアン・モード ウェディングドレス展
2011年04月13日 ~ 2011年06月11日
文化学園服飾博物館
http://www.bunka.ac.jp/museum/text/konnendo.html

女性の服装とウェディングドレスの時代的な変遷を辿った展示でした。
女性の服装は時代と共に大きく変わっているので相当分かりやすい。
男の着るスーツだといつ頃のものかなんて、私のようなものには全然分からないでしょうけど。

ファッションも各国の植民地政策や戦争によって随分変化したんだなあ、というのが感想です。
それと女性の社会進出が始まると、当然のことながら華やかさだけじゃなくて、機能性の方が重視されるようになる。

それにしても、昔のドレスというのは相当に華美でクラシック。
数十年周期で流行は繰り返すとか言ったりしますが、こんな重そうな装飾の多いドレスが流行ることはないんだろうなあと感じました。
そう思うのは世界各地に不況の波が押し寄せてシンプルにならざるをえない時代だからでしょうか。
先日のロイヤルウェディングさえシンプルでしたし。
ドレスって、時代によって形というかラインも全然違うものなんだと改めて実感。
体の線をなるべく目立たないようにする、というか見せないようにさえしていた時代があるかと思えば、ウエストを思い切り細くしている時代もある。
舞台や映画でも、女性のドレスで時代設定や国まで分かるんだろうなあ、分かる人には。

そして、結婚式での靴に関する言い伝えというのも印象に残りました。
あることをしておくと(それがなんだか忘れてしまったのですが)夫に暴力をふるわれたりしないと言われていたそうです。
結婚するとき、夫の暴力を考えておく必要があるなんて大変ですね。
昔は離婚なんてなかなかできないし、ずっと暴力に耐えながら生活した女性が今よりずっと多かったんでしょう。
きっと、夫の暴力に耐え続け、子育てをした母親が、娘を心配してやっていたんじゃないかと勝手に想像しました。
親子愛だなあ。
靴の中にはお金を入れておくなんて言い伝えもあったと思うし、靴って、西洋人にとって、日本人にない思い入れがあるような気がします。
秘密の隠し場所なのかな。
死ぬまで踊りつつける靴なんていうのも西洋人の発想だよなあ。
ぴったり入ってものを隠せる靴には同時に締め付ける恐怖感もあるんでしょうか。(ひ)

新宿と歴史と~その24 新宿歴史博物館

2011年07月27日 | ぐるっとパス
TOKYO MAP 新宿歴史博物館

堀潔が描いた新宿風景
6月4日(土)~7月10日(日)
新宿歴史博物館
http://www.city.shinjuku.lg.jp/whatsnew/pub/2011/0602-01.html

チラシを見て興味を持ったので見にいきました。
ここは常設展示が有料で企画展示が無料ということが多い。
今回もそのパターンでした。
まずは軽く常設展示を見てから企画展示室へ。

堀潔の作品を数多く寄贈されたようで、今回は水彩画とスケッチを見ることができました。
新宿の町並みを描いたものが多く、時代も多岐にわたっています。
絵はがき大(というか絵葉書そのもの? )の小さな作品に新宿のビルや町並みが丁寧に描かれている。
建築途中のビルの様子を描いた絵は隣に展示されている写真と比べても遜色ないほど、細かいところまで正確に描かれています。
亡くなったのが89年だから、都庁の完成を見ることはありませんでした。
よくも悪くも都庁の移転で新宿(特に西口)は変わりました。
レコード屋やミュージックビデオ屋が数多くあって、妖しくものんびりした独特の空気感のあった町はずいぶん変わってしまいました。
また自分の古い記憶に浸ってしまいましたが、堀潔の作品はまだまだたくさんあるはずなので、別の切り口からの展示を見るのが楽しみです。
それにしても1916年から新宿にいたという堀の作品は本当に歴史ですね。
(ひ)



王子は何を見張るのか~その23 損保ジャパン東郷青児美術館

2011年07月25日 | ぐるっとパス
Ai Weiwei's Sunflower seeds at the Tate 向日葵がいっぱい
「東郷青児とデザイン」展
2011年04月29日 ~ 2011年05月29日
損保ジャパン東郷青児美術館
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/059.html

