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てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

静かなる暁斎~その2 三井記念美術館

2013年05月08日 | ぐるっとパス
河鍋暁斎の能・狂言画
三井記念美術館
4月20日~6月16日
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html

続いて向かったのは三井記念美術館。
この春はここと太田記念美術館、国立能楽堂と三箇所で同時期に河鍋暁斎関連の企画展示が開かれます。
能楽堂は無料で第1~3期まで展示が変わるという太っ腹ぶり。
第1期は見逃してしまいましたが、残りの展示はぜひ見に行きたいと思います。
少なくとも一度くらいは。
国立競技場から近いから、スポーツ博物館と一緒に行く感じかな。
駅からの方向は逆だけど。

暁斎といえば、妖怪や戦の場面を描いた迫力たっぷりの絵を連想しますが、自ら能・狂言に取り組み、そうした作品も数多く残しているんだそうです。
彼が取得した能の免状の展示もありました。
さすが自身が本格的に能・狂言にかかわっていただけに作品もとても正確だったそうですが、今までの暁斎のイメージからは大きく外れた「静」のイメージの作品が多いのは意外でした。

能や狂言の知識がまったくないので、ストーリーの解説を読むだけでとても新鮮。
特に「歌仙」、「蚊相撲」といった舞台は面白そう。
「歌仙」の方は絵馬に描かれた六歌仙が出てきて、宴を開き喧嘩までしてしまう話で、「蚊相撲」の方は蚊の精に翻弄される話で、どちらの絵も暁斎らしい動きが感じられて楽しい。
やっぱり暁斎は「動」のイメージでいってほしいなあ。
当時、派手な暁斎の作品が好きだった人も見ていたんだろうか、こうした作品を。

それにしても、3箇所で同時期に企画展を開催しているのに、それぞれの会場で作品の入れ替えがあるのはすごい。
ここと大田記念美術館の共通券を出してくれるとよかったのに。(ひ)


久々に始めました~その1 ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

2013年05月07日 | ぐるっとパス
日常の美 浜口陽三春コレクション展 ~伊東深水をはじめ 新版画とともに~
2013年2月9日(土)~5月6日(月)
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
http://www.yamasa.com/musee/exhibitions/20130209_0506/

ブログの更新が滞っていましたが、GWは美術館にもたっぷり行きつつ、のんびり過ごさせていただきました。
昨年のGWはいろいろ大変だったので、久しぶりに時間に余裕のあるGWを送った気がします。
正月やお盆休みって、いろいろ用事が入って結構スケジュールがタイトだったりするものですから。

時間の余裕があるついでに調子に乗って、ぐるっとパスを始めました。
昨年度はまったく出来なかったので、2011年の後半以来です。
その間に施設も増えているし、まわり甲斐はありそうだなあ、と思いつつも、数よりも内容を考えつつ、ぜひ見たい施設に絞って見て行きました。

と前置きが長かったですが、最初に見たのはミュゼ浜口陽三。
ここにはぐるっとパスを使わずにきたことがないので久しぶり。
今回の企画展示は新版画の人たちによる美人画が中心。
伊東深水が中心ですが、個人的には笠松紫浪と川瀬巴水の風景画の方が印象に残りました。
新版画は美人画よりも、風景画の美しさに限るなあ、と思っている人間なのでやっぱりそうなります。
まだ江戸時代の香りをわずかに残したモダンな東京がすばらしい。
このGWに見た展示は美人画や版画に関するものがなぜか多かった。
新版画が今、改めて注目されつつあるということでしょうか。
リニューアルされた東京駅にしてもスカイツリーにしても何か古くて新しいという趣があります。(ひ)


撮るか見るか~その34 八王子市夢美術館

2012年01月10日 | ぐるっとパス
土門 拳の古寺巡礼
2011.09.16(金)-2011.11.23(水・祝)
八王子市夢美術館
http://www.domonken-kinenkan.jp/domonken_img/sakuhin/kojijunrei.html

町田まで行ったので、ついでに八王子にも寄りました。
電車に乗って移動する時間は短いんですが、ここも駅から歩くのでトータルの時間は結構かかります。
美術館までの道では陶器市の真っ最中。
ずいぶん前にここで学生プロレスをやっていたことがあったなあ。
やっぱりここも駅から遠いです。

