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てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

レオナール・フジタ ― ポーラ美術館コレクションを中心に

2014年06月30日 | 都内のおでかけ
レオナール・フジタ
― ポーラ美術館コレクションを中心に
2013/8/10(土)-10/14(月・祝)
Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_fujita/index.html

なんだかよくわからない天気がつづいていますが、今日も美術展の感想を。
昨年、10月に見たフジタの展示です。
先日見に行った「こども展」でもひときわ人気だったフジタですが、彼に関する展示は相変わらず多い。
美術館でも頻繁に展示がありますが、ギャルリーためながでも、よく展示されています。
このときも、確かBunkamuraのギャラリーでも、フジタの展示があったはず。
日本に彼の作品はどのくらいあるんでしょうか。

この展示はポーラ美術館のコレクションが中心。
それに土門拳の撮った写真も展示されています。
http://www.tbs.co.jp/leonardfoujitaten/art/chapter4.html

自分の作品制作の方法を秘密にしていたフジタですが、写真は何度か撮らせています。
清川泰次の撮ったものを成城で見ましたが、清川泰次はこのとき、デッサンの大切さを改めて学んだと記しています。
今回の土門拳の写真から、フジタが「シッカロール」を独特の乳白色を出すために使っていたことが分かったそうですが、偶然ではなく、そういう「ヒント」をわざと残しておくのがフジタという気もしなくもありません。
上の写真なんか、ずいぶんきれいに片付いた部屋で撮ってますからね。
坂口安吾の部屋とはずいぶん違う。


もうひとつの展示の目玉は晩年の子供たちを描いた作品。
改めて、そうした晩年の作品を見ると、数多くの子供たちが描かれているのに、みんなちっとも楽しくなさそうな孤独さをたたえているのが気になりました。
こういう作品を見ていると、自分の子供のころの方がいろんな意味で孤独だったことを思い出します。
大人になると、そういうものとまっすぐ向かい合わなくなるだけなんでしょうが。(ひ)

森秀貴、京子コレクションによる現代版画展

2014年06月17日 | 都内のおでかけ
森秀貴、京子コレクションによる現代版画展
三鷹市美術ギャラリー
前期(9月14日~10月14日): ジョン・ケージ、元永定正、前田常作、草間彌生、靉嘔(Part1)、ナム・ジュン・パイク、横尾忠則、谷川晃一、坂口登
後期(11月23日~12月23日): 池田龍雄、靉嘔(Part2)、彦坂尚嘉、堀浩哉、大浦信行、藤江民、瑛九
http://mitaka.jpn.org/ticket/130914g/

10月の最初の週末に見た三鷹市美術ギャラリーの感想です。
前期・後期と別れる展示を珍しく両方見に行きました。
現代美術の作家による版画の展示ということもあり、はっきり言って空いてました。
とはいえ、有名な作家の作品が多く、刺激的なものが多くて印象的な展示でした。
このコレクションを寄贈した夫妻が版画の仕事を通じて集めた作品ということで、多く仕事を一緒にしていたという靉嘔の作品が多い。
前期・後期両方に展示作品がありましたが、当然版画でも靉嘔の作品はレインボウ。
しかも、春画といっていいようなものもあって、びっくりしました。
レインボウカラーの版画なら、日本の公立美術館でもここまで展示できるんだなあ。
海外で大々的な展示があって、急に日本でも話題になった春画ですが、これから勇気ある美術館が展示していくんでしょうか。

横尾忠則のピカビアやキリコを題材にした作品も印象的でした。
かなり大きい作品で無理やりガラスケースに入れている感じでだったので、よく見えないのが残念でしたが。(ひ)



トスカーナと近代絵画

2014年06月16日 | 都内のおでかけ
フィレンツェ ピッティ宮近代美術館コレクション
トスカーナと近代絵画
も う ひ と つ の ル ネ サ ン ス
2013年9月7日(土)~11月10日(日)
損保ジャパン東郷青児美術館
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index_pitti.html