セガンティーニの展示が後日になったため、急遽行われた展示。
いわゆる所蔵作品展なんですが、今まで行われたものより作品が充実していた気がします。
普段は出さない貴重な作品も、今回は特別にという感じだったんじゃないでしょうか。
収益の全額を寄付するということで、ちょっと後ろめたい気分で、ぐるっとパスの割引を使いました(無料じゃなくてよかった)。

東郷青児には正直今までほとんど興味がなかったんですが、スケッチや下絵は個人的には不必要と思える飾りがなくすごくいい。
失礼な話ですが、絵うまいんだなあ、と思いましたよ。
本の表紙や包装紙といったデザイン作品が多いのも始めて知りました。

それにしても、なぜこの美術館は東郷青児美術館になったんでしょう。
多くの作品を譲り受けたとはいえ、いろいろ候補はあっただろうに。
この美術館というと、やっぱり「ひまわり」と盗作問題と東郷青児(とグランマ・モーゼス)。
もし、3.11にこの美術館にいたら結構怖かっただろうなあ、と森美術館に行ったときと同じことを考えたのでした。
東郷青児以外の作品もいいものが多かったんですが、もらったはずの作品リストがないのでわかりません。
後日、わかり次第、気が向いたら書きたいと思います。(ひ)


そこに映るもの~その22 目黒区美術館

2011年07月20日 | ぐるっとパス
日本の秘密結社

ラファエル前派からウィリアム・モリスへ
同時開催:「藤田嗣治展 人物と動物」(所蔵作品より)
2011年6月4日(土)~2011年7月14日(木)
目黒区美術館
http://mmat.jp/exhibition/archives/ex110604-2

3月11日の影響なんでしょうが、閉館時間が6時ではなく、5時になっていたので結構駆け足で展示を見ました。
美術館に行くのがおおむね午後になってしまう、早起きのできない人間としては美術館の閉館時間は早すぎる。
消費電力って、計画停電にさえなっていなければ、ピーク時以外は神経質になりすぎない方がいいと思うんですが。
職場の近くのドトールまで閉店時間が早まったりして、みんな仕事を早く終わらせるためのいい訳にしてない? という疑問さえわいてきます。
それにしても、美術館って4時半とか、5時とか閉館が早すぎますよ。
平日だって、仕事が終わって食事をしてからゆっくり美術展を楽しむことができたっていいんじゃないでしょうか。

展示の方ですが、常設展示の藤田嗣治をめあてに行きました。
ここは結構、藤田作品を持っているんですよね。
しかも、基本的に目黒区美術館は常設展示を行わないから、非常に貴重な機会。
作品もよく目にする藤田作品とは違うテイストのものも多い。
笠間日動美術館で見たときに近い、自由で動きのある作品が目立ちました。
藤田作品というと乳白色と描かれた女性の美しさが印象に残りますが、筋肉や骨のややごつい描き方というのも見逃せません。

藤田が書いたハガキの展示もありましたが、絵が描かれているうえに細かすぎて読めないくらいたくさんの文字がところ狭しと書かれている。
サービス精神旺盛な人だったんだろう、ということが分かる。

「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」というメインの展示は時間の関係で気になった作品以外はざっと見る感じでした。
ミレイの「めざめ」はやはり印象的。
http://www.salvastyle.org/menu_pre_raphael/view.cgi?id=millais&file=millais_waking00&picture=%96%DA%8Ao%82%DF%81i%8BN%8F%B0%81j&person=%83W%83%87%83%93%81E%83G%83%94%83@%83%8C%83b%83g%81E%83~%83%8C%83C%81i%83~%83%8C%81%5B%81j&comment=&back=millais

普通に目を覚まさしたのではなく、何かの啓示があったのだとしか思えない表情。
ロセッティの「マリゴールド」なんかも同じように意味ありげな視線が描かれています。
この辺りのアーティストは日本で人気がありますが、とにかく妖しげ。
「ラファエル前派」って、「ラファエロ以前兄弟団」と訳した方がいい秘密結社的存在の集団だったそうだし。
こういう宗教性の強い物の表面的な美しさだけをすくい取るのが日本人ならではなのかな。(ひ)




森の境界線~その21 東京都庭園美術館

2011年07月19日 | ぐるっとパス
震災と自然 / 森と芸術

森と芸術
4月16日~7月03日
東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/mori/index.html