展示は土門拳の写真。
子供の写真と同じくらい有名な古寺の写真です。
会期終盤ということもあって混んでました。
オジサンのお客さんが多いのは結構珍しいかも。
国立博物館もオジサン率は高いけど、こっちの方がやや若い感じ50代から60代の、自分も写真撮ってます、という雰囲気の人が多い。
写真好きな人って自分が撮るという人が多いし、風景や乗り物はオジサンが撮る定番中の定番ですもんね。
自分で写真を撮る人はどうしても自分が撮りたいものしか見に行かないようで、アーティスティックな写真展なんていうのはガラガラ。
それが写真美術館のジレンマなんだろうなあ。
こういう無難な写真展をやれば確実にお客さんは来るんだろうけど・・・・・・。

展示の方ですが、土門拳の苦手な私にも興味深いものでした。
あの、いかにも無垢な子供の写真は嫌なんですが、こちらは好きな寺や大仏をストレートに撮っているところが好感がもてます(偉そうですみません)。
大仏に惚れ込んだり、寺の美しさに参ってしまい必死に撮影していることが解説の文章でも分かりますしね。

個人的に印象に残ったのは平等院鳳凰堂の写真。
あまりにも有名すぎる場所をいかにもという雰囲気で撮影してますが、先日サントリー美術館で見た鳳凰を思い出すと感慨深いものがありました。
こういう写真というのは、やっぱり自分が行ったことがあるところというのが印象に残りますね。
どの写真も、そりゃあ、全うに写してますから。

収蔵展では清原啓子の版画に圧倒されました。
http://www.yumebi.com/perm.html

「驚異の世界」の作品群の中に加えてもおかしくない世界が展開されています。
版画の世界は奥が深いなあ。(ひ)





歩めよ、さらば与えられん~その33 町田市立国際版画美術館

2012年01月09日 | ぐるっとパス
理性の外の知性


版画でつくる―驚異の部屋へようこそ!
2011年10月8日(土)~11月23日(水・祝)
会場
町田市立国際版画美術館
企画展示室第1・第2
http://hanga-museum.jp/exhibition/schedule/2011-11

チベット密教版画 その未知なる世界
会期 2011年9月28日(水)~ 12月23日(金・祝)
常設展示室/入場無料
http://hanga-museum.jp/exhibition/schedule/2011-17

町田の版画美術館に初めて行ってきました。
町田駅から15分ほど歩いたんですが、距離以上に坂道がすごい。
行きはよいよい、という感じで帰りの坂道はなかなかのものです。
この日は市民文学館で「孤愁の詩人・画家 蕗谷虹児」展を一緒に見てきました。
http://www.sawawa.jp/event/201112/-5-2.html

一緒に行くのに都合のいい場所にあるので、あわせて行きたい、というか、一箇所のために、行くには大変過ぎる気がします。

展示の方は充実してました。
市民文学館の感想も少しだけ書いておくと、いかにも大正ロマンという竹久夢二風な絵を描く蕗谷虹児の展示。
本当は画家を目指したかったのに、家庭の事情で挿絵を描かなければ成らなかったという人。
そういう説明を読んだためか、竹久夢二以上に哀愁があるように見えました。
野口雨情や、なんと魯迅からも評価されていたそうで、魯迅は中国で、蕗谷虹児の作品集の出版に関わったんだそうです。

話を版画の方に。
企画展示の「驚異の世界」はまさに博物学の世界。
この世やあの世のすべての怪しげなるものを版画という創作の世界を通じて表現している世界。
やっぱり、という感じでしたが、荒俣宏が関わっていて、本人よる解説映像を楽しむことができました。
印象に残るものだらけの奇妙な世界をすっかり満喫しましたが、なかでも気になったのはノアの箱舟の中を描いた作品ですね、やっぱり。
荒俣先生が大絶賛ということもありますが、当時の人が動物をどう分類し、上等、下等という分け隔てをしていたかがよくわかります。

骸骨や不思議な生き物が描かれた版画はそれぞれ、その時代の風刺や流行、思想などが含まれているものなんでしょうが、今の時代から見ると、そんなものはすべてはぎ落とされ、人間の頭の中の奇妙さが表現されているようでとても興味深い。
まあ、グロテスクなものが多いし、約200点もの作品を見ると相当疲れますけどね。

こういうコアな展示は都心からちょっと行きにくい美術館に多いようで、昨日、行ってきた川崎の岡本太郎美術館でも、これに匹敵する濃いものを展示していました。
そちらの感想はまた後日書きます。
濃い展示を見るには、結構苦労しますね。(ひ)