都民の日の10月1日は企画展が無料になる美術館はほとんどなくなって、この日に見に行きたいと思うのは東郷青児と写真美術館くらい。
今年は写真美術館は秋から休館みたいだから、ここだけかなお得感があるのは。
東京都美術館や現代美術館も無料にできなくても、せめて半額くらいにしてくれないものでしょうか。

昨年の都民の日に見に行ったのがこの展示。
ここは秋にいい展示があるから無料はうれしい。
ピッティ宮近代美術館はメディチ家をはじめとする統治者たちの住居だったところだそうです。
この展示で一番印象に残るものといえば、やはりジョット。
ちひろ美術館や、この東郷青児をはじめとする複数の美術館で見てきたジョット関連作品。
今回は「チマブーエとジョット」という作品が展示されています。
チマブーエというのはジョットの師匠に当たる人。
ジョットが岩に描いた羊の絵を見て、その才能にほれ込んで親を説得に行ったという伝説が残っています。
その後、ジョットはすごい画家になるわけですが、今回の作品に描かれているのがまさに、その羊のシーン。
チマブーエは怠惰にジョットの描く絵を見ている感じで、その驚愕はみてとれませんが……。
作者はガエターノ・サパテッリ。
土の上でなく、岩に描くというのも後のジョットを表しているのでしょうか。

キリコの「南イタリアの歌」もいい作品でした。
キリコらしいシュールな作品であると同時に、柔らかい光に包まれたやさしさも感じられるのが印象的でした。(ひ)




狩野派SAIKO!

2014年06月12日 | 都内のおでかけ
館蔵品展
狩野派SAIKO!
~再興!最高!再考?狩野派再点検~
8月31日~9月29日
板橋区立美術館
http://www.itabashiartmuseum.jp/art-2013/schedule/e2013-03.html

「隠れ家系美術館」と自ら自虐的に名乗っているくらい、たどり着くのが大変な板橋区立美術館の感想です。
成増からだとバスに乗りたくなるし、西高島平からだと徒歩で行けるものの、他の美術館とのハシゴは難しいというやっかいなところに位置しているんですが、年に1、2回は行っている気がします。
ここと府中市美術館は「行けるときに行っておかないと」と思って、中途半端に時間の空いたときに、かえって優先的に行ってしまうんですね。
この日は館蔵展ということで料金は無料。
すごいタイトルの展示ですが、狩野派関連の作品がしっかり並んでいました。
やはり注目は河鍋暁斎。
以前まとめて作品を見る機会があった暁斎ですが、そのときにも見た「骸骨」を今回も見ることができました。
暁斎の骸骨は踊ったり戦ったり忙しいんですが、展示されていた「骸骨図」は全身像(?)を表と裏からそれぞれ描いたものでした。
http://www.sankei-map.com/2013/08/31/hall-built-exhibition-begins-kano-saiko-exhibition-itabashi-art-museum/

緻密に描かれた応挙の骸骨のような迫力はないものの、今にも動き出しそうな雰囲気があります。

作品数は20点ほどと少ないものの暁斎の大胆な作品から、非常に繊細な清原雪信の作品まで堪能できる楽しい展示でした。

この美術館に来ると、隣の公園で成増行きのバスがくる時間を待つことが多いのですが、年に一度くらい公園に現代美術の作品を展示してくれたらいいのに、と思ってしまいます。(ひ)


福田美蘭展

2014年06月06日 | 都内のおでかけ
福田美蘭展
7月23日(火)から9月29日(日)
東京都美術館

まただいぶ間ができてしまいましたが、ルーブル美術館の展示と一緒に見てきた展示の感想を。
正直言ってみる前は同じ会場だからついでに、という軽い気持ちでいたのに、内容はこちらが圧倒的に上。
昨年見た展示のナンバーワンといっていいかもしれません。
とにかく楽しい作品ばかりでした。
絵画や社会的な問題を一歩引いたところからテクニカルに描く様にしびれました。