かなり大きい括りの企画展ですが、ヴァラエティにとんだ作品を見ることができるいい展示でした。
世の中不景気で「○○○美術館展」という大型企画を安易にできなくなったせいか、こういう地味だけど、切り口の面白さで勝負という展示が増えてきた気がします。
庭園美術館は11月からリニューアルのための休館になるだけにリニューアル後の展示に派手な物はとっておきたいでしょうし(と勝手に想像してます)。

こういう展示の作品の選定は大変だけど、楽しいんでしょうねえ。
「楽園としての森」、「風景画のなかの森」「森のさまざまなイメージ」といった副題ごとにまとめられた展示が並んでいます。
その監修をしているのが巖谷國士。
シュルレアリスムにもっと偏るのかと思いきや、そんなことはありませんでした。
分かりやすく丁寧に書かれた解説を読んでも読み飛ばしたとしても十分楽しめる展示になっています。

アダムとイブの時代から現代に至るまで、私たちにとって森は癒しの場でもあり、疎ましく畏怖を感じさせる自然でもあったのでしょう。
今の日本の杉の木をめぐる問題でも過疎化の問題でも、私たちは森の影響から逃れることはできない訳ですし。
そんなこともぼおんやり考えながら展示を楽しみました。

気になったいくつかの作品の感想を。

○ギュスターヴ・ドレ「赤ずきんちゃん」
狼は後ろ姿ですが、やたら大きくて威圧感がある。
赤ずきんちゃんの方は子供と思えない大人びた表情。

○ルネ・マグリット「再開」  
「再会」ではなくて「再開」なんですね。
植木鉢の中の植物が再び育ち出すということなのでしょうか。
「植木の復讐」というタイトルをつけたくなりました。

○アンリ・ルソー「エデンの園のエヴァ」
ルソーによる南国のようなエデンの園。
こんな湿度の高そうな森なら、蛇のいうことも聞いてしまうかも。(ひ)






静かな変化が~その20 松岡美術館

2011年07月18日 | ぐるっとパス
松岡美術館_0002.wmv

松岡コレクション 西洋絵画の中の人びと    
-ジョン・エヴァレット・ミレイ、ルノワールからシャガールまで-
松岡美術館
2011年4月24日(日)~9月25日(日)
http://www.matsuoka-museum.jp/

ホームページといい、チラシといい、企画展の内容といい、急におしゃれになった松岡美術館。
今まではちょっとマニアックな美術館という印象が強かったんですが、庭園美術館のついでに寄るデートコースにも悪くないかもしれません。
今回の展示もミレイ、ルノワール、シャガールを前面に押し出してますから。
といってもコレクションまで変わったわけではないから、いつもどおりの器や彫刻の展示もちゃんと見ることができます。
そんな展示の中、印象に残ったものをいくつか書いておきます。

○青花鯰藻文輪花盤
ベトナムの器です。
なぜナマズが描かれているのか気になりました。
同じアジアとはいえ、器に描かれる魚や鳥は微妙に違うものですね。
ベトナムのナマズは今も輸出産業になっていると聞いたことがありますが、食べてもおいしい、売ってもおいしい有難いものということでしょうか。
描かれているナマズはどこかユーモラス。
そんな意味で有難いと思われてもナマズ自身にとっては迷惑な話でしょうが。

○アンドレ・ボーシャン 「海岸」
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/201104_2.html

この後、庭園美術館でも見たボーシャンの手によるもの。
海岸というタイトルがついてますが、不思議な造形の岩に目がいってしまいます。
すぐにも動き出しそうな存在感のある岩に比べたら、人はおまけのようです。
妙な立体感もあって、飛び出す絵本を思い出しました。
モーリス・ユトリロの「モンマルトルのキュスティーヌ通り」も人がずいぶんとかわいい。
作品全体もユトリロにしては暗い感じが全然ない。
私は好きな絵だけど、なぜこれを買ったんだろう。

○ ジョン・エヴァレット・ミレイ 「聖テレジアの少女時代」
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/201104_1.html

ミレイの作品もこの後、すぐに見るんですが、その話はまたの機会に。
ミレイの作品はみんな目がすごい。
どうやら聖テレジアが幼いとき家出したときを描いた作品のようです。
その目には確かにただならぬ決意が示されている、ともとれるんですが、そんな事情はしらなくても、一度見ると、どんな背景が隠れているのか考えざるをえない雰囲気が漂っています。
Bunkamuraの展示は混んでいたなあ、と、作品を独り占めできる状態で考えたのでした。(ひ)