恵比寿のクレムリン~その32 東京都写真美術館

2012年01月07日 | ぐるっとパス
講談社「モーニング」TVCM

コレクション展「こどもの情景-原風景を求めて」
2011年9月24日 ( 土 ) ~ 12 月4日 ( 日 )
東京都写真美術館
http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-1380.html

年が明けてからなかなか書けませんでした。
風邪をひいたりなんてことはまったくなかったんですが、忙しくてなかなか時間が。
ようやく落ち着いたので、まだ書き終わっていない昨年のぐるっとパスから。
今回は毎度おなじみ写真美術館。
しっかりイベントにも参加してきました。


関羽がやってくる ニャア!ニャア!ニャア!」
http://syabi.com/contents/extra/nya-eyes-event2011_kanu.pdf

モーニングで連載している漫画のほうは見たことはないんですが、写真美術館に置かれている漫画は欠かさずもらっています。
特に、最初の頃の、結構きわどい美術館暴露ネタに笑ってしまいました。
各美術館ともにいろんな手で宣伝するものですねえ、偉い。
私が参加したのは「ウォークラリー」。
上から下まで階段を使って移動しつつ、壁に書かれた文字を見つけて商品をゲット!
と思ったら、ポストカード一枚だったのね、商品は。
ちょっと拍子抜けしましたが、いい運藤になりました。
写美の階段は展示スペースより存在感があります。

そんなことはさておき展示ですが、「こどもの情景」第三弾です。
今までの二回の展示を見て、子どもの写真って分かり安すぎて難しい、とか、ちょっとやそっと捻ったくらいじゃ、ごく当たり前の展示から逃れられない、という感想を持ちましたが、今回は完全にあきらめの境地という感じ。
ストレートに子どものかわいらしさを写す写真が並んでいます。
貧しくても無垢でたくましい子どもの写真にはどうしても、土門拳テイストを感じてしまうんですよねえ。
そこには、どうも子供はこう撮るべき、という偏った見方が存在しているような気がしてしまって。
そういう写真は子供は既に「子供」という記号に変えられてしまい、ひとりひとりの個性もないように見えるのです。

という訳で私のような穿った人間は今ひとつ楽しみきれませんでした。
来年度はもう少し捻ったコレクション展を見られるよう期待します。
今月中にはさっそく企画展示を観に行くつもりなんですが。(ひ)



知れば知るほど~その31 江戸東京たてもの園

2011年12月31日 | ぐるっとパス
武蔵野の歴史と考古学 ー江戸東京たてもの園 収蔵品展ー
10月1日~11月27日
江戸東京たてもの園
http://tatemonoen.jp/index.html

約二年ぶりで行ってきました。
ここは閉館時間が早いので、なかなか寄りにくい。
時間がそれほどあったわけではないので、展示室と一部の建物だけを見てきました。
新しくできた「万徳旅館」が今の見ものなんでしょうが、そこには行かず、西ゾーンの三井八郎右衞門邸、常盤台写真場、前川國男邸、田園調布の家をゆっくりと拝見。

三井八郎右衞門というのは三井家の当主が代々名乗った名前だそうです。
京都から港区、そして、建物園に移築されたというからすごい。
襖や障子の絵は四条円山派の手によるものだとか。
三井記念美術館やここで三井家のすごさの一端は分かるけど、三井家関連の施設はまだまだあって、しかも簡単に中に入れなさそうなものが多いようです。
http://www.mitsuipr.com/about/facility/index.html

「東京三井家いいとこどりツアー」なんていうのを安くやってくれればいいのに。
三井アウトレットパークの初売りの景品にしてくれないかなあ。

もうひとつよかったのは前川國男邸。
何度も来ている印象に残る個性的な建物ですが、建築の展示を見ていくうちに前川國男のすごさがようやく分かってきました。
戦時中ということで廃材も利用して作られたそうですが、とても開放的な作りになっているのが特徴。
日差しがしっかり入る作りにはなっているけど、冬はかなり寒かったんじゃないかな。
そういえば、なぜか、この江戸東京たてもの園は真冬に何度か行っていて、どこの建物もめちゃくちゃ寒かった記憶があります。
寒い季節は避けて、また春になったら行きたいと思います。(ひ)