絵画を対象にした作品では、黒田清輝の有名な「湖畔」をもっと広げてみたどうなるか描いてみたり、レンブラントの自画像にドラえもんが登場してみたりします。
http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=view&id=325

一番おかしかったのは「リンゴとオレンジ」という作品。
セザンヌの絵に美大受験のための添削を行ったら、どういう評価がなされるか実践してくれている。
作品の上に手直しが入り、なぜだめなのかが書かれています。
ずいぶん手厳しく評価されているんですが、いかにも添削に存在しそうな文。
その対象がセザンヌというのもいいですよねえ。
私たちはこの人の歪んだ、独特の色遣いの作品がどうして好きになってしまうんでしょう。
添削って、不思議ですよねえ、それにしても。
セザンヌの横に受験で高得点を取れそうな「リンゴとオレンジ」があったら、さぞかしつまらない絵になっているんでしょう。


「ブッシュ大統領に話しかけるキリスト」という作品も印象的。
こちらは元アメリカ大統領のブッシュとキリストがホワイトハウスで話し合っている場面。
宗教の力も使ってのし上がってきたブッシュが戦いを始めた矛盾を描いているわけですが、同時に宗教というもののもつ恐ろしさも感じられます。
多くの戦いには宗教が絡んでいるわけですしね。

他にも素晴らしい作品が多かったんですが、作者自身の作品解説がとてもよかったのも印象的でした。
単に作品の説明に終わらず、作品を思いついたときの状況や思いがコンパクトに込められている文でした。
現役作家の作品展示のときはぜひこうしてほしいです。

福田美蘭の作品を初めて見たのは世田谷美術館だったことをこの展示を見て気づきました。
バンザイクリフの前で黙とうする天皇皇后両陛下を描いた作品でした。
この作品、あえて未完成なまま終わっているので両陛下はそれらしい姿があるだけ。
それがかえって印象的なんですが、展示をご覧になった皇后陛下はどう思われたんでしょう。(ひ)


ルーヴル美術館展—地中海 四千年のものがたり

2014年05月22日 | 都内のおでかけ
ルーヴル美術館展—地中海 四千年のものがたり
2013年7月20日(土) ~ 9月23日(月・祝)
東京都美術館
企画棟 企画展示室
http://www.tobikan.jp/exhibition/h25_louvre.html

昨年秋の目玉の展示のひとつでしたが、、これも例によって、会期最終盤の9月22日に行ってきました。
さすがに混んでました。
いつものことながら展示前半の小さな作品は人の壁が……。
「全8美術部門が結集」と宣伝されている通り、絵画作品がそれほど多くないのが特徴でしょうか。
正直、絵画作品で大きな目玉になるものはなかった気がします。
普段、絵画作品以外は軽く流すように見てしまう私のようなものにとっては、ちょっと肩すかしの展示だった気がします。
それだけに、見たい作品だけに集中し、じっくりいいものを堪能できた気がしますが。
そんな数少ない絵画作品で一番印象に残ったのはやはり、コローの「ハイディ ギリシャの若い娘」になります。
ハイディはバイロンの詩に登場する娘だそうです。
バイロンといわれても、作品を読んだことはなく、ヘンリー・ジェイムズの「アスパンの恋文」にでてくる伝説の詩人のモデルだったのを思い出すくらい。
それにしても、「ドン・ジュアン」に出てくる女性の娘を描くというチョイスはどうなんだろう。
未完の作品だそうですが、そんな脇役を描いてもみんながわかるほど有名な作品なんだろうか。
コローの作品にしては女性の顔が力強いのも印象的です。

絵画作品以外では「赤像式クラテル:エウロペの略奪」でしょうか。
五反田のルーブルDNPでこういう器を見ていたからですが。
この作品を連想したわけです。
http://www.museumlab.jp/exhibition/10/index.html

そのとき見た戦いを描いたものとは違い、こちらの器はずいぶんと優雅。
といっても、王女エウロペが連れ去られるシーズンを描いています。
なぜこういう器には戦とか略奪といったものが描かれるんでしょう。
戦の前の祝杯を挙げる際に使われたんでしょうか。

それにしても、しつこく書いて申し訳ありませんが、東京都美術館は作品解説の文字が小さく、混んでいると見にくい場所にあるのがすごくストレス。
いい展示が多いんだから、いい加減なんとかならないものだろうか。(ひ)


色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…

2014年05月19日 | 都内のおでかけ
「ブリヂストン美術館コレクション展  色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…」
2013年6月22日(土)-2013年9月18日(水)
ブリヂストン美術館
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/2013/184/

最近、国立美術館のすみわけがずいぶんはっきりしてきたなあ、という印象を強く持ちます。
国立近代美術館や国立西洋美術館は企画展にあまり力を入れず、常設展示で確実にお客を呼ぶことに切り替えた感じがして仕方ありません。
最近は近代美術館は日本の若い作家の作品を結構購入しているんですよねえ。
まあ、大きな企画展は国立新美術館に完全に任せたんでしょう。
あそこは常設展示なしですし。

どうしてそんな話を最初に書いたかといえば、最近、私立美術館が充実したコレクションに甘えず、いい企画展を開こうと模索している印象があるからです。
山種や松岡なんて少し前はずいぶん地味でしたけど。
ブリヂストンの場合、年1回の大きな展示以外も小さな特集を設け、それが結構充実しています。
コレクションが強力なだけに、他の美術館の作品を借りてきても、そちらの印象が残らない、という贅沢な悩みはありますが。
残念ながら、結構空いていることが多いんですけど、この努力がいつか実るといいなあ、と陰ながら応援しています。

タイトルにも登場するルドンとマティスは陰と陽、両極にある作品でおもしろい。
マティスの「ジャズ」は見ているだけで音楽が聞こえてきそうなポップな作品。
それに対して、動きがとまったようなルドンの「夢想(わが友アルマン・クラヴォーの想い出に)」は本の挿絵とは思えない強い意味性を感じさせる。
アルマン・クラヴォーは確か西洋美術館の特集で作品を見ている植物学者。

なんといっても、一番印象深かったのは追悼特集されていたザオ・ウーキーです。
この人の作品こそ、色の美しさが際立っている。
見ていると美しい青の中におぼれそうになります。
色に関する特集で彼の作品が後半に登場するというのはにくい演出でした。(ひ)


特別展「和様の書」

2014年05月17日 | 都内のおでかけ
特別展「和様の書」
平成館 特別展示室 2013年7月13日(土) ~ 2013年9月8日(日)
東京国立博物館
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1602

国立博物館は企画展の派手さ地味さにずいぶんむらがあり、時々びっくりするくらい会場が空いていることがあります。
これはまさにそんな展示。
展示最終日に行ったというのに、実にゆったり見られました。
書は人を選びますよねえ、とはいえ、ここの展示で人垣ができて大変なのは書であることが多い。
みんな歴史上の人物の直筆がみたいんでしょうか。
今の時代は手書きの書類が多いから、後々全然、ありがたいものにはならないんでしょうか。

そんなどうでもいいことを考えつつ、一番気になった作品といえば、やはり「藤原良相邸跡出土墨書土器」です。
少し前に新聞に載っていた貴重な品ですが、展示の前にはまったく人がいませんでした。
最古の「仮名」文字かもしれない歴史を変えるものなのに。
藤原良相という人はいいことをしたから、一度地獄に落ちたのに生き返ることができたという話がある人。
そんな話って、何をきっかけに作られるんだろう。(ひ)



佐藤真生展 _家 HOME _

2014年05月15日 | 都内のおでかけ
佐藤真生展 _家 HOME _
武蔵野市立吉祥寺美術館
2013年07月27日 ~ 2013年09月08日
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/2013/05/home.html