先取りの後取り~その30 松岡美術館

2011年12月26日 | ぐるっとパス
日本の和美・彩美(わび・さび)
いろどり ・ 古伊万里
遥かなる時代(とき)-物語の絵画
風景を感じる ~秋から冬へ~
2011年10月5日(水)~12月20日(火)
松岡美術館
http://www.matsuoka-museum.jp/

秋らしい展示でした。
特に「風景を感じる ~秋から冬へ~ 」という展示が印象に残りました。
ここに行ったのがまだ紅葉には早い10月中だったためか、庭園美術館や自然植物園で見ることのできなかった秋らしい光景が嬉しかったのかもしれません。
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/201104_3.html

今回の展示では展示室5と展示室6の間の扉が珍しく開放されていて、廊下に出てワンクッション置くことなく、「物語の絵画」と連続してみることができたのもいい印象をもった要因のひとつかもしれません。
古典文学というのがどうも苦手な私の偏見を、風景画が中和してくれ、物語の絵画は風景画に時間の重みを加えてくれるような相乗効果があった気がします。
展示方法ひとつでずいぶん印象が変わるものですね。

作品で印象に残ったのは橋本雅邦 の「鉄拐仙人」。
雅邦の作品はアクの強さが苦手だったりするんですが、この哀愁ある「鉄拐仙人」はすごくいい。
秋の寂しさを先取りできる展示でした。
これを書いている今はもはや真冬ですが。(ひ)



静かに待つ~その29 武蔵野市立吉祥寺美術館

2011年12月22日 | ぐるっとパス
善光寺平アートラインめぐり 【池田満寿夫美術館】

池田満寿夫美術館所蔵  
池田満寿夫展
組み合わされたイメージのなかへ
11/12(土)~12/25(日)
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/

こちらも昨日に引き続き、もうすぐ終了する展示です。
子供の頃、池田満寿夫がテレビに出ているのをずいぶん見た記憶があります。
でも作品は意外に見ていません。
私が美術館に頻繁に行くようになったときには、流行が終わって久しい、いわば忘れられた作家という感じの存在になっているからなんでしょうね。
あの、岡本太郎だって、渋谷に飾られている大作が発見されたり、岡本敏子さんの著作が話題になったりする前は、人気に翳りがあった時期があったように思います。
少なくとも、写真美術館や世田谷美術館での企画展は結構空いていました。
多方面で活躍した池田満寿夫は、彼自身や彼が活躍した時代を振り返るときに一気に注目される気がします。

展示の方ですが、見ているとなんだかすごく懐かしい。
池田満寿夫を見ていたわけではない私ですが、昔はこういうものが氾濫してました、確かに。
本の表紙、イラストなんかに池田満寿夫風の、こうしたテイストの絵が氾濫してました。
ポップアートやシュルレアリスムの影響を受けていることが今なら分かりますが、子どもの頃はまったく異質のものを無造作に組み合わせている暴力的な感じと、色彩の寒々しさに、なんとなく嫌悪感のようなものを感じていました。
自分とは関係のない、大人が楽しむものという距離感もありました。

それが今見ると、ずいぶんポップだし、寒々しい色合いの中に、実は希望や喜びといった肯定的な感情も含まれている気がします。
じっくりといろんな作品を見たくなりました。
同時期に展示のあるパークホテル東京は汐留だからパナソニックからも近いんだなあ。
年明けに行けるかな?(ひ)
 