なんだか気候の変化も激しい毎日ですが、週末は順調(?)に美術館に行っています。
などと珍しく時候の挨拶的なことを書いていますが、今日は昨年9月前半に見に行った展示の感想です。
この日もきっと暑かったんだろうなあ、覚えてないけど。
佐藤真生という方の作品を見るのは初めてでしたが、一度見ると忘れられない独特なものばかりでした。
吉祥寺美術館のHPの紹介にあるように、どこか郷愁を感じさせるものばかりですが、そこには日本的なものだけでなく、いろんな国の要素が入り混じっている。
童話や絵本の世界にも近い気がしますが、自分の作り上げた世界から一歩引いた外側から見ているような客観性、というか孤独感があった気がします。
絵画作品にとどまらず立体作品さらにはギターに絵を描いたりもしています。
一番印象に残ったのは大きな襖絵の「白象夏至之譚」でした。
大きいけれども、存在感の薄い白で描かれた大きな象がいるのは広い工場か建築中の施設の中。
私も地方出身ですが、子供のころは周りでずっと工事ばっかりあったような気がします。
公共の古い建物が新しくなる時期だったんでしょうか。
特に夏の日中は外を歩いていると、工事現場で作業している音が響いていた気がします。
この作品からも勝手にそんな音を聞き取ってしまいました。
当然ながら、別にあの工事の音をもう一度聞きたいというわけではないけど、ノスタルジックな気持ちにはなってしまう。
それにしても、不思議と幼いころの記憶が夏のことばかりなのはどうしてなんでしょう。(ひ)



引込線2013

2014年05月12日 | 都内のおでかけ
引込線2013
2013年8月31日~9月23日
旧所沢市立第二学校給食センター
http://hikikomisen.com/2013/artists.html

またまたおよそ一か月振りの更新になってしまいました。
季節外れの以前見た美術展の感想を書いているうちに、ほぼ1年遅れとなってしまいそうです。
がんばって更新します。

二年に一度開かれる所沢ビエンナーレを見に行くのはこれで3度目。
いつの間にか、「引込線」というタイトルになってしまいましたが、今回も場所は元給食センター。
前回は結構有名なアーティストが登場してましたが、今回はかなり地味な内容でした。
最近のこうしたアートイベントは町の活性化の一環として、地元の人の協力とともに開かれるわかりやすいものが多いのに、このイベントは圧倒的に硬派。
駅からかなりの距離があって、バスで来ても最寄りのバス停から結構歩く。
しかも、会場も付近もかなり殺風景。
こちらの画像を見ていただくと、その地味さは一目瞭然。
http://sculptures.design-mania.jp/modules/webphoto/index.php/category/92/

一番印象に残ったのは遠藤利克の「空洞説ー浴槽・身体」という作品。
http://sculptures.design-mania.jp/modules/webphoto/index.php/photo/1830/

この漏れている液体は廃油です。
いやあ、臭かった。
黒々とした様子だけですごいんですが、このただならぬものが漏れている様子は、○号機から漏れ出ている様子を連想せずにはいられません。
今や、具体的にそんな内容をメディアで取り上げると袋叩きにあう時代ですから、現代美術にがんばっていただくしかないですね。
抽象的な作品の強みというものです。
そういう意味では今回の「引込線」はおそろしく2013年の空気感を反映した展示でした。
会場に入ってすぐ見られる前野智彦の「Stage of Uninhabited/island Season-Episode Final」もそう。
http://sculptures.design-mania.jp/modules/webphoto/index.php/photo/1834/

白い鉄のパイプやビーカーといったものが無数に並んで構成されている異様な空間は汚水処理施設。
前回の2011年にこの同じ会場に来た時のことをいろいろと思い出しました。
あの打ちひしがれていた感覚を忘れてはいけませんね、いろんな意味で。(ひ)