モノの価値~その28 目黒区美術館

2011年12月21日 | ぐるっとパス
DOMA秋岡芳夫展-モノへの思想と関係のデザイン
会期:2011年10月29日(土)~2011年12月25日(日)
目黒区美術館
http://mmat.jp/exhibition/archives/ex111029
目黒区美術館らしい展示といって、いいんじゃないでしょうか。
感動というより感激しました。
今年一番の感激かもしれません。
秋岡芳夫はひとことで言うと、多方面で活躍したデザイナーということになるんでしょうが、相当に時代を先取りしていた人物です。
50年代にデザイングループを友人たちと立ち上げ大成功を収めながら、高度成長期の「消費」の時代に疑問を感じて小さな産業にシフトチェンジしたというのは驚きでした。
「消費」や「高度成長」が「善」とされていた時代に、こんな冷静な目をもっていた日本人デザイナーがいたんだ、と思うと誇らしい気分になります。
単に「エコ」の問題だけでなく、大量生産を行うと、デザイナーは自由に発想した商品を作れなくなり、労働者も過酷な条件で働かせられなければならない、といったことまで考えていたのもすごい。
アメリカ式の「自由化」を行った末にボロボロになった今の日本でもまだ「消費」を増やして大企業が儲かるようになれば、景気はよくなるという寝言にとりつかれている人がいるというのに。
その後、秋岡芳夫は過疎化した山間の村に行き、間伐材を利用した器を作り、地元で産業化させるための教育システムにまで関与していきます。
外国産の木材が安く入るようになってから、伐採されなくなり災害を起こす原因にまでなっている間伐の問題に80年代に取り組んでいたんですねえ。
これをもっと国単位の規模で進めていれば、いや、今からでも何とかして欲しいと思う素晴らしいアイディアです。
今の時代、民芸の手づくりの味わいが再び求められていますが、こういう「新民芸」とでもいうべき、古くて新しいものが流行って欲しいなあ。
秋岡芳夫は童話も描いていたり、と子どもを対象にした仕事にも取り組んでいて、そのひとつに学研の「科学」の付録があります。
不器用な私も「科学」の付録を組み立てた記憶がありますが、そのデザインを担当していたそうです。
発行部数が大きくなりすぎると画一的になってしまうと考えて、やめてしまったそうですが、この辺もブレがなくてすごいなあ。世の中にはブレずに生きていけるすごい人がいるんですね、時々。
そんなことをいろいろ考えさせられる2011年なのでした。(ひ)

祭りの前に~その27 一葉記念館

2011年12月16日 | ぐるっとパス
樋口一葉の俤  鏑木清方

開館50周年記念特別展「樋口一葉ゆかりの人々」
平成23年9月30日(金曜日)~12月25日(日曜日)
一葉記念館http://www.taitocity.net/taito/ichiyo/ichyo_news/ichiyo_news20110930.html

ここに行くのは久しぶりです。
これで三度目くらいかな。
なかなか池袋経由だと行きにくいところなもので。
北千住経由で出掛けることが時々あるので、そんなときに寄っています。
このときもまさにそうでした。
今回のぐるっとパスはなぜか上野駅周辺の施設にはまったく行かず、上野駅から離れたところばかり行くという初のケース。
上野駅周辺の施設は今やぐるっとパスだと美術館が無料にならないし、企画展も見られないからなんですが。
せめて、国立博物館とか西洋美術館の常設展示だけでも無料になるといいのになあ。

一葉記念館ですが、記念館に入って受付を済ませるとすぐに、「ボランティアガイドはいかがですか? 」と声をかけられました。
そうか、上の階でガイドをしているのか、だったら聞いていこうかな、と思って、「はい」と返事をすると、少し離れたところにいる女性がすくっと立ち上がりました。
なんと、私のために1対1で解説してくれるということだったのです・・・・・・。
ありがたいけど、なんだかプレッシャーを感じるなあ。
にこやかな表情で質問を交えつつ5分ほど一葉についての話をきかせてくれました。
解説は一階の展示だけについてだけだったので、正直ほっとしました。
その後、何人かのガイドの方が他のお客さんに解説をしていたので、どうやら練習を兼ねて、どんどん声を掛けていたみたいです。
その日は日曜だけど雨交じりの天気だったので、思ったほどお客さんがこなくてガイドもなかなかできなかったんでしょうね。
秋の一葉祭ももう少しというときだったから、準備もしておきたかっただろうし。

展示の方は一葉と、彼女に関わった人びとの展示。
以前の展示でも見たものが多かった気がしますが、若くしてなくなってしまった一葉の新資料なんて、そんなにたくさんでてこないだろうから展示を企画するのも大変そうです。
関連作家には半井桃水、斎藤緑雨、馬場孤蝶、大橋乙羽、森鴎外が挙げられていますが、作品を読んだことのあるのは鴎外くらい。
半井桃水は今やすっかり忘れられた流行作家という認識しかないですし、斎藤緑雨も死亡広告で有名な人ということくらいしか分かりません。
斎藤緑雨も30代の若さで亡くなっていたんですね。

ここには台東区循環バスを使ってくることもできるようです。
先日、谷中に新しくできた浮世絵の美術館に行ってきたんですが、他にもいろいろ小さな施設がたくさんあるんですよねえ、上野周辺は。
横山大観も見に行っていないし、旧岩崎邸にはしばらく行っていないなあ。
効率よくいろいろ行けるルートが見つかるといいんですが。(ひ)